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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第108話 ガールズ・プライド<前篇>

<<   作成日時 : 2014/06/29 02:07   >>

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「さあ!いよいよ、決勝戦!激戦を勝ち進み、王子様との甘い夢を求めて乙女達が最後の戦場に降り立ちます!まずは、1年生。1組代表五反田蘭さんと、2組代表コリーナ・カラマンリスさんの試合です。五反田さんは、シードカードで3組のマイルズさんを下しての決勝進出。織斑生徒会長が設計開発した、第三世代IS瑞鶴を専用機とします。カラマンリスさんは、ギリシャ代表候補。専用機アルパクティコが第二世代であることから、準決勝は不利が予想されましたが、磨きぬいた技術と作戦で4組代表にしてフィンランド代表候補のウィンドさんを下しての決勝進出。そして、新規兵装と改修パーツを用いての改修の結果、アルパクティコは第三世代ISに!機体の特徴であったユニット換装機能も健在。新型機動ユニットも、届いたという情報も入っています。激戦は必至!どちらが勝利するのでしょうか?」
 改修されたアルパクティコは、両腕に複合兵装らしき兵装を装備。
 両肩部には、ロケットランチャーを搭載している。

「1年生、決勝戦。始め!」
 戦いの火ぶたが、切って落とされた。

「行くわよ!」
 蘭が竜神を射出して、攻撃を始める。
「そう簡単には、当たらないわよ!」
 第三世代に生まれ変わったアルパクティコの機動性を活かして回避しつつ、スフェラに代わって両腕に装備された複合兵装「ハルペー」のガトリング砲を発射する。
 蘭は、スケート選手のように優雅な機動で攻撃を回避しつつ、輪舞と竜神の連携で反撃する。
「BT兵器は、1年生ではあなただけの専売特許じゃないわよ。」
 高機動ユニットから、見た事がない機動ユニットに換装するとコリーナはビット「チェリドノプサロ」を射出して、竜神を狙う。
「それだけじゃ、私には勝てない!」
 光雷の偏向射撃で、蘭はコリーナを狙う。
「でしょうね!」
 ハルペーを変形させ、荷電粒子砲とライフル砲の連装砲にすると光雷の偏向射撃に対して弾幕を張りつつ、コリーナは蘭に接近して多連装ロケットランチャー「カルハリアス」を一斉に発射する。
「まだまだ!」
 輪舞で迎撃している間にコリーナが近接戦闘のレンジに入り、プラズマブレードに変形したハルペーを光雷で受け止める。

「だいぶ、性能が向上していますね。瑞鶴は、織斑君が設計したIS。五反田さんも1年生では、トップクラス。コリーナさんも五反田さんにそう劣りはしない事を差し引いても、序盤からここまで接戦になるなんて。」
 第三世代になったのでアルパクティコも性能は向上していることは理解していたつもりだが、ここまで接戦になるとは真耶も予想していなかった。
「五反田たちとの訓練データ。一夏の指導内容というデータ。双方が、それだけ貴重な資料だったという事だ。金銭に換算したらどれだけになるか、解らん程にな。それだけのデータがあれば、技術者も奮起するだろう。この試合、ますます解らなくなったな。五反田も瑞鶴の兵装を完全に使っているわけではないから巻き返しようはあるが、それを見誤るとかなり危険だろう。」
『他国の第三世代との手合わせのデータの反映はある程度予想していたが、一夏の指導がここまで貴重なデータになるとは予想していなかったな…。これで白式の稼働データが広まったらどうなるやら…。』
 芝崎インダストリーが納めている追加兵装を運用しての、白式の稼働データ。
 各国にとって、未知の領域である第四世代、第五世代の稼働データは、どれだけ新型ISの開発時のヒントになるか。
 さらに、白式は究極の自己進化能力を持つIS。
 真の第四世代として、開発されたISである。
 それ故に、様々な装備を運用した際にフラグメントマップは変化し白式の進化に反映されて形態移行の度に強力なISとなっていった。今後もどのようなデータが収集できるか予想が出来ないし、得られたデータを金銭に換算することなど土台無理な話である。
 それほど、白式の運用データは貴重な物であり同時に火種にもなる。
『今の一夏はIS委員会直属。その事だけは、幸いだな。』
 蘭とコリーナの激闘を見ながら、千冬は白式の稼働データの価値を考えていた。

「はあっ!」
 パワーでは瑞鶴が上回ることを活かして、蘭は鍔迫り合いでコリーナを抑え込み、その隙にチェリドノプサロを全基破壊する。
 そして、竜神の攻撃目標をコリーナに換えて攻撃するが、再び機動ユニットを換装して装備されているシールドをサブアームで動かし、コリーナは攻撃を防ぐと4本装備されている巨大なアームの1本で強烈なパンチを繰り出す。
「くっ!」
 蘭は緊急離脱して、難を逃れる。
『新型の機動ユニットまで、届けてくるなんて…!』
 アルパクティコの特徴である、ユニット換装。
 換装により、機体の性格が変わり様々な戦闘に対応することが可能になる。
 ユニットが増えれば増えるほど、汎用性は増す。
 もちろん拡張領域に限界があるので無制限に搭載は出来ないが、改修によってISの拡張領域が増えるのは珍しくない。
『やっかいね…。あのユニットの能力も不明だし。』

 機体性能も向上した上に、さらに新型ユニットか…。
 これは厄介だな。
 あのシールド、防御力高いな。
 それに、あのデカいサブアームの正体も気にかかる。
 あのままでも、強力な近接戦闘兵装なんだけどそれだけで済むとは思えない。
 何なんだ?
 瑞鶴も全兵装を使い切っていないけど、局面によっては不利は免れないか…。

「距離を開けたままで安全なんて、安直よ。蘭。」
 4本のサブアームの内、2本からは高出力荷電粒子砲が発射される。
『射撃兵装も兼ねているの!?』
 蘭は荷電粒子砲を回避し続ける。
『エネルギー消費が激しいから、そう何度も撃てない筈。それを狙いつつ、攻撃を続ければ…。』
 光雷の衝撃砲を発射しながら、荷電粒子砲を回避する。
「甘いわよ!」
 残った2本のサブアームから何かが発射されると、瑞鶴のハイパーセンサーが大気状態の変化を知らせる。
 それを基に、蘭は回避する。
『大気圧縮砲。衝撃砲の原型だったわね。衝撃砲に比べれば威力は落ちるけど、燃費がいいから厄介だわ。』
 空間を圧縮し砲身として、そこから圧縮した大気を発射するのが衝撃砲である。
 大気圧縮砲は、圧縮機構内で吸入した大気を圧縮して発射する。
 これを基に衝撃砲は開発され、他国も衝撃砲の高性能を認めて大気圧縮砲は忘れられた兵器となった。
 だが、威力は大きいがエネルギー消費量の大きい大出力荷電粒子砲の補助としては燃費の良さを考えればうってつけである。
 荷電粒子砲と大気圧縮砲のコンビネーションに苦しみながらも、蘭は回避しつつ攻撃を続けると4本のサブアームからそれぞれさらに4本の小型サブアームが展開されて速射プラズマ砲と重機関砲が発射される。
 1本のサブアームにさらに4本のサブアームを装備。それを4つで構成する複合兵装「ヘカトンケイル」、竜神の一斉射撃を防ぎ切ったシールド「アイギス」。
 局地戦闘ユニットに装備されたこの兵装に、蘭は苦戦していた。
 一撃離脱で白兵戦に持ち込んではみたが、小型サブアームはプラズマカッターと高速振動カッターにもなるので迂闊に近づけない。
 それを防ぎ切ったとしても、4本の巨大なサブアームの一撃は十分に脅威になる。
『瑞鶴の性能を完全に引き出せば、勝てるはずなのに…。』
 一夏自ら開発した瑞鶴の性能を完全に引き出せていないのは、蘭自身が一番よく知っている。
 それ故に苦戦していることが、今は堪らなく悔しかった。
『それでも、私は負けなくない…。負けたくない!!このISは一夏さんが作ったんだから!!』
 ここで負けたら、自分の専用機である瑞鶴の名に泥を塗る事になる。
 少なくとも、蘭はそう考えた。
 そしてそれは、一夏にも恥をかかせる。
 そう考えた蘭は、乾坤一擲の策を実行することを決めた。
『シールドエネルギーは、まだ余裕がある。今ならまだ…!』
 光雷を白兵戦モードにして、蘭はイグニッションブーストでコリーナに迫る。

『勝負に出たわね。蘭。』
 ルームメイトとして、蘭の性格はよく知っている。
 想い人である一夏が自ら開発した瑞鶴の専任操縦者である事に、蘭がどれほど誇りを持っているか。
 それ故に、蘭はそう簡単に負けることを自分に赦さない事を。
『なら、こっちも本気を出すわ。アルパクティコの特殊兵装でね。』
 コリーナも、全力で迎え撃つ決意をする。

「はああっ!!」
 光雷を一気に振り下ろすが、2本のサブアームに防がれ残りの2本が破壊する。
『よし!掛かった!』
 光雷から手を離し、夢鏡で剣を形成してヘカトンケイルを破壊する。
 しかしその瞬間、蘭を強烈な衝撃が襲った。
「ハルペーは、まだ全ての形態を見せていたわけじゃないのよ。」
 両腕のハルペーは、パイルバンカーに形態を変えて瑞鶴のシールドエネルギーを危険域にまで一気に削る。
「だから、何よ!!」
 輪舞で破壊しようとするが、アルパクティコのシールドは強化され思った様にダメージを与える事が出来ない。
「シールドブースト機構「ヘラクレス」。そう簡単に、今のアルパクティコのシールドは破壊できないわよ。」
「何回も言わせないで!だから何なのよ!?」
 聞く耳持たないないと言わんばかりに、輪舞を発射する。
『滅茶苦茶もいい所だわ…。いったん距離を離して仕切り直した方がいいわね。』
 ヘラクレスは、強化されたシールドを攻撃にも転用することが出来る。
 それを活かして、勝負を決めようとした。
「させない!!」
 夢鏡を解除して、蘭は両腕を掴む。
「忘れていない?瑞鶴は、まだ全ての兵装を使っていないのよ。最後のワンオフアビリティで、勝負をつけるわ!!」
 構成素材の原子構造に衝撃を与え破壊する、振動砲「震壊」。
 蘭はほとんど使った事がなかったので、コリーナは忘れていた。
「終わりよ!」
 強化されたアルパクティコのシールドでも、震壊には耐えきれなかった。

「勝者。五反田蘭。」
 歓声が響き渡り、蘭の優勝が宣言された。

「まさに、死中に活を求めるでしたね。」
「ああ。ギリシャの新型機動ユニットと特殊兵装にも驚いたが、五反田の勝利への執念にも恐れ入ったよ。」
 真耶と千冬は、それぞれ感想を口にした。
「それにしても、本当に激戦でしたね。1年生の試合とは思えませんでした。」
 千冬が何か言おうとした時、一夏から連絡が入った。
「ああ。解っている。すぐに修理に掛からせる。メーカーからも技術者が来ているし、パーツも揃っているしな。」
 激戦になった時の事を想定して、一夏は補修整備の体制も万全を期していた。
「ピットに連絡。修理にかかれ。大急ぎでな。」
 千冬がピットに連絡して、直ぐに修理を開始させる。

『やった…。勝った…。勝てた…。』
 勝利に喜ぶ蘭だが、体のあちこちが痛み疲労で意識がもうろうとする。
「ほら。大丈夫か。」
 倒れそうになった蘭を受け止めたのは、一夏だった。
「一夏さん…。」
「無茶にも、程があるぞ。まったく。念のため、診察するからな。」
 触診をして、聴診器で心音や腹の音を聞き、ライトで瞳孔の状態を見たりする等の診察をして、一夏は追加検査が必要ないことを確認する。
「ビタミンとアミノ酸を混合して、点滴。それから、ブドウ糖も。水田先生。コリーナはどうですか?」
「念の為に点滴をするけど、問題ないわね。」
 博子の診察結果を聞いてから、一夏は蘭の頬をそっと撫でる。
「よく頑張ったな。立派だったぞ。後で、今日のデータを解析して蘭に合わせた調整をしておくからな。」
「はい…。お願いします…。」
「うん…。今は、ゆっくり休め。あまり無茶はしないようにな。」
 優しく微笑むと、聴診器を首にかけて、ピットを出る。

 すごい戦いだったよな。しかし。
 ただ。どうも蘭は、肩の力が入り過ぎている感じだな。
 後で少し話すか。
 タブレット端末で、瑞鶴の機体状況を見る。
 光雷は全損だから交換。輪舞も念の為、交換しておくか。
 その他に、パーツの交換箇所と調整部分を指示する。
 アルパクティコは、大変だろうな。
 途中からシールドの防御力が向上していたみたいだけど、あれは専用の機構とエネルギーバイパスがある筈だから、そこら辺は徹底的に整備だな。
 新型の機動ユニットは、予備ユニットを使った方が早いだろう。パーツと装甲の交換箇所も多そうだ。
 大変だろうけど、急いでもらわないと。
 この後の事もあるし。
 さて、次は俺の出番か。

「いよいよ。最大の注目カード!2年生の決勝戦です。1組代表にして、我がIS学園の生徒会長。織斑一夏君。生徒会長としても、歴代最強と言われる実力者。対するは、シードカードで3組のルグローンさんに勝利して決勝戦に駒を進めた、4組のクラス代表にして日本代表候補の更識簪さん。お姉さんは、前生徒会長にしてロシア国家代表の更識楯無さんです。血は争えないのか、技術はかなりの物。織斑君にどこまで対抗できるか楽しみです。」
「専用機の打鉄弐式は完成したのは2学期とはいえ、織斑君を含めた専用機持ち達の合同訓練でさらに頭角を現しているだけに、織斑君も油断は禁物ですね。なにより、2人っきりの旅行もかかっているだけに、更識さんも死に物狂いで勝ちに行くでしょう。」
 ブッフバルト先生。余計な事言わないでください!
 後ろから、凄まじく冷たくて禍々しい魔○気を、ひしひしと感じるんですから。
『一夏。解っているな…。もし負けたら…。』
 コアネットワークを通じて、箒の殺気に満ち満ちた声が聞こえてくる。
 どうしていつも、俺はこうなるんだ…?
 俺が、何かしたのかよ!?

「2年生決勝戦。始め!」

「行くわよ!一夏!」
 簪が銀竹を一斉に発射する。
 いきなりかよ!
 瑠璃翼から重荷電粒子砲を発射して弾幕を張って、一発残らず叩き落とす。
 しかし、それは目くらまし。
 イグニッションブーストで、幻月を薙刀状にした簪が向かってくる。
「はあっ!」
 薙刀の腕も、去年とは比べものにならない程磨かれている。
 でも、まだ俺には及ばない。
 エネルギーブレードモードの末那識で受け流すと、一撃を加える。
 よし。いい手応えだ。
 しかし、それでは終わらず石突きの部分で攻撃を仕掛けてくる。
 回避すると、拳銃モードの雷切で攻撃を加えてくる。
 次の攻撃への間隔が、短いな。
 予想より、手こずるかな。

「更識さん。頑張っていますね。攻撃と攻撃の間の間隔が以前より、ずっと短くなっています。状況判断においては、デュノアさんとそんなに変わらないようですね。」
「多目的兵装を使いこなすのに最も必要なのは、的確な判断力だからな。あれくらいでないと、完全には使いこなせない。だが、一夏はそれを遥かに上回る。第二形態の白式から使っているからな。」
 真耶の言う通り、簪の状況判断能力は格段に向上しているが、一夏は転入当初のシャルロットを上回り、第二形態で雪羅が兵装に加わった事でさらに磨きがかかり、進化し続ける白式の能力を最大限に引き出すための過酷な鍛錬で日々、磨きをかけてきた。
 簪は善戦しているが、一夏に攻め手を読まれていまだにダメージを与えられない。
 逆に一夏は僅かな隙を見逃さずに、ダメージを与えている。
「まだまだ。小娘達には頑張ってもらわんとな。」
 試合を見ながら、千冬はそう言った。

 よっと。
 幻月の空裂を回避して、末那識の雨月で機動範囲を制限して銀蘭の荷電粒子砲でダメージを与える。
 それでも、全弾直撃とはいかずに曲輪で3割は防がれる。
 かなり、使いこなせているか。
 事と次第によっては、零落白夜を使う必要ありかな。

『やっぱり…、一夏は強い…。』
 打鉄弐式のシールドエネルギーは、既に約4割まで減っている。
 時折、ヒットエンドランで仕掛けてくる近接戦闘で、2人の技術の決定的な差が露呈して、一夏の攻撃を防ぎきれない事が原因だった。
 普段の訓練にしても、一夏と簪たちでは内容の厳しさが違う。
 今の簪たちでは到底こなせない訓練を一夏はこなし、さらに内容をハードにして高みを目指し歩いている。
 IS学園生徒会長は、普通の学校の生徒会長とは重みが違う。
 生徒達の中でも最強であり、事ある時には生徒達の要となる事が要求される。
 一夏は、生徒達どころか学園その物の守りの要として、亡国企業の襲撃を跳ね除けている。
 背負っているものの重みの違いも、2人の実力の差として表れていた。
「それでも、最後まで全力で戦い抜く!!」
 再び銀竹を一斉斉射して、イグニッションブーストで幻月を手に一夏に立ち向かう。

 勝負に出たか。
 今までとは、気迫が違う。
 銀竹を撃ち落とした後に、春雷が襲い掛かって、回避した後に薙刀モードにした幻月を手にした簪が攻めてくる。
 速く、鋭く、無駄がない。
 全身全霊の力を込めて、打ちこんでくる。
 俺は時に受け止め、時に受け流しながら、ダメージを与える。
 そろそろ、終わりだな。

『やっぱり、一夏は凄い…。でも、最後まで全力で戦い抜いて見せる。』
 コンプレックスで自縄自縛になっていた自分を解き放ってくれた一夏に報いる為にも、例え負けるにしても全力で戦って負ける。
 簪は、そう決意した。
『なら、それに応えないとな。』
 一夏は、簪の決意を悟り剣術を修める者として、それに応える為にあえて零落白夜に切り替える。

「勝負!」
 イグニッションブーストで突撃して、間合いに入った瞬間に簪は渾身の一撃を繰り出す。
 一夏はそれをかわして、横薙ぎの一撃を加える。

「勝者。織斑一夏。」
 一夏の優勝が決まった、瞬間だった。

「遂に激闘の幕が閉じました。4組の更識さん。敗れたとはいえ、全身全霊の力を出し切った戦いでした。」
「とても素晴らしい試合でしたね。試合時間は長いとは言えませんでしたが、非常に密度の濃い決勝戦だったと言えるでしょう。本当に見事な試合でした。」
 薫子とヘンリエッテの声に賛同する様に、善戦した簪に割れんばかりの拍手が送られる。

「いい試合でしたね。織斑君相手に、怯まずに全力で立ち向かうなんて。」
「ああ。大した度胸だ。後は、私達がきっちり鍛え上げればいい。」
「はい。」
 オペレーションルームでは、真耶と千冬が簪の善戦を讃えていた。

 予想より、手間取ったな。
 あの、簪がここまで成長するとはな…。
 文化祭の頃を、思い出すととても信じられない。
 ただ、これだけは言える。
 誰でも、頑張れば結果は出せるんだってな。
 だから、これからも頑張ってくれよ。簪。
 俺も頑張るからな。

「簪ちゃん。」
「お姉ちゃん。どうしたの?次、お姉ちゃんの試合でしょう?」
 ピットで汗を拭き、スポーツドリンクを飲んでいる簪の元を、楯無が訪れていた。
「いい試合だったわ。本当に、よく頑張ったわね…。」
 噛みしめるように、楯無は語りかける。
 自分に対してコンプレックスを感じて心を閉じていた妹が、今や学園最強となった一夏に全身全霊の力を出し切って立ち向かっていった姿は楯無にとって、これ以上なく誇らしかった。
「負けちゃったけどね…。」
「そんなの関係ないわよ。勝っても負けても、どれだけ頑張るか。相手に怯まずに、全力を出し切るかが大事だもの。本当に立派だった。さすがに、私の自慢の妹だわ。」
「本…、当…?」
 簪が信じられない言葉を聞いたという風に、楯無を見る。
「当たり前でしょう。簪ちゃんは、お姉ちゃんの自慢の妹よ。ずっと前からね。」
 優しく話しかける楯無に、簪は笑顔を見せる。

後書き
いよいよ決勝戦です。
1年生は、一夏が開発した瑞鶴を駆る蘭と第三世代ISに生まれ変わったアルパクティコを駆るコリーナの戦い。
ユニット換装機能をそのままに、基本スペックを向上させて新規兵装を搭載。
さらに、BT兵器稼働ユニットに白兵戦兵装と射撃兵装を兼ね、サブアーム4基を備えた巨大なアームを搭載したユニットと新型ユニットも登場。
これを駆使した戦いに、蘭は苦戦。
しかし、今自分にできる全ての事と、一夏が自ら開発した瑞鶴の専任としての誇り、そして一夏への想いを力に換えて、蘭が勝利を掴みとります。
次の一夏と簪の試合は苦労しました。
実力の差から考えれば、瞬殺は決定事項。
しかし、それではつまらないので、最初に出会った頃の簪と今の簪の違いをヒントに書き上げました。
切欠となった一夏へ報いる為に全身全霊の力で立ち向かう簪と、それを受け止め手を抜く事なく戦う一夏。
それを見届ける楯無。という構図です。
最後はベタですが、姉妹の会話で締めました。










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