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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第154話 アンダーサーチ<後篇>

<<   作成日時 : 2015/06/06 23:57   >>

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「では、次に拳銃に移る。まずは織斑。」
 俺か。
 そうだな…。
「拳銃は、M9A1。初心者にはいきなり45口径は、荷が重いかと。訓練すればなれるとは思いますが。」
 俺は専用機持ちと準専用機持ちだけが参加するならともかく、普段ろくに銃を撃つ事のない一般生徒は9mmパラベラムのM9A1がちょうどいいと思う。
 ベレッタ社が生み出した名作。ベレッタ M92Fを海兵隊の要請で改良したモデルだ。
 内部は変わっていないが、経験からあちこちに改修されている。
 全員精鋭がモットーで、アメリカ軍で最も厳しい海兵隊の実線での教訓が活かされていて、実際撃ったことあるけどいい銃だ。
 M16A4はセミオートと3点バーストの切り替えでピカティニーレールがハンドガードに装備されている。
 フォアグリップを装備すれば、射撃時の安定性も増す。
 何より、3点バーストはトリガーを引きっぱなしにしても、3発撃てばもう一度トリガーを引かない限り撃つことは出来ない。
 初心者には、フルオートよりバーストの方がいいだろう。
 後は、ダットサイトかホロサイトで使いやすそうなのを選んで装備すればいい。
 最近は、標準装備も結構多いしな。
 イギリス軍は、ブルパップのL85なので最初から照準器として低倍率スコープ装備。
 ラウラが使用しているG36も、最近はダットサイトと低倍率スコープが標準装備。
 ラウラは、自分で選びたいのでレシーバー上部にピカティニーレールを搭載して、伸縮式ストックに変更したG36Cを使っている。
 シュヴァルツハーゼだと、既存のG36をある程度カスタム化することが許可されているので、標準タイプを使っているのは1人もいない。
 というより、自分で最適だと思ったライフルを使用している。
 SEALSも個人装備は、ある程度自由だからだろうな。
「M9A1はいい銃だから私もいいと思うが、トレーニング期間もそれなりにあるし45口径でもよいのではないのか?」
「M45CQB?」
 シルヴィアがラウラに訊ねると、ラウラは首を縦に振る。
 海兵隊遠征ユニットで使用されている、コルト ガバメントのカスタムタイプだ。
 ナタルとイーリも、これを使用している。
 100年以上、アメリカ軍で使用され続けている名銃ガバメントのカスタムタイプで1丁3000ドルというアサルトライフル以上の値段になる。
 内部までカスタムパーツを入れているので、まあ無理も無しという所か。
 でも、高すぎないかな。
「確かに初心者には少し大変かもしれないけど、そんなに大変じゃないでしょう?マグナム弾じゃないし。何かあった時の備えとして置いておくのなら、これでもいいんじゃないかしら?」
 アンナが、ラウラの意見に賛同する。
 それも、一つの考え方ではある。
 それは、認める。
 カスタムタイプとはいえ、ライセンス生産版や民間でのカスタムタイプ等々を含めると種類を数えるのが疲れるくらいのバリエーションがある事が信頼性の高い証拠でもある。
 ただ、45口径にいえるんだけど装弾数がな…。
 それなら、グロックでもいいと思うんだけどな。
 あれも、特殊部隊で使用している所は少なくないわけだし。
「ボーデヴィッヒの言う事にも一理あるし、エデンの言う事も尤もだが、予算も考えて決めるのを忘れないように。」
 やっぱりな。
 とすると。
「グロック21かFNP−45ならどうだ?どっちも性能はいいだろ?」
 グロック21はグロック17の45口径バージョンで、当初は玩具みたいだと言われたが性能は申し分ないのでグロックシリーズは警察から、軍の特殊部隊まで広く採用されている、FNP−45は9mmハイパワーを世に出したFN社のポリマーフレームを多用したシリーズの45口径版。
 グロックに比べると日本では知名度は低いが、市場での評価は高くて、ベルギーの警察の一部、アメリカのルイジアナ州の警察の一部で使用されて、スペインでは海兵隊で採用されている。
 グロックの方がコンパクトだが、FNP−45は最大15発まで装填できる。
 ちなみに調査局のジェフリーに、IS学園だとレイラが使っている。
 ちなみに、フィンランドのISパイロットの拳銃は、FNP−45が標準だそうだ。
 軍ではハイパワーの新しいバリエーションを採用しているが、威力不足を感じたのかこっちを装備していると聞いた。
 で、勿論性能も確かめたけどいいそうだ。
 俺、これは撃ったことないんだよな。
 ハイパワーは撃ったことあるし、高く評価してるのに。
 今度、頼んで撃たせてもらうか。
 最終的に、アサルトライフルは20式。拳銃はFNP−45に決定。
 ある程度重量がある方が反動も緩和できるとの意見が、FNP−45に決定した理由だ。
「では、訓練メニューだが、織斑が今年の1月から1年の専用機持ちを指導した際のカリキュラムをベースにしていく。全員、ざっと目を通して意見を言ってくれ。」
 千冬姉に言われて、全員目を通し始めるが殊更変わらないで決まった。
 で、発注して届くのが明後日になる。
 それまでは、銃の基本的な知識を勉強することになった。

「データは見た。明らかに人工的に一時的な道を作っているな。しかも、後にはきちんと埋めている律儀な事だ。」
 一夏はトリスメギストス級を含めたNATO各国の測量艦の海底観測のデータを手に、トリスメギストスの艦長。
「はっ。ですが、シールドマシン及びトンネルボーリングマシンの影も形も見当たりません。地質学のチームも首を傾げています。現在でも海底に道を作るとすれば、シールドマシンが不可欠との事ですので。さらに言えば、現段階の技術ではこれほど速く掘削できる物は見た事も無いとの事です。」
「確かにな。」
 シールドマシンやトンネルボーリングマシンは、円柱状の先端に高硬度の金属でできたカッターを取付けて地中を掘り進む、トンネル工事等の土木建設に使用される土木機器である。
 シェアは日本が大部分を握っており、技術も世界のトップを維持している。
 現在は、ISの装甲開発に伴い材質工学が格段に進歩して、カッターの高度も高くなり、さらにより早くより効率的に掘削を進めるための技術も日進月歩で進み、掘削速度は通常でも12m。3シフト制で84mを1日で掘り進む。
 一見すると遅く見えるが、地中や水、掘った後に出る泥等の圧力に耐えながら掘り進むのは、高度な技術が必要になる。
「距離は、どの程度だ?」
「はっきりとは解りませんが、数百キロ単位は間違いないかと。」
「だろうな。」
 予想はしていたけど、かなりの長さだな。
 それだけの距離を、短時間で。
 しかも、ほとんど気づかれずに…。
 どんな工法だ?
 メジャーなのは、シールドマシンかトンネルボーリングマシンを使用して、ちょうどミミズやモグラが掘り進んでいくように進める工法だ。
 他には、掘削した部分を素早くコンクリートで固めて特殊なボルトを岩盤深く打ち込んで固定する新オーストリア工法。
 それに、ケーソンと呼ばれるトンネルをパーツのように分解した物を海底に沈めて接続するケーソン工法。
 オープンカット工法は除外だな。
 そもそも、地表を掘り下げてトンネルを作るなんて気づいてくれというような物だからな。
 とすると、元に戻している点からシールドマシンとボーリングマシンを使う工法か。
 それに新オーストリア工法の一部をミックスすると言った感じかな?
 海底の下を見ると僅かだけど表面が均一に固められている層があるから、これだな。
 使用される特殊なボルトがないから、特殊な素材を使用したのは間違いない。
「海底を少し掘って固まっている部分のサンプルを取り出して、分析に掛かってくれ。そこから情報が得られるはずだ。」
「了解しました。」

 にしてもだ。
 大量の土砂をどうしたかが問題だな…。
 後で戻すにしても、どこかに格納しないと無理だし…。
 え?格納…。
 格納か…。
 あるぞ…。
 ISの拡張領域…。
 ゴーレムの開発を行う過程で、拡張領域の研究を行っていれば可能だ。
 俺も、拡張領域その物を独立した機能として、オプション化する研究をしたからな。
 俺と同じことを考える奴の1人や2人いたって、不思議でもなんでもない。
 ジェームズ・グレイ。
 奴だけだろうな。
 こんな事が出来るのは。
 ゴーレムの開発に成功したなら、これぐらいは出来るだろう。
 ISモドキとはいえ、これだけの機動兵器を開発するんだ。
 俺も、グリフォンと学園の警備用に作ってるけどな。
 束さんには劣るけど、俺とほぼ互角と言っていい。
 となると、亡国企業という組織との戦いに勝つと同時に、俺は1人の科学者としてジェームズ・グレイに勝たなくちゃならない…。
 となると、男性が使用できるISの開発か、ISと互角で性別に関わりなく運用できる機動兵器か…。
 ただ、下手をすれば通常戦力に置いてもさらなる格差を生み出しかねない。
 だから、そっちの設計は俺の中で禁忌にしていた。
 とはいえ、双方の設計を更に手がければ経験はさらに蓄積される。
 それは俺を科学者としても、さらに高いステージへの道標にもなる。
 けど、それが本当にいい事なんだろうか…。
 これに関しては、俺の胸の中に仕舞っておこう。
 相談出来れば楽だけど、もし外に漏れたら大変なことになる。
 只でさえ、各国が議論している可能性もゼロじゃないからな…。
 さて、データの精査だ。

「そうか。すまんな。態々知らせて貰って。ああ。解っている。じゃあな。」
 千冬は盗聴防御を何重にも施された形態のスイッチを切ると、大きな溜息をつき憂鬱な表情になる。
「織斑先生…。何か…?」
 真耶が、心配そうに尋ねる。
「マルヴェッツィからの連絡だ。一夏の上級大将への昇進が決まりそうらしい…。」
 嘗て、初代ブリュンヒルデの座を争い、千冬の引退後二代目ブリュンヒルデとなり、IS委員会直属のパイロットとして一夏が開発した、デチューンした展開装甲を全身に実装したマルチロール第三世代IS桃始華のパイロット、アンジェリカ・マルヴェッツィから気になる連絡が来たので、千冬は裏事情を考え始めた。
「上級大将?たしかに軍の階級として、存在する国家はありますが少数。まして、IS委員会の階級は、アメリカやイギリスに範を取っています。不自然では?」
 上級大将とは、大将と元帥の間に存在する階級で、ドイツや旧ソ連に存在した階級である。
 しかし、それも廃止されている。
 その上級大将に一夏が昇進するというのだから、真耶は何か胡散臭さを感じた。
「話によると、今までの一夏の功績を考慮すると既に技術中将クラス。その面も評価して昇進させないというのは問題がある。というのが、委員会での結論らしいが、あいつなりにきな臭さを感じた。それで、わざわざ連絡をしてきたそうだ。」
「何か、思い当たる節でも…。」
「国連が開発した、ガラクタが学園に送られて評価されているだろう?」
「ああ、EOSですね。」
 EOSは作業用の外骨格で、災害時の人命救助等に活用することを前提にして開発された。
 しかしながら、学園で評価した結果。使い物にならないという結論が出た。
 一夏が開発したHEGに比べて、汎用性にかけ、さらに稼働時間が極めて短いという致命的な弱点を抱えている。
 その点をレポートにして、国連に提出した後、改良型が送られてきて学園で評価試験が続いている。
 結果、性能は向上しているがそれでも、千冬に言わせれば「ガラクタ」の域を出ない。
 だが、一夏が開発したHEGは、ガイドラインを整備して免許制度も整ってから既に工事現場等で活躍しており、世界中で使用台数は伸びる一方である。
 作業用としてだけではなく、災害救助時も汎用性を活かして非常に役立っており関係者から高く評価されている。
 様々な現場から、追加オプションの開発要請が後を絶たず、会議の結果、機体の開発部門とオプションの開発部門を別にすることが決定。
 技術者をヘッドハンティングして、開発に力を入れている。
「亡国企業が、あれをベースにした機動兵器を投入してきただろう?まあ、ガラクタでしかなかったがな。それに対して、委員会は何らかの対抗策を打たせようとしているらしい。今までの各国のISの開発や改修、パッケージにオートクチュールの開発。空中艦隊や水上艦隊の艦の設計開発等、技術者として確かに一夏の実績は多大な物がある。工兵や軍の技術者の最高の階級は、技術中将。プラスその功績に対しての勲章を授与されてもおかしくないのだから、せめて名誉職になるが上級大将に昇進させるべき。という声が多数派だそうだ。」
 千冬は、不機嫌の極みだった。
 先の展開は、読めている。
 おそらく、さらに一夏に新型の兵器を開発させるつもりだろう。
 その後は、HEGとEOSどちらをベースにするかの薄汚い利権争い。
 そんな事に、一夏を巻き込みたくなかった。

 こんな感じでいいか。
 俺の目の前には、簡単な概念設計図があった。
 これがあれば、ISクラスとはいかなくてもゴーレムとも戦える最低限の性能を持った有人機動兵器を開発できるだろう。
 戦車や装甲車に使用されている兵装から、ISの兵装も使用できるしな。
 俺の方は、亡国企業の本拠地がどこにあるかを考えるので精いっぱいだ。
 そっちは、向こうに頑張ってもらわないとな。
 千冬姉に気苦労掛けるのも、嫌だしな…。
 さて、下の道の行先はどこかな〜っと。

後書き
装備も決まり、今度は地下。
つまり裏の動きのお話です。
まず、一夏。
亡国企業の侵攻ルート捜索を、NATO軍で行います。
海自にも海保にも測量船と言うのがあります。
これは単刀直入に言いますと、海域データを入手するための船と言っていいと思います。
現に中国は、一時期日本の領海に、「ここは自国の領海だ。」と言って何度も侵入しました。
海域データは、軍事上重要なデータです。
海水の温度、海流、ペーハー値。
潜水艦が魚雷を発射する際の貴重なデータであると同時に、戦闘時に利用するデータでもあります。
海底機雷を仕掛けて、待ち伏せするのにも使えます。
それを使って、一夏は以前にイギリス海軍上層部と協議して、海底を調査して進行ルートのスタート地点にルートを作る方法を突き止めようとします。
公に出来ないので、色々と大変です。
一方、千冬側は、二代目ブリュンヒルデにして千冬の友人であるマルヴェッツィから一夏に関する情報を入手します。
国際社会の重鎮であると同時に、微妙な立場でもある一夏。
いいように利用されないように千冬達は、注意が必要になります。
既に、以前に送られた外骨格EOSを巡っての裏の動きを千冬なりに察知します。
一夏は一夏で、いつかは必要になる事を認識し、既に設計を終えています。
日常を普通に送りながらも、様々な事に気を配り手を打つ。
非常に精神的に疲労します。
ある意味、ゴーレムとの戦闘より大変かもしれませんね。
















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