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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第119話 混乱の後には、嵐が来て…。<後篇>

<<   作成日時 : 2014/09/14 01:56   >>

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「え?アンジェレラ在日米軍司令官と在日米軍幹部との晩餐ですか?」
「ああ。この所、騒がしいだろう?その件での、打合せも兼ねてだそうだ。」
 千冬姉の話を聞いて、俺は驚いた。
 何しろ、今日だからな。
 まあ。クラス代表対抗戦の時の亡国企業の大攻勢を考えれば、向こうが考えるのも無理ないか。
 それに、今の米軍となら連携しても大丈夫だろう。
「解りました。それで、私としてはIS委員会特別調査局局長か国連安保理特別理事かどちらの立場で出席すればいいのでしょうか?」
「調査局局長として、出席してくれ。軍人同士の話し合いになるからな。委員会からも全権委任状が来ている。」
 つまり、俺の意見がそのまま委員会の方針となる訳か。
 迂闊な事は言えないな。
 やれやれだ。

「オリムラ中将。いきなりの申し出に応じていただき申し訳ない。」
「アンジェレラ中将。お気遣いなく。確かに、どこかの時点でこういった席は必要でしたから。」
 一夏と在日米軍司令官兼第5空軍司令官サルバトーレ・A・アンジェレラ中将。
 そして、在日米軍に属する海兵隊である第3海兵隊遠征軍司令官ジョン・ウィスラー中将。
 対北朝鮮警戒任務が終了して、本来の任務に復帰して横須賀に戻ってきている第7艦隊司令官ロバート・トーマスU世中将。
「ああ。そうだ。知っているかもしれんが、新任のISパイロットを紹介しよう。コーリング中尉来たまえ。」
「はっ!」
 一夏の目の前には、海軍の女性士官用の礼服を着たイーリがいた。
「アメリカ海軍イーリス・コーリング中尉であります。本日付をもちまして、情報収集艦ローレンス・ハイランドに配属されました。」
 さすがに公式の場とあって、背筋を伸ばして一夏に敬礼する。
「アメリカ国家代表と同席できるとは、光栄だよ。」
「はっ。恐縮であります。」
「それから、ファイルス中尉と艦長のマクドネル大佐も同席させていただきます。彼らもいざという時には動いてもらうことになりますので。」
 トーマス中将が、説明する。
「ローレンス・ハイランドの設備は、IS部隊の指揮に最適と考えます。艦隊の指揮は、ブルーリッジに。IS部隊の指揮はローレンス・ハイランドが取るのが最適でしょう。確かに、彼らもいた方が良いと小官も考えます。」
「ご理解いただけて、ありがたい。さて、食事にいたしますかな。」

 全員がテーブルに着くと、ワイングラスに白ワインが注がれる。
「デュモル・シャルドネ・エステートの2010年物でございます。」
 ソムリエの人が、ワインの説明をする。
 ふうん。成程。
「今日のワインは、カリフォルニア産ワインですかな?この銘柄は以前に聞いた事があります。」
「さすがに、お詳しい。ヨーロッパのワインが人気・質ともに高いことは確かですが、カリフォルニア産のワインも負けてはおりませんぞ。ぜひ、料理と共に味わっていただきたい。本日の料理は、厳選して、アメリカから空輸で運ばせた食材を使用しております。シェフも張り切っておりますよ。」
 アンジェレラ中将が、説明してくれる。
「それは楽しみですね。」
「では、乾杯。」
「「「「「「「乾杯!」」」」」」」
 全員にワインが注がれてから、アンジェレラ中将が乾杯の音頭を取る。
 うん。いいワインだな。
 フランスのヴィンテージワインにも、決して負けてない。
 後で、取り寄せておこう。

 それから、料理に舌鼓を打ちながら今後の相談をした。
 基本的には、いつも哨戒機を飛ばすわけにもいかないので、通常は偵察衛星。
 後は、訓練スケジュールの中に潜り込ませる事で一致した。
 その中には、アヴァロンの航行訓練も入っている。
 シミュレーターがあるとはいえ、やっぱり実際に艦を動かした方がいいからな。
 メインのTボーンステーキにナイフを入れた時に、親戚がペンタゴンに勤務しているトーマス中将から気になる話を聞いた。
 ヴェリテ・ラジョワの2007年物。肉料理によく合う、いい赤ワインなのになあ。

「量産型空中戦闘艦ですか?」
 切り分けたTボーンステーキを食べ終えて赤ワインを一口飲んだ後、俺はペンタゴンで量産型空中戦闘艦の提案をする話が、ペンタゴンで話し合われている事を聞いた。
「はい。アヴァロンは強力な艦ですが、それをサポートする艦と共に艦隊を組んだ方が後々良いと考えているようです。」
 つまりは、巡洋艦みたいなものか?
 そりゃ設計はしてるけど、できれば建造は御免だぜ。
 建造費、安くないんだから。
「トーマス中将。個人的には、空中戦闘艦の量産はコストがかかり過ぎると思うがな。ズムウォルト級の大量建造では、駄目なのかな?」
 ウィスラー中将が、質問する。
「あのデカブツの衝撃の余波が、収まっていないらしい。今作れと言われても、アメリカの技術ではすぐには無理だ。それをいきなり作られたんだ。衝撃は相当な物だよ。」
 トーマス中将はそう言って、Tボーンステーキを口に運ぶ。
 あれは通常兵器とは言えないけど、軍事技術では世界最先端を行っているという自負のあるアメリカでも不可能な超巨大兵器の出現は、成程ショックだったんだろうな。
 けど、空中戦闘艦の量産のメリットって…。
 成程。ある程度数を揃えるには、各地の造船所での同時建造が必要になる。
 となれば、アメリカの造船所は設備も充実している。
 アイオワ級のFRAM工事も終了しているから、造船所には余裕があるしな。
 建造を通して、技術を習得しようって腹か。
 日本も、超ド級戦艦の建造技術を習得する為に、金剛級の発注に当たり2番艦の比叡以降は国内建造だったからな。
「解りました。備えてはおきましょう。実現するかどうかは別になりますが。」
「非公式とはいえ、お手数をお掛けします。それから、無人兵器の運用を考えてはいかがかと。ISは限りがありますので、あれば戦術にも幅が出来ます。」
 こりゃ、裏ではホワイトハウスが糸を引いてそうだな。
 今回の食事会自体、アメリカの要求を俺に伝える為と見ていいだろう。
 後は、根回しをして実現に持ち込むか。
 何か、奇妙な感じはしてたけど、こう来るとはな。
 ただ、全員、いい表情はしていないな。
 揃って、こういうやり方は嫌いらしい。
「ところで、マクドネル大佐。ローレンス・ハイランドの改装はまだ可能かな?」
「可能ですが、それ何か?」
「いや。もし、事があった時にIS部隊の指揮を執る事を想定した場合、指揮・通信設備も可能な限り搭載した方がいい様に思える。艦のバランスは、スタビライザで問題ないだろう。」
 ちょっと、空気が良くなかったので話題を変えることにした。
 実際、ローレンス・ハイランドが設備の増設が可能なら、データ収集設備の他に指揮・通信設備があった方がいいとは思っていた。
「それは検討に値するな。本国の了解を取ってから、進めるとしよう。トーマス中将どうかな?」
「私も賛成です。ローレンス・ハイランドのこれからの役割分担を考えると、それ位はしておいて損はないでしょう。幸い、ローレンス・ハイランドはタラワ級強襲揚陸艦を改修した艦です。ミサイル追跡艦のハワード・O・ローレンツェンの満載排水量が、12575t。ローレンス・ハイランドのベースとなったタラワ級は満載排水量4万t。そして、各種レーダー等の情報収集設備が小型軽量化された結果、改修後の満載排水量は、大分減りましたからな。指揮・通信設備に各種システムを搭載する余裕は、十分にあります。問題ないでしょう。スタビライザは保険として装備しておけばいい。」
 ローレンス・ハイランドはまだスペースに余裕があったし、何よりハリアやヘリコプターの格納庫が大幅に縮小され搭載機数もかなり減っている上に、上陸用船艇や揚陸艇の格納庫は全廃。
 結果、設備の増設には相当に余裕がある。
 どうかと思って提案してみたら、行けそうだな。
「ところで中将。もし、改装にゴーサインが出たら、改装案は貴官に考えていただきたいのだが、よろしいだろうか?」
「そうですね…。微妙な問題ですね…。」
 言いだしっぺは俺だけど、こういう事に俺が関わると、後々面倒そうだからな…。
 できれば、アメリカの軍需産業で受注して欲しい所なんだよな。
「では。こうしましょう。我々が、本国に働きかけて外交面その他諸々の問題が解決され環境が整備された場合に、改装案を考えていただく。これならば、問題はないと考えますが?」
 トーマス中将が、環境整備を条件として提案する。
 成程。
 それなら、俺も気にすることなくやれるな。
「それでしたら、問題ないかと。とにかく、色々と考えねばならない身ですので…。」
「政治屋共め。他人まで巻き込みおって…!ああ、失礼。私は、政治屋という人種が溝鼠より嫌いでしてな。国益を確保したいのなら、正々堂々とすればよい物を!特に、去年の事は考えるだけで腹立たしい!まあ、合衆国の軍人である私が言える事ではないのですが…。」
 ウィスラー中将がグラスのワインを、一気に飲み干す。
 この人、千冬姉と気が合いそうだな。
 その後、今後の事を色々と話し合いながら食事をして、俺は用意された部屋に案内された。
 どうせ、話し込んで遅くなるのだから泊まってこいという、千冬姉の考えらしい。
 案内されながら、俺は食事中のある事を考えていた。

「おい。一夏、入るぜ。」
「イーリか。いいぞ。」
 今は、友人同士の間柄なので普通にしゃべっている。
 ナタルも一緒だった。
「元気か?イーリ。まさか、イーリまでローレンス・ハイランドに配属されるとは思わなかったぞ。」
 本当に、驚いたよ。
 てか、何で配属されたんだ。
 アメリカ代表のイーリは、合衆国本土の守りの要でもあるはずだ。
「理由はお前だ。人様の技、自分の物にしやがって…。」
 リボルバーイグニッションブーストか?
 いつまでも、アメリカの専売特許の訳ないだろうに。
 俺に、どうこう言われても困るよ。
「だったら、イーリはファングクェイクのスラスターを今以上に有効活用した技を編み出したらどうだ?まだまだ、応用は出来るぜ。」
 去年、俺が改修してシステムの未完成な部分は完成させたから、いろいろやれるはずだぞ。
「だから、こっちに来れるように配属願いを出し続けてたんだよ。お前には、きっちり練習台になってもらうから覚悟してろよ。」
 何で、そうなる?
 千冬姉は、俺相手に大分本気を出してきて授業の度にクタクタなんだぞ。
 俺に、恨みでもあるのか?
 まあ。イーリとの模擬戦なら大丈夫だけど。
 蘭達にも、いい見本になるだろう。
 イグニッションブーストの応用例も、いろいろ勉強できそうだしな。
「んじゃ。私の用は、おしまいっと。じゃあな。お休み。さ〜て、IS学園との合同訓練を上に持ちかけないとな。」
 本気かよ…。
 やれやれだな…。

「で、ナタルはどうしたんだ?というより、食事中、どうもおかしかったぞ。ずっと俺を見ていたのは、気のせいか?」
 そう。
 基本的に、今後の事について考えていたのは俺とアンジェレラ中将たちで、ナタルとイーリはあまり話には加わらなかった。
 それで、イーリはもっぱら食事と酒に専念してたけど、ナタルはずっと俺を見ていた感じがした。
 しかも、その視線はどこか熱っぽくそして切なげだった。
「何か、悩みがあるなら相談に…。」
 乗るぞと言おうとすると、ナタルが俺の唇に自分のそれを重ねて俺を押し倒す。

「んっ!んー!」
 口の中に舌が入り込んできて、一夏は何故か力が入らなくなる。
 普通なら、ナタルを跳ね除けるくらい朝飯前だが、どういうわけかそれが出来なかった。
 しばらくすると、ナタルの唇が離れるが一夏を押し倒したままなのは変わりはない。
「何だよ。いきなり…。」
 一夏は、ナタルの行動の理由を聞こうとする。
「こうでもしないと…。」
「え?」
「こうでもしないと…、あなたはどんどん遠くに行ってしまう…。司令官たちと話している時でも、まるで別の世界にいるようだった…。プライベートでも、あなたが遠くにいるような感じがして、加えて軍人や政治の舞台でもあなたが遠ざかったら、私はどうすればいいの…?どうすれば、あなたの傍にいられるの?」
「何、わけのわからない事を…。」
 一夏が言いかけた時、ナタルの瞳から大粒の涙が一夏の顔に落ちる。
「とにかく。落ち着けって。」
「落ち着いてるわよ!でも、寂しさと苦しさは、どうしようもないのよ!偶に会って食事をして、あちこち見て回って。それだけじゃ、私の心は満たされないの!」
 普通、ここまで言えばナタルの気持ちは解るだろう。
 だが、一夏はどうすればいいのか解らず、戸惑うばかりだった。

「今、ベッドにいるのは、IS委員会直属の中将でも、アメリカ海軍のテストパイロットでもない…。1人の男と、1人の女よ…。」
 涙を流しながら、ナタルは一夏の上半身に体を預ける。
「ほんの少しでもいい…。可哀想だって、哀れだって思ってくれれば、それで十分…。そう思うなら、私を女として扱って…。」

 馬鹿言うなよ…。
 そんな理由で、そういう事していいわけないだろう。
 そういう事は、やっぱり好きな人同士ですべきだ。
 頭が固いとか、考えが古いとか言われるだろうが、俺はそう思う。
 けど、ここでナタルを拒んだらどうなるんだろうか…。
 傷つくよな…。凄く…。
 女の子と付き合った事のない俺にも、それ位は解る。
 だからといって、受けいれていいのか…?
 明確な解答が、頭に浮かばない。
 それでも…、ナタルの心が幾許か楽になるのなら…。

「頭に入れて欲しいことがある。何度も無いという事。きっかけにならないという事。そして、俺は男でナタルは素敵な女性だ。歯止めが効かなくなるという事。明日からは普段通り。できるか…?」
 これらを頭に入れてもらう事。
 それが、俺の最大の譲歩だ。
「解った…。ごめんなさい…。一夏の優しさにつけこむような事して…。」
「気にしないでいい。受け入れるのを決めたのは、俺だ…。」
 そして、俺はナタルの顔に掛かった髪を横に払うとキスをして、服を脱がせていった。

後書き
後半は軍事面での対応について、在日米軍幹部と一夏との会談を兼ねた食事会です。
対抗戦での亡国企業の大攻勢は、在日米軍にも衝撃を与えています。
世界最強の超大国アメリカといえども無限に軍隊を抱えているわけではありません。
あくまで米軍の一部。
後は、自衛隊ですが各方面に部隊が配備されています。
海自では、精鋭である第2、第3護衛隊群は佐世保と舞鶴。
第1護衛隊群が弱いとは言いませんが、やはり精鋭部隊がいて欲しいと思いたくなります。
最も近い空自の基地は、百里基地。
第302飛行隊と305飛行隊の2個飛行隊。
多勢に無勢です。
それでも、また亡国企業が襲ってきたら戦う以外にありません。
そうなると、頼りになるのは各国の最新鋭の機体に、2人の嘗てのブリュンヒルデ、束お手製の第三世代量産機を専用機とする屈強の武装教官に、世界で2機しかない第五世代のISを駆る今やブリュンヒルデクラスにまで成長した一夏がいるIS学園になります。
そして一夏は特別調査局局長として亡国企業対策の指揮を執り、空中戦艦アヴァロンの指揮官。
米軍としては、今やISの世界でも屈指のVIPとなった一夏と対策を考えておく方が確実です。
一夏も事の重大さは熟知しているので協力を惜しむ気は、ありません。
日常を装いつつも、備えを考えます。
終わった後は、寝て学園に帰ってやることをやるだけですが、ナタルが今の一夏と自分の距離が開いたような感覚に耐えきれずに、1人の女性として、1人の男性の一夏を求め、一夏は考えに考えた結果条件付きで受け入れます。
箒たちがこれを知ったら、どうなるでしょうか?






















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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
(・□・;) ラストに驚き!
ヴァルバジア
2014/09/14 22:39
ヴァルバジアさん。
コメントありがとうございます。

>(・□・;) ラストに驚き!
 まさか、あの一夏がね…。
 私自身も驚いていますよ。
 これから、どういう展開になるのやら。
CIC担当
2014/09/18 21:50

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