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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第164話 一夜の後の一夏<後篇>

<<   作成日時 : 2016/07/02 23:59   >>

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「此度の事。心よりお喜び申し上げます。」
「おめでとうございます。」
 振袖に夏用の被布を着た冬菊達が、祝いの言葉を俺に言った。
 やっぱり冬菊達も、知っていたか。
「俺個人としては、殊更変わっていないけどな。でも、わざわざありがとう。」
 はっきり言って、嬉しいとはあまり言えないが、お祝いの言葉を言いに態々来てくれたのだから礼を言うのが筋だ。
「後ほどお屋敷には、祝いの品を届けさせますのでお受け取りください。」
 そこまでするのか、2人共。
「そうか。ご両親にくれぐれも良しなにお伝え願いたい。」
 それから、少しして2人は帰る。
 はあ…。俺に関係なく、話がデカくなって来たな…。

 その頃、某国企業の本部では幹部会。
 と言っても、プロジェクトグレイを進めていた長と、スコールとエムだけだが。
 今後の方針を、話し合っていた。
「今回のIS学園の臨海学校。静観するのでしょうね。手を出すのは反対よ。」
「心配いらんよ。専用機持ちと言っても、経験の少ない小娘達。学生とは名ばかりの、百戦錬磨の2年を相手にするよりは、遥かに楽だ。」
「百地葉月の事を忘れた訳では、ないでしょうね?現役の、スウェーデン国家代表。加えて、織田信長でさえ手を焼いた、丹波乱波の棟梁百地宗家の直系よ。1年とはいえ、実力はかなりの物だわ。他の専用機持ちにしても、織斑一夏、織斑千冬。それに各国の精鋭でもある教官達が、みっちり鍛えている。既にゴーレムでは相手にならない。ディースにしても、連携されれば堕とされる。事態は楽観視できないわ。さらに、織斑一夏が出てくるだけでも、最悪を通り越しているのよ。彼、まるで、死の淵に立つような戦いを養分にしているようにも感じるわ。その度に蘇り、さらなる強さを手に入れる。イギリスでは、第七世代に進化した上に第五形態よ。対処のしようがないわ。技術部でも、どうしようもないのだから。それに、必ず何か手を打っている。ここにしても、私達では考えもしない先端技術で捜索していると考える方が妥当よ。スペースプレーンを見れば、簡単に解るわ。」
 ポーランドの戦いで生死の境を彷徨っていた一夏は、奇跡的に回復。
 その後、さらに強さを増し、第七世代に進化し、第五形態移行を遂げた白式を己が体の様に駆る。
 しかも、最も進化したと見られる近接戦性能は、一夏の鍛え抜かれた剣技と合わせて亡国企業の兵器を枯れ枝を打ち払うように倒す。
 スコールにしろエムにしろ、戦う事になれば1秒と掛からずに倒されるだろう。
 特にスコールは、千冬との件がある。
 今度相見える様になれば、確実にあの時以上に叩きのめされ捕縛されるだろう。
 エムも同様の運命をたどることは、必定だ。
 故に、静観して技術開発に専念し、この本部を知られないように努めつつ守りを固める。
 これが最善という結論を出した。
「今度は、道は使わん。それに、今度の試作品は今までとは違うぞ。連中もそれなりに手こずろう。それを試すだけだよ。まだやりようはある」
 スコールとエムは幹部ではあるが、亡国企業の頂点にはいない。
 最終的に、この方針に決まった。

 放課後。
 専用機持ち達のトレーニングが、終わった後。
 生徒会のメンバー、千冬を始めとする武装教官に、ラウラ、ラシェル、シルヴィ、それに葉月を加えて会議が開かれていた。
「というわけで、今回臨海学校に参加する専用機持ち達の母国からIS委員会に依頼があり、織斑が空中艦隊の一部を率いて警護に当たる事となった。警護にはボーデヴィッヒがつく。去年に比べれば少ないとはいえ、今年も6人の専用機持ちが参加する。ボーデヴィッヒ。油断するなよ。」
「はっ!」
 ちなみに、ラウラは今までの実績から中佐に昇進している。
「尚、武装教官からは新たに山田先生も加わる。楯無は、そのサポートを頼む。」
「了解しました。」

 おい。ちょっとそれまずくないか?
 前ブリュンヒルデのヘンリエッテに千冬姉が残るとはいえ、陣容が明らかに薄くなる。
 臨海学校に戦力を引き付けて、他の場所を襲撃しISを奪うというのも考えられる。
 要するに、臨海学校襲撃を陽動作戦にしての、IS強奪作戦だ。
 亡国企業が所有しているISは、1機のみ。
 デカブツはともかく、ゴーレムやディースじゃもう刃が立たないのは向こうだってよく解っている筈だ。
 となれば、可能な限りISを強奪する。
 その為には、どこかに戦力を集中させる必要がある。
 臨海学校には、日本、アメリカ、イスラエル、オーストラリア、フィンランド、スウェーデンの最新技術が投入された追加兵装パッケージも運ばれる。
 今度、臨海学校の警備に関しての会議が、警視庁、警察庁、防衛省、外務省、公安部、公安調査庁、IS委員会特別調査局等から諜報関係の組織に実戦部隊から関係者が出席して改めて警備に関する会議が開かれる。
 あまり大規模にせず、それでいて、効果的な警備か…。
 難しいったらないよ…。
 俺の艦隊からは、出す艦艇を決めてるけど、他は調整が大変だろうな。
 いずれにせよ。
 襲撃の恐れのある場所は、ガードを固め続けるこれが大前提だろう。
「尚。山田先生が抜けた分は、IS委員会から専用機持ちが派遣される。」
 千冬姉が手を打っておいたか。
 さすがだな。
 となると、あとは他の部隊か…。

「一夏君。」
 1人で考え事がしたかったので、生徒会室にいた俺を山田先生が訪ねてくる。
「ああ。山田先生。どうなさったんですか。」
「織斑君こそ…。ああ。部隊展開についてですか…。」
 空中投影ディスプレイを見て、山田先生は俺が何を考えているかをすぐに理解する。
「臨海学校への襲撃が陽動の確率がある以上、あまり部隊は投入できません。こちらからも艦隊の一部と、IS、無人機、G−TMA部隊も可能な限り投入しますが、他は厳しいですね。地方護衛隊の重装備艦艇でも、難しいですから…。」
 横須賀の第一護衛艦隊を考えたが、臨海学校は横須賀から離れているのでボツ。
 個人的に保険を掛けているから、それに期待するか。
 当日には、着いてるだろう。
 それで、踏ん張るか…。
 後詰の第四護衛艦隊も、今は動かすわけには行かない。
 スコードロン1個分はあれも完成しているし、オートクチュールもある。
 確か、ラウラの方はドイツからパッケージを送ってきたっていうし、楯無さんも、何か来たらしい。
 それで、何とかするか。
 そう考えていると、山田先生が俺を胸元に優しく抱きしめる。
 ちょっと先生、人に見られたらって。鍵締めてるのか。
 それに、対防諜モードも設定してるし。

「大丈夫。私がいる。今の白菊なら、私は全力を発揮できる。何かあっても、一夏君にだけ負担を掛けさせるような事はしないわ…。」
 そう言いながら、ブラウスのボタンを外しフロントホックのブラジャーのホックを外す。
 箒や束さんには劣るけど、大きくて柔らかそうな胸が俺の目に映る。
 そして、俺にキスをすると胸元に抱きしめる。
「一夏君。愛しているわ。世界中の誰より、あなたを愛してる。だから、必ず力になる。見ていて…。」
 そう言って、服装をちゃんとすると再びキスをして、「じゃあ。」と言って、生徒会室を出る。
 何ちゅうことを、するかな…。
 っと。帰る時間か。
 祝いの品を見に行くために、特別に帰宅が許可されていた。

「お帰りなさいませ。旦那様。」
「「「おかえりなさいませ。」」」
「祝いの品は応接室に。」
「ありがとう。」
 すぐに見て、帰らないと。
 食べ物があったら、冷蔵庫に入れないとな。

 祝いの品は、刀と脇差が一振りずつ。
 それに、ヴィンテージワインと最高級のワイングラス。
 冬菊が、黒羽二重五つ紋付、落ち着いた色合いの色紋付。
 それに浴衣。
 輪島塗の最高級の漆器。
 見目鮮やかな扇。
 菫は、シルクハットに、オーダーメイドのステッキにスワローテイル、懐中時計。
 それに、ある程度畏まったパーティー用のスーツ、若干フォーマルよりのカジュアルスーツにそれぞれにあわせた靴に時計。
 マイセンのティーセットに、アンティークの置時計。
 高級万年筆を始めとした、筆記用具。
 刀は、冬菊が福岡一文字則宗。
 菫が、和泉守兼定。
 最上大業物14工の1人である兼定。
 現存数は極めて少ない、福岡一文字則宗。
 どこから、手に入れたんだか…。
 まあ、持っている人は持っているけど。
 蔵の中にでもあったのか?
 とてつもなく受け取りづらいけど、返すわけにもいかない。
 何か贈り物を添えて、お礼の手紙を書こう。

 学園に戻った俺は、今まで判明した道から侵攻ルートごとに戦術を考えていた。
 基本的には、衛星による監視でルートを割出し、早期警戒管制機で監視しつつ情報収集。
 事と次第によっては、P−1で対潜爆弾と対潜魚雷をたらふくプレゼントしてやるか。
 海底の地形、変わるかもしれないけど。
 事と次第に寄っては、P−8を出してもらうよう、在日米軍基地に掛け合うかな。
 向こうにしても、自国の最新鋭装備をISごとぶんどられるのは堪らないだろう。
 量産艦には、あれを積む。
 結構役に立つはずだ。
 今回は、オートクチュールも使う。
 ちょっかいを掛けてきたら、叩き潰して技術力の差と攻めてくる無謀さを骨の髄まで教育してやる。
 これでいこう。
 この際だ。
 さらに、仕掛けをするか。
 うまくいけば、奴らの中枢も判明する。
 そのまま、極秘裏に戦力を編成。
 圧倒的な戦力で奇襲をかけて、ゲームセット。
 奴らを、消し去る。
 それで。終わり。

 俺が改めて今後の事を考えていると、ドアを叩く音が聞こえる。
「どうぞ。」
 入ってきたのは、簪だった。
「どうした?」
「うん…。一夏の顔が、見たくなって…。臨海学校のこと?」
 ロックされた端末を見て、簪は俺が何をしていたのか察しがついたみたいだ。
「まあな。何が起こらないとも限らない。こっちは、いろいろ備えておかないとな。俺も、オートクチュールを持っていくし。」
「そうか。そうだよね…。」
 簪は打鉄弐式が完成していなかった事から、臨海学校は休んでいた。
 今は完成して改修もしているけど、行くのかな?
「ま、俺は艦から警戒の指揮を執るのが、仕事。何とか、手を出しても無駄だと思ってくれることを祈るよ。その方が、1年生にとってもいいだろう。」
 ディースが出てくると、蘭達じゃまだマズい。
 だから、こっちで防衛線を敷いて叩き潰す事になる。
 とはいえ、来れば当然心理的に不安になるだろう。
 来て欲しくはない。
 俺にしても、部下にクソ暑い中海で遊んでいるのを守らせるなんてある意味拷問じみたのは嫌だし。
 にしても、暑い…。
 温暖化、また進んでる気がするしな…。
 先週、環境保護団体の代表が、地球温暖化防止の為に何か考えて欲しいとか依頼が来たけど、マジで検討しよう。
 下手すれば、溶ける。

「結婚…、するの…?」
 それ、聞きに来た訳か…。
 来そうな気がしたけどさ。
「第2項の対象になっても、「じゃあ、結婚しよう。」とはならないよ。そんなに安直にしないで、本当に心に定まった。一生、共に生きていきたい人と、結婚する。古い考え方かもしれないけど、俺にとってはそういうもんだよ。」
 いい加減な気持ちで結婚して、すぐに離婚すれば祝ってくれた人にも失礼だ。
 それも、よく考えるべきだと俺は思う。
 すると、簪は俺に抱きついて唇を重ねる。
 おい…。
「じゃあ。一生、共に生きていきたい人が見つかったら…、する…?」
 そう言って、潤んだ大きな瞳で俺を見上げてくる。
 なんか、女子がこの手の話題に敏感になってきた…。
 いい兆候じゃないな…。
 俺にとっては。
「するとしたら。っていう話だよ。それに、気持ちだけじゃ結婚はできないぞ。」
 とりあえず、話をそらそうとする。
 この手の話題は、今の俺にとっては勘弁願いたい。
「でも、できるよ…。校則には学生結婚を禁止するような物は、なかったし…。一夏なら…。」
 そう言って、自分の部屋に戻って行った。
 はあ…。
 溜息をついていると、端末に連絡が入った。
 委員会からの、連絡どおりか。
 出たのは、防衛大臣と在日米軍司令官。
 臨海学校における警備体制の、最終的な確認だった。
 こういう時は、ありがたいな…。
 協議の結果。
 哨戒機やUAV。
 航空隊も加わっての警戒を行う事が、決まった。
 ISは基本的には、メガフロートで待機。
 防衛に専念。
 第1護衛艦隊と第7艦隊から、何隻か出すことになった。
 今、防衛省では、津軽海峡周辺のどこかに予備戦力的な部隊を置く事が議論されている。
 どの程度か知らないけどな。
 IS関連の特許諸々で、不況から立ち直った日本は上から下まで製造業が新技術を開発し製品にしたり、海外からの技術使用料で利益を上げて、経済は活況を呈している。
 その結果、西側諸国からはさらに集団安全保障において重要な役割を果たすよう求められている。
 部隊の拡充も、求められた原因の一つだろう。
 各省合同で、綿密なシミュレーションをした結果、不況になって防衛費が減っても大丈夫な水準まで、まずは部隊をさらに拡充。
 その後、さらに考慮することになっている。
 各国の軍需産業は、自社兵器を売り込みに掛かっている。
 やれやれだぜ。
 その後、学園の最終的な確認の意味の会議をして、俺はベッドに入った。

後書き
臨海学校も間もなくなので、対策会議もいよいよ大詰め。
武装教官達から、新たに真耶が加わり、楯無がサポートにつきます。
貫けた穴を埋めるのは、IS委員会から派遣されてくる専用機持ち。
一夏の負担を少しでも軽くしようと、千冬が手を打ちます。
一夏の方も、海自と在日米軍との協議で、手を打ちます。
嘗ての専用機白菊を改修してもらった真耶は、必ず一夏の力になる事を想いと共に伝えます。
亡国企業は性懲りも無く、何かをする模様。
臨海学校、さてどうなりますか。


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