cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第120話 乙女達の想いと、再びの嵐<後篇>

<<   作成日時 : 2014/09/21 00:50   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

 よし。きっちり防いだな。
 相転移エンジンと縮退炉が生み出すパワーを、舐めるなよ。
 各種兵装や推進系その他諸々に動力を回しても、まだお釣りが来るんだからな。
 この艦のバリアーの出力は相当なもんなんだぜ。
 ブリッジのクルーに、怪我人はいないな。
「状況を報告せよ。」
「はっ。敵大出力荷電粒子砲はバリアーで防ぐことが出来ました。バリアー出力80%。」
 まだいけるな。
「バリアー解除。休ませてやれ。」
「はっ!」
 さてと。
「艦長。ぼうっとしていないで、指揮を執ってくれ。」
「はっ!申し訳ありません。」
 バリアーの強度に呆然としていたヴァヒテルが、指揮に戻る。
「敵VLSより、ミサイル多数!」
「迎撃弾発射!速射両用砲、CIWS作動。撃ち落とせ!取り舵3−4−0。後方に回り込め。他の武装を潰すぞ。荷電粒子砲の発射体制に入ったら、すぐに知らせろ!」
「はっ。」
 オート・メラーラ社製65口径127mm速射両用砲に、ファランクスの最新モデルの25mm型は、確実にミサイルを落としていく。
 これらを用いた迎撃システムは、俺が独自に組んだシステムで自信作だからな。
 そう簡単に、ミサイルを当てることはできないぜ。
「主砲、副砲撃て!続けてミサイル発射!」
 エヌマ・エリシュの後方に回り込んで、主砲と副砲。VLSから発射されたハープーンが、武装を次々と破壊していく。
 さすがにかなりダメージを受けたらしく、飛行は不安定だ。

「艦長。奴の前面に出てくれ。主砲発射用意。目標、敵荷電粒子砲砲口。」
「一気に、止めを刺す気ですか?」
「私の読みが正しければ、敵は形勢逆転を狙って大出力荷電粒子砲を撃つだろう。エネルギーチャージ中に砲口の装甲カバーが開いた時に、奴を沈める。」
「はっ!取り舵一杯!奴の前面に、回り込め!」
「はっ!」
 一夏の作戦を聞いて、ヴァヒテルが命令する。

「敵、荷電粒子砲、発射体制に入りました。但し、出力が通常のほぼ6割に落ちています。」
「バリアーの出力は?」
「94%で、展開できます。」
 OKだな。後は、砲口がむき出しになった時に狙えば勝ちだ。
「大出力荷電粒子砲、砲口展開されました。」
「照準、よし。」
 読み通りだ。
「艦長!今だ!」
「はっ!撃て!」
 主砲は、吸い込まれるように砲口に命中し、エヌマ・エリシュは内部から破壊されて、爆発する。
「バリアー展開!急速離脱!」
 いくらバリアーを展開しているとはいえ、あれだけのデカブツが爆発するんだから近くにいるのはやっぱりまずい。
 当然の判断だな。

「エヌマ・エリシュ。撃破を確認。」
 ブリッジが歓声に包まれる。
 初めての実戦だったが、こいつはエヌマ・エリシュ相手でも十分に対抗できることが確認できた。
 後は、日本のつくば型護衛艦と近代化改修をしたアイオワ級か。
 つくば型の設計を担当したのは俺だが、決して手を抜いてはいない。
 エヌマ・エリシュと戦うことを前提に設計はしたが、実際やり合ってみないとな。
 それは、アイオワ級も同じか。

「総員通常配置に戻ってくれ。このまま横須賀に帰投する。」
「はっ。進路を横須賀に取れ。」
「はっ。」
「横須賀より連絡。IFFシグナルのない機動兵器の集団が、近づきつつある模様。」
 連中か?
 いや、ジェームズ・グレイか。
 相変わらず、懲りない奴だな。
 俺は、指揮官席の端末を操作して、機動兵器の予測進路を見る。
 おいおい…。
「横須賀に連絡。こちらで処理する。艦長。カタパルトの用意。私が行く。」
「閣下が?」
「ああ。試したいものがあるしな。」
 せっかく作ったのに試す機会がなかったから、ちょうどいい。

「カタパルト接続、確認。」
「出力。問題無し。」
「艦長。後は任せる。向こうで合流しよう。」
「はっ!お気をつけて。」
 ウィンドウに映るヴァヒテルが、敬礼する。
「白式。出るぞ。」
 白式の背部には追加パッケージらしいユニットが搭載されており、腰部にも補助パーツらしきものが搭載されている。
 リニアカタパルトが作動して発艦すると、白式は凄まじいスピードで機動兵器の群れの元に向かう。

「落ち着いて、避難してください。皆さん、くれぐれも落ち着いて。」
 聖ウルスラ学園。
 日本でも一、二を争う超お嬢さま学校では、避難が進んでいた。
 機動兵器群が、ここを通過するか襲撃する恐れがあるからだ。
『こんな時に、一夏さんがいてくだされば…。いえ…、きっと来て下さる。』
 11月の寒い日。
 誘拐された自分を救うために、命を賭けて戦ってくれた想い人の顔を冬菊は思い浮かべる。
『信じよう…!』
 冬菊は、自分を奮い立たせる。
「大丈夫です。きっと助けが来ます。ですから、私たちは落ち着いて避難すればいいだけです。大丈夫です。」
「神無月さん。どうしてそんなに、落ち着いていられますの?」
 クラスメイトが話しかけてくる。
「助けて下さる人を知っているからです。だから、きっと大丈夫ですわ。」
 冬菊が応えると、空に数多の光の矢が放たれ、機動兵器群を襲う。
「えっ…。あれは…?」
『やっぱり、来てくださった…。』
 純白の美しい装甲に、瑠璃色に光り輝く6対の翼を持つIS。
 白式が、ゴーレム達より先に聖ウルスラ学園前に到着した。
 ほぼ同時に、冬菊の携帯のバイブの音が鳴る。
「もしもし。一夏さん!やっぱり来てくださったんですね。」
『ああ。そっちに向かってるのを偶然知ってさ。放っておくわけにもいかないから、来させてもらったよ。』
「よかった…。ありがとうございます…。」
『義をみてせざるは勇無きなり。ってね。こういうのを、放っておくわけにはいかないさ。連中は俺が片づける。安全な場所に避難していてくれ。そっちは何もないと思うけど、念の為にな。』
「はい。わかりました。」

 さて。ぱっぱと片付けますかね。
 にしても、追加パッケージはやっぱり持っていてよかったな。
 というか、以前に作ったオートクチュールだけどな。
 白式長距離巡航用オートクチュール「優鉢羅」
 以前に、IS学園の受験前の日本での会合で、つくばエクスプレスに乗っている際に襲撃を受けた後に、俺の公務の移動用に設計した長距離移動用のオートクチュールだ。
 航続距離が長いだけじゃなく、巡航速度もはっきりいって速い。
 結局は、いつもどおりになって使う機会は無くなったけどな。
 元々戦闘も想定して設計しているので、武装もある。
 俺は背部メインユニットから太刀を取り出す。
 この状態でもかなり長いが、刀身が折りたたまれている状態だ。
 それが元の状態に戻り、大太刀になり零落白夜が発動する。
 ちなみに、柄の部分は荷電粒子砲にもなる。
 IS用大太刀「童子切」。
 主兵装であるそれを握り直し、俺は光皇を発動させる。
 ゴーレムには消えたように思えたんだろう、ハイパーセンサーで必死に探そうとしているのが解る。
 けど、遅いな。
 光皇が発動したのは、第三形態移行で白銀になってからだ。
 それから、第五世代へ改装され第四形態移行で星龍になってから、さらに改修を重ねている。
 あの時とは性能は、段違いだ。
 つまり、光皇を発動させた時のスペックも比べものにならない。
 ゴーレム程度じゃ、準備運動にもならないね。
 童子切が大太刀である事を活かして、左右のゴーレムを8体纏めて叩き斬る。
 零落白夜はエネルギー消費を抑えながらも、出力が大幅にアップしているんでゴーレムを叩き斬る位わけはない。
 学園を狙おうとしているらしいゴーレムを瑠璃翼の重荷電粒子砲で牽制して、式神をエネルギーブレードモードにして、俺と連携させて一気に仕留める。
 結局、20機はいたゴーレムはすぐに片付いた。
 安心させるために、光皇を発動させたけど発動させる必要も無かったか。
 さて、連絡をいれておくか。

『冬菊か。こっちは終わったぞ。後で委員会が残骸を回収にくるけどもう普通にして構わないぞ。』
「一夏さん…。ありがとうございます…。」
『気にするなって。俺は誰かを守れるように鍛錬を続けてきたんだから。』
「一夏さんらしいですね。」
『まあな。じゃ、俺は戻るから。』
「あ、あの…。少し、お話しできませんか。理事長もお礼を言いたいと仰っていますし。」
 別にいいんだけどな。
 ここで断るのも、ちょっとな。
 ええと、アヴァロンの位置はと。
『じゃあ、少しなら。俺も訓練航海の途中だから。艦がこっちにくるまでなら。』
「すいません。我儘を言ってしまって…。」
『いいって。じゃあ、屋上の鍵を開けておいてくれ。』
「はい。解りました。」
 通話を終えて、おれは学園の屋上に行ってISを待機状態にする。
 ちなみに、服は軍服。
 ISスーツに着替えていなくても白式を展開した場合は、来ていた服はバススロットに収められていて、待機状態に戻る時に元に戻る。

「IS委員会所属特別調査局局長兼空中戦艦アヴァロン司令官織斑一夏中将です。」
 一夏は制帽を脱いで背筋を伸ばして敬礼しながら、挨拶をする。
「聖ウルスラ学園理事長の新島と申します。本日は、学園を救っていただき、ありがとうございます。」
 品の良い貴婦人といった感じの新島が、頭を下げる。
「どうか。顔を上げてください。誰かを助けることは、特別ではありません。ごく自然な事です。私はそれをしただけです。」
 そう言って、一夏は出されたコーヒーを一口飲む。
「神無月さんから聞いていた通りの、方ですね。とてもお優しくて、暖かくて。何より、とても謙虚なお人柄ですわ。」
「ただの、お人好しです。昔から、それで困っていそうな人を見るとついつい助けたくなるのです。」
「そうですか。」
 その時、待機状態の白式に連絡が入る。
『閣下。まもなくそちらに参ります。』
「解った。すぐに行く。」
『はっ!』
 ヴァヒテルからの通信に一夏は答えて、通信は切れる。
「では、そろそろお暇させていただきます。訓練の途中ですので。」
「もう少しお話がしたかったのですが、仕方がありませんわね。本日はありがとうございました。」
「いえ。お気になさらず。では。」
 制帽を手に持って、一夏は敬礼し理事長室を出る。

「「一夏さん。」」
「冬菊、菫。元気そうだな。よかったよ。今日みたいなことがそう何度もあるとは思えないけど、念の為だ。対策は打っておくよ。」
「「はい…。」」
 2人に一夏が優しそうに微笑むと、周囲の生徒達が羨ましそうに2人を見る。
「じゃあ。俺は艦に戻らないといけないから。」
 一夏は制帽をかぶって、屋上へ行こうとする。
「「「「「本日は、ありがとうございました。」」」」」
 他の生徒達が一夏に礼を言うと、一夏は微笑みながら敬礼して屋上からアヴァロンに戻る。

「一夏。出かけるぞ。」
 は?何だよ。藪から棒に。
 横須賀について、アヴァロンの整備状況や訓練航海、エヌマ・エリシュとの戦闘にゴーレムの戦闘についての報告書をまとめて委員会に提出した後、学園に戻ったら、千冬姉がいきなり出かけると言いだした。
「あー。とりあえず訳を聞かせてくれ。」
「神無月さんから、今日の件でぜひお礼がしたいとの連絡が来てな。理事長にも行くように勧められた。あそこに通っている生徒は、政財界の大物が父親だ。そういうわけだ。」
 そういう事か。
 いわゆる名家ともなれば、自分の子が助けられれば礼をしなければと思うからな。
 既に、千冬姉は着替えている。
 俺がプレゼントした、ツーピースで一流レストランや一流料亭に行くにもぴったりの服だ。
 それに、去年のクリスマスに俺がプレゼントした時計とアレクサンドライトのネックレス。
 俺はネイビーブルーのダブルのスーツに、アイリスブルーのシャツにブルーのネクタイ。
 クリスマスに千冬姉がプレゼントしてくれた、トルコ石のネクタイピンにタンザナイトのカフスボタン。
 互いにクリスマスにプレゼントされた物を、使っている。
「やっぱり似合うよ。千冬姉。そうだ。今度、指輪とかもプレゼントするよ。ジュエリーでいいのが揃っている所を知ってるんだ。絶対に似合う。」
 千冬姉は今のままでも十分美人だけど、やっぱりもっとオシャレした方がいいと思うしな。
「人の事より、自分の事を考えろ。もう少し、服を買え。前のセーラーをアレンジしたような物も悪いとは言わんが、やはりきちんとしたブランドのカジュアルにしろ。振り込む額を、増やしておく。毎月、服は見に行ってファッションセンスに磨きも掛けろ。お前も年頃の高校生なんだからな。」
 なんか。相変わらず俺って子供に見られてるな。
 服ぐらい、自分で買えるっての。
 最近は、私的に交流しているグレッグソン=ウィリアムズ内務大臣お勧めの家具店からアンティーク風のマホガニー家具を買った。
 というのも、IS以外にもいろいろ研究している事や社会的地位の向上に伴って、家を増築したほうがいいという声が周囲から出てきたからだ。
 俺は、別に体面を気にはしないけど、周囲はかなり気にしているらしい。
 特に会社は、気にしている。
 俺は、外部取締役と技術顧問をしているので役員報酬が年間合計3億。
 IS委員会直属の中将としての給料が年間約5000万。国連安保理特別理事としての給与が年間約2500万。自衛隊病院での給料が年間1400万円。
 俺の場合、高度救命センター長と総合診療科部長を兼任しているのでその分のいわゆる諸手当がつく。
 とはいっても、中将、特別理事、医師としての給与は毎月全額福祉団体に寄付している。
 少しでも、誰かの役に立って欲しかったから。
 それに、俺自身の特許料がかなり入ってくるので、普通なら豪邸に住んでいる水準になるらしい。
 こういう事は、よく解らないが…。
 この収入のせいで、周囲からはもっと生活水準を考えるべきだと言われる。
 俺自身は、今のままの生活でいいんだけど無視はできないので、ラボを含めて家を増設した。
 近所に建築士の人がいたのでその人と相談して、それなりの家になっている。
 建て増しとリフォームの際は、知り合いの大工の人が大勢駆けつけてくれたので短期間で済んだ。
 結果、俺の私室も以前より随分広くなって、技術書や症例集に医学書等を修める為の書庫も作ってそこに資料を修めている。
 ラボは、俺が設計した芝崎のラック式のスーパーコンピューターを置いて、色々研究できるようになって、一息つくためのテーブルにソファ、簡易ベッドも置いてある。
 コーヒーメーカーや、給湯ポットにミネラルウォーターのウォーターサーバーも置いてある。
 ちなみに、マホガニー家具は俺の私室に置いてある。
 まさか、実家のベッドまで天蓋付きになるとは思わなかった。
 営業担当の人が、俺には天蓋付きが似合うと何度も言ってきたので、変えようとしても無駄と判断してそれにしたけど、なんだかねえ…。
 本当。ISが動かせると解ってから、人生変わったよなあ。
「何を、考え事をしている。着いたぞ。」
 千冬姉に言われて連絡された料亭に、着いた事を確認した。
 到着すると、ラウラと護衛の人達が周囲を警戒する。

「本日は、又も娘を助けていただき感謝の念に堪えません。」
 冬菊と両親が深く頭を下げて、一夏に礼を言う。
「どうか、顔をお上げください。冬菊さんにもいいましたが、私は誰かを助けられる人間になる為に鍛錬を積んでまいりました。今までの道程と己が心に従っただけの事。当然の事をしただけです。どうか、普通になさって下さい。こうして冬菊さんが御無事でいるのが、私にとっては何より嬉しい事なのですから。」
 一夏は神無月一家が顔を上げるのを待って、自分の心に従い当たり前の事をしただけだから普通にしてほしいと言った。
「心のこもった暖かいお言葉、痛み入ります。今日はお礼をしたく思いまして、こうして席を儲けさせていただきました。それから、後ほどお話があります。」
『話?何だ?仕事のか?』
 何の話か一夏は解らなかったが、今は考えないことにした。
「それでは。おかみ。始めてくれ。」
「畏まりました。」

 運ばれてくる料理に舌鼓を打ちながら、俺と千冬姉に冬菊の親父さんとお袋さんは談笑している。
 ただ、俺はふと気になっていたことがある。
 冬菊達の服装だ。
 冬菊の親父さんは、羽織に袴。
 俺が知る限り、会食の時はいつもスーツだ。
 冬菊は、かなり豪華な振袖。
 お袋さんの方も、かなり選び抜いた着物を着ていると見た。
 どういうことだ?
 お礼としての招待だという事を差し引いても、ちょっと大袈裟すぎないか?

 菓子と薄茶を食べ終えて、食器を料亭の仲居さんたちが片づけていく。
「それでは、お話を伺いたく存じます。」
 俺がそう言うと、冬菊達は席を外して俺達の真横から正面を見る。
 それを見て、俺と千冬姉も冬菊達を真正面に見るように位置を変える。

「貴方方は両親に捨てられ、それ以降は姉君である千冬さんが弟君たる一夏さんを必死に守り育てて来た事は、私たちも今は重々承知しております。それ故に、千冬さんが一夏さんの幸せを心より願っている事もまた承知しております。そんな貴方方に、この様な事を言うのは人の道に外れる事なのかもしれません。特に、千冬さんにはとても辛い思いをさせてしまうのかもしれない。ですが、私も人の親。娘の幸せを心より願っております。それ故に、娘の願いをかなえてやりたい。ですので、お願いいたします。」
 冬菊の親父さんがそう言い終わると、千冬姉は何かに気づいたような表情をする。
「弟君たる一夏さんと、我が娘冬菊との結婚をお認めいただき、将来は神無月グループの総帥となる事をお許しいただきたい。一夏さん。娘は貴方を心より愛している。どうか、娘の生涯の伴侶となっていただきたい。」
 そう言って、冬菊の親父さんたちは深々と頭を下げる。

 えっ…。
 それって、プロポーズって事か…。
 冬菊から、俺への…。
 どうしてだ…?
 知り合って、半年を過ぎた程度だぞ…。

「会長。冬菊さんの幸せを思う気持ちは、よく解りました。ですが、私はつい最近、流されるままに1人の女性と肌を重ねた身。さらに、今週は授業の一環のタッグマッチでペアを組むクラスメイトの家に、泊まりがけで遊びに行きます。このような人間を、大事な娘さんの伴侶に望まれるのは…。」
「関係ありません。」
 冬菊…。
「人間は感情に支配された生物。私の父も、母と結婚する以前にはそういった事もあったと聞いています。一夏さんの事です。恋愛感情ではなく、優しさ故に肌を重ねたと思います。例え、そういった事があろうと、私は一夏さんを愛しているのです。共に生きていきたいと、ずっと思っていました。ですから…。」
 俺は頭の中が真っ白になって、何も考えられなかった。
 何か言うべきなのだろう。
 でも、何も言えなかった。
「お話は解りました。ですが、これは一夏とお嬢さんの気持ちが通じ合って初めて成り立つ話です。弟は色々な事が出来る人間ですが、こういった事にははっきり申し上げて疎い人間です。考える時間を与えていただければ、ありがたいのですが…。」
「勿論です。この場でお答えをお聞かせいただけるとは、思っておりません。いきなりこのような話を切り出した無礼、平に御赦しいただきたい。ですが、娘が想いを募らせ、時に涙を流している姿は親としては耐え難かった。そこを汲んでいただければ、ありがたく。」
「弟も、それはよく理解しております。申し訳ありませんが、いきなりの事で一夏も何を言えばいいのか戸惑っています。今日の所はお暇させて戴きます。一夏、行くぞ。」
 千冬姉に連れられて部屋を出ながら、冬菊達が頭を下げている事は気配で感じ取っていた。

『まさか。一番大人しそうな神無月家のお嬢さんが、一番積極的に行動して来るとはな。去年、婿にと望んでいるのは噂には聞いていたが、所詮は噂と高を括っていたが、こうなるとはな…。』
 一夏は、大きな溜息をついて考え込んでいた。
『無理もない。いきなり結婚を申し込まれるとは、思っていなかっただろうからな…。』
 そもそも、唐変木の一夏は冬菊が自分と結婚したがっているとは、思ってもいなかった。
『遅かれ早かれ、小娘共も知る事になろう。これは、確実に面倒なことになるぞ。』
 外の景色を見ながら考える一夏を見ながら、千冬はこれからの事を考えて溜息をつく。
「一夏。急な話で驚いているのは、私も同じだ。じっくり自分の心に問いかけて、答えを出せ。どんな答えでも、まずは出す事だ。」
「ああ…。解ってる…。」
 外の景色を見ながら、一夏は千冬に答えた。

後書き
エヌマ・エリシュとの初戦は、一夏が開発したアヴァロンの勝利です。
後は同じく一夏が設計を担当した自衛隊の大型護衛艦と、アイオワ級の近代化改修版。
本当はイギリスもと考えたのですが、イギリスの戦艦はジュットランド以降は魅力がなかったのでやめました。
ヴァンガードは最後の戦艦なのに、主砲をリサイクルですからね…。
その後は、冬菊が通う学園にゴーレムが襲い掛かりますが、オートクチュールで駆け付けた一夏が撃退。
ここまでは良いのですが、最後にとんでもない大嵐が…。
何と、冬菊が一夏にプロポーズ!!
一番大人しそうな冬菊のプロポーズに、一夏は頭の中が真っ白。
これが、箒たちに知れたらどうなるでしょうか?










ISシュガー&ハニー2 (オーバーラップコミックス)
オーバーラップ
ひつじたかこ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ISシュガー&ハニー2 (オーバーラップコミックス) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル






A3 第10弾 F-15・ACTV アクティヴ・イーグル
ボークス(株)

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by A3 第10弾 F-15・ACTV アクティヴ・イーグル の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

目次に戻る。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
最初に動いたのは専用機持ちじゃなく冬菊さんか!! 本気の告白にさすがの一夏も驚きを隠せない。どうなる!?
ヴァルバジア
2014/09/22 21:57
ヴァルバジアさん。
コメントありがとうございます。

>本気の告白にさすがの一夏も驚きを隠せな
>い。どうなる!?
 世界遺産級の朴念仁の一夏が、自分を愛し
 結婚したいと思う女性がいると知ったので
 すから、もう大パニックでしょうね。
 恋愛をするという考えが頭にないだけに、
 きちんと自分の気持ちに向き合うのも、難
 しそうです。
 後の問題は、箒たちでしょう。
 黙っているとは、思えませんしね。
CIC担当
2014/09/24 13:40

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第120話 乙女達の想いと、再びの嵐<後篇> cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる