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zoom RSS ガールズ&パンツァー 二次創作 第14話 「2強決定です!」

<<   作成日時 : 2016/06/21 00:45   >>

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『ダージリンさんのシナリオ通りに、事は進んでいる。このまま試合が進むかどうか。それで決まる。』
 ダージリンの策にまんまと嵌った黒森峰は、包囲され不利な状態になっていた。
 フラッグ車であるまほのティーガーが、コメットを1両撃破するが、黒森峰もパンターが1両撃破される。
 黒森峰は既にヤークトパンター2両、エレファント1両、パンター1両の、計4両が撃破され、残り11両。
 聖グロリアーナはコメット2両が撃破され、残り13両。
 2両の差だが、これが勝負の明暗を分けるのは、珍しくもない。
 まほは、各車に指示をだし守りを固めつつ攻撃を行い、聖グロリアーナにこれ以上の優勢を許さない。

『さすがにまほさん。まだ、あきらめていないのね。みほさんと戦う前に、あまりこちらの手の内は見せたくないのだけれど、場合によっては仕方ないわね…。』
 包囲しても、秩序を保ち、守りを固め反撃してくる黒森峰を見て、ダージリンは考えていた戦術の中で、未だ見せていないものを見せるのもやむなしと考えていた。

「全車、パンツァーカイル。ケーニヒス・ティーガー、エレファントを最前列に。残りのパンターは側面及び後方を固めろ。」
 まほは、包囲網を突破するために、パンツァーカイルを組む。

「ここ。よろしいかしら?」
「はい。…!お母さん。」
 みほの目の前には、母であるしほがいた。

「この方が、西住殿のお母様にして、現西住流師範の方ですか!?」
「えっ?本当!?」
「まあ…。」
 しほを見て、優花里を始め、皆が驚く。
「初めまして、母のしほと申します。みほのお友達の方々ですね。娘がいつもお世話になっております。」
「いえ!こちらが、お世話になりっぱなしであります!」
 優花里はしほを前にして、すっかり緊張していた。

「それで、どう見るの?この試合の行方。」
「まだ解りません。包囲網を敷いた時点では、聖グロリアーナが優勢です。包囲戦と消耗戦を同時に仕掛けられて、全滅しかありませんから。けれど、体勢を立て直す手はあります。」
「そうね。問題は、聖グロリアーナが、それを計算に入れているかね。隊長の、ダージリンさんと言ったかしら。あなたから学んで自分の物にして、新しい戦術を組み立てている。まほといえども、危ないわね。」
 しほは、静かに試合を見ていた。
『でも、地形を利用すれば、もう一つ手がないわけじゃない。姉さんが、それを実行すれば、勝負は解らなくなる。』

黒森峰はパンツァーカイルを組んで、突撃すると、聖グロリアーナの包囲網が破れる。
「各車展開。敵を背後より、再び包囲します。」
「全速で前進しつつ、後方部隊は、砲塔を旋回。砲撃で相手を牽制。まもなく森を抜ける。左右から挟撃して、戦力を削る。」
 地図を見ながら、まほは指示を出すが、一抹の不安があった。

「やはりそう来ましたわね。全車、予定通りに。トータスが木を倒した時が合図です。」
 ある程度距離が離れると、トータスの32ポンド砲が木をなぎ倒し、舞い上がった雪が、黒森峰の視界を遮る。
「消えた?違う。森の中に移動した…。」
 その時、まほはダージリンの意図に気づいた。
「全車、可能な限り速度を上げろ。敵の頭を押さえる。」
 指示を出した後、まほは双眼鏡で周囲を警戒する。
『どこから出てくる?ダージリン…。』

「全車。奇襲の用意…。」
「隊長。黒森峰はこちらの頭を押さえる模様。」
 偵察の為に先行させていたコメットの1両から、連絡が入る。
「ご苦労様。引き続き、監視をお願い。」
『そろそろ、決めさせてもらうわ…。』

『やってくれる…。頭を押さえるも、奇襲をかけるも思いのままか…。』
 森に挟まれた道を全速で移動させながら、まほは、ダージリンの狙いを読んで舌打ちをしそうになっていた。
 このままでは、頭を押さえられ再び包囲されるか、挟撃されるかである。
 諦める気はないが、みほの柔軟性を学び、戦術に取り入れたダージリンを相手に、まほは、戸惑っていた。
「全車、このまま森に。全速で突っ切り、敵の前面に出る。パンターは先行。他の車両は、私と共に行動。挟撃する。」
『そちらが森を利用するなら、こちらも利用させてもらう。』

「やっぱり。」
「森から出て、奇襲か挟撃をしかけようとする、聖グロリアーナを逆に包囲殲滅。コメットやセンチュリオンがあると言っても、スピードは、パンターには及ばない。まして、チャーチルは歩兵支援を前提にしているから、最高速度は遅い。」
 みほとしほは、まほの狙いを正確に読み取っていた。
「でも、ダージリン殿も、それは承知の上だと、思うんですが。」
「そうだと思う。何か、策がある筈…。」
 少し考えて、みほはある事に気づく

「黒森峰、2時方向より接近。距離3000。パンター3両、エレファント、ケーニヒス・ティーガー。」
「包囲殲滅狙いね。トータスは前後に展開して、盾になると同時に、砲撃。他の車両は、敵の足を止めて。その間に、フラッグ車を叩きます。」
「了解。」
「まほさんは、常に沈着冷静で、優れた指揮官。でも、副官さんはどうかしらね?」
 ダージリンは、小さく冷たい笑いを浮かべていた。
 そして、移動を命じた。

「そろそろ、敵と遭遇する。全車、警戒。」
 まほ率いる本隊は、フラッグ車であるまほのティーガー。エレファント。パンター4両で構成されている。
 森から、出るにせよ出ないにせよ。
 挟撃して、仕留める。
 まほは、ダージリンの。
 ダージリンは、まほの作戦を読んでいる事を、互いに知っている。
 先手を取らねば、勝つことはできない。
 ドイツ製重戦車は、足回りが弱い事は承知しているが、リスクを取らないことには、膠着しかけている状況を、打破できない。
 まほにとっても、大きな賭けだった。

「敵戦車発見。数1。」
『少なすぎる…。』
「全車、側面及び後方警戒。砲手及び装填手、いつでも砲撃できるように備えろ。罠の可能性が高い。」
 まほは、罠の可能性を強く感じて、各車に警戒と砲撃準備の指示を出す。

「トータスだけ?そんなわけないわ。各車警戒…。」
 別働隊として行動していたエリカは、トータス1両しかいないことに疑問を持ち、各車に警戒を呼び掛けるが、その時、トータスの32ポンド砲が発射され、エレファントを撃破する。
 と、同時に、センチュリオン、ブラックプリンス、コメット3両が、全速で突撃しつつ、戦車砲を発射する。
 ドイツが生み出した傑作中戦車パンターといえども、防御は万全ではない、どうしても前面を重視せざるをえない。
 コメットの77mm砲、ブラックプリンスの17ポンド砲が、パンターの側面装甲に直撃する。
 2両が瞬時に撃破され、エリカ率いる別働隊は、ケーニヒス・ティーガーとパンターの計2両になる。

「砲撃しつつ、全速で突破!森の反対側に出て、本隊と合流する!」
 このままでは、全滅しかない。
 前面装甲の防御力と、火力を頼みに突破する。
 エリカは、それに掛けた。
 だが、数が違いすぎる。
 コメット2両を撃破したものの、包囲されての集中砲火で、エリカの別働隊は全滅した。

『残るは、我々だけか…。』
 エリカから通信を受けたまほは、ことさら慌てはしなかった。
 次代西住流師範として、いかなる苦境であっても冷静である事を叩き込まれて、育ってきた。
 さらに、次にダージリンがどう動くかもも見抜いていた。
『エリカの別働隊を殲滅した部隊も、無傷ではない。こちらの退路を遮断するつもりだろう。ならば、相手にするのは本隊のみ。勝機はある。』

「大胆ね。トータスを囮にして、訝しみ警戒する間隙を狙う。」
「はい。けれど、聖グロリアーナもコメットを2両失いました。この部隊は本隊の退路を遮断。状況に応じて投入する、遊撃戦力。」
「双方の本隊では、ほぼ互角ですね。」
 思わずしほとみほの意見交換に加わった優花里の意見に、しほは静かに頷く。

『当然だけど、無傷とはいかなかったわね。当初の予定通りにはいけるけれども…。』
 搭乗車であり、フラッグ車である、チャーチルの中でまほとの直接対決に思考を集中させる。
『コメットなら、やりようによっては、パンターとも渡り合える。トータスとうまく使って、骨を削られる覚悟で臨めば、光明は見える。』
 数の上では以前有利だが、それでまほは動揺する事は無い。
 ダージリンはそれを知っているだけに、今の状況を有利とは見ていなかった。

「隊長、敵発見。トータスのみ。」
 先行するパンターから、通信が入る。
「囮か。各車、全周囲警戒。いかなる状況にも対処できるように、備えよ。」
『どこから、来る?ダージリン…。』
 さしものまほも、焦りを感じ始めていた。

『対処が速い。さすがね。』
 すぐさま、全方位に対処できるように隊列を整えさせたまほの手腕に、ダージリンは舌を巻く。
「予定を変更します。別働隊の残存車両、全速で、黒森峰本隊の背後を、突きなさい。」
 後方を遮断する予定だった別働隊も、包囲網に加えることを決定した。

「警戒しつつ、トータスを撃破。相手の行動を誘い、それを逆手に取る。」
 前衛を務めるパンター2両が、トータスを照準に収める。
 その時、トータスの32ポンド砲が火を噴く。
 パンターはとっさに回避するが、後方のエレファントが、正面装甲に直撃を受けて戦闘不能になる。
「各車、前進。敵を殲滅。」
 隊形を組んだ、ダージリンの本隊が前進を開始する。
「砲撃。」
 一斉に、砲撃を開始する。

「慌てるな。火力では、こちらが上だ。回頭しつつ砲撃。」
 反撃を始めるまほの本隊に、後方から別働隊のコメット、センチュリオン、ブラックプリンス、トータスの砲撃が襲い掛かる。
 加えて、ダージリンの本体から離れたコメット2両が砲撃を加える。
 包囲網は、遂に完成した。

「撃て!」
 ティーガーの、56口径88mm戦車砲 KwK36がコメットの正面装甲に命中し、行動不能にする。
 現在の戦力は、フラッグ車であるティーガーに、パンター2両。
 状況は、圧倒的に不利だったが、ティーガーの防御力と火力を頼みに、フラッグ車である、ダージリンのチャーチルに肉薄しようとしていた。
「トータス前に。その他の車両は、側面を固めなさい。」
 指示を出しながら、ダージリンも、チャーチルの75mm砲の砲弾を手にする。

「トータスの砲撃にタイミングを合わせて、迂回しチャーチルに迫る。一気に叩いて、終わらせる。」
『さすがに、これ以上はまずい…。』
 長引けば、勝機はない。
 それをまほは、悟っていた。

「終わらせてもらうわよ。まほさん。トータス砲撃。」
 ダージリンの指示が出され、前衛を固めたトータスの32ポンド砲が、発射される。
「全速!」
 砲撃を回避しつつ、ティーガーが全速で迂回しチャーチルに迫る。
 そこに、コメットが体当たりをしてゆく手を阻み、砲身をティーガーの砲塔に叩き付ける。
「何!?」
 そして、チャーチルが側面に回り込む。
「砲撃。」
 チャーチルの37.5口径75mm戦車砲が、ティーガーの側面装甲に命中し、さらに、ダージリンがすぐに砲弾を渡せるように待機していた為に、通常よりさらに早く装填が完了し、すかさず砲撃して、再び側面装甲に命中する。
 短砲身である為に、決して威力は高くないが連続でほぼ同じ個所に命中すれば、ティーガーとて一溜まりもない。

「試合終了。聖グロリアーナ女学院の勝利。」
 決勝戦に出場する、もう一校が決定した。

「大胆で型破り。けれども、持ち味の緻密な連携は失われていない。決勝は、厳しい試合になるわよ。みほ。」
「はい。」

「私たちの負けだよ。ダージリン。随分、変わったな。」
「変わらなければ、まほさんには勝てないわ。どうしても戦いたかったの。みほさんと。」
 まほとダージリンが、互いに握手をする。
「そうか。だが、みほは私の様にはいかないぞ?作戦の柔軟性と、奇策の立案に関しては私以上だ。」
「心得ていますわ。親善試合で、嫌というほど思い知りましたもの。」
『でも、今度はそうはいかないわ。みほさん、勝たせてもらうわよ。』
 観客席にいるみほの方を、ダージリンは見る。

「お姉ちゃん…。」
 試合終了後、自分の所に来たまほを見てみほは驚く。
「してやられたよ。完敗だ。」
 どこかすっきりしたような表情を、まほは見せる。
「次はお前か。気を付けろよ。去年の様にはいかないぞ。向こうも、どんな奇策を用意してくるか解らん。」
 すぐに、いつもの厳しい表情になる。
「解ってる。決勝戦。私たちは、絶対に負けられない。何としても、勝ってみせる。」
「そうか。それにしても、変わったな。成長したという事か。ではな。」
 みほの肩を軽くたたいて、まほはその場を去った。

「次は、いよいよ。我々か。」
 桃が、厳しい表情になる。
「まあね。最後の試練か。」
「ですね。」
 母校を守り、後輩たちに残す。
 杏達、生徒会にとって、負けられない戦いだった。

「負けませんよ。だって、来年もこの学校で戦車道をしたいですから。みんなと。だから、勝ちましょう。」
「頼むよ。西住ちゃん。いつもの通り、作戦立案を指揮は任せるから。」
「ああ。」
「どこまでも、ついていくからね。」
「はい。」
 杏達に、みほは笑顔を見せる。

後書き
色々あって、久方ぶりの二次小説投稿です。
遂に、準決勝第二試合が終了。
森を巧みに利用した、聖グロリアーナの勝利です。
柔軟な戦術と、緻密な連携。
機動力、防御力、まほを中心とする固い結束。
最後まで勝敗は解らないい試合は、ダージリン達に軍配が上がります。
いよいよ決勝戦。
雪辱を果たす事に燃える、ダージリン率いる聖グロリアーナ。
みほを中心に、日々チームワークを確かなものとし、学園を守る為に戦う大洗女子。
勝利の女神は、どちらに微笑むでしょうか?















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内 容 ニックネーム/日時
そこは黒森峰に勝たせなきゃダメでしょ!?
RX0211
2016/08/19 08:25

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