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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第132話 持つ者と持たざる者と

<<   作成日時 : 2014/12/21 00:00   >>

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 到着した翌日、俺はクリフ国防大臣との会談を行っていた。
「空中戦艦アヴァロンは、この地球上のあらゆる地域に従来の輸送機を遥かに短時間で駆け付ける事が可能です。無論、IS部隊もです。」
「それは凄いですな。頼もしい限りです。」
 よし。向こう側の感触いいな。
 もうひと押しか。
「さらに、事と次第によっては、私が先陣を切り増援を求める国家の救援に駆けつけます。専用のオートクチュールもありますので。」
 優鉢羅。
 元々は、公務の移動用に開発したオートクチュールだがこういうのにも使える。
 後は、加速用のブースターを搭載すればさらに短時間で駆け付けられる。
 アヴァロン用にも、考えるかな。
 優鉢羅用は、バススロットに格納して再利用できるようにすればいい。
 使い捨ては、経済的とは言えないからな。

「正直に言うと、私は日本が羨ましい…。」
「閣下…。」
 クリフ国防大臣は、苦悩と羨望が入り混じった表情をしている。
 旧ソ連の衛星国家から離脱して、社会主義を捨て去ったポーランドは経済的にも成長し、対外投資を呼び込む事にも成功。
 様々な工業製品の製造を国の基幹産業にして、資本財の輸出もするなど経済の足腰はしっかりしている。
 けど、経済規模は日本の九州地方にも及ばない。
 その差が、国防に如実に表れている。
 大臣が言ったのはそれだ。
 日本は海自には正規空母と軽空母を1隻ずつ配備。その他に、いせ型ヘリコプター搭載護衛艦、発展型のいずも型ヘリコプター搭載護衛艦。
 さらに、いせ型をベースに対潜戦闘を重視したきぬ型対潜護衛艦。
 日本版イージス艦とも呼ばれる、はるな型ミサイル護衛艦。
 アメリカとの共同開発で建造された、もちづき型とかげろう型。
 むらさめ型、たかなみ型、あさぎり型の後継として建造された、ふぶき型。
 そして、俺が開発した燃料電池を搭載して、通常動力型にも拘わらずそこらの原潜を遥かに凌ぐ高性能艦となり、指揮部隊と護衛隊群で編成される護衛艦隊に随伴するせいりゅう型潜水艦。
 エヌマエリシュの出現に衝撃を受けたアメリカが、アイオワ級戦艦の現役復帰に歩調を合わせる様日本に要求した結果建造されたつくば型大型護衛艦。
 高性能艦が、ずらりと揃っている。
 さらに、艦隊がきちんと行動できるようにましゅう型補給艦の拡大改良型として建造されたふうれん型補給艦にたかまつ型潜水艦救難母艦が随伴して補給でも万全を期している。
 さらに、他国で起こった災害時に支援活動の拠点として負傷者の治療を行う巨大病院船。
 俺が以前から設計していた案が採用され、今、各地でブロックごとに建造が進んでいる。
 国防、国際支援活動双方で十分に活動できる強大な海軍力。
 加えて、P−1 対潜哨戒機、オプション次第で様々な運用が可能で、対潜ヘリコプターとしても優秀なMGH−2100。

 そして、ステルス戦闘機F−3 ゼロを主力とする空自の航空部隊。
 それをアシストするE−2 早期警戒機。
 この機は、管制機としての能力も世界トップクラス。
 加えて、弾道ミサイルの探知も可能。
 艦載用としてはE−1 早期警戒機。
 非ステルス戦闘機としては、F−15JとF−2があるが近代化改修が行われ性能が向上している。
 ちなみに、F−15Jに関しては前倒しでF−3への更新という話も出ている。
 一部の機体は、電子戦専用機や偵察機として残されるがほとんどが退役というわけだ。
 これで、主力戦闘機はF−3とF−2だけとなり補給体型も効率化される。
 陸自は、10式と90式を主力戦車として装備。
 技術の発展により、90式にも10式と同様にC4I機能を持たせる事に成功。
 主砲も換装されて、攻撃力は強化されている。
 当初は、10式の調達数はさほど多くなかったが現在は400両が調達されて各地の部隊に配属されている。
 装甲戦闘車も、コストが高くて数が配備出来なかった89式を退役させて14式装甲戦闘車を配備。
 攻撃ヘリはAH−1 コブラを退役させて、日米共同で開発したAH−2 ヒポグリフを配備。
 さらに、アメリカの中古のAH−64 アパッチに陸自のAH−64D ロングボウアパッチを独自に改修してAH−64EX ロングボウEXとして配備。
 強力な攻撃ヘリ部隊を保有している。
 離島防衛用にアメリカと共同開発した、高性能水陸両用車AAV8 水陸両用強襲装甲車も配備されており、加えて40mmCTA機関砲を装備する近接戦闘車、機動戦闘車を配備し離島防衛・奪還、ゲリラ戦、輸送機による迅速な展開等様々な事態を想定して開発した装備が豊富にある。
 さらに、最近配備が開始したイギリスと共同開発した汎用ステルスUAVバスタードもある。
 無論、ポーランドとしてもこれらの優れた装備は、喉から手が出るほど欲しい。
 だが、限られた国防予算では無理な話である。
 限られてはいるが潤沢な国防費を持つ国と、限られた僅かな国防費の国。
 その差を、俺は感じていた。
 それを、もっと感じるのは今日から始まる軍の訓練の見学だろう。

 まずは、ポーランド軍の中核を為す陸軍。
 兵員約65000名。
 自衛隊の、半分くらいの規模になる。
 保有する戦車の中で最も数が多いのは、旧ソ連製T−72の輸出バージョンのT−72M1。
 これが、721両。
 そして、T−72M1を独自改良したPT−91が165両。
 西側の戦車としては、ドイツ製レオパルド2A4をポーランド仕様に改修したレオパルド2PLが128両。
 そして、レオパルド2A5が49両。
 合計1063両。
 規模で言えば、決して小さくない。
 ただ、大きな問題がある。
 最も多い、T−72M1だ。
 通常、兵器は本国仕様より性能を落とされて輸出される場合がほとんどだ。
 自国に対する脅威になるのは、堪らないからな。
 それ故に、T−72M1は装甲の防御力が落とされていたり、徹甲弾の威力が弱かったり、機動性も良くなかったりと散々だった。
 これはイラクでも同じで、湾岸戦争でアメリカ陸軍のM1エイブラムスの砲塔に直撃弾を与えても弾き返されて、逆にM1エイブラムスの直撃弾を喰らった際には、砲塔が吹き飛んで「ジャック・イン・ザ・ボックス(びっくり箱)」という不名誉極まるあだ名を付けられることになった。
 まあ、T−72戦車に関しては本国仕様でも、敵わなかったんだけどな。
 お蔭で、ソ連製戦車は市場での評価がガタ落ちになった。
 ソ連崩壊後、ポーランドは独自に改良することを決定。
 そして完成したのが、PT−91。
 射撃管制系、防御力、機動性といった弱点を改善されている。
 とは言っても、経験の蓄積自体が少ないからな。
 T−72よりかはマシでも、レオパルド2、M1エイブラムス、ルクレール、チャレンジャー2、メルカバ、10式といった世界でもトップクラスの戦車には及ばない。
 それを危惧したんだろう、レオパルド2を導入している。
 けど、価格が高いから全体の2割にも及ばない。
 戦力的には、不安がある。
 湾岸戦争終結後、汚名返上の為市場に投入したT−90を導入できればそんなに問題にはならないんだけどな。
 本国仕様より性能は落とされているけど、T−72程じゃないから十分に使える。

 装甲車の主力は、旧ソ連製BMP−1。
 歩兵支援のために、73mm低圧砲装備。
 火力は高い。
 が、低圧砲は横風に弱いから、長距離砲撃では命中精度が下がる。
 さらに、防御力が低いから12.7mm重機関砲で蜂の巣になる。
 歩兵が8人乗れるが、中は狭い。
 挙句の果てに、後部の扉が燃料タンクを兼ねているのでもしここに20mm機関砲かロケット弾でも喰らったら引火して中の人間は黒焦げになる。
 はっきり言って装甲戦闘車じゃなくて、棺桶だ。
 増加装甲を付けないと、冗談抜きに危ない。
 というよりは、更新した方がいい。
 小火器や多連装ロケット砲は、十分使える。
 迫撃砲も、OK。
 装輪装甲車も、性能はいい。
 けど火力支援の要、大口径榴弾砲の大部分が旧式。
 と言っても、2種類しかない。
 問題なのは、122mm自走榴弾砲。
 完全に時代遅れ。
 最新のイギリス製AS−90 155mm榴弾砲のポーランド版は100両もない。
 ロケット砲頼りか…。
 けど、250両程度じゃな…。
 ヘリも、改修の必要があるな…。
 ポーランドは地理的に、陸軍が要。
 その陸軍に不安があるのは、かなりまずい…。
 兵の練度は、決して悪くない。
 だからこそ、装備はきちんとした物を使うべきだけど更新は難しいか…。
 ポーランドに到着した時に、海軍の艦艇も見たけどはっきり言って古い。
 O・H・ペリー級は、アップグレードもしていない。
 コルベット等の艦艇も、更新が必要な時期だ。
 陸海共に、頭痛の種が積み重なっているのは訓練の説明をしてくれている国防大臣の表情を見ればすぐに解る。
 台所事情の苦しさは、半端じゃないな。
 加えて、ISが1機もない。
 となれば、通常戦力が主力になるが今のままじゃはっきり言って心許ない。

 ポーランド空軍の戦闘機は、F−16、Su−22、Mig−29の3種類。
 F−16は近代化されていないのがちょっと気になるが、戦力としては十分だ。
 問題は、Su−22とMig−29。
 Su−22は1970年から運用開始と古いが、それ以上に問題なのが同時期に運用が始まった西側戦闘機が近代化改修を続けられながらも退役しているのに対して、ポーランドの機体は碌に近代化改修がされていない。
 Mig−29にしても、欧州仕様にした程度だ。
 Mig−29は性能いいけど、兵器搭載量が多いとは言えない。
 双発戦闘機なのに、F−16とほぼ同じだからな。
 おまけに搭載燃料の関係から、航続距離も短い。
 陸続きだからさほど航続距離は問題にならないという見方も出来るけど、それなりの近代化改修をしないとこれからはキツいな…。
 俺が、口を出す事じゃないけど。
 Mig−21は、近代化改修プランがあるからSu−22だってできないわけじゃない。
 練習機の方は、まだ使えるな。
 ん?あれって、トーネードだよな。
 そっか。サウジアラビアが使ってたのを、購入したのか。
「Su−22複座型の代替機として、使用することになっております。できるだけ新しい機体にしようと思いまして。」
 トーネードなら、まだ使えるか。
 レーダーは、更新しないといけないけどな。
「ですが、単座型はこのまま使用し続けるしかないのが、現状です。」
 予算にある程度余裕があれば、グリペンが俺的にはお勧めなんだよな。
 部品その他諸々込でも、値段的には他の機体よりかは安いし。
 若しくは、アヴィオニクスを改修かな。
 けど、Su−22はターボジェットエンジン搭載型でインテークにあたるショックコーンを機首に備えているから、搭載できるレーダーの制約が厳しい。
 大改造するしかないか。
 レーダーを小型化し過ぎると、探知範囲が狭くなるからな…。
 できれば、エンジンも換装したいな…。
 金額を抑えるとするなら、元から搭載しているエンジンに手を加えてターボファンエンジンにして出力と燃費を向上させるのが手っ取り早い。
 枯れまくった技術のエンジンだから、手間はかからない。
 後は、ロシアの了解が取れればだけどな。
 Su−24なら、大分改修も楽なんだけどな…。
 にしても、第一線機がここまで少ないってのは問題だよな。
 NATO加盟国だから、ドイツに対しては心配しなくていい。
 ベラルーシの戦力はポーランドには及ばないし、国際関係も悪くない。
 とすると、ウクライナか…。
 クリミアは一応紛争が終結したけど、ある意味宙ぶらりんのままでウクライナ領のままというのはちょっといただけないな。
 政権もロシアに気を使ってるのが現状だし、ここが仮想敵国か…。
 しかも、ロシアもウクライナを自分の陣営に取り込もうと援助をしているからガタガタだった空軍が立てなおされて、配備されていた機体の近代化もほぼ終了。
 最近は、戦車がT−90への更新が進んでる。
 現状、T−72とPT−91はリアクティブアーマーで若干マシになったけど、びっくり箱なのは変わらない。
 レオパルド2頼りか…。

 軍の訓練の見学を終えて迎賓館に戻った俺は、ハーブティーを飲みながら現状を整理していた。
 一言で言えば、国防は危機的状況。
 戦力になるのは、一握りだな…。
 すぐに攻め込んでくるわけじゃないけど、大陸国家や半島国家みたいに地続きの国家は、海洋国家に比べて地政学的なストレスにさらされ続ける傾向が強い。
 今の俺はIS委員会直属の中将だけど、そんな俺に国内の国防の現状をつつみ隠さず見せた理由が解った。
 十中八九、日本からの援助を引き出す交渉をするつもりだな。
 その時にお呼びがかかるのは、三菱、IHI、そして芝崎だろうな。
 まず、この3社は確実。
 後は、必要に応じて3社協議か…。
 本当は、ポーランドで必要な改修が出来ればいいんだけどな…。
 複合装甲を作る技術があれば、リアクティブアーマーの代わりに搭載するって手がある。
 けど、それは無理な話。
 戦闘機用ターボファンエンジンに、各種アヴィオニクスの開発も技術的に不可能。
 昨日が歓迎の晩餐会。
 今日は、大統領との夕食と会談。
 明日、帰国か…。
 何か考えておいた方が、いいのかな…?
 一応、ある程度考えておくか…。

「織斑君。大丈夫でしょうか?」
「向こうも、今の一夏の身分は弁えている筈だ。まともな考えの持ち主なら、愚かな行動は起こさんだろう。」
 一夏がポーランドの軍備について考えている頃、学園でデスクワークをしながら真耶が一夏の身を案じていた。
 真耶なりに調べてみたが、ポーランドの軍備は決して優れているとは言えない。
 装備は、ほとんどが二線級である。
 だが、一夏が関わると話は別になる。
 産業振興とうまく結び付けて、一線級の装備にするだろう。
「確か。今回は芝崎が空自向けに提案している第三世代IS 蒼翼の実用試験も兼ねているんでしたね。」
「ああ。今は、事実上陸自のIS部隊が必要に応じて派遣されているが、それも終わるだろう。元々、IS学園にある専用機だけでも十分すぎるほどだからな。打鉄弐式と瑞鶴の性能は、そこらの第三世代を遥かに凌ぐ。この2機に陸自の震電があれば十分。加えて蒼翼は、海自での運用も想定している。辻島重工も頑張っているが、今回は無駄に終わるだろうな。」
 日本は現在、震電以外の第二世代ISが退役している。
 通常ならば一日も早く次世代機を投入する必要があるのだが、震電が状況に応じて派遣されれば事足りるので今のままで問題はなかった。
 さらに、世界でも最先端のISが揃うIS学園の存在。
 特に、白式を駆る一夏と紅椿を駆る箒の存在が大きい。
 共に、ISの産みの親である束が自ら開発した機体。
 スペックは、群を抜いている。
 加えて、白式は世界に2機しか存在しない第五世代ISにして第四形態移行を遂げている。
 燃費の向上や様々な事態に備えて一夏が追加兵装パッケージを開発し、地道に性能向上のための改修も行っている為に、極端な事を言えば一夏がいれば日本の防衛は問題ないという見方すらある。
 事実、亡国企業は幾度も襲撃を行ったが、その度に全滅の憂き目を見ている。
 第三形態移行後の紅椿を駆る箒に加え一夏に次ぐ技量を持つラウラ達他の専用機持ちの尽力も大きいが、やはり一夏の戦闘力は群を抜いている。
 むしろ、この状態で通常のペースで第三世代ISへの更新を行うと、国際社会の中で日本が面倒な立ち位置になり兼ねないのでそれを考慮して第二世代は全機退役・解体して初期化されたコアとして、厳重に保管されている。
 無論、保管場所は国家機密で知る者は極僅か。
 亡国企業も、それを特定できない。
「ですが、芝崎の第三世代が空自だけでなく海自でも制式採用されると、ますますやめにくくなりますね…。」
 今の一夏は、最高技術責任者でもある。
 大部分が一夏の技術であるが芝崎の門外不出の技術も、知り尽くしている。
 そう簡単には、手放さないだろう。
「考えた末で芝崎に残るのなら、それでいい。そうでないのに無理やり引き留めようとしても事はうまく運びはせん。」
 そう言って、千冬は仕事を続けた。

「訓練。実に熱が入っていますね。」
 俺は、大統領と夕食を共にしていた。
「中将にそう言っていただけると、嬉しいですな。とにかく、今は兵の練度を上げるしかありません…。」
 コモロフスキ大統領は、微妙な表情になる。
「何か、懸念事項でも…?今やポーランドも、NATOの加盟国。最近のウクライナの動きを気にしていないわけではありませんが、攻め込んでくることは無いでしょう。ベラルーシにしても、戦力で劣ります。」
「さすがに、情勢をよく御存じですな。しかしながら、周辺国の思惑で好きにされてきたのが我が国の歴史。大統領としては、必ずしも安心とはいきません。」
 まあ。そうなんだよな。
 このあたりは、日本人には理解が難しいかもしれない。
 海洋国家は、いわば天然の巨大な水堀を持つ難攻不落の城。
 泳いで渡れるドーバー海峡の向こう側にあるイギリスを、ヒトラーは攻略できなかった。
 だが、ポーランドは違う。
 仮想敵国としている国とは、地続き。
 そして、国境には天然の要害と呼べる場所も無い。
 スイスの様に、国自体が堅固な山城なら守りの固めようは幾らでもある。
 けど、ポーランドはいわば平城。
 しかも、江戸時代の攻められる事を考えていない平城だ。
 城壁や堀はあるが、防御力はお世辞にも高いとは言えなかった。
 できれば最新鋭の兵器で軍を強化したいが、年間軍事予算が1兆円台では無理な話だ。
 レオパルド2にしても、輸出バージョンは10億を超える。
 フランスのルクレールは、本国仕様ですら10億を超える。
 アメリカのM1 エイブラムスも同様。
 後はイギリスのチャレンジャー2か、イスラエルのメルカバか。
 チャレンジャー2は、11億以上で論外。
 メルカバが、5億から7億ってところか。
 生存性も高いから、いい戦車である事は確かだ。
 主砲はラインメタル社製で、レオパルド2と弾丸も共通化できる。
 ただ、国内配備を優先しているから輸出してないんだよな。
 戦車の更新は、茨の道か。
 複合装甲を開発すれば、追加することでHEAT弾頭、対戦車ロケット、対戦車ミサイルに対する防御力が格段に上がる。
 後はパワーパックか。
 複合装甲を装備して重量が増えれば、自然に速度と機動性は低下する。
 より高出力のパワーパックを搭載すればいいが、航続距離が落ちる。
 今のポーランドの技術だと、航続距離を落とさずに出力を強化したパワーパックの開発は厳しいな。
 リアクティブアーマーが悪いとは言わないが、防御力では不安がある。
 追加装甲の技術でも、不安ありだ。
 空軍のF−16は、十分第一線で通用する。
 Mig−29も、航続距離と搭載量に目をつぶれば問題ない。
 ただ、Su―22はな…。
 トーネードを導入するとはいえイギリスのは全部退役して、サウジアラビアが退役させたのを安く購入した以外で手に入れられるかだな。
 もしくは、生産に関する権利を丸ごと買い入れて自国で改良して生産するかだけど、初期投資は馬鹿にならないしそんなに数が揃わないから割に合わない。
 近代化改修が、一番早いか。
 空気の取り入れを機体側面のインテークにして、機首のショックコーンは廃止。
 これで、レーダーの搭載スペースを確保する。
 機首には、IRSTも搭載したいな。
 戦闘爆撃機だから、目標指示ポッドも不可欠だ。
 グラスコックピットにしてHMDを搭載すれば、改修して向上した機体性能を十分に活かせる。
 エンジンもできれば、ターボファンエンジンにしたい。
 そろそろ、エンジンも寿命だろうからな。
 各部の疲労の度合いも、見ておくべきだろうな。

 安く済ませるなら、ショックコーンの大きさに合せた高性能レーダーを開発して搭載。
 他の改修は変わらず。
 機体各部のチェックと、エンジンのフルオーバーホールを行う。
 ヤバい所は、交換して延命する。
 おっと。
 俺の癖だな。
 すぐに考え始めちまう。

「トーネードを導入してそれなりに空軍は強化できるが、全体の数が問題だ…。」
 大統領のつぶやきを聞いて、俺は何を考えているかすぐに解った。
 Su−22もトーネードも複座型。
 つまり、1機に2人乗る。
 これを単座型にできれば、余ったパイロットの機体を調達して数も増やせる。
 複座型は、練習機にすればいい。
 でも、ポーランドの技術じゃ楽じゃないしな。

「陸軍の重砲は、増やすのはさほど難しくないかと。」
「と、仰るには。」
 大統領が食いつくように、俺を見る。
「民間のトラックを仕様にして、各種ロケット砲に重砲を乗せるのです。前者はさほど難しくありませんし、後者は実例があります。適切な砲を輸入して民間のトラックを改造すれば、開発費も単価も安く上がります。」
 これは、議論されなかったのかな?
 陸軍のチェコ製自走砲は、車両のベースは民間のトラックなんだが。
「我が国で、適当な車両が生産されていません。それに、自走砲を搭載して運用するのは従来の自走砲に比べて、展開や撤収時間が長くなるので問題があるという声が小さくないのです。」
 フランスのカエサルも、そこは悩みの種だからな。
 いっそ、大量に輸入するか企業を誘致したらどうだろうか。
 そう考えていると、通信が入ってきた。
 こんな時に…。

「解った。お前は迎撃してくれ。守備範囲が従来とは比べものにはならんが、何とか持ち堪えてもらいたい。」
『よりにもよって、ISを保有していない国を狙うとは…。』
 千冬は、口の中で苦い味を感じていた。
 だが、この戦いで千冬は塩味を感じるとは、予想していなかった。

後書き
前回に引き続き、ポーランドでの公務です。
ここで一夏が感じたのは、日本とポーランドの軍備の差です。
事実、日本とポーランドでは経済規模も、1人当たりのGDPの差も開きがあります。
そして、陸続きの国に関わらず数の上でポーランド陸軍機甲部隊の主力を務めるT−72戦車は、ソ連が使用していた国内版のモンキーモデル。
これはイラク陸軍でも同様で、アメリカの戦車に歯が立たず一方的に叩きのめされたことに衝撃を受けた、T−72運用国はそれぞれ防御力の強化に着手します。
一番多かったのが、リアクティブアーマーですね。
あちこちに付けていて、ごてとてしているのが印象に残っています。
一方、M1戦車は評価を高めてオイルマネーで潤っている中東等に輸出されています。
その後、ロシアは兵器市場での威信をかけてT−90、T−80といった戦車を開発していきます。
日本の場合は、独自に戦車も複合装甲も開発できますから、モンキーモデルを導入することもありませんし、最新式の10式は戦車砲も純国産。
ポーランドは、独自に改良していますが西側の最新戦車には及びません。
レオパルド2が僅かに配備されていますが、価格が高いので大量配備は無理でしょう。
自走砲や他の重砲も数は少ないので、陸の軍備は充実しているとは言えません。
空軍は、F−16やMig−29がありますが、他に配備されているのがSu−22。
F−4 ファントムUより古い戦闘爆撃機。
日本なら、とっくに退役している戦闘機です。
それでも、貴重な戦力。
海軍も、哨戒艇の類がメインになりますがやはり古いです。
今は、NATOの加盟国なのでさしあたっては大丈夫でしょうけど、大陸国家の受けるストレスは海洋国家より大きいですから、本音はもっと強力な装備を揃えたいでしょうが、無理な話。
そこから、一夏はポーランドの様々な計らいの思惑を見抜きます。
そこに、何やら厄介事が。
大体予想はつきますが、千冬が感じることになる塩味とは?













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