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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第158話 舞台裏の道具作り<前篇>

<<   作成日時 : 2015/07/12 14:50   >>

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 芝崎インダストリー本社。
 衛星開発部門。
 人工衛星の開発及び研究における、芝崎の中枢。
 塵一つ落ちていないクリーンルームで、一夏は幾つかの衛星の組み立ての指揮をしていた。
 その中でもひときわ大きい衛星が、一夏が中心となって従来の技術をグレードアップさせて開発したセンサーを搭載した海洋探査衛星。
 PSES−1。
 Precision Seaarea Exploration Satellite−1。
 精密海域探査衛星。通称「みなぞこ」。
 海上及び海面だけでなく、海底の地形、海域に眠る様々な資源等の探査を可能にした画期的な衛星。
 経済的主権が及ぶ海域の広さは、世界でも5本の指に入る日本にとって海底資源の探査は重要な国家事業となる。
 その中核をなす為に開発された、衛星である。
 宇宙放射線等から衛星を守るための特殊多層材MLIに覆われ、各種探査に用いられるセンサーを次々と搭載され、その傍らでは高効率太陽光発電パネルの最終チェックが行われている。

 東欧から発注を受けた、気象衛星。
 PWS−1
 Precision Weather observation Satellite−1
 精密気象観測衛星「ロード」
 スラブ神話の出産と運命の神の名を持つ、東欧初の本格的な気象衛星だ。
 各波長域での可視光や赤外線の観測能力を利用して、様々な気象現象、雲に関する詳細なデータ、そして風にかんする様々な観測等で精密な気象予報を可能にする衛星である。

 そして、地球観測衛星。
 GOS−1
 Ground Observation Satellite−1
 地表観測衛星「ヴォーロス」
 スラブ神話の豊穣神の名を持つ、地球観測衛星。
 地図作成の元になるデータ、森林の状況、地下資源埋蔵データを観測する目的で開発された衛星である。
 センサー開発には、ポーランド技術軍事研究所、ウクライナのクヴァント設計所、スロヴァキアのDTMグループといった東欧の企業や国立の研究機関も参加している。

 日本との合同観測プロジェクトに使用される衛星も、組み上げられている。
 IWRS−1、2。
 Integrated Water Resource research Satellite−1、2
 総合水資源調査衛星「ゆきげ」、「クパーラ」
 雪どけ水に、スラブ神話で水に深く関係すると言われる女神。
 水に関する様々なデータを観測する為のセンサーを搭載。
 双方、同じ衛星を運用する事で休ませる時間を作り、寿命を長くするのが狙いである。
 のべ5つ。
 これだけの数の人工衛星を同時開発になるので、まさに総力戦になっている。
 担当チームの技術者達は忙しく作業をしており、総指揮を執る一夏も様々な報告を受けては状況に応じて指示を出し、現在の進行状況とこれからのスケジュールの再確認をする。

 組み立ては、スケジュール通りだな。
 後は、各部センサーチェック。
 打ち上げた衛星の展開に関する、最終チェック。
 その後、マスコミへの公開。
 記者会見。
 種子島に飛んで、打ち上げの最後の打ち合わせ。
 そして、打ち上げだ。
 忙しいな。
 でも、スケジュールがタイトだからな。
 H−UBロケットも性能を増して、かなり大型の衛星も打ち上げる事が出来るようになった。
 固定燃料ロケットのイプシロンも改良に改良を重ねて、信頼性が増してさらに低コストになって小型衛星はこっちで打ち上げるのが普通になってる。
 打ち上げ準備が大幅に短くなって、何よりコストも安くなってる。
 そして、今回の打ち上げに使うハード。
 これは、関連企業で力を合わせて開発した力作だ。
 打ち上げには俺も立ちあい、衛星の打ち上げ以外のあるプロジェクトにも関わっている。
 こっちでもまあ、試すというかいろいろやることが山積み。
 でも、成功すれば宇宙開発や宇宙探査はより高度になる。

 衛星の打ち上げは。これからは棲み分けが進むだろうな。
 懸念があるとすれば、奴さん達か…。
 絶対に、目を付けてくる。
 例の物が、失敗の連続。
 宇宙ステーションへの補給の、数少ない命綱の事もある。
 「こうのとり」もどんどん改良されて、積載量も大幅に増えている。
 これ以上、この件での貸借関係が借方超過はできれば勘弁願いたいだろう。
 プライドってやつも、あるしな。
 っと。
 例の奴のチェックも、しないとな。
 OK。順調だ。
 手間がかかるが、しょうがない。
 しばらくすると、昼食の時間になる。
 セキュリティが働いて、衛星に手出しは出来なくなる。
 元から、セキュリティは厳重だけど念の為だ。

 完成か。
 光学迷彩ステルス偵察衛星「ハーミット」
 光学カメラ、通信傍受、海底下及び陸地の地層を調べ上げて、連中の動向を調べるために俺が密かに開発していた衛星だ。
 紅椿の装甲を参考にして開発した、周囲の光景に溶け込んで視認をほぼ不可能にしてデブリ等の物理的な脅威から衛星を守る波動衝撃緩衝粒子光学迷彩ミラー装甲で覆われている。
 さらに、太陽光発電に頼らない半永久機関を搭載。
 従来の衛星よりさらに先進的な技術を、たっぷりと詰め込んでいる。
 後は、密かに打ち上げるだけか。
 毎度の事だけど、こういう秘密の行動は疲れるね。本当に。

 後は、ブエノスアイレス大学での手術か…。
 これはまた、ヘビーすぎるな…。
 ていうか、見つかるのか?
 さいあく、片方運転になるぞ。
 被弾した、双発軍用機じゃあるまいに…。
 こっちは、きちんと検査をすれば大丈夫だろうが、問題は片方か…。
 どうしたもんかね…。
 そちらは、まずはリアルタイムで容態を聞きながら対策を立てるしかない。
 今は、目の前の事を片付けないと。
 ここからは、かなり神経を使う戦いになる。
 相手に気づかれないように、向こうの本拠地を探らないといけない。
 同時に、ルーツに関しても調査は続行。
 これも、有力な情報だしな。
 とにかく、ステージのあちこちに仕掛けをしておかないとな。
 トラップという名の仕掛けを。
 成功させるためにも、きっちり食べておかないとな。
 俺は、ロースカツ定食のメイン、からりと上がったロースかつにソースを掛けて食べ始めた。
 今回のボディーガードは楯無さんで、となりでビーフシチュー定食を食べている。

「どう?進捗は。」
「順調ですよ。予定通りに、夕方には種子島に向かって例の物の最終チェックに入れますね。」
 俺は、楯無さんに今日の予定を説明する。
「解ったわ。現地と、こちらに警備の指示を出しておく。」
 暗号通信で、楯無さんは警備の準備を手早く整える。
 さすがに、IS学園先代生徒会長。
 仕事が早い。

「よし。全センサーの単体チェックはこれでよし。30分休憩後、本番を想定した最終リハーサルに入ります。」
 これだけの人工衛星を同時並行で開発するので、チェックリストの数も膨大だ。
 さすがに、全員疲労の色がやや濃いめだな。
 全員に疲労回復を最優先したドリンクが配られ、ある程度回復すると体をほぐしたり、テストの結果について話し合ったり、衛星を改めて見たりと皆それぞれに休憩時間を過ごす。
 俺は、全てのリストに目を通した後はドリンクを飲んで、アンプルを投与する。
 ことさら疲れてはいないけど、最近の検査で疲労が溜り気味なので念には念を押して処方された。
 他にも、アミノ酸やビタミン剤も処方されている。
 健康管理はきちんとしてるぞ。俺。
 そりゃ、疲れがないと言えばノーになるけど、そもそも疲れの無い人間がいるか?
 程度の差こそあれ、大抵の人間は疲労が溜まっている。
 内臓機能に悪影響を及ぼしそうな結果は確認されなかったんだから、心配し過ぎだっつの。
 さて、事前のシミュレートをしておくか。
 俺は、プログラムを立ち上げてシミュレートを開始する。

「今頃、一夏はファクトリーで衛星の最終チェックか…。」
 本来なら、外部には決して持ち出されない資料が、トップシークレット扱いを示す表示と共にタブレットに表示される。
「技術者の水準がかなり上がってきたと、言っていましたけど、まだまだ一夏君が必要ですから…。無理をしていないといいのですが…。この後も、公務が待っていますし…。」
 多忙を極める一夏の事を、真耶は心配する。
「その為に、医務室は様々な事を想定して既に準備を済ませている。連携も問題ない。」
 冬菊の実家たる神無月グループの系列病院とも、今後起こりうる事態を想定して様々な準備を整えている。
 一夏に処方した薬剤にしても、体の疲労を可能な限り抑えるために考え抜かれて処方されている。
 現役時代、自分のフィジカル面を完璧に管理し、今はIS学園医務室の室長を務める博子に千冬は全幅の信頼を寄せていた。
 話していると、携帯の着信音が鳴る。
「そうか。解った。引き続き頼む。」
 そう言って、千冬は通話を終える。
「問題ないそうだ。」
「そうですか…。よかった…。」
 毎度とはいえ、今回の公務の多忙さを考慮して、定期的に一夏のフィジカルデータが何重ものプロテクトを掛けられた上で、医務室と神無月グループの病院に届く。
 その上で、現在の状況を診断する。
 後に、極めて精密で高度な検査を受けることになっているが、博子達IS学園医務室のスタッフ。
 神無月グループのドクターチーム双方とも、毒草は芽の内に摘み取っておきたかった。
 それ故に、リアルタイムである程度のフィジカルデータを収集。
 カンファレンスで議論。
 診断を出すというやり方で、簡易ながらもチェックを行っている。

後書き
戦いの前には、準備は不可欠。
場合によっては、トラップも仕掛けます。
それは非常に巧妙で、敵が非常に気が付きにくければ気が付きにくい程有効です。
今回は、東欧初の人工衛星を含めて、海洋探査、気象衛星、地球観測衛星、日本と東欧共同プロジェクトの水資源探査衛星の打ち上げなので、現場はてんやわんや。
うわ…。思い出したですよ。
カフェイン20倍相当のコーヒーを飲んでも一向にシャキッとせず、逆に心臓がおかしくなって死ぬかも思い、心身ともに崩壊寸前になった、多忙な日々を…。
そんな現場でも、一夏はきちんと仕事をしてトラップも仕掛けます。
さらに、独自の偵察衛星も密かに打ち上げる模様です。
大陸や各種海域という面では狭すぎる。
地球という面での探索に映ることを意味しています。
千冬達は、一夏の健康状態を考慮して、既に手を打っています。
あとは、もう少しです。
しかし、打ち上げ手段が画期的なのか、心配事もあるようです。
さらに、アルゼンチンでの奇怪な事件を解決する前に、依頼された手術もあります。
こちらも中々に大変そうです。

















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