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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第119話 混乱の後には、嵐が来て…。<前篇>

<<   作成日時 : 2014/09/13 23:57   >>

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 簪にラウラもか…。
 デュノア社からイリュジオン用の追加兵装パッケージが届いて、今度は簪にラウラだ。
 簪は文字通り針鼠の様に、ミサイルを装備している。
 着弾時の威力を見た感じじゃ、山嵐の改良版だな。
 それに、改良した春雷。
 これだけ兵装を追加しているのに、機動性はほとんど落ちていない、
 ラウラは、近中距離戦に特化したパッケージ。
 背部に、ガトリング砲2門。
 脚部に、ミサイルポッド。
 それに、両腕に大型のスタンスティックか。
 兵装は少なめだけど、近中距離戦に特化しているならこれで問題ない。
 その代り、機動力は高そうだな。
 要注意は、シャルロットだ。
 大型の荷電粒子砲。
 大口径低圧砲。
 それに、多連装らしいミサイルポッド。
 低圧砲は、様々な弾丸だけでなく対戦車ミサイルも発射できる。
 兵装は針鼠のようになっているわけじゃないが、様々な状況に対応できる汎用性の高い追加パッケージだな。
 メイン・サブ双方のスラスターも、相当に推力は高そうだ。
 この分だと、箒とクリスもパッケージを使う可能性大だな。
 どうするかな…。
 あ、待てよ…。あれが使えるか…。

「手強そうだね。強力そうな追加パッケージを使って…。」
 由香里もさすがに不安になるか。
 当然だな。
「俺が前に使おうと作ったやつをキープしてあるから、それに兵装を追加して使うか?明日にはテストできるし。」
 去年のキャノンボールファストに使ったパックは、束さんからの宿題でもあった。
 そのせいで、大分こったのになったので火種になる可能性を考えて、俺は既存の技術を使った追加パックを開発した。
 結局は、火種にならないように束さんが手を打ってくれたので、既存技術で作った追加パックは使わないままラボに置いている。
 改修と調整は、今日中に終わるから問題ないだろう。
「じゃあ…。使わせてもらおうかな…。」
「ん。じゃあ、明日からそれを使った訓練な。今日は、いつも通りの訓練だ。日々の積み重ねは、大事だからな。」
「うん!」
『一夏お手製の追加パッケージ…。残っていてよかった…。残り物には福があるっていうのかな…。』
 例え枯れた技術で開発されていても、一夏自ら開発した追加兵装パックは1年の頃から一般生徒の憧れだった。
「そういえば、一夏は使わないの?追加パック。」
「俺はいいよ。第四世代以上だと、却って追加パックは難しいしな。一応あるにはあるけど、使うほどじゃないだろう。それに、こっちが不利になった時の勝ち方を考えて勝つのも経験になる。ま。そういうことだな。じゃ。始めるか。」
 一夏は、シミュレーターの設定を始める。

「由香里、今だ!」
「はあっ!」
 鞭のようになった九尾狐で巧みにターゲットを撃破しつつ、付喪神で相手を牽制する。
「もらい!」
 動きが止まった所を、一夏が末那識で撃破する。
「そこ!」
 種子島の実体弾ライフルを三連射してターゲットを狙い、魂振を散布する。
 発射された弾丸をターゲットは回避するが、近接信管が作動して爆発した結果ダメージを受けて必死にその場を離脱しようとすると、魂振を散布したエリアに突入しそこで餌食になる。

 うん。各兵装は十分に使いこなせて応用も出来ているな。
 これなら、追加パッケージも大丈夫だろう。
 兵装を追加すると言っても、特別な物を使う気はさらさらない。
 あくまで、既存の物を利用するだけだ。

「霧島さん。瑞鳳を思うように使っていますわね。一夏さんとのコンビネーションも問題ないですし。って、鈴さん、聞いてらっしゃいますの!?」
「だー!かー!らー!両腕の中口径衝撃砲の威力を燃費そのままに30%向上させて、落ちた機動性も向上させた崩山のデータを明日の午前中に送ってちょうだい!はー!?無理じゃないの!!やるのよ!!その為の技術陣でしょう!!いいわね!!確かに言ったわよ!!」
 鈴は本国に崩山の改良を、脅し口調で言っていた。
 鈴なりに、今回のタッグマッチは一筋縄ではいかないと悟っていたからである。
「見てなさいよ!一夏!私をポートナーに選ばなかった事を、後悔させてやるんだから!セシリア!ぼやっとしてないで、訓練よ!!」
 結局、鈴の本音はそこにあった。

 さて。現在の各チームの戦力の確認だ。
 セシリアと鈴のチームは、追加パッケージは今は無いようだけど、明日の午前中には届くだろう。
 本人は気づいてないかもしれないけど、あんなに大きな声で怒鳴っていれば嫌でも聞こえる。
 崩山の改良版か、腕部衝撃砲の威力を挙げてエネルギー消費率は変えない。
 しかも、攻撃力重視で機動性が低下した面を改善して、明日の午前中に届けろなんてまた無茶言うな。
 でも、基本的に代表候補の要求は叶えるのが、この世界の暗黙の了解だからな。
 やるしかないか。
 シャルロットとラウラのチームは、双方とも追加パッケージ搭載。
 ラウラのは、近中距離戦闘能力を強化したタイプ。
 問題は、シャルロットだ。
 今までのノウハウを総動員して、攻撃力、機動力、ラピッドスイッチを活かした汎用性の三拍子が揃っている厄介なタイプだ。
 玲子と箒は、箒が花風か。
 学年別クラス代表対抗戦の時に、花風の性能は実証済み。
 絢爛舞踏を使われると、ちょっと厄介かな。
 それは、クリスも一緒だ。
 やっぱり由香里の事が心配だから、装備していてくれた方がいいな。
 さて、タッグマッチはいいけど。他にちょっとな…。

 ナタルと食事に行った時に、偶然会ったシャルロットに「遠く感じる。」なんて言われたし、ナタルもそんな感じに俺を見ていた。
 最近、由香里とばかりいるからかと思ったらそうじゃないみたいだし、かといって今までの専用機持ちじゃないクラスメイトが感じていたのとも違う気がする。
 とすると、何なんだ?
 はっきり言って、意味不明だ。どうすりゃいいんだよ…。
 あ。そうだ。
 1人、相談に乗ってくれる人がいた。

「ふう。1人で住むには広すぎるんだよな。ここ。」
 道場もある、和風の家の掃除を終えた青年の名を月山高芳という。
 一夏の兄弟子で、東京の大学でエンジニアを目指して勉強している。
 その高芳の、携帯の着信音が鳴った。
「うん?珍しいのから、掛かってきたな。もしもし。」
「高芳さんですか?俺です。一夏です。」
「ああ。久しぶりだな。元気かい?」
「お蔭様で。と、言いたいんですが…。」
「何か、あったのか?」
 一人っ子の高芳にとって、一夏は弟弟子であるというだけでなく弟同然であった。
 亡き父の竜芳と山形で父の墓を守っている母の静音も、我が子の様に一夏を可愛がっていた。
 つまり、月山家にとっては一夏はもう1人の家族である。
 その一夏が、何やら悩みを抱えているようだと感じれば、高芳も気持ちが平穏とはいかなくなる。

「とまあ、そういう訳なんです。」
 俺は、事の仔細を高芳さんに話した。
「ふむ。成程ね。そういう事か。説明がちょっと難しいな…。敢えて言うとすると…。今まで、一夏が気付かなかった鈴ちゃん達の望む関係が脅かされそうになって、皆、不安がっているんだよ。そのファイルス中尉という人も同じとみていいだろうね。」
「今まで気づかなかった関係、ですか…?」
 なんか、随分と漠然としてるな。
「一夏は、鈴ちゃん達をどう思っているかな?」
「え?箒と鈴は、幼馴染。セシリア達は、大事な仲間。ナタルは世間でいう、飲み友達みたいなものですかね。」
 俺が感じている皆との関係は、それだ。
 というか、それ以外にはない。
「今度のタッグマッチでペアを組む、霧島さんの事はどう思ってる?」
 由香里の事?
 ちょっと、難しいな…。
「1年の頃から、由香里はクラス代表でしたから学園のイベントで顔を合わせてきた仲で、最近パートナーになって仲が良くなった。ですかね…。」

『やれやれ。少しはマシになったけど、変わっていないな。けど、それが原因で一夏も今の事態に戸惑っていて、答えを探しているとみていいかな。』
 今の状態は、言葉で言えば、極めて簡単である。
 要するに、鈴達が想い人である一夏を由香里に取られそうになって、危機感を感じている。
 シャルロットが言った、「遠くに感じる。」という事は、それだけ由香里が一夏を自分の方に引き寄せて来ているように感じるという事である。
 ただ、一夏が鈴達を恋愛の相手と意識していないのと、世界遺産級の唐変木であるのに加えて感情の機微に鋭い事が妙に作用しあって、一夏が何かを感じ取ってもそれを具体的に表現が出来ていない。
 高芳は、そう考えていた。

「一度、人間関係を整理してみるといいかもしれないね。今までの事を思い出しながら、鈴ちゃん達が一夏をどう思っているのか、よく考えて御覧。そうすれば、今まで見えなかったものが見えるようになる。僕はそう思うよ。」
「今まで、見えなかったもの…ですか…?」
 一夏が首をかしげるのを、高芳は容易に想像できた。
「そう。とにかく、今はよく頭を整理するのが大事だね。」
「解りました。やってみます。すみません。遅くに…。」
「構わないよ。レポートを書き終わって、一心地していたところだから。何かあったら、また電話をしてくれていいんだよ。遠慮するような仲じゃないだろう。」
「はい。ありがとうございます。」
「どういたしまして。じゃあね。」
「はい。」

『あの、一夏がね…。成長したと見るべきかな…?』
 唐変木は一生治らないのではと思っていた高芳は、驚いたような喜んでいるような不思議な気分になってベッドに横になった。
『ま。これで、一夏も変わるだろうね…。いきなり人並みにとはいかなくても、それなりには気づくようになるか…。』
 一夏と初めて会ってから、唐変木ぶりをずっと見てきた高芳はいきなり治るとは思っていなかった。
 故に、少しずつでいい。
 恋愛感情という物に、気づくようになればいい。
 そう思っていたのである。

 翌朝。
 俺は、追加パッケージを装備した瑞鳳の稼働状況を、チェックしていた。
 高機動戦闘追加兵装パッケージ「娑伽羅」。
 元々は、去年のキャノンボールファスト用に枯れた技術で開発した追加パッケージだ。
 外観は三角錐のメインスラスターユニットの左右に兵装を搭載したユニットを搭載している形になっている。
 左右のユニットは、今回の為に追加した物だ。
 本来は、白式のウィングスラスターに干渉しないようにするにはどうするかを考えている途中、ロケットエンジンを搭載して世界最速を目指す車の事をテレビで見た事を思い出し、ロケット状のユニットに推進補助用バインダーを搭載して完成した。
 今回は、シャルロット達のパッケージが思った以上に強力なのを踏まえて、兵装を強化している。
 以前に個人的に作ったものとはいえ、今の俺がそれをパートナーとはいえ他人用に強化するのは色々と問題になるかもしれないので、やはり枯れた技術を使っている。
 元々、機動力の向上を第一に置いているので、重武装にする気はさらさらなかった。
 それに、既存のありふれた兵装も組み合わせ次第によっては強力な兵装になる。
 つまり、新規技術にこだわる事は何処にもなかった。

 由香里は、搭載されているミサイルポッド連弓で撃破しそこねたターゲットを、連装砲塔式高出力中口径レーザー砲「瑞光」と、中口径単装砲塔式大気圧縮砲「弦月」で撃破している。
 どちらも砲塔式なので、射界が広いからすぐに反応すれば即座に撃破が可能だ。
 後方から攻撃してくるターゲットには、アサルトライフルにもなるスナイパーライフル「天穹」で狙撃をして、主翼に搭載してある4連装ホーミングミサイル「軍鶏」で対処する。
 機体との相性は問題無し、パッケージ自体にも何の問題も無いな。
 残った近距離のターゲットには、速射荷電粒子砲「曙光」に、軍鶏の他に主翼に装備している9連装ロケットランチャー「九天」と25mmガンポッド「百雷」で対処する。
 娑伽羅の兵装を、試していたのか。
 その後は、瑞鳳の兵装と併用して新たなターゲットを破壊する。

「凄いね。枯れた技術だけで、ここまで使えるパッケージが作れるなんて信じられない。流石は一夏ね。」
 由香里が満足そうに言う。
「別に、俺じゃなくても出来るさ。結局は、第二世代迄の技術しか使ってないからな。ようは、組み合わせだよ。最新の技術にしても組み合わせが悪ければ、真価は発揮できない。意外に思えるかもしれないけど、最新技術と枯れた技術を組み合わせるといい結果を出す事もあるんだ。最新技術は確かに優れているけど、不安定要素もある。そこを枯れた技術でカバーするのさ。」
 最新技術は、言いかえれば欠点を出し切っていない技術でもある。
 何度もテストをして、欠点を出し切ってきちんと解消しないと後で稼働の不安定さに繋がって結局は使えない機械の烙印を押されることもある。
 技術で一番大切なのは、安心して使えるかって事なんだよな。
 そこを考えないで最新技術に固執する技術者って、多いんだよな。
 瑞鳳も、それが各所に見えた。
 焦りもあったんだろうけど、大事なのは高い稼働率だってことが頭から抜け落ちていたな。
 ま。今回は、あえてそのままにして高い稼働率を得るノウハウを俺の整備で得ようとしていたわけだが。
 過ぎた事は、いいか。
 どうこういっても、しょうがないしな。

 新しいパッケージとしては、鈴の崩山が改良されているな。
 攻撃力は高いけど機動性が落ちるという欠点を解消しつつ腕部衝撃砲の威力も向上している。
 あのむちゃな要求に、技術陣が応えたのか…。
 今頃は、8割方死人になって鉄板の上で眠っているだろうなあ…。
 技術者として、同情するよ。本当。
 ふうん。
 これはまた、強敵だな。
 崩山は威力が格段に向上した衝撃砲に換装するパッケージで、俺の第二次改装にも対応しているな。
 それに加えて、腕部にも衝撃砲か。
 甲龍は、固有兵装としてエネルギー兵器も搭載したから、砲撃の雨霰か…。
 接近して、一気に決着つけるか。
 遠距離砲の撃ちあいでもいいけど、今一つ俺の趣味じゃないしな。
「よし。授業が始まる。シャワーを浴びて、教室に行こうぜ。その前に、微調整をしておく。」
「うん。」
 と言っても、稼働状況を見る限りすぐに終わるけどな。

後書き
前後編の前篇です。
シャルロット達は、タッグマッチに備えて本国から追加パッケージが届きます。
箒とクリスは、一夏自ら開発した専用パッケージ。
こうなると、一夏はともかく専用機持ちになって日が浅い由香里は、不安要素になります。
そこで一夏が考えたのが、1年のキャノンボールファストの際に枯れた技術で開発した高機動パッケージに兵装を搭載する等の改修をして、使わせるというアイデアです。
さて、そっちは片付いたものの、箒たちの事は頭を抱える一夏。
アドバイスを求めたのは、兄弟子の高芳でした。
一夏はそれを活かせるでしょうか?










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