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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第124話 タッグマッチ開催<前篇>

<<   作成日時 : 2014/10/18 23:53   >>

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「それでは、これより。学年対抗タッグマッチを行います。1年生は、本格的なIS戦闘は初めてになりますが、臆さず自分の力を出し切ってください。どのような形で終わるにせよ。得る物が必ずあるはずです。2年生は去年経験済み。あの時から培った経験と磨かれた技術を、存分に振るいましょう。次のステップに繋がるかと、思います。3年生の先輩方は、学園生活最後の対抗戦。良い思い出を残し、将来につながる事を祈っています。」
 一夏が開会宣言をして、一礼する。

 本来は個人トーナメント戦であったが、去年からペアを組んでのトーナメントに変更されている。
 当然、通常のトーナメントより実戦的な試合になる。
 ペアを組むという事は、互いの息を合わせて戦術を練る必要がある。
 そここそ、千冬の狙いだった。
 クラス代表対抗戦でのゴーレムの襲撃を考慮し、生徒達のスキルを向上させる。
 狙い通り、全学年で戦術のすり合わせの議論やコンビネーションの確認を通して、スキルが従来より向上している。

 さて、俺達専用機持ちはベスト8までぶつかることは無いな。
 うまい具合にばらけた。
 専用機持ちのペアは、セシリアと鈴。シャルロットとラウラ。箒と玲子。簪とのほほんさん。アンナとシルヴィ。クリスとラシェル。そして、俺と由香里の計7組。
 普通なら、ベスト16に行くまでにぶつかりそうなもんだけどな。
 けど、準専用機持ちのペアもいるから、油断はできない。
 一般生徒も、1年間でだいぶスキルは向上しているから、やっぱり油断はできない。
 いきなりトップスピードで行く必要はないが、どの程度の力でいくかの見極めがなかなか難しい。
 2日間の長距離マラソン。
 きっちり走りぬくためには、戦術だけじゃなく戦略も必要だ。

「3年は、副会長とサファイア先輩が群を抜いてるわね。優勝は決まりかしら?」
「だろうな。」
 俺と由香里は、対戦の予想について話していた。
 何せ、俺達が入学するまではビッグ3の頂点とナンバー3だったのが、この2人。
 そして、亡国企業の襲来をうけての日々の訓練で実力は格段に上がっている。
 プラス。改修したミステリアス・レイディと、俺が開発したエインガナの性能。
 準専用機持ちといえども、差を埋めるのはかなり難しいだろうな。
「1年生は、どう思う?」
「実は、1番難しいんだよな。蘭とコリーナのコンビ。レイラとシャーリーのコンビの一騎打ちに見えるけど、最近転入してきた専用機持ちの子いるだろう?」
「ああ。オーストラリア代表候補の。えーと…。」
 由香里は、必死に名前を思い出そうとする。
「ドロシー・フリーマンさん。親父さんはオーストラリア空軍で、ライトニングUのパイロットやってるそうだぜ。おふくろさんは、高校の体育教師で陸上部の顧問。両親譲りの運動神経に、軍での訓練で腕は中々だって話だ。」
 なんか。今年の1年の専用機持ちって、親が軍人である場合が少なくないな。
 しかも、フリーマンさんの親父さんはライトニングUのパイロット。
 あんな高い戦闘機を任されるぐらいだから、戦闘機乗りとしての腕は相当なもんだろうな。
 今年も当たり年か?
 来年も専用機持ちが、4、5人集まってきたらどうなるのかね?
 全ての学年で専用機持ちが、結構集まるから面白そうだ。
「で、そのフリーマンさんがパートナーに選んだのが、現状、1年の一般生徒の中じゃ腕前はトップと俺が見ている6組のクラス代表の飯塚さん。対抗戦だと、レイラに一方的に負けたけど。才能はあると思うぞ。それに、神道流の道場に小さい頃から通っているそうで、去年の全国大会は、通学していた中学は個人戦と団体戦で女子剣道部は優勝してるんだと。」
 ちなみに、俺の母校の沼間中は男子は優勝したけど女子は3位。
 準決勝で飯塚さんの中学と対戦して、負けている。
 何の因果か、個人戦でも準決勝で主将が飯塚さんに負けている。
 男子は沼間中と対戦して団体、個人共に3位。
 何だ?これ。

「でも、その飯塚さんが使ってるISは打鉄の改修型。機動性と運動性は大きく向上していても、防御主眼の打鉄だと高機動戦闘での連携は厳しくないかな?」
 いつの間にか、シャルロットが話に加わる。
 セシリア達もいる。
「それでも、何か策があるんじゃないのか。打鉄は改修でハードポイント付のシールドを装備しているから、それを利用してうまく戦術を考えればやりようはいくらでもあるさ。リヴァイブの方が、やりやすいとは思うけどな。」
 フリーマンさんの専用機は、コールドブラッドの改修データとエインガナの各種データを解析して開発した第三世代。
 コールドブラッドが火力重視で機動性に難ありだった事を考慮して、俺はエインガナには高い機動性を与えた。
 そこから推測すると、フリーマンさんの専用機は火力が自慢でも機動性にも配慮していると見ていいだろう。
 シャルロットの意見は、決して的外れじゃない。
 けど、打鉄も改修されて簪の打鉄弐式ほどじゃないが機動性は向上している。
 それに、持ち味の防御力に改修で強化された火力が加われば、戦術のバリエーションは増える。
 ちなみに、皆とは普通に接することにしている。
 告白されようが、プロポーズされようが、俺自身の答えが出ていない以上これがベターだと考えたからだ。

「はい。ああ、私だ。うん?アメリカから?は?何だね?それは。」
 会社の航空技術部からの連絡に、俺は耳を疑った。
「解った。詳細は、こっちに回してくれ。目を通しておく。協議するかは明後日の定例会議で決めよう。うん。うん。解った。」
 はあ。やれやれ。
 変な話が舞い込んできたな。
 何でだ?

「どうかしたの?一夏?仕事。」
「まあな。」
 鈴の質問に、曖昧に答える。
 まだ、先方の打診があっただけで、決定したわけじゃないからな。
 ちなみに、先方とはノースロップ・グラマン社。
 ステルス戦略爆撃機B−2 スピリット、UAV RQ−4 グローバルホーク。
 海軍向けのUAV X−47 ペガサスを開発しているメーカーだ。
 日本で一番有名な戦闘機、F−14 トムキャットを開発した戦闘機メーカーグラマン社をF−5 フリーダムファイター、F−5 タイガーU、F/A−18の原型YF−17を開発したノースロップ社が買収して発足した企業だ。
 で、先方が打診してきたのは、嘗てF−5 タイガーUの発展版として試作したF−20 タイガーシャークをベースにした安価なステルス戦闘機を開発しないかという案件だった。
 元々は、F−5の改良型を台湾向けに開発していたが、中国への刺激を考慮したアメリカ政府がストップをかけた。
 その後、社内開発を続けたがF−16 ファイティングファルコンが各国に輸出されたことで顧客がいなくなり、試作機のみで終わった幻の戦闘機だ。
 当時としては先進的なグラスコックピットで、性能もタイガーUより大きく向上していた。
 もし、F−16が輸出されなくて採用されていれば、タイガーUを採用していた国へかなり売り込めたと俺は見ている。
 性能自体はよかったしな。
 更新の為の機体としては、充分だった。
 それを再設計して売り込もうっていうのは、ロッキード・マーチンに対する当てつけかな?
 F−22 ラプターが制式採用される前は、ノースロップ・グラマンのYF−23 ブラック・ウィドウUはラプターに負けたし、さらにF−35 ライトニングUが制式採用されている。
 ここの所、アメリカ空軍の主力戦闘機では負けっぱなし。
 F−20もあちこちに営業を掛けたけど、F−16を各国が採用したので結局売れなかった。
 何とか、リベンジしたいんだろうな。
 その為に、低コストのステルス戦闘機を開発できる芝崎の技術を欲した。
 まあ、そんなところだろう。
 とりあえず、全ては明後日の定例会議で決めればいい。
 今は、試合に集中だ。

「皆、順当に勝ち進んでるね。」
「だな。」
 既に2回戦も半ばを過ぎている。
 セシリアと鈴
 シャルロットとラウラ。
 箒と玲子。
 簪とのほほんさん。
 アンナとシルヴィ。
 クリスとラシェル。
 このペアは、エンジンのアイドリングみたいな感じで勝ち進んでいる。
 それだけ、個々のスキルと連携精度の高さがずば抜けている。
 実戦経験の積み上げが、違うからな。
 戦いながら、連携のコツを体が覚えている。
 俺も入学前に、訓練で叩き込まれて体が覚えた。
 こういうのは、頭より体で覚えるもんだからな。
 仕方ないか。
「そんじゃ、行くか。」
「そうだね。」
 俺達の試合の、時間になった。

「私たちが言うのも奇妙ですけれど、さすがに一夏さんが指導すると違いますわね。」
「そうね。霧島さん。前より断然スキルが上がってる。」
 クラス代表対抗戦で対戦した鈴は、誰よりも実感している。
「霧島を試合の中で指導しながら、勝利を収めるか。一夏ならではだな…。」
「うん。」
 2年の専用機持ちが束になっても、一夏には手も足も出ない。
 一般生徒のペアでは、10数秒で勝負が決まる。
 そうならないのは、一夏が試合の中でも由香里に経験を積ませてスキルを向上させようとしているからだ。
 事実、1回戦より由香里のスキルは伸びている。
「明日には、相当に伸びているな。侮ればこちらが危ない。」
「そうね。」
 箒と玲子が、気を引き締めている。
『私は、一夏の弟子も同然。だから解る。一夏がどれだけ指導する相手の実力を、伸ばす事が出来るか。』
 文化祭の準備の際に、一夏は束からの宿題として巴御前を開発。
 一般生徒の中では5本の指に入る実力者とはいえ、短期間で別人としか思えない程玲子が実力を伸ばしたのは一夏の指導の賜物だ。
『1日であっても、一夏の指導は相手の才能を少なからず引き出す。厄介だわ…。それに、恋のライバルとしても…。』
 自分達への宣戦布告の事を、玲子は思い出していた。

「勝者は、織斑一夏君と霧島由香里さんのペア。2分という短時間で相手を寄せ付けずに圧勝。」
「連携にさらに磨きがかかっていましたね。霧島さんも近接戦闘から射撃戦への切り替えが、1回戦のときよりさらにスムーズになっていましたね。今日でベスト16が決まるわけですが、それまででどれだけ伸びるかも見物ですね。それに、他の生徒や準専用機持ちも中々の連携。3年生は当然として、2年生も非常に見応えのある試合ばかりですね。」
 実況の薫子と、解説のヘンリエッテが一夏と由香里のペアの試合を振り替えりつつも他の生徒のペアや準専用機持ちのペアの試合についても評価していた。

「OK。攻撃の切り替えが、さらにスムーズになったな。ポジショニングの変更も、1回戦よりよくなった。次も頑張ろうぜ。」
「ありがとうね。試合の中でも、コーチしてくれて。」
 試合の中でも少しでもスキルを伸ばそうとする一夏の配慮が、由香里は嬉しかった。
 その気になればもっと手早く無駄なく勝利できるのに、一夏は少しでも由香里のスキルを伸ばそうと心を砕いてくれる。
『良かった…。一夏とペアを組めて…。』
 一夏のパートナーになったからこそ感じる事の出来る喜びを、由香里は噛みしめていた。

「さて。ちょっと、1年の試合を見てくる。今からなら、開始に間に合うしな。」
「5組のドロシー・フリーマンさんと、6組の飯塚由美さんのペア?」
「ああ。1回戦に勝って2回戦に駒を進めている。どういう風に戦っているのか、興味があるからな。」
 いくら改修して機動性が増しても防御主体の打鉄と、オーストラリアの最新鋭第三世代ISの専用機持ちがどう戦うのか。
 俺は、興味を持っていた。
 さ〜て、どうなるかね。

「あ。一夏さん…。」
 蘭がややためらいがちに、俺に声を掛けてくる。
 学園中に広まった、プロポーズの事。
 十中八九、それが原因だろう。
 蘭も流石に、面食らったか。
「フリーマンさんと飯塚さんのペアの試合を、見ておきたくてな。」
「気になるんですか…?」
 コリーナまでか?
 おいおい。どうなってるんだよ?
「オーストラリア初の国産第三世代と、打鉄の改修型のペア。そして、オーストラリア代表候補と、一般生徒ナンバー1の腕前の持ち主のペア。気になるさ。始まるぞ。」

 相手のISは、両方ともリヴァイブ。
 同じISにして、連携を取りやすくしたか。
 試合が始まると、リヴァイブのペアがウェスタライズを一斉に発射する。
「迎撃しつつ、散開。」
「解った。」
 フリーマンさんが駆るオーストラリア製第三世代IS ミルリアナの肩部の多連装ミサイルポッドと、打鉄に追加されたミサイルポッドからミサイルが発射されて迎撃する。
 ここまでは、普通の流れだ。
 互いの姿が確認できるようになった頃、前衛と後衛に分かれたリヴァイブのペアは、後衛はデュノア社が新開発した30mmリニアスナイパーライフル「エーグル」で飯塚さんを牽制。
 前衛は、両手に銃剣付ブルパップ式軽量カービン「アベイ」を持ってフリーマンさんを狙う。
 成程。打鉄は改修されても機体特性は防御力を活かしつつ、アサルトライフルで相手に攻撃を仕掛けつつ接近して近接戦闘に持ち込むのがセオリーとして確立されて、その後もその戦術を活かせる改修が主流になっている。
 その過程で、打鉄の防御力は磨きを掛けられている。
 代償として、機動性は落ちたけどな。
 確立したセオリーを、スナイパーライフルでの狙撃で封じながら前衛の1年生が2対1になるのを防ぎつつ、じわりじわりとシールドを削るつもりか。
 仮に、飯塚さんがフリーマンさんに加勢しようとしても、大容量バススロットに大量の兵装を搭載できるリヴァイブの機体特性を活かせば阻むことは十分にできる。
 さらに、リヴァイブは兵装次第で距離を選ばない汎用性を、機動性と並ぶ機体特性として持っている。
 相手が専用機持ちであっても、ある程度なら持ちこたえられると踏んだか。
 その間に、飯塚さんを片付けて2対1に持ち込んで勝つ。
 戦術としては、そんな所か。
 ポジショニングといい、距離の取り方といい、結構連携訓練はやり込んできたか。
 何しろ、俺達が入学する頃は各国の最新鋭機がずらりと並んで、亡国企業対策としてとにかく個人の実力と連携精度を高めようと訓練した結果、スキルがかなり底上げされたからな。
 資料には、事欠かなかったんだろう。

「ふ〜ん。あのリヴァイブのペア。中々、やるじゃない。目の付け所は悪くないわ。」
 鈴が、リヴァイブのペアを褒めるが口調がちょっと微妙だ。
「そうだね。リヴァイブの機体特性を結構掴んでる。けど、打鉄の子もよく持ち堪えているね。思ったよりダメージは少ない。」
 シャルの評価も、ちょっと微妙なところがある。
 2人とも気づいているか。

後書き
1学期のビッグイベント第二弾。
学年別タッグマッチの開始です。
より実戦的な形式にして、生徒全員のスキルを底上げする為に千冬が提案した物ですが、その成果が表れるかどうか。
全ては、これからです。
一夏達も、亡国企業に対しての備えは万全にしています。
試合の方は、専用機持ち同士のペアは、順当に勝ち進んでいます。
特に2年のペアは、実戦経験豊富で毎日の厳しい訓練でさらに実力を伸ばしていますので当然と言えば当然ですが。
さて、一夏は1年で気になるペアがいるようです。
フォルテの母国、オーストラリアがコールドブラッドの改修データとエインガナのデータを基に開発した国産初の第三世代IS ミルリアナ。
そのパートナーは、機動性は優れたところはありませんが防御力に秀でる打鉄の改修型。
IS学園の訓練機は改修されているとはいえ、リヴァイブに比べればどうしても機動性では劣ります。
しかし、パートナーは幼いころから神道流の道場に通い続けている1年生の一般生徒トップの技量の持ち主。
さて、どうなるでしょうか?



















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