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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第139話 それぞれの想い<前篇>

<<   作成日時 : 2015/02/07 23:45   >>

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「終わったか。」
 高芳は、相州乱波と丹波乱波に一夏と冬菊の警護を任せて正面入り口で戦い、初盆で帰省した時を遥かに上回る剣術で亡国企業の兵達を叩きのめしていた。
 死者こそ出てはいないが、全員あちこちを骨折し、手の周辺を切られていた。
 人間は、心臓から離れた場所ほど痛みを強く感じる。
 医学部の友人から聞いた事を思いだし、ある程度の深さで激痛を与えて武器を手放させ峰打ちで骨を折り戦闘不能にしていた。
 防弾にしろ防刃にしろ、ショックまでは吸収できない。
 着弾の衝撃は、伝わる。
 ましてや、超硬コバルトハイス製ブレードの重く強烈な一撃は骨を折るのに充分であった。
 全員、最低でも全治三か月。
 その間は、ベッドの上で痛みに苦しむことになる。

「ちょっとした手合わせと戦いの区別もつかないとは、呆れた…。日本の剣術も、安く見られたものだね…。」
 去年の盆に一夏と手合わせをした時は、あくまで手合わせでしかなかった。
 真剣勝負をしたわけではない。
 だが、今回は一夏を守る為の戦い。
 精神のスイッチが、真剣勝負どころか戦いに切り替わっている。
 亡国企業の兵達は、その事に気づけなかった。

「僕は、一夏の元に戻ります。あとをよろしく。」
「あ、ああ。」
 そう言って、高芳はブレードを収めるとICUに向かった。

「あれで一般人とはな。戦闘用プロテクターに弾丸がかすりもしていない。本能的に回避したのか?いや、それとは違う気がした。いずれにせよ。恐ろしいな。日本の剣術を取り入れたCQCの確立を急ごう。」
 ホワイトイーグルの司令官は、10m程度なら剣術の達人にとって銃は脅威にはならない事を知らなかった。
 通常、剣の間合いは半径1m前後。
 だが達人ともなれば、1秒もあれば容易に相手に最初の一撃を叩き込む。
 まして、明王流を流派とする月山家には、同田貫を源流とする国親の太刀が伝わっている。
 同田貫と言えば、二の太刀いらずと呼ばれるほどの技の威力が高い薩摩示現流を御家流とする薩摩藩でも愛用された実戦的な刀である。
 同田貫を源流とし、更なる斬れ味、更なる耐久性を追求した国親は、達人が手にすればその一撃の威力は凄まじい物になる。
 達人クラスである高芳は、相手の動きから狙いを読み発砲する前に相手を戦闘不能にする。
 また剣術ではないが、歌舞伎では暗闇の中でも気配を感じて殺陣ができなくては一人前とは言えない。
 一夏が様々な日本の伝統芸能を観に連れていかれた時には、当然高芳も一緒にいるのでそれをよく知っていたので気配を読む修練は重視していた。
 そして去年一夏と手合わせをして一夏がさらに伸びたのを知り、苛酷な鍛錬を自らに課していた。
 結果、さらにその実力は伸びている。
 いまや、民間の剣道の大会では敵無しであり、去年ですらラウラは一夏と高芳の手合わせを見た時に、その実力に舌を巻いたほどである。
 あれから、約一年。
 高芳は、更に腕を上げていた。
 鍛錬を続けている時、頭に浮かんだのは隙が無く鋭く、常に最も適切な対応をする一夏の剣さばきだった。
 一切の無駄のない、剣術。
 日本刀その物。
 それこそが、剣術を修める者としての高芳の理想となっていた。
 それをさらに磨くために、亡き父竜芳の知人である高名な剣術家達の門を訪ね歩いて、足りない部分を体に覚え込ませた。
 一夏と再会してからの一年。
 それは刀匠が刀を鍛える様に、自らを鍛え抜いてきた一年でもあった。
 一夏もまた然りである。
 兄弟弟子は、一夏の多忙さから連絡をほとんど取れずじまいであったが、当然の様に同じ道を歩いていた。

『一夏…。一夏…。』
『一夏さん…。』
『一夏君…。』
『一夏…。』
 病院の中なのでさすがに走りはしないが、箒たちは少しでも早く一夏の無事を確かめなければ安心できなかった。
 一夏が明日をも知れぬ状態になった事を知らされたIS学園の生徒達は、絶望的な気持ちになり、放心状態になった者もいれば号泣する者もいた。
 専用機持ち達は、心の中で荒れ狂う破壊衝動を必死に抑えつつ一夏の回復を祈った。
 そして、医師団の必死の治療が身を結び意識を取り戻したことを聞いた生徒達は、歓喜した。
 それ故に、再びポーランドに侵攻の気配がある事を聞いた時の怒りようは、尋常ではなかった。
 その上で、学園の守りも考慮しつつ2年からは箒とセシリアが。3年からは楯無とフォルテを派遣することとし、学園の守りの総指揮はヘンリエッテが務めて、他の専用機持ちの纏め役は学園に残る専用機持ちの中でも最強のラウラが担い、アンナ、シルヴィア、ラシェルがサポートする体制とする事を決定。
 横須賀の在日米軍基地。
 第7艦隊のジョージ・ワシントンからは、装備をE−2D アドバンスド・ホークアイに変更した第115艦載早期飛行隊“リバティー・ベルズ”がひっきりなしに警戒任務について、厳重な索敵網を敷いた。
 海自の第1護衛艦隊も、第1戦闘配置となりE−1艦載早期警戒機と早期警戒仕様のMGH−2100艦載ヘリコプターで厳重な警戒網を形成。
 さらに、E−2 早期警戒管制機も動員された。
 空自も、百里基地に第1戦闘配置を発令。
 F−3 ステルス戦闘機を主力とする所属する4個飛行隊全てに待機命令が発令され地対空ミサイル部隊が、守りを固めた。
 陸自は、中央即応連隊と震電、S.Hアーマーからなる部隊を緊急派遣。
 こうして守りを固めている間に千冬達は、亡国企業の再度の攻撃を撃破していた。

「ああ。戻ってきたのか。お疲れ様。」
「高芳さん。どうして…?」
 箒が、高芳を見て驚く。
「大学の代表といった所かな。僕たちは、殊更何かをすることはできない。だから、傍にいて力になって欲しいと皆に言われてね。ああ。入ろうとしてきたのは、僕が叩きのめしておきました。指揮官クラスもいるようですし、何か解るんじゃないですか?千冬さん。」
「手間を掛けた。助かるよ。しかし、さすがだな。戦いとなれば、プロでも勝てないか…。」
「まあ。一夏の兄弟子として、それなりにやれないといけませんし。去年の軽い手合わせで、一夏がどれだけ伸びたか嫌という程解りましたよ。」
 そう言って、高芳は肩をすくめる。

『軽い手合わせ…?あれがか…!?』
 去年、初盆の時についていった箒は一夏と高芳の手合わせも見ているし、箒自身も二刀流で高芳と手合わせをしたが、休憩を入れてやっと3本に1本が限度だった。
 だが、あの時ですら軽い手合わせ。
 あれから1年経ち、箒の剣術の腕は格段に上がっているが、それでも高芳に届く気がしない。
 ごく普通の大学生であるにも関わらず、日々厳しい鍛錬を積んでいる自分を更に上回っている。
 それを思うと、まだ自分には修練が必要だと思い知らされた。

「その声は、篠ノ之さんですか?」
「うん?その声は、神無月さんか?どうして?」
「すいません。カーテンを。もう大丈夫ですわ。」
「ん。解った。」
 高芳が周囲のカーテンを開けると、一夏に布団を掛け直している冬菊がいた。
「父に付き添ってこちらに来ていたのです。その時、一夏さんがこちらに運ばれたのを聞いて、身の回りのお世話をさせていただいております。」
 そう言って、着物の乱れをさりげなく直す。
「明日には一般病棟にお移りになられますけど、まだ無菌治療の最中ですので…。」
「少し、話がある。いいだろうか?」
「構いませんけれど、明日の朝食の仕込みをしなければなりませんので、手短に。」
「さほど、時間はかからん。」
 箒の表情が何処か固かったので、セシリア達も気になってついていった。

「それで、どのような御用でしょうか?」
 屋上で、冬菊は静かに訊ねる。
「あのカーテン。そして、着物の乱れを直したことだ。一夏の世話をするのに、何故カーテンで中を見えなくする必要がある?父の知り合いが白血病になった時に見た事があるのであの透明なカーテンに見覚えはあるが、白のカーテンにはないな。何をしていた?」
「そう言えば…。」
「確かに、そうね…。」
 セシリアと楯無も、不思議に思う。

「先生と相談して、一夏さんの免疫力が正常に戻る様にお手伝いをしていただけですわ。」
「それだけでは、解らん。何をしていたのかを、聞いている。具体的に答えてもらいたい。」
 特に動じずに答える冬菊の態度は、どこか箒を苛立たせ口調がきつくなる。

「生まれた赤ちゃんは、病気に対する抵抗力が弱いのはご存知ですわよね?では、それを高めるのに最適なのは何か?それが答えです。」
 それを聞いて、箒は理解した。
 あの中で、冬菊が何をしていたのか。
「ご理解いただけたようですね。一夏さんに、授乳をしてさしあげていたのです。さすがに、外から見られると恥ずかしいので、カーテンで覆っていただいていた。そういうことです。」

「出るというのか…。」
「極めて稀なケースですが、あるそうですわ。幸い不妊にはならないようです。それに、今は流動食しか召し上がる事が出来ませんし、それではと思いまして。先生に聞いてみたら、有効な手段でしたわ。ただ、一夏さんはご存じありません。正直にお話になられたら、今の状況を考えるとご遠慮なさるでしょうから。卑怯と言われることも、覚悟の上。ですけれど、私は何かして差し上げたかった。私の愛する人が、ようやくお目覚めになって回復しているのですから…。本当は、納得していただければいいんですけれど。一夏さんは恥ずかしがり屋でいらっしゃるところも、おありですし。」
 頬を染めながら、胸に手を置く。
「授乳している時の一夏さん。とても可愛いお顔を、していらっしゃいますのよ。初めての時は、上手くいくか解りませんでしたけれど、すぐに…。」
 心から嬉しそうな顔をして、冬菊は話す。
「では、ご用件はお済ですわね?私はこれで失礼いたします。」
 そう言って、冬菊は明日の朝食の下ごしらえに向かおうとする。

「ずるいではないか!!」
 箒は堪らず叫ぶ。
「何がでしょうか…?」
 振り返った冬菊が、静かに訊ねる。
「一夏が、死の淵を彷徨っていると聞いて、私達はずっと不安で堪らなかったのだぞ…。傍にいたいと思っても、IS学園への襲撃の可能性も考慮して、いる事は許されなかった…。最初の襲撃でも、支援に駆けつける事も許されなかった…。許されない事ばかりだったんだぞ…!なのに、ずっと一夏の傍にいて、何かしら一夏の為にしてやれて…。そして、一夏に自分の母乳を飲ませる…!?私達が出来なかった事を、全てしているではないか…!それが、ずるいといっているんだ…!」
 大粒の涙をぼろぼろと流しながら、箒は冬菊を見る。
「私が最初なんだぞ…。初めて一夏と幼なじみになり…、共に剣を学び…、想いを寄せて…。なのに、周囲の勝手な都合で引き離され…。気が付いてみたら、最初にプロポーズまでしているではないか…!どうして…。どうしてなんだ…!?」
 一夏が生死の境を彷徨い始めて、既に5日になる。
 その間に、胸の中に溜めこまれてきた想い。
 そこに、冬菊の授乳という事実を知った事で限界まで膨らんだ風船に針を刺したような状態になり、箒は胸の中の想いを吐き出していた。

「なるほど…。よく解りました…。確かに、私が篠ノ之さんの立場でもそう思うでしょうね…。その上で、お尋ねします。あなたは私の立場で物事を考えて下さった事が、おありですか?」
 それを聞いた箒は、何を聞かれたか解らない顔をしていた。
 しかし、楯無、ナタルは冬菊の言いたいことを理解した。

「それは、どういう事ですの?神無月さん。」
「簡単ですわ。オルコットさん。普段の生活を、よくお考えになられて下さい。同じ寮で暮らし、同じ学び舎で学び、戦いの時には助け合う事も出来る…。オルコットさんは、イギリス代表候補。しかも、国家代表の座をかなり確実視されておられるとか。篠ノ之さんにしても、ISパイロットとしては、世界でも指折りの実力者。事が起きれば、一夏さんをお助けする事も出来る…。けれど、私には無理です…。簡易適性判定でCランク…。とても、ISを動かせはしない…。そして、学び舎も別…。知り合ってから過ごした時間も、まださして長くはない…。そんな私に出来ることは、身の回りのお世話をさせていただくことくらい…。我が神無月家では、他家に嫁いでも他家から婿を迎えても恥ずかしくない様に、妻として家の事をきちんと出来る様にしつけられます。掃除や料理は出来て当然。その他の習い事で、様々な教養も身に付けます。夫と同伴した時に、恥をかかせない様に…。今の男尊女卑の世では、時代錯誤も甚だしいのかもしれません…。ですが、私は1人の女として、愛する男の方の為に出来ることは全てして差し上げたい。湯殿山に籠って厳しい修行を積んでいらっしゃる一夏さんに、暖かくて美味しいお食事を召し上がっていただきたかった。一日の鍛錬を終えた一夏さんのお背中を、流して差し上げたかった。もし、お望みなら、私の体で一夏さんを包んで差し上げたかった。尤も、一夏さんは生真面目な方ですから、そういった事を望まれませんけれど。それでも何かしたかった。例え、実らぬ想いになろうとも…。」
 迷いのない瞳で、冬菊はセシリアに答える。
「それはつまり、一夏さんと肉体関係を持つようになられてから他の女性を選ばれる可能性があると理解していても、あなたの一夏さんへの想いは変わらない。そう解釈してよろしいのですか?」
「はい。第一、愛の形は一つではないと思いますよ。例え想いが実らなくとも、私は一夏さんが幸福になってくださればそれでいい。生涯添い遂げる事だけが、愛ではない。私は、そう考えます。無論、私は一夏さんを最後まで諦める気はありません。父はかねがね言っています。私と結婚すれば、すぐにグループの会長職が務められる器だと。グループ内にも、何とか一夏さんを迎え入れようと知恵を絞っていらっしゃる方々は大勢います。それでは、今度こそ失礼いたします。」
 そう言って、踵をかえしかけると冬菊はナタルを見る。
「そうですか。あなたが…。一夏さんと肌を重ねた方…。」
「どうして、解ったのかしら?」
「半分はそのどこか余裕のある表情。半分は女の第六感です。そうなりますと、きちんとお伝えいたしますわ。私は負けません…。誰にも…。絶対に…。」
 そう言って、今度こそ明日の朝食の仕込みに行った。

「大したお嬢様ね。もっと線の細い感じを想像していたけど。」
 ナタルが驚いたように言う。
「そうですね。私も同感です。」
 強敵出現と書かれた扇子を、楯無は広げる。

「さて、始めますか。」
 割烹着を着て襷を掛けると、冬菊は内臓を抜いて内部を良く洗った鳥を煮こぼして再び丁寧に洗う。
 そして、鳥、葱の青い部分、生姜、干し椎茸等に、日本酒を入れて火に掛ける。
 それに、高芳が持参した物の中から、滋養強壮効果があり体に強すぎない物を選んで入れる。
 これは、北海道で鳥の出汁で雑煮を食べる地方の出汁の取り方を、冬菊が自分でアレンジしたものである。
 あくが出始める間に、調味料を確認する。
 特にこだわったのは、醤油である。
 本格的に輸出されたのは戦後だが、鎖国政策の江戸時代においてもオランダとは貿易が行われておりその際に輸出されていた醤油。
 伝統的な方法では仕込んでから2年はかかる醤油をさらに時間を掛けた中から飛びぬけて良い物が少量出来る。
 今でも極僅かだが流通し、神の醤油と呼ばれている物である。
 あまり知られていないが、嘗てフランスの宮廷料理でも醤油は隠し味として僅かながら使用されていた。
 そういった関係で、需要があったと考えられる。
 八方手を尽くして手に入れて、冬菊がポーランドに届けてもらったものである。
 みりんも神無月家に代々みりんを収めている製造元で、特に良質の物を選んでもらい送ってもらっている。
 それに幾つかの材料を加えた物が、疲れた体に活力を取り戻す助けをする神無月家に代々伝わる薬膳効果のあるみりんである。

「そろそろね。」
 冬菊が取り出したのは、パイナップルとヨーグルトだった。
 パイナップルの葉を落として、オーブンに入れて温めはじめる。
 そして、丁寧に出汁のあくとりをする。
「これでよし。さて、次は。」

「何だ?この物凄く旨そうな匂いは?」
「明日の朝食の支度だと。今の内にスープを作り始めて、消化しやすい様に肉を柔らかくするための下ごしらえが必要らしい。他にも、東洋医学の観点から、ゆっくりと体力を回復する効果のある物もいれているらしい。」
「手が込んでるな。」
「まったくだ。」
 医師たちは、冬菊の甲斐甲斐しさを改めて認識していた。

「パイナップル。十分に、暖まったわね。」
 オーブンから取り出して、バットの上に乗せて半分に割ると中の果肉を取り出して、普通より小さく切った鶏肉と一緒に切った時に出た果汁ごとボールに入れてヨーグルトを加えてかき混ぜる。
 ラップを掛けると、再び丁寧にあくを取り下ごしらえを終える。
 そして、市場で買った果物とヨーグルトに蜂蜜を使って、消化の良い暖かいデザートを作り始めた。

 その頃、箒は屋上で膝を抱えていた。
『どうして…。どうして…。一夏は私の想いを受け取ってくれない…?私は、お前が思っているほど強くないんだぞ…。お前が人形のようになった時、したくもない引っ越しをさせられて、新しい家でずっと泣き続けていたのに…。お前がプロポーズをされたと聞いて、これ以上ない程苦しい思いをしたのに…。どうして、私より一夏に近づく女が出てくるんだ…?』
 無論、自分が素直になれずにいる間に他のライバルたちに時間を与えてしまった事ぐらいは、箒も承知している。
 だが、冬菊がした行為は箒の想像を超えていた。
『私も…、そうすれば…、いいのか…?無理だな…。出ないのだから…。できないのだから…。でも…、嫌だ…。一夏が他の女の物になるなんて…、絶対に嫌だ…。でも…、どうすれば…。』
 考えてみても、今の自分に一夏の為にしてやれる事が思い浮かばない。
 箒は、絶望的な気持ちになっていた。

「閣下。失礼いたします。」
「何かあったか?」
 熱もほぼ平熱になった俺は、冬菊が作ったデザートを食べ終えた後、病室に入ってきた虚さんに要件を訊ねる。
「はい。各国政府から、使者の方々が到着なさいました。」
「ふむ。何か、火急の要件があると見たが。」
「閣下に、勲章を授与なさるとの事です。ポーランド政府は白鷲勲章。ベルギー政府はレオポルド一世勲章グランド・コルドン。ノルウェー政府は聖オラフ勲章グランド・クロス。デンマーク政府はダンネブロ勲章グランド・クロス。スウェーデン政府は剣勲章ナイト・グランド・クロス。イギリスは、ガーター勲章ナイト・グランド・クロス、ヴィクトリア十字章、ジョージクロス。カナダからはメリット勲章、ケベック国家勲章。オーストラリアからはオーストラリア勲章ナイト。フランスからは、レジオンドヌール勲章グラン・クロワ。ドイツからは、ドイツ連邦共和国功労勲章特装大十字章。イタリアからは、イタリア共和国功労勲章カヴァリエーレ・ディ・グラン・クローチェ・デコラート・ディ・グラン・コルドーネ。マルタ共和国から、マルタ騎士団勲章、日本からは桐花大綬章。アメリカからは、陸軍名誉勲章レジオン・オブ・メリットチーフ・コマンダー。レジオン・オブ・メリットレジオネール。医療機器開発の功労に対して大統領自由勲章。ロシアからは、聖アンデレ勲章。フィンランドからは白薔薇勲章グランド・クロス。さらに、ノルウェー政府は、子爵の称号と城、周辺の土地も下賜するとの事です。他にも…。」
 読み上げられる勲章の名を聞いて、目が点になった。
 どれもこれも、その国の最高位もしくはトップクラスの勲章。
 まして、ガーター勲章は騎士団の定員が明確に決められている為に、欠員が出ない限りは授与さられることはない。
 そして、イギリスの勲章の中で最も授与が難しいと言われるヴィクトリア十字章、ジョージクロス。
 というか、多すぎだろう。
 おまけに、爵位?城?土地?
 今は、21世紀。
 中世ヨーロッパじゃないぞ。
 何がどうなっているのか、さっぱり解らん。

後書き
亡国企業の再度の侵攻は、千冬達の奮戦で退けられました。
その間、体を癒している一夏を守る為に各部隊は、奮戦。
はるばるポーランドに来た高芳は、民間人であるにもかかわらず戦った兵士を全員病院送りに。
骨折って、痛いんですよね…。
おまけに、手首とかはちょっとひびが入っただけでも中々治りません。
肋骨だと骨折までいかなくても、強く打ったら数日は痛み続けます。
精々、ベッドの上で痛みに苦しみながら反省していてもらいましょう。
その後は、ブタ箱が待っています。
さて、ようやく一夏に会えた箒たちですが、待っていたのは冬菊が一夏に授乳していたという衝撃の事実。
ずっとそばに寄り添い、峠を越えた後は授乳を続けていた冬菊に、箒は今まで胸の中に溜めこんできた想いを叩きつけます。
ずっとそばにいたかったのに、いられなかった。
何かしてやりたかったのに、出来なかった。
まして、授乳など不可能。
なのに、冬菊は全てをしていた。
そんな箒の言葉を受け止めつつも、冬菊は日頃自分が箒たちをどれ程羨んでいるかを話します。
その上で、宣戦布告。
箒は、ショックの大きさからただ涙を流すだけ。
一方、一夏には各国から勲章の授与の知らせが。
こういった事は、政治的な意味合いが強い物ですが、感謝の念もゼロではありません。
まして、爵位、城、土地もつくとなると、王室や国が土地を買い、与えるという事でしょう。
余談ですが、欧州では各地の城が不動産業者によって売買されています。
日本ではありえませんね。城の売買というのは。あったら面白いですけど。










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