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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第42話 Bomb man and fool both Phase2

<<   作成日時 : 2015/05/21 23:47   >>

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「それにしても、何でまたあんなのが湧いて出てくるようになったのやら…。戦争の形態が変わると、どんどん嫌な方向に変わり続けるんですかね?」
 コンボイの中で、ソフィが溜息をつきながら言う。
「まったくだな。俺らがイラクにいた頃なんてテレビゲームみたいな戦争なんて言われて肩をすくめてもうないと思ってたんだが、どんどんキモイ方向に変わるのな。今じゃ、会社員まで戦場をうろつく様なご時世だ。」
「ですね。元をたどれば、冷戦終結後のアメリカをはじめとする各国の軍事費の大幅削減で軍を去った元軍人たちの受け皿としてPMCが誕生し、当初は政府軍の訓練を担当したり裏方だったのに、アンゴラ内戦等でいつの間にか実戦にも参加するようになりましたからね。気が付いたら、政府が危機感を覚える程巨大になったPMCもありましたね。」
 ソフィが例に挙げたのは、嘗て南アフリカに存在したPMCエグゼクティブ・アウトカムズ社。通称EO社である。
 南アフリカ初の黒人大統領ネルソン・マンデラらが行った軍縮で職を失った優秀な兵士を雇い入れて戦車や装甲車を装備し、戦局に強い影響力を持つに至った。
 それを危惧した南アフリカ政府は、EO社を解体している。
 以降、EO社の様なPMCは現れていないが、様々な戦場でPMCは活動している。
「最近は、無法者の集まりじゃないとイメージアップにも力を入れていると聞いていますけど、ああいうのを見ると説得力が弱まりますね。」
「ま。連中にも色んなのがいるって事だろ。今回ははずれくじを引いたと。」
「ですね。ところで、何でワイリさんのコンボイが僕たちの先頭になったんですか?」
 先頭は、PGC社のピラーニャVが務めるとはいえコンボイの順番が変わった事を、ソフィは不思議に思っていた。

「ああ。そういや、話してなかったな。この部隊の最強の傭兵は俺だが、他の連中もレベルが高い。もちろん、ワイリもな。が、ヤバさでは、ワイリの右に出る奴はいない。何しろ、この中でココと一緒にFBIのブラックリストに名前が載る位だからな。」
「ココさんは商才が世界に与える影響力を考えれば納得できますが、何でワイリさんが?」
 いかに能力が高くても一傭兵に過ぎないワイリが、FBIのブラックリストに名を連ねる理由が理解できなかった。
「あいつが戦闘工兵だったってのは、さっき話しただろ。それが理由さ。爆破は卒業論文に書いた程度だったのに、俺らと会う頃にはプラントをペシャンコに出来るほどに、爆破のスキルは向上していた。そして、任務を重ねるごとにスキルには磨きが掛かって行った。気が付いたら、爆破のエキスパートになっていたのさ。そして、爆弾に異常に鼻が利くようにもなった。そこらのアマチュアテロリストの仕掛けた爆弾なんて、すぐに見つけちまう。ワイリがここに来た時には、ココを狙う爆弾魔がごまんといた。世界的な海運王の実の娘が、目の前をうろついてんだ。爆弾で脅せば金を巻き上げられると踏んだわけだな。だが、1人として成功していない。ワイリが全部追っ払った。そうしている内に、ワイリは一流の爆弾魔を遥かに上回る超一流の爆弾魔になった訳だ。」
「成程。その爆破テクを本国で振るわれたら堪らないですからね。FBIとしてはブラックリストに入れておかないと、安心できないと言う訳ですか。」
 ソフィは、ワイリのもう一つの一面を知った。
 爆弾を扱う事から、その方面の知識はそれなりの水準にあると考えていたが、その実力はソフィの予想を遥かに上回っていた。
「ワイリのテクのおっかなさは、爆弾を仕掛けた奴らが自分の爆弾であの世まで吹っ飛ぶ事だ。警察は首を傾げた。自分が仕掛けた爆弾で、テロリストたちは揃いも揃ってあの世行きなんだからな。状況から見てワイリが怪しいが、ワイリは爆弾どころか火薬の1グラムも持っちゃいない。爆発した爆弾を調べたところで、ワイリを逮捕する口実は見つからない。」
 ワイリは、相手が仕掛けた爆弾を発見し相手が自滅するようにする。
 しかも、証拠が残らない周到さ。
 確かに、恐怖に値する。
 ソフィも、爆弾を使う人間は数多く見て来たがワイリほどのレベルに達した人間は見た事がなかった。
「最高傑作は、ギリシャだな。俺達が泊まってたボロいホテルに、ホテルが丸ごと吹っ飛んでもお釣りが来るほどの爆弾を仕掛けられたことがある。勿論、爆発していない。犯人が理由を探りにホテルに来た時に、何が起こったと思うね?」
 にやにやしながら、レームは訊ねる。
「ホテルと一緒に、あの世に跡形も無く吹っ飛んだ。ですか?」
「惜しいな。そのホテルは6階建てだったんだが、仕掛けた階と共に犯人が吹っ飛んでホテルは5階建てになった。が、正解だ。」
「何とまあ…。」
 さしものソフィも、呆然となった。
 ホテルが丸ごと吹き飛ぶ以上の爆弾を解除するスキルもそうだが、威力をコントロールして1つの階だけ吹き飛ぶようにしたスキルには言葉が出ない。
「あいつは、よりクールな爆破ってのがポリシーでな。まあ、原因は、湾岸戦争の時の任務で俺らがほめ過ぎた事だろうが、まだガキンチョで、いつもムスっとしていたココがワイリの爆破を見る時はご機嫌でな。他の連中も、楽しんじまってる。お蔭で、ノンストップ。他に、北アフリカにトルコ。まだまだあるぜ。」
「もう結構です…。」
「そうか?ま、後でじっくり聞かせてやるから楽しみにしてな。」
『新手の、嫌がらせですか?にしても、ここにいる人たちは本当に一癖も二癖もある…。まともな人の方が少ない気がしてきた…。』
 一言で言えば、ワイリは爆破に関してはクレイジーとしか言いようのない人間。
 常に本を読んでいる読書家と考えていたが、普段は見せない一面を知ったソフィは頭痛がしてきた。
「一号車より全車へ。停止してください。繰り返します。全車停止してください。」
 ワイリから全車へ、連絡される。
「いらっしゃいましたか。」
「だな。」
 停車した後、ソフィはWA2000とARX−160を。
 レームは、つい最近取り寄せたM24系の最新モデルM24E1 ESRを取り出す。
 ルツも愛用のシグブレーザーに弾丸を装填し、ミロもツァスタバにマガジンを装填する。

 ワイリはコンボイから降りて、近くを調べていた。
「何やってんだ?あいつ。」
「さあ…。」
 この辺りの地理に明るい事を活かして先回りしたエクスカリバーのリーダー達が、周囲を調べるワイリを見て訝しむ。
「連中は?」
「もうすぐです。」
 前方と後方から、M2重機関銃やRPDを搭載したピックアップトラックを擁するメンバーを加えて挟撃し、ココとソフィを人質に身代金を要求する。
 それが、シナリオだった。

「おっ。発見。向こうにもあるな。」
 発見したIEDに、ワイリは細工をし始める。

「IEDに、何かしてるみたいですけど…。」
「反対側に、行きましたぜ。」
「放っておけ。連中が来たら、始末すりゃいい。」
 フランス製狙撃銃PGM ミニヘカーテ338を持つ部下に、リーダーが命令する。

「来ましたね。なんとまあ、警戒心ゼロですよ。」
 ブッシュネル社製スポッティングスコープレジェンドウルトラHDで、エクスカリバー側の動きを見ていたソフィが呆れたようにつぶやく。
「何が来る?」
「M2とRPDですね。後は、兵隊の増援が来てます。」
「よし。俺はM2を殺る。お前はRPDを頼む。」
「了解。ついでに、増援の運転手も仕留めます。」
 ソフィとレームの所には、エリ、アーサー、フェリ、ワイリ、トージョ、ウゴが来ており、ココの元には、バリー、ミロ、ヴィリー、ヴァルメ、マオ、アール、アーキン、ルツがいる。
 PGC社も、迎撃準備を整える。

『M2に注意撃たせるな!』
「はいよ。」
「了解。」
 レームとルツが復唱する。

「さ〜て、札束の山が俺達を待ってるぜ。」
「ついでに上玉と、ファックしまくり。堪らねえ…。」
 しかし、その先を言う事は出来なかった。
 ソフィのWA2000から発射された.300ウィンチェスターマグナムがフロントガラスと共に運転手の頭に風穴を空けた。
 無論、即死である。
「奴ら、撃ってきやがった!」
「おい!運転代われ!援護射撃!」
 しかし、引き金を引く前にレームとソフィが仕留める。
「何だよ。口先だけの三流じゃねえか。」
 ココの方も、ルツとミロが狙撃で冷静にM2とRPDを沈黙させていた。

「何て奴らだ!」
「あの野郎!いつの間にか消えてやがる!」
 容易い獲物だと思っていたが、それが誤った認識である事に今更ながら気が付いていた。
 リーダー達が自分たちの認識不足を自覚している最中でも、エクスカリバーのメンバーは、ココとソフィの部隊。それにPGC社の社員によって確実に狩られていく。

「M2とRPDは黙らせたぜ。向こうのリーダーは、動いてねえな。トンズラするかもしれねえぞ。」
 レームが、ココに連絡を入れる。
「こっちも、増援が車を盾にだんまり。M2とRPDは黙らせたけどね。ま、大分数減らしたから、時間の問題だけど。」
「でしょうね。向こうはもう皿の上の鴨ですよ。近づいたら最後ですし。」
 ソフィが、ココに連絡入れる。
「そうだけどね。このままトンズラさせるのも、目覚めが悪いんだよね。」
「終わりましたよ。レームさん。」
「お疲れ。あとは、向こうが近づいてくるのを待つだけか。」
「ですね。」

 その頃、エクスカリバーのメンバー達は、焼けつくような日差しの下で冷や汗をかいていた。
「クソが!どういう事だ?あんな凄腕揃いなんて、聞いてねえぞ!」
「向こうも動きが取れねえ。ここから顔だせば、こっちがくたばっちまう!」
「うるせえ!ガタガタ言うな!」

「おい。銃だけでいい。とにかく車の影からぶっ放せ!」
「社長。そんな事しても当たりませんよ。」
 エクスカリバーのメンバーが、リーダーの事を社長と呼んで射撃の意味の無さを言う。
「当てるのが目的じゃねえ。隙を作れ。その間に、スナイパーを仕留める。とにかくぶっ放せ。」
「解りました。やるぞ!」
 命令通り、銃だけ車の影から出してトリガーを引くと、出鱈目な方向に弾丸が発射される。

「くだらねえ手を使いやがるな。」
「そうですね。」
 ソフィがエクスカリバーの社長と共にいるスナイパーを、仕留める。
「ワイリ。やれ。」
「了解。」
 エクスカリバーのメンバー達は、2つの事を忘れていた。
 まず、ワイリが爆弾に細工をしたらしい事。
 そして、自分たちが仕掛けた爆弾でダメージを負う位置にいる事。
 ワイリがスイッチを押すとエクスカリバーが仕掛けた爆弾が爆発し、先回りしていたエクスカリバーの社長達を巻き込んで爆発した。

「フフーフ。これで、戦力半減。こっちはのんびり仕留めるかな。そんなに時間はかからないし。」
 ココは車の陰に隠れている、エクスカリバーの残党を見て笑みを浮かべる。

後書き
湾岸戦争ではハイテク兵器が多数導入されて、戦争の形態がまったく様変わりしました。
以前にその事に関して、ドキュメンタリー番組を見た事がありますが、ほとんど完全にテレビゲームです。
湾岸戦争時の映像と説明がなければ、テレビゲームかアーケードゲームと思ったでしょうね。
その結果、湾岸戦争に勝利した多国籍軍の損害は、イラク軍に比して非常に少なくなりましたが、最前線の兵士や軍の指揮官が、非常に気持ち悪く、悍ましく思ったそうです。
テレビゲーム感覚で人を殺していれば、普通はそうなりますからね。
そして、現在では後方や兵の訓練等で、民間軍事会社、PMCが雇われています。
会社員が銃を持って戦場に来ているわけです。
アメリカや欧州のPMCが実際に戦闘に参加したわけではありませんが、それもいつまで続くやら。
中には、民間人を虐殺したゴロツキまでいました。
マフィアみたいですな。
そんなゴロツキのエクスカリバーが喧嘩を売ったのが、大多数が特殊部隊経験者である百戦錬磨のココとソフィの部隊。
あっという間に、半数が壊滅。
さて残りはどうなるやら…。








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