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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第128話 負けられない…<前篇>

<<   作成日時 : 2014/11/22 23:25   >>

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「いよいよ。準決勝。激戦が続く2年生の第1試合はシャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒ組対篠ノ之箒、高階玲子組の対決。2年生では織斑会長に次ぐ実力者のボーデヴィッヒさんと、それに続く技量の持ち主であるデュノアさんのペアに、ISの生みの親篠ノ之束博士が直接手掛けた第四世代IS紅椿を専用機としその実力はデュノアさんとほぼ互角の篠ノ之さんに、専用機持ちの実力派が鎬を削る1組で実力を伸ばしてきた高階さんのペア。どちらが勝つか、全く予想が出来ません。」
 遂に、準決勝か。
 1年は、蘭とコリーナのペアが一般生徒とぶつかる。
 シャーリーとレイラのペアは、フリーマンさんと飯塚さんのペアとぶつかる。
 第2試合が、どうなるか見物だな。
 フリーマンさんの実力も中々だし、飯塚さんは一般生徒ではトップの実力者。
 連携はこの短期間でいい線行ってるから、シャーリー達も油断するとやけどは決定だ。
 3年生は、楯無さんとサファイア先輩のペアが優勝だろうな。
 実力の差があり過ぎて、お話にならない。
 試合の密度は濃いんだけど、どうしても差が出る。
 現役の国家代表に、オーストラリア代表候補筆頭のペアじゃ無理もないか。

「これ以上は、駒を進ませはせんぞ!ラウラ、シャルロット!」
 箒が闘志をむき出しにする。
「それは、こっちの台詞だよ。僕は、負けるわけにはいかない。どうしても勝たなきゃいけないんだ。」
「私の嫁に手を出す事は、赦さん。その為にも、一夏を完全に私の物にする必要がある。だが、その前にお前たちを倒す!」
「みんな同じの様ね。私も負けるつもりはないの。実力で及ばないとしてもね。必ず光明を見つけて見せる。」
 それぞれの視線がぶつかり合う

「これは開始前から、双方とも闘志を剥き出しに!全ては、愛しい想い人を手に入れるために!準決勝ともなれば、2年の頂点に君臨する専用機持ち同士の激闘で勝利して駒を進めて来ています。この試合も激闘になる事は間違いありません!」
 授業の一環で、専用機持ち達にとっては新装備の試験運用や日頃の訓練の成果を示す場であるはずなのだが、2年生に関しては既に将来の夫と心に定めた乙女達がその想いをぶつけ合う場になり、ほとんど少女漫画の世界になっていた。
 だが、この事態はある意味各国に都合がいい。
 もし、一夏を将来の伴侶とする事が出来れば自動的に自国に帰属することになるので、得る物は莫大どころか天文学的になる。
 特に先進国の中でも慢性的に経済の不調に悩まされているフランスは、何とか一夏を自国の人間にして各種産業で世界をリードし経済の立て直しを図りたかった。
 アメリカは、ナタルが一夏にプロポーズをしている。
 通常戦力では依然世界一のアメリカは、日本とフリゲートや軍用車両、攻撃ヘリコプター等の共同開発において日米で装備を共通化させつつ高性能な兵器を大量に配備する事に成功した。
 特に水上艦ではアーレイバーク級を下回るコストで高性能な新型イージスシステムを装備したイージス艦を配備可能になりラルフ・ジョンソン級として、第1陣5隻が配備されており、追加予算としてフライトT21隻を更新する為に138億6千万ドルが議会で認められ、各地の造船所では急ピッチで建造が進められている。
 尚、大量発注の結果、2割の予算削減が可能となり110億8800万ドルとなっている。
 さらにズムウォルト級の半分程度のコストで調達可能で、水上艦としては初めてレールガンを装備し、多数のミサイルで様々な任務に対応可能なジョゼフ・J・クラーク級ミサイル巡洋艦がタイコンデロガ級を更新する形で進んでいる。
 現在は、M16及びM4系のアサルトライフル・カービンの後継として、日本側の特殊部隊とアメリカ陸軍および海兵隊で使用するコンパクトなカービンの開発の議論が進んでいる。
 本来日本は新型の20式軽量小銃を共通して採用することが決まっていたが、「特殊部隊はその性格上、他の部隊より危険な任務に就くが故に装備は通常部隊より優れた物を使用すべき。」と、アメリカ側は主張し、特殊部隊をターゲットにしたFN SCARや、M4カービンのクローンに当たるH&K HK416をデブグルーでの使用に最適にカスタマイズした例を挙げた。
 日本としては、参考になる意見だったがそれだけの話だった。
 つまり、その気がなかったのである。
 結局は根負けする形で、コルト社、豊和工業、アサルトライフル用のオプションを製造していたが、様々なアサルトライフルの良い所を組み合わせて短期間に新型アサルトライフルを製造したマグプル社の3社共同で、6.8mm×43SPC弾を使用する次世代ライフルの開発が決まり、試作型の試験に入っている。
 さらに、後継となる機関銃を開発しても悉く不採用になったM2 12.7mm重機関銃の後継となる機関銃の共同開発も決定している。
 これは、日本側にとっても十分にメリットがあるのですぐに決定した。
 軍事部門を差し引いても、一夏が開発し無料公開しているOS。
 LH−OS(Low−load High−speed processing Operation System:低負荷高速処理オペレーションシステム)が大きく注目されている。
 システム開発でも、各言語のプログラマーはさほど違和感を覚える事がないので開発も従来とほとんど変わりがない。
 さらに、同じハードでもWindowsやios、UNIXといったOSに比べて処理速度が格段に早い。
 これらのOSをインストールするハードが問題なく使える事から、新規に基幹システムを開発するに際して、LH−OSを採用する企業が増えている。
 一夏も技術者向けの専門書の執筆や、講演で多忙な日々を送っている。
 身に着けた技術を様々な分野で役立てたいと願う一夏の望みは既に適っていると言っていい状態で、その一夏を得ようと各国が水面下で争っていた。

 なんか、とんでも無い事になってきてるな…。
 良かった…。楯無さんが変な事言わないでくれていて…。
 これで2人きりの旅行プランだのを賞品にされたら、冗談抜きでどうなるか解らない。
 それ以前に、俺は一体どうすればいいんだよ。
 いきなり告白されまくって、はっきり言ってパニックだ。
 心の整理すらつかない。
 そもそも誰かと付き合う以前に、誰かを好きになるなんて考えた事も無かった。
 俺にはやらなければならない事が、沢山ある。
 まずは、それが最優先事項だ。

 試合開始から、激闘が続く。
 技量においてはシャルロットとラウラのペアが上だが、箒と玲子はハードと戦術でそれを補っていた。
 紅椿は、第四世代ISで実用化されたマルチロール兵装である展開装甲を全身に実装した世界初のIS。
 巴御前は、展開装甲を解析し理解した一夏が第三世代で部分的に再現できるようにした擬似展開装甲を実装した初のIS。
 改装に当たっては、これを部分ごとに性能を分けて搭載。
 第四世代クラスのマルチロールを、実現している。
 それを差し引いても、巴御前は全ての距離で戦えるように兵装を搭載し高い機動性と運動性を与えている。
 紅椿は第二形態移行後に、様々な射撃兵装が装備されたことで展開装甲に頼らなくてもどの距離でも戦えるようになっている。
 さらに、ワンオフ・アビリティの絢爛舞踏を完全に使いこなせるようになった事で稼働エネルギーが空になる事はない。
 今回は、以前に束が一夏に開発を依頼した追加兵装である超高機動パッケージである「花風」を装備している。
 さらに、近接兵装の金鵄と射撃兵装の一つ穿千に絢爛舞踏のエネルギーバイパスを繋げる事で、威力は格段に上がっている。
 無論、シュヴァルツェア・レーゲンとイリュジオンも一夏の改修で性能は向上しているが、総合的には箒たちには劣る。
 シュヴァルツェア・レーゲンは、近中距離戦闘に的を絞った高機動戦闘追加兵装パッケージ「シュヴァルツランツェンレイター」を装備。
 イリュジオンは、高機動強襲追加兵装パック「ドラグーン」を装備している。
 2年生では一夏に続く技量を持つラウラと、ラウラより僅かに劣るが判断能力では天賦の才を持つシャルロット。
 パッケージを最大限に活用して戦いを挑むが、箒と玲子の連携の前に攻めあぐね紙一重程度だが劣勢に立たされている。
 幼少の頃より、剣術の鍛錬を積み続けている箒の高い近接戦闘能力。
 巴御前の兵装の特性と、擬似展開装甲「秋葉」を最大限に活かした戦術。
 ラウラは軍隊で厳しい訓練を積んでおり、当然ナイフを使用した近接戦闘の訓練も十分に積んでいる。
 しかし、長い歴史を持つ日本の剣術の多彩な技を自在に使う箒に押されていた。
 シャルロットはパッケージの追加兵装とサブアームを使用してのラピッドスイッチで多彩な攻撃を仕掛けるが、秋葉の特性を最大限に活用しどの距離にも対応できる通常兵装と合わせて戦い、時に近接戦に持ち込まれやや押され気味だった。
 それでも完全に押されることは無く、激しい戦いになっていた。

「さすがに、準決勝となると試合のレベルが格段に上がりますね。」
「篠ノ之達は、専用機持ちのペアと戦うのは初めてだが、準々決勝まで勝ち抜いてきた準専用機持ち同士との戦いだった。中々見応えがあった。デュノア達は、捨て身といっていい戦いで勝ちをもぎ取った。となれば、必然的にこうなる。そして、ISの性能も高い。ドイツとフランス。特にドイツは、積極的に新型の追加兵装パッケージを送ってくる。少しでも多くの運用データを手に入れ量産型第三世代ISを開発する糧にするつもりだろう。或いは、既にはじまっているかもしれんな。フランスは、一夏が作ったサイントエールの各部を細かに改良しつつデータを蓄積してきた。そして、今回完全に自社の技術のみで追加兵装パッケージを開発してきた。イリュジオンは、既に実用化の域に達していると言っていい。だが、欲を言えばベースにしつつもより多くのデータを収集して、改良したさらにハイスペックな機体を開発して、イグニッションプランでEU主力機の座を得たいだろうさ。」
「こうなるのは、向こうは想定内。ですか…。」
「だろうさ。このタッグマッチ。特にデュノアのペアが、共に新型の追加兵装パッケージを送ってきた舞台裏は、激しい火花が散っているだろうよ。」

 現在、第二次イグニッションプランに基づくEU主力機の選定は、佳境を迎えている。
 一夏達が入学した頃はセシリアのブルーティアーズが頭1個リードしていたが、一夏がイリュジオンを開発しフランスが参戦した事でイリュジオンがブルーティアーズより高い評価を得るようになった。
 ラウラのレーゲンタイプも低くはなかったが、本国でのトライアルが思ったより長引いた為に選定では出遅れていた。
 その後、一夏がブルーティアーズ、イリュジオン、シュヴァルツェア・レーゲンを改修した事でイタリアのテンペスタタイプが出遅れて、イギリス、ドイツ、フランスの混戦となっている。
 クラス代表対抗戦でセシリアのブルーティアーズが第二形態移行を遂げた事で現在は再びイギリスがリードしているが、それを座視している義務はどの国にもない。
 故に、ドイツもフランスも新型の追加兵装パッケージを開発し、運用データを少しでも多く得ようとする。
 今のIS学園には、多くの専用機持ちがいる。
 その大部分が集まるのが、2年生だ。
 しかも、揃いも揃ってハイスペック機。
 その中でも、第四世代ISである紅椿にエクソルツィスト。
 世界でもただ2機しかなく、各国では構想すらない第五世代ISの白式。
 これらとの対戦データは、喉から手が出る程欲しい。
 データを得る。
 そして、それは激しい戦闘になった時のデータがより望ましい。
 ならば、望ましい時期に送るのが最上の策。
 それには、今回のタッグマッチはうってつけだった。
 専用機持ち達の実力も、高い。
 激戦になる事は、予想の範囲内だった。
 後は、どのような戦闘になりどのようなデータが得られるか。
 そこに、関係者の思惑は集まっていた。

 さすがに、激戦だな。
 ラウラのパッケージは近中距離に的を絞ってるから、ある意味オートクチュールに近いものがある。
 けど、紅椿のそもそもの設計思想は、近接戦闘を主眼とした万能機だ。
 そう簡単には、有利には持ち込めない。
 確かに、まだラウラの方が実力は上だ。
 けど、あくまで総合的な話。
 近接戦闘においては、小学校の頃から剣術を修め多彩な剣技を繰り出す箒にはさすがのラウラも劣る。
 積み重ねられた歴史と、それを体に染み込ませるが如く研鑽を積んできた箒とは地力が違う。
 それはラウラも良く理解しているので時折遠距離砲撃戦を織り交ぜながら戦うが、紅椿には展開装甲があるし絢爛舞踏でエネルギー切れはない。
 稼働エネルギーは使いたい放題だ。
 つまり技量の差を、機体性能でうまく埋める。
 これは、中々に難しいんだけど今の箒なら十分やれる。
 だが、そろそろ差が開くころだな。
 ほら、開き始めた。

「どうした?攻め方に精彩が欠けてきたぞ。ISにガス欠はなくとも、お前は違うからな。」
「黙れ!」
 箒が破魔矢を一斉に発射するが、ラウラはAICで停止させてシュベルトプファイルツヴァイのガトリング砲で破壊する。
 爆発の際に生じる光と煙で僅かに出来た隙を、ラウラは狩りをする獣のように見逃さない。
 シャープファングを撃つといったん距離を取りつつ、ベスティエを牽制の為に射出する。
 その間に、ツヴィリングツヴァイのエネルギーをフルチャージする。
 チャージ機構を、改良してきたか。
 優れた技術者を多く抱えるのが、ドイツ。
 こういう所は、さすがだよな。
 ツヴィリングを解析して、シャープファングを独自開発しただけあるよ。
 白拍子で対抗している箒をハイパーセンサーでロックすると、AICで動きを止める。
 これは、まずいぞ。
 下手打ったな、箒。
 結構激情家な箒は、疲れが濃くなり始めると短気になる傾向がある。
 もろに出たな。
 AICは俺が改良しているから、ハイパーセンサーでロックすれば動きを止められる。
 こうなると、ハイパーセンサーにハッキングを掛けるかジャミングで一時性能を低下させるか、稼働停止にするかの三者択一。
 巴御前の秋葉ならやれるけど、今の玲子はシャルロットの相手で手一杯だ。
 さて、どうなるかな?

『箒が…。このままじゃ…。助けようにも、シャルロットを何とかしないと…。』
 玲子はシャルロットの猛攻を凌ぎ、反撃するので手一杯だった。
 準々決勝で得た教訓から、シャルロットは容易に本格的な近接戦闘に持ち込ませない。
 一撃離脱時の近接戦闘なら、シャルロットも対応できる。
 そして、極僅かずつ距離を開けてシャルロットが最も得意とする遠中距離レンジに持ち込まれて、玲子は徐々に押され始めている。
 秋葉の防御能力で凌げているが、紅椿と違い巴御前の稼働エネルギーには限りがある。
 いつまでも、この状況は続かない。
 逆にシャルロットは、実弾兵装を中心にしている。
 長期戦に備えつつ、止めを刺す時のエネルギーを温存するためである。

「さすがに紅椿。完全には、動きは止められんか。」
 AICに捕まっても紅椿のパワーで箒はどうにか動いてラウラに攻撃を続けるが、動きに著しく精彩を欠く今の箒の攻撃をかわすのはラウラにとって訳もない事だった。
 お返しとばかりに、脚部に装備されている強力な5段式HEAT弾を弾頭にする8連装ミサイル「サラマンドル」を叩き込まれる。
 何とか展開装甲で防ぐが、4回にわたり装甲に大きなダメージを与えるHEAT弾の直撃を受け、本命とばかりに尤も強力なHEAT弾頭の威力が続いてはいくら紅椿といえどもダメージ無しとはいかない。
 さほど大きくはなくとも、パイロットの箒には液体金属の超高速噴流の衝撃がやがて伝わる。
 苦痛に、箒の顔が歪む。
『何とかしなければ…。このままでは、只のサンドバックだ…。』
 痛みを堪えつつ必死に動きながらも、箒は対応策を模索する。
 その間にも、ラウラの激しい攻撃が続く。
 スタンスティック「ミョルニル」の一撃をさばききれずに、体を捻って回避しようとするがラウラはそれを読んで叩き込む。
 すぐに展開装甲が防御フィールドを発生させて高圧電流を防ぐが、衝撃は伝わる。
 長大なミョルニルの一撃は、けして軽くはなかった。

「これまで、でしょうか…?」
 AICで、動きをかなり制限された箒。
 シャルロットが最も得意とする、高機動砲撃戦に引きずり込まれて押されている玲子。
 もはや、勝敗は決したように見える。
 だが、今の箒たちの実力は相当な物である。
 そう簡単に諦めはしない。
 どんなどんでん返しが待っているかも、解らない。
 故に、勝敗が決したか真耶は疑問だった。
「私にも解らん。何しろ、意気込みが違う。多少の逆境なら、跳ね除けるかもしれんな。」
 2年生の専用機持ちは、昨年の2学期から予想を大きく超える成長ぶりを見せている。
 一夏がチューンした機体にしても、専用機持ちに合せたチューンをしてワンオフ機に近くなっている。
 普通車とF1マシン程とまでは行かなくとも、通常のISとは大きな差がある。
 それを自由に駆る事ができる今の箒たちの実力を考慮すると、どんなどんでん返しが待っているか予想は不可能。
 千冬にとっても想定外の事は、いくらでも起こり得ると考えていた。

『くそ、このままでは…、このままでは…。』
 まるで思い通りに動かない状況で、箒は必死に打開策を考えていた。
 パートナーである玲子は、シャルロットに抑え込まれている。
 助けは当てにできない。
 何としてでも、この状況を打開して形勢を逆転する必要がある。
 絢爛舞踏を発動しているので展開装甲へのエネルギーは常に供給されており、追加パッケージ「花風」のお蔭で動けないわけではないが、紅椿の機動力は打鉄クラスにまで落ちている。
 これでは、七面鳥撃ちになるのは目に見えている。
 体には、着弾の衝撃が響き疲労とダメージが蓄積されている。
 機体は動けても、箒自身が戦闘不能になりかねない。
『一夏…。』
 試合を冷静に見ている一夏が、箒の瞳に映る。
 小学校低学年の時に男女と揶揄され続けていた箒を庇い、二度と言わせないようにしたのが一夏だった。
 その時から一夏にはどこか特別な感情を抱いていたが、その正体は解らなかった。
 スカートめくりが男子の間で流行した際に、それをやめさせ泣いている女子を励ましている姿を見て胸の中でもやもやした感情。初めて嫉妬という感情を知ったのも一夏が切欠になってからだ。
 それから家の風呂で汗を案がすようになって、箒も一緒に入るようになった。
 当然下着姿も裸も見られたが一夏ならいいと思っていたし、それ程一夏と親密な関係になっている事を羨む女子に対して箒はいつしか優越感を持つようになった。
 二次性徴の兆しもない胸を、揉ませた時も少なくない。
 一夏は理由が解らなかったが、箒なりに一夏に対する想いを伝えようと必死だった。
 他の女子も何やら考えていたのは、間違いなかったからだ。
 そしてISを開発した束の肉親という理由で日本中をたらいまわしにされても一夏への想いを忘れずに胸の中に大事に仕舞って、ひたすら剣術に撃ちこみ続けた。
 そして、IS学園で再会することになる。
 しかし、世界遺産級の唐変木であるにも関わらず、女性の恋心を刺激して一夏に想いを寄せる生徒。
 しかも各国から送り込まれた、専用機持ちの国家代表候補。
 世界中からエリートが集まるIS学園でも、エリート中のエリートで皆美少女。
 箒は何とかしようと考えたが、生まれつき自分の気持ちに素直になる事に関しては不器用な事もあって中々伝える事が出来ずに、一夏は複数人の女性からプロポーズをされた。
 そしてその中の1人ナタルとは、一夜を共にしたという情報も入っている。
 何とかしなければ。
 その気持ちが、箒の胸を占め精一杯の告白をした。
 が、それでも足りない気がする。
 だからこそ、勝ち進んで一夏とデートの機会を作ってきちんとプロポーズをしよう。
 既に、心の準備もできている。
 だが、その決心を実行に移せない状況になりつつあった。

 花風があるから、それなりには動けてるけど機動力は打鉄並み。
 展開装甲で防御はなんとかなってるけど、着弾の衝撃は体に伝わっている。
 箒の疲労の色は濃いし、ダメージ相当に蓄積されてるな。
 そろそろ限界か。
 AICに捕まったのが、一番まずかったな。

『くそ…。せめて、AICを何とか出来れば…。ハイパーセンサーに対するジャミングを掛ける兵装さえあれば…。』

ワンオフ・アビリティ 自動兵装開発システム「天火明命」発動。
特殊電子戦システム「迦陵頻伽」構築終了。

『特殊電子戦システム…。これなら、あるいは…!』
 背部展開装甲が形状を変え、翼のようになる。
 すると、AICが解除された。
「よし。これで戦える。二度も同じ手は通じんぞ!ラウラ!」
 本来の性能を取り戻した箒は、金鵄を構える。
『負けられない…。負けたくない…。』

なら、負けないようになりましょう。
あなたの為に、あなたが誰よりも愛する人の為に…。

後書き
1週空いてしまいましたが、いよいよ準決勝です。
箒と玲子のペアの相手は、シャルロットとラウラのペア。
2年では一夏に次ぐ実力者で、現役の特殊部隊隊長のドイツ陸軍少佐のラウラ。
適切な判断力を活かした高機動砲撃戦は、2年生ではほぼ間違いなくトップのシャルロット。
さすがに、準決勝となると強敵です。
それでも、箒と玲子はほぼ五分の展開に。
技量に差があるのなら、ISの性能と戦術でそれを補う。
展開装甲が物を言います。
近中距離戦に的を絞ったパッケージを装備した、ラウラの相手を箒が。
砲撃戦に的を絞ったパッケージを装備したシャルロットの相手は、玲子が担当。
近接戦では多彩な剣術で箒がラウラを凌ぎ、高機動砲撃戦では、近接戦にならないように注意しながら戦うシャルロットの相手を手数と全ての距離に対応できる兵装を搭載する玲子が担当して激戦に。
しかし、僅かな隙を突かれてAICで箒が不利に。
長期戦での体力配分と冷静さを保てる点では、軍で様々な訓練を受けて鍛えてきたラウラが上。
結構激情家の箒の性格も、凶とでます。
紅椿の性能と、高機動追加パッケージの性能を最大限に活用してなんとか戦う箒。
その時、チャンスが訪れ何かの声が…。
何でしょう?










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後篇に続く。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
待ってました! 屈指の好カード、どう転ぶか分からない激戦で箒が遂に…。
ヴァルバジア
2014/11/22 23:41
ヴァルバジアさん。
コメントありがとうございます。

>どう転ぶか分からない激戦で箒が遂に…。
 IS戦も恋の戦いでも、激戦必至。
 誰よりも前から、一夏を見て来て想ってき
 た箒。
 一夏の暖かさに救われ、魅かれたシャルロ
 ット。
 恋に理由はいらない。それが答えのラウラ
 と玲子。
 さあ。どうなるやら
CIC担当
2014/11/29 21:13

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