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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第140話 ポーランド滞在記<前篇>

<<   作成日時 : 2015/02/14 23:56   >>

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「うん。美味い。」
 ようやく、まともな食事にありつけるようになって、俺は冬菊の作った雑炊を堪能していた。
 よく出汁が出てる。
 鳥だな。
 中華風とは、違う取り方。
 雑煮とかに、使うやり方か。
 味付けは、醤油とみりん。
 どちらも、いいのを使ってるな。
 肉が凄く柔らかい。
 味もマイルドになってる。
 鶏肉もいいのを使ってるが、下処理にも手間を掛けているな。
 米は玄米か。
 よく煮ているから柔らかい。
 かといって、歯ごたえが無いわけじゃない。
 消化を良くする為に柔らかくしつつも、歯ごたえを残す。
 そのギリギリの線を、見極めている。
 これって、かなり難しいんだけどな。
 さすがは、料理上手の冬菊だ。
 この卵もいい。
 味が濃厚だ。
「その卵。朝、養鶏農家の方が、わざわざ持ってきてくださったんです。産み立ての、有精卵だそうですよ。鳥も昨日、卵を持ってきてくださった農家の方が出汁に取るのに適しているのと、肉にするのにいいのとを特に選び抜いて持って来て下さったんです。一夏さんが、元気になるようにって。自分にできるのはこれくらいだからって…。あ、お手紙も預かっていますよ。」
「そうか。後で読むよ。お礼の手紙も書かないとな。」
 ありがたいよな…。
 こうして、わざわざいいのを厳選して持って来てくれるなんて。
 売ればいい値で売れたのに、俺の為に持って来てくれるなんて。
 気持ちと一緒に、よく味わいながら全部食べた。
「ご馳走様。美味かった。冬菊お手製の流動食も美味かったけど、やっぱりきちんとした食事が食べたかったからな。満足したよ。」
「良かった。昨日から、準備した甲斐がありましたわ。」
「本当にすまないな。冬菊だって、学校あるのに…。」
「いえ。学校はもう飛び級で卒業したんです。だから、今は休みです。9月から大学部に編入です。」
 さすがは、秀才ってところか。
 最近、私立は飛び級結構多いからな。
 特に、男子校にその傾向が強い。
 ISは扱えないが、社会に若く優秀な人材を供給する為に成績のいい生徒は飛び級をさせて早い内からさらに高度な教育を受けさせるためだ。
 S.Hアーマーが全国的に配備されるようになって、自衛隊の志願者も増えたって聞いているし、将来の士官を要請する防衛大の倍率も上がる一方で東大に入学するより難しいと言われている。
 一兵卒にしても、大学卒業者がごく普通にいる為に最新兵器の扱いをすぐに覚えてしまうらしい。
 陸空海全てで部隊の新設・拡張がされているけど、かなり順調だそうだ。
 これで、G−TMAが配備されたらどうなる事やら。
 IS学園にしても、各国の最新鋭機が集まっていて、整備科は高度な技術に触れる事が出来る様になってレベルはかなり高くなっている。
 その他の生徒も、日頃の授業や対抗戦等でセシリア達と手合わせをして以前よりレベルは高くなっている。
 整備科ほどじゃないけど、ISのハードやソフトウェア関係の知識も高くなっているし、それに目を付けた企業が目をつけて引く手数多だ。
 学生のレベルが高くなって、社会に輩出される人材もレベルも高くなる。
 そして、各種技術も高くなる。
 技術国家としての日本は、よりハイレベルになっている。
 だからこそ、アメリカは兵器開発において、日本を巻き込んで少しでも日本が開発した技術を手に入れようとしている。
 何か、面倒くさい事になってるよな。ホント。

「大分よろしいですな。敗血症もかなり回復しています。これなら、後2日程で退院できそうですな。」
 おっしゃ!
 これで、早く帰れる。
 とにかく、溜まった仕事を全部片づけて、亡国企業関係の書類に全部目を通して。
 やることが、山積みだ。
 今回の事で、ちょっと作っておきたいオートクチュールもあるしな。
「では、私はこれで。回復してきているといってもまだ完全ではありませんので、くれぐれもご自愛ください。」
 最後に、釘を刺された。
 まあ、その通りではあるんだよなあ…。
 程々にしながら、ちょっとやっておくか。
 多分、来そうだし。
 俺は、端末を起動させてあることをし始めた。
 そうしていると、本社から電話が来る。
「ああ。解った。予想はしていたからね。こちらで、既に図面を引き始めているよ。うん。そっちはハイとロー、双方。そっちは、分ける必要はないだろう。うん。メインはそっちだから、他に要望があった時はその時に考えよう。うん。じゃあ。戻った時に。」
 俺は、通話を済ませて携帯を切る。
 もう、話をつけていたか。
 ええと。ハイの方は、あちこちいじって近代化したいな。
 ちょっと、機体が古すぎるし。というか骨董品に近い。
 個人的には、売り払って航続距離や戦闘行動半径が同じくらいのやつを導入した方がいいと思うが、それをやると金がかかるんだろう。
 まあ、ハイとはいえ1機買うのよりはずっと安いからな。
 ローの方は、今のままで可能な限り性能を向上させよう。
 いずれにせよ。NATO規格に合わせているのは賢明だな。
 なんだかんだでシェアが広いのは、NATO規格だし。

「閣下。コモロフスキ大統領閣下と、クリフ国防大臣閣下がお越しになられました。」
「解った。冬菊。席を外してくれ。」
「はい。」
 重大な事が話し合われると察した冬菊は食器を持って、席を外す。
「少佐。誰も入れないように。」
「承知しております。」
 虚さんが病室の外に出て、大統領と国防大臣をご案内する。

「だいぶお顔の色もよろしいようですな。一時はどうなるかと思いましたが。」
「この度は、ご迷惑をおかけしました。お蔭様で随分良くなりました。」
「ああ。いやいや。我が国を命がけで守ってくださったのですから、これ位は当然です。」
 最初は、当たり障りのない会話から始まる。
 まあ。これは普通だ。
 で、話の内容は何かな。

「成程。ポーランド軍の装備の近代化と、東欧版EUですか…。」
 コモロフスキ大統領の言った事を、俺は考え始めた。
 前者は予想していたけど、後者はちょっと驚いたな。
「はい。後者は軍事同盟も含んでの事です。」
「成程。周辺国もこの度の事で、自国では対応が不能と考え軍事同盟を結んで共同で対応しようというわけですか。しかし、貴国はNATOの加盟国。外交的にいささか問題が生じませんか?なにより、アメリカの出方が気になります。ロシアも、何らかのリアクションを見せるでしょう。」
 事実上、NATOの盟主と言っていいアメリカ。
 急速に軍事力を増強し、ポーランド周辺に影響を及ぼしているロシア。
 この二か国が、今回の事で何も言わないとは思えない。
 それでなくても、NATO側も何か言ってくるだろう。
 外交的なデメリットが、少なからずある。
 ちょっと、危険な気がするな。
 そうか…。そういうことか…。
「やはり、国民感情が…。」
「はい。ロシア、他のNATO諸国もIS部隊を派遣してはきませんでしたので…。」
 クリフ国防大臣が、理由を話す。
 どのような形にしろ、軍を出すというのは簡単な事じゃない。
 様々な手順を踏まなければ、今は軍事力の行使は不可能だ。
 それを考慮した場合、ポーランドや周辺諸国は自分達でどうにかできる体制を整えておきたい。
 大統領や国防大臣。
 他の閣僚。
 そして、なにより国民が望んだという事か。
 とは言え、ISがない以上実効性の面では疑問なんだよな。
 それで、俺に話がいったのはすぐに解った。
 委員会から、直属部隊を派遣して欲しいという事か。
 気持ちはわかるけど、今度はどこに部隊を置くかで揉めそうだな。
 頼もしい戦力は、自国に駐屯して欲しいと思うのがごく当たり前の考えだし…。

「発足に関しての会議は、いつ開かれるのでしょうか?」
「調整がつき次第、すぐにでも。現在、各国の外交及び国防関係者の会合を開くべく急ピッチで調整が進んでおります。」
 組織の発足自体は、なんとかなりそうだな。
 後は、如何に早く軍を展開できるようになるかだ…。
 これに関しては、国連軍の様な物が必要だな。
 そして、属する幹部は軸足を自国に置かないこと。
 これが、絶対条件だ。
 それがクリアされれば、IS部隊も何とかなるか…。
 そこは、束さんがコアを提供するつもりなのは、変わってないだろう。
 あの人はあの人の視点で、世界情勢を見ている。
 つまり、完全な第三者の視点で、必要だからIS委員会の戦力を強化が必要だと判断したわけだ。
 俺が設計した、第三世代の量産型を派遣。
 グリフォン部隊も駐留させる。
 場合によっては、G−TMAも配備すれば形になる。
 あとは、訓練か…。
 そして、ロシアやアメリカといった大国が口を出さないかだな。
 IS委員会は、元々国際組織だからあくまで中立。
 ただ、予算は加盟国が分担して支払っているから、最悪分担金の滞納位はあるな。
 そうなったら、多分束さんが援助する気がする。
 あの人なら、それ位楽勝だし。
 但し、東欧じゃなくて委員会に対してだろう。
 あの人は、特定の国に肩入れはしない人だからな。
「確認しておきたいのですが、今までのお話は東欧諸国の総意と考えてよろしいのでしょうか?閣下。」
 ここは、確認しておかないとな。
 どこかの国が、多大な影響力を持つとその国の私兵に近い組織が出来かねない。
「はい。それから、財政面では日本が各種債権の買い入れで支援をしていただける旨を取付ける事に成功しました。」
 日本は、以前にも中東欧の財政危機に関してIMF経由で支援しているからな。
 あり得る話か。
 今の日本なら、可能ではあるか。
 後は、装備だな。
 アメリカの軍需産業が、書き入れ時と見かねない。
 特に高性能対空ミサイルや、各種野戦レーダー等、まだ東欧で自国開発が出来ない分野では口を挟んでくるだろう。
 未だに世界の警察を自認しているあの国が、他国の影響力を増す事を黙って見ているとは思えないしな。
 ロシアも可能性は高い。
 そうなると、話はかなりややこしいことになる。
「現在、日本からの軍事技術の支援に関して、国防関係の官僚が既に協議の為に向かっています。」
 やっぱ、そう来るか。
 日本は、日米同盟を締結しているとはいえ他国に影響力を行使する気はさらさらない。
 加えて、ポーランドとは安全保障面での協力を密にすることが、既に決定している。
「東欧諸国としては、アメリカやロシアの支援を仰ぐ事には反対なのですか?」
 ちょっと、ここは聞いておく必要がある。
 兵器の規格も違ってくるし、その後の外交関係にも影響する。
「どちらの支援を仰いでも、問題は起きます。最も問題が起きる可能性が少なく、高度な技術を持つ日本がベターと首脳との意見は一致しました。」
 国防大臣が、各国からの親書を俺に渡す。
 成程…。
 協議を始める前から、そこは既に考えが一致していたのか。
 まあ、このあたりは日米安保の範囲外だから、向こうもことさら強くは出れないだろうけど…。
 それなりに、口は出すだろうな。
 いずれにしても、今の東欧をこのままにしておくのはまずい。
 委員会に、話は通しておくか。
「解りました。委員会には、私が話を通しておきます。以前から議題には登っていましたから、協議を開くのは問題ないでしょう。あとは、その他の兵器ですな。」
「これは、我が国の案なのですが。各国の合同出資の兵器開発企業を設立して、開発することがよいかと。その際に、日本側の協力が大きな助けになります。」
 成程。
 連絡来たからな。
 俺の方で、アップグレードのアイデアは既に練り終わったし、他の兵器も使えそうな物を使えばいい。
 戦闘機は、独自開発かな?
 そっちは、プランを考えておくか。
「それでなのですが…。設立会議の場に、貴方にも出席していただきたいのです。いろいろと調整を、お願いすることになると思われますので…。」
「それについては、何ら異存はありません。喜んで務めさせていただきます。」
「良かった。詳しいことは、後ほど大使を通じてご連絡します。まだ療養が必要なこの時に、このようなお話を持ちこんだことまことに申し訳ありません。ですが、我らの苦汁をお察しいただけるのであれば、何卒お力添えをしていただきたく…。」
「どうぞ、顔をお上げになってください。その事は、今回の事で身に染みて良く解りました。この国の方々には、体に滋養の良い物をいろいろ贈っていただいたりして、私なりに愛着もあります。私にも立場というものがありますが、やれることはやらせていただく所存です。」
「よろしくお願いいたします。では、お大事に。」
 お二方と握手をして、話は終わった。

後書き
ようやく一般病棟に移る事が可能になって、消化のいい物という条件付きながらも普通の食事が許された一夏。
そこらの軍人とも鍛え方が違うので、一度回復が軌道に乗れば前回までのスピードも早くなります。
後は、ゆっくり療養して全快するのみ。
とはいかずに、相談が来ます。
内容は、東欧版EU。
五大国の一角ロシア、そして、EUとNATOの中核を無しIS保有国が数多く存在する西欧。
この間にあって、お世辞にも最新式とは言えずに、古い兵器を知恵を絞って使っているのが現状の東欧。
今回の様な事がまたあれば、一堪りもありません。
結論は、自分達で即応できる組織を作る。
その為に、東欧の中では有数の軍事力を持つと言ってもいいポーランドと安全保障面で関係を深めている日本。
そして、IS委員会のみならず国際社会での重鎮である一夏の助力を得ようとします。
無論、環境づくりの為に政府レベルでの働きかけも忘れません。
その影響が、一夏への連絡です。
国民感情が、政治家たちの背を押していることを察して、一夏は調整の困難さを理解しながらも助力の嘆願を承諾します。
いずれにせよ。今の状態は望ましいことではない。
情に流されずに、純粋に国際政治と世界的な軍事バランスを考慮しての結論です。
シャルロットの時は、感情に支配されて助力を申し出ましたが今回は理性面で冷静に思案しての助力。
以前とは一夏もだいぶ変わっていることを、改めて書いてみました。















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