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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第136話 氷の瞳<前篇>

<<   作成日時 : 2015/01/17 23:34   >>

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 軍病院の外は、一見すると物々しさは感じない。
 相手に、わざわざ気づかせる義務はない。
 それぞれの部隊は、周囲に紛れる様に配置に着いている。

『他の国からも特殊部隊が駆け付けているとは、思いませんでした。』
『ブッフバルト先生達が、本国に働きかけてくれたそうだ。今回はポーランドを守る戦いだったが、もし一夏達が守り抜かなければ被害がどこまで及んでいたか解らん。中東欧は、間違いなく天文学的な被害を受けていただろう。他の欧州諸国も、どうなっていたことやら。最悪、戦術核すら使われていた可能性もある。あのデカブツをどうにかするには、通常兵器では数が不足しているからな。』
 オーストリアの、GEK COBRA(国家憲兵隊特殊任務部隊:Gendarmerie Einsatz Kommando COBRA)。
 イタリアの、NOCS(内務省治安作戦中央部隊:Nucleo operativo Centrale di Sicurezza)。
 イギリスの、SAS(特殊空挺部隊:Special Air Service)。
 その他、欧州の名だたる特殊部隊から選び抜かれた精鋭が駆けつけて、配置に着いている。
 さらに、成田が自ら率いる特殊作戦群の精鋭と、SATも精鋭を派遣してきた。
 一夏の警護役として同行している、各地の忍者の末裔達も気配を消して敵に備えている。
 雑賀衆は、狙撃を担当。
 相州乱波は、遊撃。
 前面にでるのは、丹波乱波達である。

『それにしても、噂は本当だったとはな…。』
 千冬は空を見上げる。
 上空にはアヴァロンのUAVとは別に、アメリカ製UAV、MQ−9 リーパーが飛んでいた。
 アメリカから派遣された、ある部隊が警戒に使用している。

「来ました。1個小隊ごとに、多方面から迫っています。」
 オペレーターが、指揮官に報告する。
「ほう。恐れを知らんと言うか愚かと言うか…。まあいい。戦闘準備。害虫は纏めて駆除しろ。ベッドルームに入れるな。」
 命令を受け取った部隊の兵が、ヘルメットのAN/PVS−15暗視スコープを装着する。
 迷彩服には、派遣部隊を示す海兵隊の物をモチーフにした部隊章がつけられている。
 実はその部隊は、SEALSの部隊の一つである。
 チーム1からチーム10の中で欠番となっている、9番目の部隊。
 その存在をアメリカで知る人間は大統領、大統領補佐官、国務長官、国防長官、海軍長官のみである。
 正式名称、「PUO(大統領直轄作戦部隊:President Under the direct control Operations forces)」
 通称、ホワイトイーグル。
 あらゆる作戦を遂行可能で、その実力はデグブルーをも凌ぐ。
 故に、入隊条件も極めて厳しい。
 その部隊を投入してきた事から、一夏の警護での力の入れ様は容易に理解できる。
 千冬ですら、与太話としてまるで信じていなかった部隊。
 ホワイトイーグルも、既に配置についている。
 今回限りの精鋭部隊と言う事で、各国部隊には説明されている。
 部隊の機密性を守るには、当然のことだった。
 事実、部隊章は本来の物とは違う物を使用している。
 他にも、真相を知られないようにアメリカは色々と手を打っていた。
『一夏…。今度こそ、私が守り抜いて見せる…!』
 待機状態の舞桜のハイパーセンサーが、網膜投影式の夜間戦闘モードになる。
 G3のレーザーサイトとホロサイトのスイッチを入れて、間もなく来る敵に備える。

「各所はポーランドの特殊部隊を始め各国から派遣された特殊部隊が、ひしめいている。その事を忘れずに、部隊を展開して戦闘しろ。臨機応変に行動することを決して忘れないように。ホワイトイーグル、戦闘開始。」
 丸ごと借りたホテルに司令部を設置したホワイトイーグルの指揮官は、部隊に命令を下す。

「放て。」
 雑賀衆のスナイパー達が、.338ラプアマグナムを使用する、シグブレーザー R93の引き金を引いて、亡国企業の部隊のボディーアーマーを貫通して射殺する。
『散開しつつ、仕留めろ。』
 指揮官が命令を下すが、すでに想定済みで雑賀衆は配置を速やかに換える。
 さらに、各国の特殊部隊のスナイパー達も加わり、亡国企業側は被害が増える一方だった。
 そこに、ボディーアーマーで覆われていない部分に矢が放たれる。
 PSE社製のクロスボウをさらに威力が増す様に弦を強化し、自動的に弦を引く装置を取付けて単位時間当たりの発射数を増やし相州乱波がボディーアーマーで覆われていない部分に狙いを定める。
 無論、亡国企業側も防刃服を着ているが、鏃は超高圧縮高硬度コバルトハイス鋼を使用して形状も殺傷力を増す為の工夫が施されている。
 亡国企業の兵が来ている防刃服でも、防ぎきれなかった。
 そこに、丹波乱波達が襲い掛かる。

「戦況。こちらに有利。」
「後方に2名。停止したままです。」
「スナイパーだな。デルタ分隊に仕留めさせろ。」
 レーザーポインターで、亡国企業のスナイパーを指すと指揮官はすぐさま指示を出す。
「いくつかの隊が、ミスオリムラとミスヤマダの方へ向かっています。」
「心配ないだろうが、念の為だ。リーマ分隊を向かわせて、待機させろ。危険と判断したら援護。」
「了解。」
『必要はないだろうがな…。』
 指揮官は、千冬と真耶の方に向かった兵たちは最も悲惨な死を迎える事を確信していた。

『くっ!どの部隊も手強いが、中に特に練度の高い部隊がいる。何者だ!?最初の狙撃、クロスボウ。そして、あの黒ずくめの部隊…。信じてはいなかったが、もしや日本のニンジャの末裔達か…!』
 日本の忍者は江戸時代に入るまでにほとんど滅んだとされているが、実は表向きで現在はエージェントとして各地で活動しているという事を小耳で挟んだ経験が亡国企業の司令官にはあった。
『先行させた部隊が、ミッションに成功しているといいが…。』
 スマートフォン程度の端末を出して、戦況を確認しようとする。
 が、そこに存在を示す表示は無かった。
『どういうことだ…?とにかく確認しなければ。偵察衛星は既に破壊されているし、その後飛ばしたUAVも悉く破壊されている。これしかない。』
 先行させた部隊は、発信装置を持たせておりある程度の距離なら位置を正確に把握できる。
 偵察衛星もUAVも破壊され、さらに強力なECMもおまけについている。
 味方の状況を確認する、只一つの方法だった。
 だが、先に向かった部隊も新たに向かった部隊もこれ以上ない恐怖を味わう事となるのを、指揮官は知らなかった。

「こ、これは…。」
 そこには、人間が転がっていた。
 否、人間だった物が転がっていた。
 足が。
 腕が。
 首が。
 上半身が。
 下半身が。
 あちこちに、ゴミでも捨てかのように転がっていた。
 今回、主兵装として装備していたイジェマッシ AK−12アサルトライフルは腕ごと転がっている。
『な、何だ…。何があった…。』
 新たに差し向けられた部隊の指揮官は、冷たい汗が額に滲み背中をつたうのを感じた。
 そうしていると、サイレンサーで抑えられたアサルトライフルの発射音が聞こえる。
 種類は2つ。
 片方は耐弾用プレートで覆っている部分を避けて命中させて即死させ、もう片方は耐弾プレートをぶち抜き兵士を即死させる。
『アサルトライフルと、バトルライフル…。しかも、バトルライフルはパーシャルジャケット。普通の軍隊ではないな。ニンジャ共か。いや、それにしては殺し方に効率性がない。奴らなら解体するような事はしない筈。誰だ…?』
 考えていると、HK416Cを持った真耶とG3のスリングを肩に掛けた千冬が現れた。
「チフユ・オリムラ…。」
 一夏の姉であり、現役引退後も世界最強の座に君臨する初代ブリュンヒルデの千冬の名を知らない兵士はいない。
 そして、戦いたいと思う兵士もいない。
 指揮官は、自分が最凶最悪のジョーカーを引いた事を思い知った。

「次はお前たちか…。狙いは一夏の命か…?身柄か…?いや、いい…。一度聞いて…、聞く気がしなくなった…。そして…。」
 腰のブレードを、二刀流にして持つ。
「銃を使う気もなくなった…。やはり…、この手で…、斬り捨てねば気が済まん…。遠慮するな…。一夏を…、私の大切な弟を黄泉平坂の半歩手前まで送り届けてくれたのだ…。せめて、三途の川の渡し守に送り届けねばなるまいよ…。ここに来たのだから、六文銭は持っているのだろう…?用意のいい事だ…。さて…、始めよう…。そちらから来い…。ハンディをくれてやる…。」
 兵たちを見る千冬の瞳は、先程とはまるで違った。
 その目には、炎が宿っていた。
 しかし、全てを焼き尽くす紅蓮の業火とは違う。
 炎からは、凍てつく“気”が漂う。
 激烈な怒りを通り越して、千冬の怒りは恐怖で相手を凍らせる凍気。
 永久凍土の凍てついた空気が青く冷たい炎の形を為し、瞳に宿っている。
 漂う“気”は、兵士たちの動きを止める。
 誰も、動こうとはしなかった。
 兵たちは自分たちが所属している組織が、一夏を生死の境を彷徨うまでに追い詰めた事で自分達を地獄の裁判官ミーノスの前に立たせたことを悟った。
 そして、自分たちの前に来た部隊が行った先も。

「来ないのなら…。」
 兵たちの前から、千冬の姿が消える。
 そして、4人の兵が倒れる。
 だが、首が無かった。
 4つの首は、左右のブレードの上に載っていた。
 その表情は、何が起こったか理解していない表情だった。
「何もわからず、死んでいくだけだ…。ここは通さん…。通りたければ…、私を殺す事だ…。」
 ブレードを振ると、首が兵たちにぶつかって地に転げ落ちる。
「どうした…?お前たちの前にいるのは、世界最強の女だぞ?名を上げる、またとない好機。そして、私は生身。掛かって来ないのか?全員、嘗ては特殊部隊やPMCで名を上げた猛者達だろう?ならば、掛かってこい。それとも、このまま殺されたいか?私はどちらでも構わんぞ…。」
 その言葉で我に返ったのか、全員がマガジンに装填されていた7.62mm×39mm弾を撃ちまくる。
 しかし、千冬にはかすりもしない。
 全てを回避しながら、兵士たちを斬り捨てていく。
 それで、指揮官はようやく理解した。
 千冬は自分達を戦闘不能にする気も、殺す気も無い。
 自分の復讐心を、刃に乗せて振るっているだけだと。
 その結果、兵士たちは解体されて死んでいく。
 そして、それが自分たちの番になった事を。
 一方、真耶は正確にHK416CのGP90を撃ちこみ、兵士たちを射殺していく。
 一夏と同じく近接戦闘を得意とする千冬に対して、真耶は射撃戦闘を得意とする。
 兵士たちは、次々と真耶の射撃の餌食になっていった。

「馬鹿な…。この距離からのフルオート射撃を、完全に回避するだと…。出来るわけがない…。貴様、本当に人間か…!?」
 指揮官は脂汗を額ににじませながら、千冬を見る。
「秒速804m…。」
「何…!?」
「7.62mm×39mm弾のフルメタルジャケット弾で、最も初速が速い弾での初速。自分達が使う弾丸のスペック程度、頭に叩き込んでおけ。未熟者共。その程度、かわすのは訳もない。5.45mm×39mm弾でも、秒速900m強。それで、私を殺すつもりだったのか?随分と、舐められたものだ。一夏も、その程度軽々とかわすぞ。貴様たちに出来るのは、今の弱っている一夏を攫うか殺すか。その程度だ…。その程度の手合いに、一夏をくれてやる理由はない。同時に、亡国企業の狗共に情けをくれてやる理由もない…。さて、少し喋り過ぎたな…。」
 再び、千冬の姿が消える。
 そして、人間の体の一部だった物が次々と地面に落ちて亡国企業の兵士たちは全滅した。

「ふん。今度はガラクタか。姿を現さないで死にたいのなら、それでもいいぞ…?」
 千冬がブレードの切っ先を前に向けると、光学迷彩を解除した機動兵器が現れる。
 ISとほぼ同じ大きさだが、熱反応から違うと千冬は判断した。
「ほう。EOSを改造したか。だがな…。」
 目の前の機動兵器が腕に搭載した、GAU−19 12.7mm3連装ガトリング砲で千冬に狙いをつけるが弾丸が発射される事は無かった。
「いちいち、動作が遅い…。基本性能はほとんど進歩がないな…。そんなガラクタで、この私をどうこうできると思ったのか…?」
 左右のブレードで、機動兵器を真っ二つにする。
「私を舐めるな…。さっき言った事を、聞いていなかったのか…?くれてやる情けなどない…。私を殺すか…。私に殺されるか…。二つに一つだ…。」
 ハイパーセンサーで、千冬は周囲を調べる。
「この先には、一夏がいる。故に…。」
 千冬は、G3を上に向けてトリガーを引く。
 すると地面に何かが落ちてきたような音がして、血液で汚れて用をなさなくなった光学迷彩処理を施した迷彩服を着た兵士の死体が転がる。
「気配の消し方が甘い…。それで、ここを通れると思ったのか…?お笑い草だな…。その程度で通れると思うなよ…。」
『これが…、情けを捨てて一夏君を守る織斑先生の姿…。』
 厳しさではなく、冷酷さを全身に纏う千冬には真耶も全身が恐怖に震える。
 敵同士だったら、この程度では済まなかったろう。
 それを考えると、まっとうに生きて来てよかったとしみじみ思う。

後書き
未だに生死の境を彷徨う一夏。
今晩中に意識を取り戻せなければ、もう打つ手はない。
そんな中での、一夏を守るための戦いです。
ヘンリエッテら、学園の教師の働き掛けで各国から精鋭部隊が集まり、一夏の護衛として同行した忍者の末裔たちも研ぎ澄ませた牙を亡国企業の部隊に突き立てます。
そして、SEALSの欠番部隊たる、大統領直轄部隊は他国の部隊にすら知られずに密かに任務をこなしていきます。
そんな彼らの前に立ちはだかったのが、凍てついた冷たい怒りの炎を宿した千冬。
衰えぬ実力は生身でも凄まじい物でした、飛び交う銃弾すらもかわし兵士たちを「人間だった」物に解体します。
その戦いぶりは、阿修羅や羅刹といった仏教やインド神話の戦いの神すらも上回るのでは?
情けも容赦もない戦いの中、一夏は今も「死」と戦い続けています。
戦いの行方は?
















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