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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第109話 Dies iraeー怒りの日ー<後篇>

<<   作成日時 : 2014/07/05 23:49   >>

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「貴様が指揮官の様だな…。」
 スコールを見て、千冬は静かに口を開く。
「ええ…。そうよ…。」
「そうか。色々と聞きたいことがある。投降してもらおうか。しないのならば、痛い目を見てもらう…。その前に、一つ聞いておこうか…。あの時、一夏をモルモットにした時に、お前も関わっているのか…?」
「誘拐計画を立案したのは、私よ。実験の方は、バーミリオンが指揮を執っていたけど、私も多少は関わっていたわ。バーミリオンから聞いていなかったのかしら?」
 込み上げてくる恐怖を堪えながら、スコールは各ゴーレムに密かに命令を伝える。
『どう見積もっても、勝つ確率はマイナス。けれど、逃げるのなら何とかなる…。』
 千冬と真っ向から勝負をするという選択肢は、スコールには無い。
 そもそも、一夏と戦っても勝てる見込みは全くないのに、千冬に勝てる見込みがある筈も無い。
 今は、如何にしてこの場を離脱するかを考え、準備を進めていた。

「聞きたい事は聞いた。で、どうする。投降するか?痛めつけられるか?どちらを選ぶ?」
 千冬から漂う体の芯まで凍りつく様な、凍てついた“気”を感じて、スコールは動けなくなる自分がいるのを実感していた。
 同時に、憤怒の炎が宿った視線を感じ、焼き焦がされそうになる感触も感じている。
 たった1人の家族である一夏を誘拐しモルモットにしたことで、千冬がどれほど自分たちに対して怒りと憎しみを持つ事になったか、スコールは今更ながら改めて理解していた。

「生憎と、まだ捕まる訳にはいかないのよ。撤退を選択させてもらうわ。」
 スコールは肩部のユニットから多数のレーザー砲を発射して、撤退する時間を稼ごうとするが、千冬は苦も無く躱して距離を詰める。
「さすがね。でも、逃げ切って見せるわよ…。」
 腕部の中口径レーザーマシンガンと、多連装ミサイルポッドから大量のミサイルを発射する。
 さらに、一部のゴーレムを戻して後方から攻撃させる。
『さすがに、これなら…。え…?』
 千冬はゴーレムを春陽で撃破して、レーザーマシンガンを回避しつつミサイルを雨月で落とす。
 そして、接近するとスコールの腹部にミドルキックを喰らわす。
「がはっ!」
 肺から酸素が。
 胃からは胃液が逆流し口から吐き出され、海面に叩き付けられる。
「その程度で、私から逃げられると思ったのか?甘いな…。一夏でも欠伸をしながら懐に飛び込むぞ。」
 上空から見下ろしながら、千冬はつまらなさそうに言う。

『内臓が破裂したような感じね…。何てパワーなの。このトパージオンの皮膜装甲が無いも同然だわ…。』
 何とか海面すれすれを飛んで、その場を離脱しようとする。
『スノー。脱出よ。そっちにあなたが逃げる時間を稼げるだけのゴーレムを寄越したわ。何とか離脱して。こっちは織斑千冬から離脱するだけで、手一杯だわ。』
『目の前の小娘が、そうはさせてくれそうもないが、何とかやってみよう。お前はお前でうまく逃げろ。』
『そうさせてもらうわ。』
 コアネットワークで、スノーと通信しながらスコールは必死に距離を取ろうとする。

「で、どこは行く気だ?」
 前面に現れた千冬の蹴りを顎にまともに喰らい上昇させられたスコールに追いついた千冬は、さらに拳を叩き込む。
「いい気にならない事ね。」
 意識が飛びそうになるのを必死に堪えて、肩部ユニットから収束されたレーザーを至近距離で発射する。
「攻め方が、甘い…。何だ?その稚拙な攻撃は…?」
 後方に回り込んでいた千冬は、スコールの頭を鷲掴みにすると近くの無人島に投げつける。

『全ての攻撃を読まれている…。そして、このトパージオンの基本スペックが大きく劣る…。』
 地面にできたクレーターの中心で、必死に体を起こしながら劣勢であることを実感していた。
 第三世代IS トパージオン。
 亡国企業が奪取したコアを初期化して、スコール専用機として開発したISである。
 完成したのは、IS開発の先進国が試作機を開発したのとほぼ同時期だが、コストを完全に度外視して開発されたので、当時の各国の試作型第三世代ISより高性能であり、その後基本性能を大きく高める改修を受けたが、千冬と舞桜の前ではガラクタ同然であった。

「よほど、その機体には自信があったらしいな。だが、私の専用機舞桜は、現役時に使用していた暮桜の運用データを反映させて束が開発したISだ。そして、一夏が時間を見つけては、あちこち改修してくれている。貴様らのISと一緒にするなよ。うちの専用機たちのISが、一夏によって改修されているのは知っているのだろう?ならば、舞桜がどれほどの性能かは予想がつくはずだぞ?それとも、想像力が貧困なのか?」
 千冬が、呆れたように言う。
 無論、スコールもそれは想定していた。
 だが、それを遥かに上回る性能を舞桜が有しており、衰えを知らぬ千冬の技量が合わさった結果は想定を大きく上回っていた。
『機体にも、相当にガタがきてるわね…。』
 僅かな時間の近接戦闘ではあったが、千冬の攻撃でトパージオンはかなりのダメージを受けていた。

「さて、そろそろ眠ってもらおうか。聞きたいことが山程あるのでな。」
「できるかしら?第三世代には、特殊兵装があるのを忘れていない?このトパージオンにもあるのよ。」
「そうか。なら、尚更さっさと終わりにするか。」
 散桜を展開した千冬は、凄まじい速さで振り下ろす。
 しかし、その刃はトパージオンには届かなかった。

「成程。それが、貴様のISのワンオフアビリティか。見たところ、フォトンを利用した防御フィールドの様だな。」
「ご名答。そう簡単には破れないわよ。」
 高圧縮光子防御フィールド展開機構「テムプルム・ルクス」。
 高密度に圧縮したフォトンによって、物理・エネルギー双方の攻撃を防ぐ防御フィールド。
 それが、トパージオンの特殊兵装である。
「で、それがどうした?」
「え?…!馬鹿な!!どうして…!!」
 千冬は、散桜でテムプルム・ルクスを押し込んでいた。
「近接戦闘に於いては、パワーも重要な要素だ。そこらのISと一緒にするな。一夏が改修するという事の意味を、まるで理解していないのか?」
 元々、千冬は一夏以上に生身でISの兵装を巧みに使いこなす。
 それをさらに活かすために、一夏は舞桜の駆動系のパワーと関節部の耐久性を高め続けていた。
 今の舞桜は、その可憐で美しい名にふさわしくない程に圧倒的なパワーを誇るISとなっていた。

「はあっ!!」
 スノーの攻撃を受け流して、龍王の一撃がスコルピウスのシールドエネルギーを削り、至近距離からの百龍の連射でさらに削られる。
「小娘が!!」
 防御フィールドを展開したと同時に、フィールドから熱戦砲が大量に発射される。
「くっ!」
 甲龍を巧みに駆り、鈴は回避し続けるがそれでも全弾回避とはいかずに少なからずシールドを削られる。
「なら!」
 火剣を投げつける。
 フィールドに衝突すると、内部のHEAT弾頭から液体金属の超高速噴流が襲い掛かるがフィールドに阻まれる。
「悪いけど。このアンタレスには、通用しないわよ。」
 再び熱戦砲が発射される。
 鈴は急上昇して回避しながら、百龍を拡散モードで発射して熱戦砲を相殺し銀漢を発射すると、すかさずイグニッションブーストでスノーの背後に回り込んで鉄蛇でスノーを拘束する。
「ぐあああああっ!」
 第二次改修でさらに電圧を引き上げられた鉄蛇の高圧電流の牙が、スコルピウスに襲い掛かる。
 各部の許容限界を超えて、多大なダメージを負ったスコルピウスは半壊状態になっていた。

「言ったでしょう。大火傷をすると。投降しなさい。その状態では、私に勝てる確率はゼロよ。」
『ゴーレムさえあれば、逃げる時間も稼げたものを…。』
 ナタル達が戦線に復帰したことで、前衛は圧倒的に有利な状況となったために、ラウラ達はスノーの援軍に回されたゴーレム達を撃破していた。
「投降しないのなら、眠らせて引きずって行くわよ。」
「やれるものなら、やってみろ!」
 スノーは両腕のレーザー砲、鋏状のプラズマブレード、高初速バルカン砲、シールドの機能を持つ多機能兵装システム「アクラブ」のプラズマブレードで鈴に襲い掛かるが、半壊状態のスコルピウスでは機動性も半減しており龍王の一撃でシールドエネルギーをゼロにされ、その時の衝撃でスノーは気を失う。

『スノーが拘束された…。このままでは、私まで…。』
 テムプルム・ルクスは千冬に押し切られ、防御フィールドの役割を果たさないまま圧倒的な不利な状態で、スコールは叩きのめされ続けていた。
『よし…。これなら、何とかなる。』
 ある通信を出して、スコールは急速に離脱しつつ多連装ミサイルポッドから大量のミサイルを発射する。

「往生際の悪い。ん?」
 海面から、タクティカルトマホーク16基が飛び出してきて、千冬に向かってくる。
『今!』
 スコールはトパージオンのレーザーの照準をタクティカルトマホークの弾頭に定めて発射する。
 凄まじい爆発が千冬の視界を僅かな時間だがさえぎり、その間にスコールはどうにか離脱した。
『私としたことが、とんだ失態だな…。頭に血が上り過ぎた…。』
 いつもの自分ならば、既に拘束できていた。
 それを思い、千冬は冷静さを欠いた己を恥じていた。

 ふう。終わった。終わった。
 にしても、凄い数だったな300は軽くいたぞ。
 最初は、ナタル達だけだったから一捻りしようと小出しにしたけど、目算が甘い事に気づいて逐次投入して、疲労が限界に達したところで叩き潰そうとしたんだろう。
 そこに俺達が到着して、全ての戦力を叩きつけたが逆に俺達が返り討ちにして撤退するためにサイレントゼフィルスを向かわせて、セシリアを始めに引き寄せて、セシリアだけじゃ勝てないと判断させて中盤を一気に引き寄せてゴーレムで時間稼ぎをしようとして撤退しようとしたけど、ブルーティアーズの第二形態移行という予想外の出来事が起きて、サイレントゼフィルスは奪還された。
 パイロットは、逃げたけどな。
 中盤が厄介と見た亡国企業は、新型ISを投入したが今の鈴はそう簡単に倒せるような相手じゃない。
 それに気づいて撤退しようと、ゴーレムを投入したがシャルロット達が撃破。
 こっちは、パイロットごとISも確保。
 一つ気になるのが、千冬姉か。
 指揮を執っていたISパイロットを拘束する位、何でもなかったはずだ。
 俺が誘拐されたことで頭に血が上っていたことを差し引いても、逃がすなんて千冬姉らしくない。
 第一、バーミリオンはしっかり拘束した。
 まあ。あいつを取り逃がしても別の面でメリットがあるから、いいんだけどな。
 話はしておくか。
 その前に、IS学園の状況を確認しておかないとな。
 危険な状況になったら、すぐに連絡を入るように打ち合わせをしておいたから、何かあったら連絡が入ったはず。
 入らなかったって事は大丈夫だと思うけど、念の為に。

「整備科の生徒は、各ISのメンテナンスを可能な限り終えて。補給も忘れないで。」
 学園に襲撃したゴーレムは、ヘンリエッテ達が中心になり全て撃破し後始末も終えていた。
 だが、また襲撃がある事を考慮してエネルギーと弾薬を補充して、可能な限りメンテナンスを行うようにヘンリエッテは指示を出した。
 迎撃に出たISを、整備科の生徒達が手早くメンテナンスを開始する。
「各部の損傷状況を調べて、パーツ交換が不可欠な個所を最優先。応急処置で大丈夫そうなところはそれで済ませて。とにかく、出撃可能なように仕上げましょう。」
 整備科主席の薫子が、各ISの整備状況を確認しながら指示を出しそれを受けて生徒達は整備を行う。

「はい。こちらIS学園。ああ。織斑君ですか。こちらは片付きましたよ。念の為、緊急整備を行って備えています。そちらはどうですか?」
 ISスーツの上にスポーツウェアを羽織って、索敵と通信の取りまとめ役を行っている真耶が一夏からの通信に答える。
「こっちも終わりました。もう、襲撃は無いと思われますので、これより帰投します。」
「解りました。すぐに迎えを寄越します。こちらは、皆が本当に頑張ってくれましたよ。ディースは、ちょっと手こずりましたけどね。防衛システムも、さすが織斑君お手製ですね。随分楽をさせてもらいましたし。」
「そうですか。」
 深刻な状況になっていない事を知って、一夏は安堵する。
「では、学園で。それと、会議の用意をお願いします。」
「はい。解りました。」
『来賓にも、怪我人はゼロ。アクシデントはありましたけど、無事に終わりましたね。』
「山田先生。黛です。整備の状況ですが…。」
 かなり大規模な襲撃だったが、迎撃に出た教官や生徒は怪我一つなく来賓に怪我人が出たという報告もない。
 真耶は、その事を安堵していた。
 そうしていると、薫子から整備状況の報告を知らせる通信が入る。

「すまんな。取り逃がした…。面目ないとはこういうことだな…。」
 舞桜を待機状態に戻した千冬は、傍らに来た一夏に謝罪する。
「構わないよ。捕まえたら捕まえたで、勿論メリットはあった。けど、逃がしたとしても、充分メリットはあるさ。随分痛めつけたからな。」
「頭に血が上り過ぎたよ…。本当なら、捕まえるなど訳も無かったのだがな…。感情に支配されて、この体たらくだ…。」
 何故、千冬がスコールを逃したかは一夏にはすぐに察しがついた。
 一夏の誘拐を指揮したのは、おそらくスコールだろう。
 実験にも、何らかの関わりがあった可能性が高い。
 2つの事実は、スコールに対する憎しみを煽るのには十分だ。
 結果として、千冬の心を憎悪が支配し痛めつける事しか頭になかった。
 それが隙となって、スコールは逃亡に成功した。
「いずれにせよ。下手にちょっかいを掛けてきたらどうなるかは、骨身に染みただろうさ。今後、大規模な行動はそうそう起こさないよ。幹部達の行動も制約できる。その分、こちらには時間的余裕が生まれる。それに、サイレントゼフィルスも奪還できた。パイロットには逃げられたけどな。新型はパイロットごと鈴が確保した。いろいろ聞きだせる。決算は黒字。気にしないでいいさ。千冬姉も奴と今度会った時には、二度と今回の様な事にはならないしな。」
 同じ失態を犯すほど、千冬は愚かではない。
 一夏は、それをよく知っていた。
 いずれにせよ。実行部隊も幹部達もIS学園に手を出す事がどういう事か苦痛と恐怖と共に知るだろう。
 動きたくても、感情がブレーキを掛ける。
 その間に、一夏は可能な限り亡国企業の本拠地を絞り込むつもりでいた。

 情けないな…。
 守ると決めていた弟の前で失態を犯しただけでなく、逆に慰められるとはな…。
 一夏が言ったメリットは、真実だろう。
 あの状態ではISもかなりダメージを受けただろうし、絶対防御があっても肉体的ダメージは相当な物だろう。
 甚振られるのを喜ぶようなマゾヒストでない限り、しばらくは行動を控えるだろう。
 イギリスから奪取されたサイレントゼフィルスに、奴らの新型ISも確保。
 戦力も、大幅にダウンしている。
 ディースに対しても、これからはさほど手こずる事も無い。
 何より、オルコットのブルーティアーズが第二形態移行を遂げた事で戦力がアップしている。
 総合的には、黒字ではある。
 それは解るが、今日の私はあまりに無様過ぎたな…。
 戒めとせねばならんか…。

「迎撃に出たISは、念の為メーカーからも人を呼んで、オーバーホールを行いましょう。それまでは、整備科で出来る限りの整備をしてもらうつもりです。」
 戻ってから、生徒会メンバー、武装教官、千冬姉、ブッフバルト先生、ラウラが集まり会議を開いていた。
「そうですね。念の為にしてもらうべきでしょう。幸い、ここは設備が整っていますから。」
「私も賛成ね。万全を期しておきたいわ。」
 山田先生とブッフバルト先生が賛成し、それから出席者全員が賛成する。
 かなり激しい戦闘になったから、自己修復機能だけじゃちょっと不安だ。
「それから、ゴーレムとディースについてですがさして性能が向上している形跡は見受けられません。そろそろ、性能向上も限界とも考えられますが、まだ確信が持てませんので油断なきようお願いします。」
 どうにも、やり方が稚拙な気がしたからな。
 こっちのISを奪取したかったのなら、学園に全戦力を叩きつけた方がまだ確率はあった。
 なのに、戦力を分散。
 保険を掛けたのは、大規模テロを行う可能性を考慮しての意味合いが今回は強かったが、今考えるとその気は無かったと考えていいだろう。
 とする、目的はこっちの戦力を二分する事。
 だとすると…。
 そういう事か…。
 やってくれたぜ…。

「織斑。何か考え事か?」
 千冬姉が、話しかけてくる。
「今回の連中の目的が、解りました。まず間違いないと思います。」
「それは?」
「戦力評価です。こちらの専用機持ちと準専用機持ちのスキル。ISの性能。そして、学園の防衛システムの戦力評価をして、新型の開発に活かすつもりだったと考えます。」
「成程。そう考えれば、戦力を二分したのにも納得がいく。学園に戦力が集中していては、防衛システムの戦力評価ができないからな。」
 千冬姉が、苦虫を噛み潰した様な表情になる。
「ですが、相手は指揮官とサイレントゼフィルスのパイロットだけが、帰還に成功。その際に、ゴーレムが1体離脱していますが、さしてデータを収集できたとは思えません。ある程度はデータを持ち帰れたとしても、それだけでこちらを凌ぐことは難しいでしょう。そもそも、それが可能なら今のように向こうが手の込んだ戦力評価をするために大量の戦力を投入する必要はありません。無論、油断は禁物ですが。」
「いずれにしても、専用機持ち、準専用機持ちをさらに鍛え上げねばならんな。一般生徒にしても、腕を上げてもらう必要がある。カリキュラムを見直して、より質の高い指導が必要になるか。」
 戦力の中心になるのはあくまで専用機持ちだが、準専用機持ちにも頑張ってもらう必要があるし、最悪一般生徒から腕利きを選抜する必要もある。
 今回失敗したことが抑止にはなるだろうけど、永遠とはならないからな。
 頭痛いよ。本当。
「会議は、これで終了とする。ご苦労だった。各自、ゆっくり休んでくれ。」
 やれやれ。空中戦艦の艤装が始まるこの時期になあ…。
 只でさえ、忙しいのに。勘弁してほしいぜ。
 とりあえず、風呂入ろう。
 白式の整備は、終わってるしな。

「これから、大変ですね。前以上に…。」
「これほど大規模な襲撃になるとは、思いもしなかったからな。一夏は空中戦艦の艤装もある。何しろ、肝心要の機関部はあいつが開発したからな。設計を行ったのもあいつだし、更に多忙を極めるだろう。UNODCの会議もある。」
「そうですね…。」
 その時、一通のエアメールが届く。

「織斑君。いますか?」
「はい。ちょっと待っててください。」
 UNODCの会議についての最終確認をしていると、山田先生が来た。
「あの。何か?」
「これ。委員会からのお届け物です。じゃあ、私はこれで。」
「どうもありがとうございました。」
 何だ?
 俺は、ペーパーナイフで封を切る。
 うん?
 おい…。何だ?これ…。
 知ってるかどうかわからないけど、千冬姉に報告するか。

「IS委員会特別調査部部長就任に伴い、中将に昇進ですか…。」
「はあ…。まあ…。」
 報告に行ったら山田先生もいたので話したら、目を丸くしている。
 そりゃそうだよな。俺も目が点になったし…。
「ある意味、適材適所という所か。各国政府及び諜報機関。インターポールにユーロポールとの折衝や調整等は、全てお前がやっている。それを可能にしたのは、今まで築き上げた各国との太いパイプ。それを有効に利用できるお前以上に相応しい人材は、いないという事だろう。」
 いや、そんな事言われても…。
 今でさえ、目が回る程忙しいんだぞ。
 これ以上は、さすがに無理だって。
「これ以上は、さすがにないだろう。それに、他国から人材を得ようにも今の所、お前以上に交渉力や調整能力に長けた人間はいない。安保理等でのお前の実績が、それを証明している。補佐に当たる人材は、優秀な人間がつくように段取りをしておく。お前の負担は、出来る限り私が減らす。すまんが上手くやってくれ。」
「解りました。」
 さすがに、ここまで言われるこう言うしかないよな。
 そもそも決定事項だし、覆りもしないからな。

「さて、早速人材の選別に入るか。あちこちの軍で指導をしてきたことがいまになって活きるとはな。世の中、何が起こるか解らん。」
「それから、今まで以上に、健康に気を付けてもらう必要がありますね。医務室と保健室双方の協力がないと。そちらは、私が話をしておきます。」
「頼む。」
 千冬は宿直室に向かい、真耶は医務室と保健室に連絡を入れる。

後書き
一夏の誘拐事件に関して、さらに真実を知った千冬は我を忘れる程に憎悪の塊に…。
衰えを知らぬ圧倒的な技量で、スコールを叩きのめします。
そもそも技量でも絶望的な差があり、且つISの性能の差も大きい。
この時点で勝敗は見えています。
千冬が冷静さを失っていたからこそ、サンドバックにされながらもどうにか離脱に成功したスコールですが、スノーは鈴に敗れてISごと拘束。
学園にも亡国企業の大部隊が差し向けられましたが、ヘンリエッテや楯無たちが中心となり撃退。
結局、戦力評価をするというスコールの作戦は、大赤字を出して大失敗。
IS学園に下手に手を出すと、大火傷をするという教訓を得ただけでした。
さて、一夏の方はまた新たに役職が増え中将に昇進。
ここからどう展開するのでしょうか?


















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