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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第157話 ギャラルホルンが鳴り響く時<前篇>

<<   作成日時 : 2015/07/04 23:54   >>

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 病院で予定手術を含めて合計15時間になる5つのオペをして、救命センターでの救命処置の指揮、人手が足りない科での診療。
 カルテの整理にカンファレンス等の勤務を終えて帰宅してから、軽く食事をして2時間仮眠を取って目覚めてから入浴。
 礼服を着始める。
 イギリスの件で、オーストリアからポーランドの件の功績も讃えてのオーストリア共和国功労勲章一等大十字章、サヴォイア家から俺が教皇騎士に叙勲された事からカトリック教徒と認定。
 サヴォイア家の最高の勲章である、最も神聖なるアヌンツィアータ勲章を受章された。
 これで、俺は聖アヌンツィアータ騎士団に列せられた。
 これ自体はいわゆる世俗騎士団だが、セレブの世界では充分ステータスになる。
 伝統が息づくヨーロッパの社交界では、特にだ。
 さらに、スコットランドからはハイランダーが使用していた剣クレイモアが贈られた。
 別にそこまでしなくてもいいんだが、感謝の印だからありがたく受け取っておいた。

 最高級の綿織物で作られたシャツを着て、ズボンを履く。
 そして最高級のシルクのスカーフを締めてIS委員会の象徴である白騎士をモチーフにしたブローチで留める。
 次に、白のウェストコートを着る。
 今回はアメリカ大使館の招待なので、大統領自由勲章の大綬章を佩用する。
 そして、ジャケットを着て星章を佩用する。そして、その他の勲章を佩用して制帽をかぶる。
 ジャケットには、上級大将の階級証に金モール付きの肩章、金の飾緒が付く。
 いつもなら、シャツを着てスラックスを履いてから、ネクタイを締めて上着を着て制帽をかぶって終わる。
 軍人として任務に就いている時は、護衛を兼ねた従兵が着替えを手伝い、屋敷から出る時は、執事が手伝いをして着替えをする。
 着替えの手伝いをするという点では同じような物だけど、とにかく礼服は時間が掛かる。
 髪も礼服に相応しい様に結う必要があるので、専属のメイドがつく。
 1人でやれるっての。
 只でさえ気が進まない着替えの手伝いがあって、おまけに礼装は何かと手間がかかるので正直わずらわしいが、必要な物だ。
 すぐに慣れた。
 そして、公用車に護衛のラウラと共に乗って、前後を欧州規格の最高クラスの防弾車が固める。
 護衛の車には、サングラスと黒のスーツを着た護衛の兵士がいる。
 そして、アタッシュケース。
 拳銃はホルスターの中。
 シースに収めたタクティカルナイフに、バタフライナイフ。
 アタッシュケースの中は、サブマシンガンかカービンだな。
 スーツは防弾・防刃素材が使用されている。
 どの兵士も、当然特殊部隊クラス。
 それぐらいじゃないと、俺の護衛は務まらない。
 向こうも、特殊部隊を投入して来るからな。

「さて、どんな難題を突き付けてくるか…。」
 ラウラが不機嫌そうに、言う。
 さすがに、気づいてるか。
 こういう時は、大抵頼み事。
 しかも、面倒な頼みごとが待っている。
 今の季節は、大使館でのパーティーが開かれる季節だから理由も作りやすい。
「現状を考えると、そんなに無理難題は無いと思うぞ。ヨーロッパのNATO加盟国といろいろ調査は進めているからな。」
 海洋観測艦を使用して、現在は連中の侵攻ルートと絡繰りの調査に入っているし、引き続きその他の方面での調査も進めている。
 以前から、欧州との連携はしているし、最近はより緊密になっている。
 調査関係では、アメリカが出る幕ははっきりいって無いね。
 例の衛星もあるしな。
 強いて言えば、打ち上げ方法位か。
 日本が独自で開発したけど、アメリカが欲しがる可能性が高い。
 そっちは日本政府の仕事で、俺の仕事じゃないが。
 さて、着いたか。
 さあ。鬼が出るか蛇が出るか。

 公用車のロールスロイスが止まると、護衛車両の兵士が護衛位置に付く。
 ラウラがそれとなく周囲を見渡して、ドアを開けると礼装に身を包んだ一夏が出てくる。
 燕尾服をモチーフにした煌びやかな礼服を着た一夏は、他の出席者の目を殊更引く。
 弱冠16歳でIS委員会直属艦隊の司令長官にして、軍事部門のナンバー2。
 地位を考えれば実戦部隊の長でもあり、ブリュンヒルデクラスのISパイロットにして、世界有数の科学者。
 そして、侯爵の爵位を与えられた貴族でもある。
 礼服には、幾つもの勲章が輝き、一夏の魅力を引き立てる。
 周囲に恭しく一礼すると、周囲も一礼する。
 柔らかい笑みを浮かべた一夏は、在日アメリカ大使に挨拶をすべく歩き始める。

「これは、シニアアドミアル。よく、お出で下さいました。」
「お招きありがとうございます。ルース大使。」
 シニアアドミラル。
 上級大将の事を、海軍ではこう呼ぶ。
 その響きに、周囲は改めて驚く。
 目の前にいる、美少年がこのパーティーに参加している軍人の中で最も階級が上なのである。
 そして、安全保障理事会特別大使、IS委員会特別顧問。
 さらに、世界的な大企業である芝崎インダストリーの取締役の1人で、南米、南欧、東欧の事業における最高責任者にして、本社では技術、情報関係の最高責任者であり、社内ナンバー3の地位にいる。
 世界的な医師でもあり、その知識を応用した各種医療機器は業界に革命的とも言える発展を促し、新たな治療法も研究している。
 その他、様々な分野の研究者たちが、一夏の一挙手一投足に注目している。
 それだけに、パーティーでは誰よりも目立ち、煌びやかに映った。

「オーストリアだけでなく、サヴォイア家からも再び勲章を授与された事、心よりお祝い申し上げます。」
「恐縮です。正直、そこまで何かした記憶はないのですが、ご好意はありがたく受け取らせていただきました。」
 祝いの言葉に、一夏も礼を述べる。
「相変わらず、慎み深い方ですな。もう少し、誇られてもよろしいと思いますよ。では、後ほど。他にも、貴方とお話をしたい方々も多いようですからな。」
「では、後ほど。」
 互いに挨拶をして別れると、一夏の周りには人だかりができた。

『ふん!どいつもこいつも、密に群がる蟻でもあるまいに!』
 上空のUAVからの映像を見ながら、ラウラは不愉快そうに吐き捨てる。
 各国大使に駐在武官が、代わる代わる一夏と挨拶を交わし話をする。
 ラウラは読唇術で、会話の内容を知ろうと思えば知ることもできる。
 知りたくも無かったが、一夏が政治的に利用されるような事は避けなければならないので話の内容を把握する必要があった。
 知れば知る程、ラウラの忍耐という堤防は怒りという名の水が溜まり続けて決壊しそうになる。
 どの国も、一夏と関係を築いて自国の利益に結びつけようとしている。
 中でも、シャルロットの生物学上の父。
 デュノア社の創立者エルネスト・アシル=クロード・デュノアは、何とか一夏とのパイプを築こうとあれこれ話をしている。
 その内に、自分の娘。
 シャルロットの腹違いの同い年の妹との縁談を纏めようとする気配まで、感じられた。
 ラウラが感じる程なので、当然一夏も感じて、イタリア大使との会話に入る。
『溝鼠が!シャルロットが、あの男の遺伝子を受け継いでいるとは思えんな。母親の遺伝子が解毒剤になったか。尤も正妻から生まれた方は、蛙の子は蛙を地で行く女のようだがな。』
 シャルロットを娘扱いしなかったデュノア社の社長が、自慢する娘だ。
 人間性は、容易に理解できる。
 解らないとしたら、猿にも劣る低脳だろう。

『ヴァルツアインより、シュヴァルツアインへ、定時連絡。』
『こちらシュヴァルツアイン、状況は?』
 護衛のリーダーが、定時連絡を入れてきた。
 直属の護衛は、ラウラ、楯無、本音だが、ラウラ麾下の護衛部隊、丹波乱波達もその都度交代で周囲を警戒している。
 今回は、ラウラ麾下の護衛部隊が周辺の警戒に当たっている。
 装備は、嘗てケースレス弾を使用した画期的なアサルトライフルとして開発したが、様々な欠陥が原因で開発が中止になった、H&K G11の教訓を基に再び開発を続け、遂に完成にこぎつけた世界初のケースレス弾を使用したサブマシンガンMP11をアタッシュケースに入れ携帯。
 拳銃は、シグアームズ P227タクティカルをホルスターに入れている。
 勿論、全員防弾と防刃を兼用するスーツを着込んでいる。
 それぞれが、周辺を警戒し連絡を取り合っている。

『異常無し。引き続き警戒を続けます。以上。』
『了解。気を緩めるな。』
 アメリカ側も密かに各所に警備要員を配置しているとはいえ、組織が弱体化し続けている亡国企業が何をしでかすかラウラも見当がつかない。
 手負いだが、危険な獣。
 今の亡国企業を例えるとするなら、それが最もふさわしいだろう。

 やれやれ。
 何のパーティーかと思いきや、本当は各国大使やら武官が俺とのパイプを確保するのをアメリカが手助けするのを目的としているんじゃないのか?
 どうも、そう思えてくるんだよな。
 ま、この程度は慣れてるけど、それでもいい気分はしない。
 普通だったのは、コザチェフスキ駐日ポーランド大使に、ヒッチンズ駐日イギリス大使くらいか。
 コザチェフスキ大使は、以前のショパンの革命の話を始めて、ショパンの作った曲の中から選んでワルシャワでコンサートをやってほしいという話がかなり進んでいる事を話してきた。
 やらないけどな。
 忙しいし、プロじゃないし。
 アマチュアオーケストラのゲスト位なら、考えるけど。
 ただ、俺は日本の生まれだし、最近は日本とポーランドの関係はさらに深くなっているし、両国の友好の為にも考えて欲しいと言われた。
 これを出されると、正直キツイ。
 ポーランドは、元々親日的な国家だからな。
 その理由も、きちんとある。
 知られざる歴史ってやつだ。
 それから、今度東欧諸国合同で発足する衛星開発の組織の事も話題に出た。
 実を言うと、東欧各国が金を出しあって日本に気象衛星と地球観測衛星を発注して、それを今度種子島で打ち上げる衛星と一緒に打ち上げる事になっている。
 これは、かなりビッグな話だ。
 今は、EENCが使用する汎用通信衛星に関しての開発に関しての、技術援助に関する交渉が行われている。
 日本としては、ただ技術援助をするだけじゃなく、いずれは自分達で衛星を開発して打ち上げられるようになってほしいので、それを踏まえてどう東欧をアシストするのも重要になるので相当深い話になっているらしい。
 東欧側としても、今は日本の衛星データリンクを使用しているけどいつかは自前の軍事衛星を打ち上げてデータリンクシステムを構築したいだろう。
 短期間で衛星を製造できる、様々な製造機械の輸入交渉も同時並行で行われている。
 これに関しては、話題にはしなかった。

 ヒッチンズ大使は、今度打ち上げる衛星の事にやっぱり俺のコンサートの話を持ち出してきた。
 やらないっての。
 今度打ち上げる衛星。
 特に、海洋の探査を行う衛星は、従来の技術をかなりグレードアップした探査機器が多く搭載されている。
 気になるか。
 日本はEEZを含めれば、経済的主権を持つ海域が凄く広い。
 そこをくまなく調査すれば、さらに発掘可能な資源が見つかる可能性もある。
 他にも、海洋探査の技術が大きく進歩して、従来よりさらに深深度の生態系の解明にも役立つだろう。
 経済界の他にも、海洋学方面からも大きく期待されている。
 この打ち上げには、俺も深くかかわっているので現地に飛ぶことになっている。
 忙しいね。全く。

「シニアアドミアル、よろしいですか?折り入ってお話が…。」
 そら来た。
 ルース大使が、俺を大使館の中に案内する。
「誰も入れないように。」
 警備要員にそういって、ドアを閉める。
 ルース大使、俺、そして、どういうわけか、ナタルとイーリ。
 そして、先に待っていた人間がいた。
 海軍の軍服を着て、大佐の階級証を着けている。

「アメリカ海軍特殊戦コマンドデブグルー指揮官、ブライアン・L・ロージー海軍大佐であります。高名なオリムラ閣下にお会いできて光栄の極みであります。」
 背筋を伸ばして敬礼して、その軍人は自己紹介をする。
「織斑だ。私こそ、名高いデブグルー指揮官である貴官とこうして出会えたのを、嬉しく思う。」
 答礼して、俺も自己紹介をする。
 互いに自己紹介をした後、握手をする。

 デブグルーかよ。
 表向きは、シールズの装備や戦術を開発・研究する部門となっているけど、その実態はシールズから独立した対テロ特殊部隊だ。
 当然、練度も高い。
 そのデブグルーの指揮官がいるという事は、何か厄介な問題が起きたな。
 しかも、相当に面倒な。

後書き
今回はイベントの前の外交。
しかも、パーティーでのです。
政治家や高級軍人、その他政財界の大物と呼ばれる人たちが集まると普通のパーティーとは言わないでしょう。
多かれ少なかれ、それぞれの母国に影響力を持っていますからね。
その中でも一夏は、IS委員会直属という立場ですが、その影響力はワールドクラス。
しかも、様々な分野に及びます。
となると、何かあったら一夏の助力を得ようとするケースも当然出てきます。
そういった事に対しても、ラウラは警戒する必要が出てきますのでUAVの映像を見て読唇術で会話を把握しておく必要があります。
最近は、はるか上空からでも非常に鮮明に画像を得る事が出来ますから、これ位は可能です。
そして、いよいよ話し合い。
しかも、そこにはアメリカ有数の対テロ特殊部隊デブグルーの指揮官が。
戦闘が発生するようです。










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