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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第157話 ギャラルホルンが鳴り響く時<後篇>

<<   作成日時 : 2015/07/04 23:57   >>

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「閣下は、ナチスの残党が南米。特に、親独だったアルゼンチンに多数逃亡した事はご存知かと思いますが…。」
「無論です。一般でも、それなりに知られている事実ですしね。それが何か?」
「その残滓と言いましょうか、亡霊と申しましょうか、亡国企業と何らかの関係を持っていたようなのです。閣下が南米に対して様々な手を打った事で、早々に手を引いた事を確認しましたが…。」
 おいおい。話がヤバくなってきたぞ。
「その点に関しましては、特別調査局でも確認しております。渡航歴を確認できなかった事から、どうやら連中が保有している艦船。特に、潜水艦を使用しているというのが、我々の出した結論です。」
 ヘリ等の航空機というのも考えたが、どうしても目につく。
 隠密行動をするなら、潜水艦の方が向いているだろう。
 現に、海兵隊等に所属する特殊部隊でも、専用の潜航艇が使用されているケースは少なくない。
 シールズにもあるしな。

「アルゼンチン政府も重く見て、密かに調査をしたのですが上手く進まなかったようです。そこで、極秘裏に我が国に協力を求めてきたのです。」
 成程。
 アルゼンチンにも特殊部隊はあるが、さすがにアメリカには勝てない。
 さらに、この手の調査能力も大きく劣る。
 借りになるが、このまま放置していると相当に危険な事になると判断。
 アメリカに、密かに協力を求めてきたか。

「それで、真に申し訳ありませんが、現地での指揮を閣下に取っていただきたいのです。」
 なるほどね。
 うん?
 ちょっと、待った。
「大使にお尋ねします。委員会からは許可は下りたのでしょうか?私は、IS委員会直属艦隊の司令長官。勝手に動くわけにはまいりませんが…。」
 他国に協力を求めるのと、IS委員会に協力を求めるのは同じじゃない。
 他の国家では、政権が会談で承諾すれば、協力体制を整えられる。
 ただ、IS委員会の場合は、委員と軍事部門のトップが招集されて、会議が開かれて決めるルールになっている。
 アメリカは委員会の主流派だからそれなりの影響力を持っているけど、国連程じゃない。
 現在は、委員会の議長国は日本だし、IS発祥国。
 さらに、世界に先駆けて第三世代ISを実戦配備し、技術力は世界でもトップ。
 さすがのアメリカも、ISの技術では日本には勝てない。
 その日本は、世論の事を気にして俺が他国の道具のようになることをよしとしない。
「これからになります。無論、交渉は困難を極めるでしょう。特に学園の許可を得るのは委員会以上に困難です。ミスヤマダ。そして、担任にして貴方の姉君であるミスオリムラ。このお二方の許可を得られるか、正直心許ない。それでも、貴方が必要なのです。民間人はまだですが、軍から犠牲者が出ています。厳重な報道管制を敷いていますので、アルゼンチン国民は知りませんし、アルゼンチン政府及び軍でも知っているのはごく一部。我が合衆国も然り。」
 直訳すれば、よほど切羽詰っているって事か。
 そこで、俺が必要になったけど、委員会直属の俺の助力を得るための手続きが上手くいくかは解らない。
 そこで、最初に俺の承諾を取付けて交渉を楽に進めたい。
 状況はこんな所か。

「まずは、これをご覧ください。」
 茶封筒の中には何枚かの写真と、書類が入っていた。
 凄えスプラッタだな…。
 まともな人間が見たら、卒倒してトラウマになるな…。
 これから見るに…。
 おかしいな…。
 アルゼンチンだぞ…。
 アマゾンのジャングルじゃ、あるまいし…。
 どういうことだ…。
 別の写真も見たが、絶対におかしい…。
 こんな事、ある訳がない…。
 けど、検死報告の内容はしっかりしていて、信憑性はある。
 ちんぷかんぷんだな…。
 しかも、軍の装備ならまちがいなく対抗できたはずだ。
 負傷者は出たかもしれないけど、これほどの犠牲者が出るとも思えない。
 成程…。向こうが助けを求めるはずだ。

「この様子では、アルゼンチンが貴国に助けを求めるのも理解できます。ありえない事が続いて、どれ程経験豊富な指揮官でもどう対処していいか解りませんからね。重火器。アンチマテリアルライフル、対戦車無反動砲、対戦車ミサイル。使えるのはアンチマテリアルライフルまでですね。他は、過剰過ぎますね。」
 しかしまあ。何を相手にしているやら…。

 待てよ…。
 アルゼンチン…。
 ナチス残党…。
 大戦中の収容所…。
 あり得るな…。
 デブグルーを出してくるとなると、俺と似たような事をアメリカも考えている可能性大か。
 千冬姉たちが不機嫌になる可能性があるかもしれないけど、確認しておかないと落ち着かないな。
 後は兵装か。
 相当の重装備になるな。
 そこは、大佐と話し合うか。

「最終的な決定は上層部になりますが、私としてはお引き受けするつもりです、これは放置しておくのは色々な意味で、危険すぎます。ありえぬ事が置きすぎている。ある程度予想はついていますが、やはり自分で確かめたい。」
「申し訳ありません。ご苦労をおかけします。我が国の海兵隊のテストパイロットの件に、ファングクェイク、福音、お手を煩わせてばかり。ですが、そうせねばならぬ我らの苦汁の思い、お察しいただきたく…。」
 ルース大使たちが、深々と頭を下げる。
「いや。今回の事は片付けておきませんと、面倒事になりましょう。その旨、委員会に私が口添えをしておきます。ある程度はお役にたちましょう。ちょうどブエノスアイレス大学付属病院でのオペがありますので、その後に作戦決行で如何でしょうか?それと、武器に関しては指揮官である、ロージー大佐、コーリング、ファイルス両中尉と話し合ったうえで装備を決めておきたく思いますが、如何でしょうか?」
 普通の装備じゃ、多分無理だからな。
 相当の重武装に、なるだろう。
「それでよろしくお願いいたします。閣下の武器もこちらで用意いたします。ご遠慮なく、御入用のものを仰ってください。メーカーには既に既存の武器を改修する用意もさせております。では、私はこれで。」
 大使が部屋を出た後に、俺は委員会と学園に口添えをしておく。
 さて、武装の相談だ。

「5.56mmNATO弾では、豆鉄砲だろう。7.62mmNATO弾ならそれなりのダメージを与えられるだろうが、あくまで最低ラインだ。アンチマテリアルライフルを大量に叩き込む必要がある。」
 5.56mmNATO弾は、対人でも威力不足が指摘されてる。
 今回のケースでは、豆鉄砲だな。
 7.62mmNATOが、最低ライン。
 本当は、もっと威力のある弾丸を使いたいけど、標準武装はこれが精一杯か。
「7.62mm以上となると、M1の.30−06スプリングフィールド、熊等の猛獣を仕留める際に使用される.300ウィンチェスターですな。この弾丸なら、セミオートで発射するスナイパーライフルがありましたな。」
 ロージー大佐が、思い出したように呟く。
 ラスベガスでは、各国の銃器メーカーが出展するイベントがあるが、当然チェックしているか。
 デブグルーの隊長なら当然入れるだろうし、各社も新作をアピールするだろうからな。
「MPA300か、装弾数が少ないがロングマガジンを何とか作ってもらうか。
弾丸は、.338ラプアマグナムを使った物にしよう。ちょうど、去年にラインアップにあったからな。スナイパーを多めに用意しておこう。SCAR−Hは、グレネードを標準装備。それにセミオート式のM32も、必要だな。支援火器も必須だ。ミニミがスタンダードだが、それだと少々不安かな…。BARでもあればいいが、装弾数が少ない…。FN社がアメリカに工場を持っているが、そこに.30−06スプリングフィールドを使用した物を作ってもらうか。図面は私が描く。Mk.48 Mod.0をベースにしようと思うが、大佐の意見は。」
「それでよろしいかと。使い慣れた銃がベースだと、こちらも助かります。」
「では、そうしよう。他には…。」
 一撃必殺が、欲しいよな…。
 けど、対戦車ミサイルは威力が大きすぎる。
 でも、それ位じゃないと駄目かな…。

「閣下、M72LAWでは如何でしょうか?戦車相手には威力不足ですが、今回の様なケースでしたら適しているかと。」
「成程…。それがあったな。それにしよう。幸い、重量も軽いしな。使用兵器はそれにして、部隊を編成か。そちらは大佐に任せる。デブグルーは、貴官の部隊だ。それが適任だろう。それから、アサルトライフルは自分で作るよ。私向きにね。他の武装は済まないが、そちらの物を使用させてもらう。部隊編成が出来たら、一応私の方に知らせてくれ。決行は、5日後。UAVによる支援体制の構築も頼みたいが、いいだろうか。」
「無論、そのつもりです。」
 こうして、作戦の概要と使用する火器は決まった。
 ったく、あいつら。ろくなことしないよな。

「よし。終わった。」
 ミニミの.30−06スプリングフィールド版を設計し、シミュレーションを終えてきちんと動作するのを確認してから、現地の工場に図面を送る。
 後は、帰ってからM8の.300ウィンチェスターマグナム仕様のパーツを作って試し撃ち。
 重くなるのは、まあ、やむを得ないか。
 それに、超高圧縮高硬度コバルトハイス鋼製の日本刀。
 戦闘用プロテクターにチェストリグを入れて、動きを邪魔しないようにマガジンとサイドウェポンとして、S&W T−REXにスピードローダー、超高圧縮高硬度コバルトハイス鋼製の大型のタクティカルナイフ。
 他に、暗視スコープ、夜間狙撃用のAN/PAS−13、昼間用のスコープにホロサイトと言ったところか。
 シールズは、独自の戦闘用プロテクターがあるからそっちは気にしなくていい。
 他の装備も充実している。
 後は、現地でだな。
 さて、どうなるか。
 にしても、パーシャルジャケットでどうにかなる相手かな…?
 そうであることを祈るよ。

「一夏、今、いい?」
 ナタルか…。
 声を聞いた時思い出したのは、あの時の肌のぬくもり…。
 ナタルという魅力的な女性と、肌を重ね合せた夜だった…。
「どうした?アルゼンチンの件で心配事か…?」
 実を言うと、俺は少し動揺していた。
「「竃の方がパン生地の所へやってきたら、パン生地を竃に入れてやれ。」って言うぜ?あっちも遊びでお前を求めてるんじゃないだろう?どういう結果になるにしろ、それには応じてやれよ。」
 在日米軍との合同演習時に、そう言われたことを思い出す。
 竃の方がパン生地の所へやってきたら、パン生地を竃に入れてやれ。
 これは、日本の諺の「据え膳食わぬは男の恥。」と同じ意味だ。
 でも、それは昔の話。
 今がそうだとは限らないし、欧米と日本じゃ恋愛や肉体関係に対しての考え方も違う。
 俺は日本で生まれて、日本で育った。
 恋愛や肉体関係に対しても、日本流で考える。
 その人を好きでもないのに、そういう事をするのは正しいとは思えない。
 正しさだけで生きていけないのは、今までで散々経験した。
 それでもだ。
 ナタルだけでなく、セシリアやシャルロット。
 皆、とても魅力的な女性だ。
 でも、俺は誰にも恋愛感情を持っていない。
 そして、それを理由に多くの女性と関係を持つ事を是とは出来ない。
 時には、相手を悲しませる事になろうともだ。
 だから…。

「特に用事がないなら。今は無理だ。いろいろとやることが多いからな。」
 事実、やることがあった。
 組み立てに入る、東欧からの人工衛星の図面の最終チェックをもう一度やっておきたかったし、アルゼンチンでの手術のシミュレーションもしたい。
 そう言って、俺はデスクに座って端末を立ち上げると図面のチェックから始まる。
 少しすると、透ける生地のネグリジェを着ているナタルが入ってくる。
「終わるまで、待っているわ…。」
 そう言って、ベッドに腰掛けた。

 結局、終わるまでナタルは待っていた。
 ここまで来ると、梃子でも戻らない事は明白だったから、一緒のベッドで寝た。
 けれど、何もしなかった。
 それでも、俺を必死に求めてナタルは縋りついてきた。

 翌朝、俺は普通に本社の工場に向かったが、見送るナタルは人形のように見えた。

後書き
残りカスだけかと思っていた南米。
しかも、その中でも治安はいいと言っていい国家に分類されるアルゼンチンで、何やら難題が。
様々な資料を見ていくうちに、一夏もアルゼンチンでは到底ありえない事態になっていることを確信。
アメリカ側の要請を受け入れます。
さて、ナタルですが。
一夏としては、特に恋愛関係でもないのに、肌を重ねる回数を増やす気はさらさらなし。
据え膳食わぬは男の恥といいますが、個人的には差し出されたからと言って考えも無く食べる方が恥と考えます。
日本とアメリカの恋愛に関する考え方の違いも、あるのでしょうがね。










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