cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第126話 気づかなかった気持ち<後篇>

<<   作成日時 : 2014/11/01 23:58   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

「生徒会長を務めながら、お医者さんに、技術者、国連安保理の特別理事。どの分野でも、誰かの為に一生懸命に頑張る一夏を見ていて、私は思った。スギハラさんも、こういう人だったんじゃないかって。気が付いたら、一夏に憧れて、心から尊敬するようになって、そして…。」
 そして…?

「好きになって。大好きになって。そして、愛するようになりました。私は、あなたを愛しています。だから、私と一緒にイスラエルに来て。一夏なら、今のイスラエルの問題をきっと解決できる。私が傍で支えるわ。その上で、日本とイスラエルの友好の懸け橋になれればって、思ってるの。」
 たちまち、観客席から黄色い歓声が聞こえてくる。
 どうして、俺と知り合って特別なにもなかったのにそうなるんだ?
 毎日の仕事だって、やるべき事だからやってるんだぞ。
 俺が身につけた物で、苦しんでる人を救いたい。
 別に、特別な事じゃない。
 医者は、患者さんの為にいる。
 医療関係の機器を作る技術者は、技術で患者さんを助けるために努力する。
 特別理事の任にある者として、国際政治の問題を解決して安寧を願うのは当たり前だぞ。
 もう、訳が分からなくなった。
 今度は、シルヴィが通信を広域にした。

「私は、BT兵器搭載型ISファーストジェネレーションの最終機の専任として、純粋にデータを取る為にここに来たわ。あなたの事は知っていたけど、特にどうこう考えていなかった。強いて言えば、いいデータ収集の対象になるかなって思った。でも、初めて会って、あなたに心を奪われたわ。一目ぼれって言うのかしら。ねえ。一夏。イギリスの人間になるのは嫌かしら?マールバラの姓を名乗るのは嫌?もしそうなら、私がオリムラの姓を名乗るわ。一緒に、イギリスで人生を歩みましょう。」
 は?
 何が、一体どうなってるんだ…?
 どうして、そこまで考えるようになるんだ…?
 由香里の機嫌も、マッハのスピードで悪くなるし…。
 今日は、一体全体どうなっているんだ…?
 今更ながら思い出したが、シルヴィはイギリスの名門マールバラ侯爵家の長女だった。
 世界の上流社会にも、影響が出る可能性がなくないか?

「あの、馬鹿者…。」
 必死に頭痛を堪えながら、千冬は再び鎮痛剤を飲んでいた。
「やってくれますね。ちょっと、この状態は看過するわけには…。」
 真耶がいつの間にか、恋する女性の表情になっていた。
 が、次の瞬間、真っ青になる。
 目の前に、千冬が愛用するデザートイーグルの銃口があったからだ。
「織斑先生…。銃口を人に向けるのは…。」
「なに。私の大事な弟を毒牙に掛けるような不埒者は、ここで消してしまった方がいいと考えてな…。それに教え子と禁断の愛を考えるような副担任を、無視は出来んな…。」
「あ、あの…。とりあえず、試合を始めしょう。試合。…?これは…!織斑先生!」
「案の定というか、予想通りというか…。織斑。」
 真耶と千冬の表情が真剣な物となり、千冬が一夏に連絡を入れる。

「了解です。」
 ったく。やっぱり来やがったか。
 あれは、使いたくないんだよな…。
 でも、仕方ないんだよな。
 ま。運用試験とでも思うか…。
「由香里。ちょっと仕事が出来たから、試合の録画頼むな。じゃ。」
 俺は白式を展開して、仕事場所に向かう。
『山田先生。例のやつを試します。想定通りのスペックなら、奴ら相手に後れは取らないでしょう。』
『織斑君が手掛けたのなら、大丈夫ですよ。』
 信頼してくれているのかな。
 じゃ。答えないとな。
 レーダーレンジを拡大してと。
 ゴーレムか。
 慣らし運転だな。
 俺からちょっと遅れてきたゴーレムともISとも違う機動兵器が、俺と合流する。
 さ。行くかな。

 一夏の方が戦闘に入ったころ、千冬達はその状況を見ていた。
「さすがに織斑君が手掛けると、この手の物でも性能が違いますね。」
「当然の結果だ。今まで、散々、ISの開発や改修に関わってきた。戦闘機を始めとする軍用機にもな。戦闘機の類は、試作機の開発まで一夏なら1日もあれば十分だが、それでもそれなりに経験は積んだだろう。亡国企業如きが、一夏が開発した兵器に勝てるものか。」
 圧倒的に優位な戦況の中、一夏は後方にいるだけであった。
 そして、しばらくして戦闘は終わる。
「念の為だ。例の物を装備したのを、4人ばかり向かわせておけ。奴らが作ったガラクタは、的にはちょうどいい。」
「解りました。」
 真耶は、待機していた武装教官に連絡を入れる。
「ふむ。試合の方は、ブレーメとルグローンの方が優勢か。ダインスレイブには苦しめられているようだな。エクソルツィストの火力にもだが。」

 終わって戻った時は、試合の真っ最中。
 予想通りと言おうか、当然と言おうか激戦になっていた。
 ただ、流れはクリスとラシェルのペアにいっている。
 零落白夜のデータを基に開発された、ダインスレイブ。
 白兵戦兵装で受け止めても、稼働エネルギーが減少する厄介な特殊兵装だ。
 無論、直撃した場合の稼働エネルギー減少は、兵装で受け止めた時の比じゃない。
 委員会直属研究所も、厄介な物作ったよな。
 アンナもシルヴィも、そう簡単に接近戦はできない。
 スターランス、フォックス、キラービー、エメラルドで牽制して初めて戦える。
 けど、それをクリスが赦さない。
 BT兵器の運用システムで、エメラルド・エターナルはエクソルツィストには勝てないからな。
 グングニルとエインヘリャルにしても、運用次第で戦術のバリエーションが増える。
 ガイストにしても、様々な兵装として運用が可能な多目的攻撃デバイスでもあるBT兵装だ。
 サント・シュバリーズやベスティエも似た様な物だけど、性能では及ばない。
 BT兵装、それを制御するシステム自体かなり特殊で、処理速度も格段に速い。
 どうしても、先手、先手を、取られる。
 アンナが、ヘレシャーシャリアッハを駆使して挽回しようとするが、その時には、ラシェルがフェンリルで攻撃する。
 イェリダーも十分に強力なISだし、アンナの腕も本物だ。
 けど、エムブラは各国の最先端のデータに、白式のデータも参考にして開発されている分、イェリダーよりどうしても完成度の面で高くなる。
 イェリダーは、福音の開発で得たデータを如何に活かすかが根本的な設計概念。
 対して、エムブラは今まで収集した各国の第三世代ISのデータと白式のデータを基に今後どこかの国で開発されるであろう高性能なISに如何に対抗するかが設計概念だ。
 想定する事態の広さが、違いすぎる。
 シルバーベルに追尾機能を付与したヘレシャーシャリアッハは厄介だし、様々な兵装になるクドゥシュルーツォットも使いこなせれば、有利に戦える。
 けれど、如何に自分が有利に戦えるかという点では、どうしても詰めが甘い。
 その点では、エムブラは優れている。
 現に試合は、アンナたちが不利。
 攻め手を封じられて、守勢から劣勢になっている。
 さらに、エクソルツィストにはユグドラシルがある。
 独自の拡張領域を持ち、BT兵器として運用できる武器庫を持った、ある意味、追加兵装パッケージを装備した打鉄弐式やイリュジオン以上に針鼠のように兵装を追加されている。
 さらに補助制御システムとして、ヴァイスハイト・デア・ウルチマチヴが搭載されている。
 劣勢に追い込まれてほどなくして、クリスとラシェルのペアが準決勝に駒を進めた。

「はい、これ。」
 ぶっきらぼうというか、相当怒った感じで由香里が俺にメモリーを渡す。
 何、怒ってんだよ?
 で、見てすぐに分かった。
 クリスとラシェルも俺に告白。
 俺は、やることがあって居合わせなかったが、対抗して告白していた。
 勿論というか、当然ながら観客席からは黄色い歓声。
 VIP席は、ほほえましく思っている人と呆然となっている人が半々。
 何でこうなってるんだよ…。
 俺って、女難の相なのか?
 まあ。それは後で考えよう。
 次は、俺達の試合だ。

「さあ。2年生の準々決勝最後の試合。我がIS学園最強の生徒である織斑一夏生徒会長と、クラス代表対抗戦後に辻島重工にスカウトされて専用機持ちになり織斑会長とペアを組んだ、5組クラス代表にして、元準専用機持ちだった霧島由香里さんのペア。対するは、実力派がひしめく2年生の中でも9人もの専用機持ちが集まる1組で他の専用機持ちと共に腕を磨いてきたイギリス代表候補のセシリア・オルコットさんと、去年のクラス代表決定戦直前に転入してクラス代表となり中国代表候補でもある、凰鈴音さんのペア。2人とも、2年の専用機持ちの中では最古参。実力も折り紙つきです。ですが、織斑生徒会長は、既にブリュンヒルデクラスの実力者。どういう展開になるのでしょうか?目が離せません。」
 黛先輩、テンション高いなあ…。
 おまけに、準専用機持ちだったりもする。
 新聞部の仕事で忙しいから、クラス代表はやっていないが。
 試合の方は、ベスト16で楯無さんとサファイア先輩のペアとぶつかって、敗北。
 けど、試合内容は凄く濃密だった。
 さすがに、3年生。
 しかも、整備科主席。
 天は二物を与えずっていうけど、しっかり持ってるなあ。
 ん?どうした。鈴?
 しかも、周囲から魔○気が漂ってくる。
 既に、○界か…。
 いつの間に、IS学園にこんなに北斗○拳の伝承者が多くなったんだ?
 何時から、ここは修○の国になったんだよ…。

「一夏。中学生の時。私が中国に戻る前にした約束、覚えてるわよね?私の料理の腕が上達したら、毎日私の手料理を食べてもらうっていう約束。あれはね…。その…、私なりの告白だったんだよ。」
 あれ?周囲が妙に納得してる。
 気づいていなかったのは、俺だけか?
「私さ。こういう性格でしょ…。面と向かって、素直に告白ってしづらいんだ…。小学校の頃から偶に揉め事起こしては、一夏に面倒掛けてたでしょう。そういうので、引け目もあったんだと思う…。告白していいのかなって…。」
 確かに、鈴は小学校の頃から、強気な性格でちょっとした揉め事を起こしていた。
 といっても、鈴が中国人だからそれを周囲がからかった事が発端だった事がほとんどだったけどな。
 さすがに中学では小学校の頃よりかは激減したけど、それでも馬鹿の類はいたから、からかわれて頭に来た鈴が周囲と揉めた事が何度かあった。
 鈴は確かに中国人だけど、それが悪いわけはないし鈴が中国人に生れる事を望んだわけじゃない。
 なのに、鈴が中国人であることをネタにするような馬鹿が、男子でも女子でもいた。
 さすがに、その頃は男子が女子と揉め事を起こすと時としてヤバかった時もあったが、それでも放っておくことは出来なかった。
 向こうの言い分に理もへったくれもなかったので、結局はからかった方が先生に厳しく注意されるというオチになって、その後、注意された連中に文句を言われたり、他校の不良や、知り合いのヤンキーを連れてきたのもいたが、全員追い返した。
 鍛錬の準備運動にも、ならなかったしな。
「お前ら。自分が、鈴と同じ目に遭ったら嬉しいか?だとしたら、相当に変わった趣味だな。別にそれにどうこう言わないが、他人に押し付けるのはやめろよ。そういうのをな。専門用語で、悪趣味って言うんだよ。覚えておいて損はないぜ。」
 最後にそう言うと、向こうも反論できないでその場を去った。
 その後、鈴は俺に礼を言ったけど何か言いたそうにしていた。
 言いたいけど、どういっていいか解らない事はすぐに解ったから敢えて聞こうとはしなかった。
 今から思うと、ひょっとしたら聞いてほしかったのかもな。
 気を使いすぎるのも、考え物かな。

「でも、転校して来てからずっと一夏と一緒で、最初は性別関係ない友達って思ってたけど、その内、1人の男の子って意識して、それで…。」
 鈴が俺の傍に来て、唇を重ねた。
 は?

 周囲からは黄色い歓声とかとにかくいろいろ聞こえて、VIP席はほほえましそうに見ている人とか呆然としている人とか。あ。楊さんが、目を白黒させてる。

「好きになったの。だから、告白したかった。それで、どう言おうか考えて、いつかはお嫁さんにって思ってたから。そうなれば、ご飯を作るのはあたしでしょう?だから、聞いたの。料理の腕が上がったら、毎日あたしの手料理を食べてくれる?って…。一夏が気付いてなかったのは解ってたけど、言わずにはいられなかった。それくらい、どうしようもなく好きだったから…。だから学園でまた会うまで、ずっと一夏だけを思ってた。私、向こうじゃ結構モテたんだから。告白もされたことあったし。でも、全然その気にならなかった。一夏が好きだったから。いつか…。」
 鈴が呼吸を整える。

「いつか、一夏のお嫁さんになろうって思ってたから。だから、言うね。はっきりと。私。一夏が好き。誰よりも好き。誰よりも愛してる。だから、私を一夏のお嫁さんにして!!」
 そう言って、通信が通常モードに戻った。

「あの…。織斑先生…。ひいっ!!」
 呪いのビ○オを見て、自分に掛かった呪いをとかなかったまま期限が来てテ○ビから出てきた貞○のような目をしていた千冬に睨まれて、真耶は怯えてオペレーティングルームの隅まで逃げて震えていた。
「始めます!すぐに試合始めます!!」
 真耶は、大急ぎで端末に前に座る。
『とどのつまりは、今まで小娘共の気持ちに気づかなかったツケを払った結果になったわけだが…。あの馬鹿者…、もう少し早く気付け…。とりあえず、全員反省文に、懲罰トレーニング。私は始末書だな…。』
 そう思いながら、千冬は鎮痛剤を飲んだ。
『さて、一夏は誰を選ぶのか…。まだまだ苦労は絶えんな。このままでは、私は行かず後家決定かな…?やれやれ…。』
 今後の事を考えて、千冬は溜息をつく。













後書き
いい話が続くと思いきや、そうは問屋がおろしません。
アンナとシルヴィ双方から、プロポーズをされます。
冬菊達がプロポーズした以上、手をこまねいていては最愛の想い人が取られてしまいます。
想いの丈をぶつけます。
ぶつけられた一夏は、パニック。
千冬は頭痛。山田先生は警戒し、後に恐怖。
そして、毎度のごとく亡国企業のちょっかい。
今回は、試合の描写は最低限です。
本当は、もっと書きたかったんですけどね。
エクソルツィストの元ネタは、かなり過激な戦い方をするパイロットとマシンですから。
タイトルにもありますけど、あくまでメインは一夏が気付かなかった周囲の恋する乙女達の気持ち。
それを如何に伝えるかが、メインです。
そして、セカンド幼なじみの鈴の番です。
一夏と一緒にいた時間は、箒についで2番目。
中国に戻る前には、事実上「お嫁さんにしてくれる?」と聞いたわけですから、今の状態にはとにかく焦っています。
そして、試合会場で全校生徒と各国VIPの前でプロポーズ&キスをします。
本当は、ずっとこうしたかった。
でも、鈴自体さばさばしていて性別関わりなく友人になりやすい事から、一夏とも自然と友人関係になってその延長上で恋心に変わっていきました。
もし、告白したらどうなるか。それが怖かったのでしょう。
原作を見ていても、今一つ積極的に気持ちを振り向かせるようにしないのはそれが原因と見ています。
でも、状況はそれを許しません。
もう、伝えるしかない。
自分の中の、一夏の想いをありったけ。
そう考えての、鈴のプロポーズです。
タッグマッチはまだ終わっていませんし、その先もあります。
一夏と、一夏に恋する乙女達の関係はどうなるでしょうか?
他にも冬菊達やナタルもいますので、予測は不可能でしょう。


IS<インフィニット・ストラトス>9 (オーバーラップ文庫)
オーバーラップ
2014-04-24
弓弦イズル

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by IS<インフィニット・ストラトス>9 (オーバーラップ文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ISシュガー&ハニー2 (オーバーラップコミックス)
オーバーラップ
2014-09-24
ひつじ たかこ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ISシュガー&ハニー2 (オーバーラップコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



IS<インフィニット・ストラトス>2 OVA ワールド・パージ編 [Blu-ray]
オーバーラップ
2014-11-26

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by IS<インフィニット・ストラトス>2 OVA ワールド・パージ編 [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル






ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

目次に戻る。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第126話 気づかなかった気持ち<後篇> cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる