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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第102話 春、麗らかなるか?

<<   作成日時 : 2014/05/17 23:56   >>

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 入学式から2週間が過ぎて、もう4月半ばを過ぎている。
 1年生も、大分慣れ始めたみたいだ。
 にしても、どうして休み時間の度に1組の教室に来るんだ?
 何か、御利益でもあるのか?
 うちの組は、神社じゃないぞ。
 ちなみに、担任は引き続いて千冬姉だ。
 通常だと、千冬姉は1年の担任が恒例だけど、のほほさんが6組に行ったとはいえ俺を含めて9人の専用機持ちがいると、1年の担任をするというわけにもいかないそうだ。
 結果、1年はブッフバルト先生が2年との掛け持ちになる。
 大変そうだな。

「部活動の勧誘がさすがに盛んだけど、特にトラブルは起きていないわね。」
「この段階でトラブル発生じゃ、さすがに堪りませんよ。」
 偶にあるんだけど、新入生勧誘で部活同士のトラブルがあるんだよな。
 特に、人数が少なかったり、実績が少ない部になると有望な新入部員を確保しようと躍起になる。
 トラブルの元は、ほとんどがこれだ。
 そこを考慮して、生徒会メンバーがそれとなく見回りをしたりしているので、今の所は問題ない。

「運動部だと、剣道部が人気あるわね。箒ちゃんがいるし。」
 嘗ての同門で、中学時代は全国大会優勝の経験がある箒は剣道部では最強だ。
 加えて、束さんの実妹で展開装甲を全身に実装した初の第四世代IS紅椿を専用機にしている事もあって、注目の的になっている。
 朝練では居合の稽古もしているが、見学に来た新入生は見事な腕前に感嘆していた。
 一度、稽古で通りがかった俺にもお呼びがかかった。
 いつも通り、国親の太刀に大太刀。
 槍での稽古を披露したが、逆に呆然としていた。
 考えてみれば、どっちも居合で使うには重いし扱いにくいしな。
 俺は、慣れたけど。
 で、その後、剣道部への勧誘が凄かった。
 というか、俺が生徒会長だってこと忘れてないか?
 放課後は鍛錬もあるから、無理だぞ。

 よし、書類整理終了。
 次は、各方面からの報告書に目を通す番か。
 アメリカの亡国企業の勢力が潰れてからは、一応は平穏かな。
 何とか、再構築をしようとしているけど、各諜報機関にFBI等の機関が連携して潰している。
 とりあえず、アメリカは安心して良さそうだ。
 ロバートからの情報も、特に気になるのは無い。
 ただ、南米が気にかかるかな。
 相も変わらず、メデジン・カルテル等のマフィアや犯罪組織の動きが無視できない。
 こいつらとつるまれると、何かと面倒だな。
 とは言っても、奴ら軍隊を動員してもそう簡単に潰せないしな。
 それ以前に、貧困問題がなかなか解消されない結果、マフィアがあちこちにある南米は難しい地域だ。
 故に、奴らが新たな拠点にする可能性がある。
 隠れ蓑の企業を設立して、雇用を生み出せば従業員を盾にも出来る。
 近い内に、手を打つ必要があるか…。
 欧州は、イギリスを中心にして着々と情報網が構築されている。
 その代り、高級ビリヤード台やらオーダーメイドのキューだの、高い買い物をしておく必要が出たけどな。
 イギリスでは、今も社交界がある。
 そういった場所でも、各界の著名人とも話が出来るようにする必要があるから、その方面の投資が必要になる。
 服とかも、その一つだ。
 そっちに、だいぶ金使ってるよな。
 やれやれ。

『ところで、今後どうするつもり?一夏君。』
『今は、学園の事を第一に考えますよ。あれだけ痛めつけられた以上、亡国企業もしばらくはダメージの回復に専念するでしょうから。それに、幹部への尋問から得られた情報を基に、密かに欧州での摘発も進めていますし。』
 射撃訓練中、コアネットワークで楯無さんと今後の方針を検討する。
『それに、空中戦艦が来月に艤装に入りますから。兵装の搬送を指揮しますから、その段取りも決めないと。』
『ああ。そうだったわね。機関部は、どんな感じ?』
『船体より早く、完成しますよ。』
 XM8のマガジンを一つ打ち尽くして、交換しながら答える。
『さすがは一夏君ね。で、どんななの?原子炉?』
『はずれですよ。ま、見てのお楽しみです。』
 といっても、基になるアイデアがあったんだけどな。
 とはいえ、規模がデカいから製造段階でのテストと調整は入念に行っている。
 俺が、今は情報収集だけにしているのもそれが理由だ。
 どんな技術でもそうだけど、僅かな油断が大きな事故を招く。
 科学者は、常にそれを頭に入れておかないといけない。

「ちょっと!いつも思うけど、それって反則よ!!」
 瑠璃翼の重荷電粒子砲を偏向射撃で発射して、様々な軌道を描かせて攻撃を仕掛ける。
 楯無さんは水のヴェールで防ごうとするが、数が多くて全ては防げないので必死に回避する。
 そこに、式神と八竜で攻撃し末那識の連撃を叩き込む。
「このっ!」
 サファイア先輩がウィラジュリを連射して牽制しようとするが、逆に銀蘭の荷電粒子砲でダメージを与える。
 勿論、サファイア先輩が黙っているはずも無い。
 エオラを一斉に発射して、ダーラマランで追撃してくる。
 スキルは上がっているけど、狙いはやっぱ今一つか。
 とはいえ、連携は見事だな。
 俺は式神の半分をエネルギーブレードにして、四方八方からサファイア先輩に攻撃を加える。
「くそっ!極悪すぎるぞ!この攻撃!!」
 ビラングヌルでどうにか凌ごうとするが、確実にダメージが蓄積する。
 ん?そろそろか。
 サファイア先輩がいったん距離を取ると、クリアパッションが発動する。
 俺はそれを利用して、イグニッション・ブーストでサファイア先輩に接近してシールドエネルギーをゼロにする。

「しまった!一夏君は、これができるのを忘れてた。」
 クリアパッションを利用しての、イグニッション・ブースト。
 国家代表クラスでもリスクの高い賭けになるが、一夏は普通にやってのける。
 嘗て、勝負を挑んだ際にそれで敗れた事を、楯無は失念していた。
「それじゃあ。そろそろ。」
 牽制されていた楯無のダメージも、少なくない。
 その後の、一夏の近接戦闘では30秒程度しか持たなかった。

「凄い…。」
「これが、織斑先輩…。学園最強の生徒会長の実力…。」
「ブッフバルト先生は、前回のブリュンヒルトなのに…。ほとんど互角…。」
 楯無とサファイアとの模擬戦を終えた一夏は、ヘンリエッテとの模擬戦を行っていたが、模擬戦が行われているアリーナには新入生が詰めかけていた。
 前ブリュンヒルデのヘンリエッテと、学園最強の一夏。
 2人の凄まじい実力の前に、全員が圧倒されていた。
 縁覚とシャイネンランツェでの壮絶な、一騎打ち。
 2人は一旦距離を取ると、一夏は式神を。
 ヘンリエッテはシグルーンを展開し、再び打ち合う。
 オーストリアでゲイルスクゲルのデータは徹底的に解析されて、今は10基まで同時使用が可能となっている。
 それを最大限に活用して、24基の式神と渡り合っている。
 その間も、激しい打ち合いになっていたが一夏が押していた。
『習志野での手合わせの時より、さらに成長している。どれだけの潜在能力を持っているのよ…。』
 新型シールド「ヒルドル」の荷電粒子砲を発射しながら、シャイネンランツェのレーザーで弾幕を張る。
 一夏は、回避しながら星彩が生み出す幻影をうまく活用しながら、さらに押し込んでいく。
「そこまで。織斑。そこまでにしておけ。」
 その日は、軽めのトレーニングの日だった。

 ふう。自分の実力が底上げされたのは実感できるけど、ブッフバルト先生も腕を更に上げているな。
 さすがに、前ブリュンヒルデ。
 真剣勝負になったら、どうなるのかね?
 千冬姉とペアでの戦いでは俺が勝っているけど、あくまで模擬戦だからな。
 全身全霊の力を出し尽くしての真剣勝負は、まだしたことがない。
 まだ、早いのかな?
 いずれにしても、俺は自分を伸ばすだけだ。
 亡国企業との本格的な戦いも、そう遠くないだろうからな。
 少しでも、腕を上げないと。

「織斑。夜、お前を食事に誘いたいという人間が出てきた。連中絡みらしい。行って来い。」
 誰だ?
 連中絡みの話となると放っておけないが、事前に連絡位はして欲しかったな。
 極秘に場所をセッティングしたのは、解るけどさ。
 ある程度の、予想はつくけどな。
 できれば、DIAのドノバン長官は御免願いたいな。
 はっきり言って、会いたいとは思わない。
 会っちゃったらしょうがないけどな…。

「で、誰なんですか?織斑先生。どこかの軍需産業の重役とかじゃないですよね?」
 シーメンス事件さながらの大汚職事件が起きたのが昨日の今日なのでよもやないだろうと真耶は思ってはいるが、やはり一抹の不安があった。
「心配するな。そういう事ではない。一夏の身辺警護の事で、少し話し合いがあるらしい。」
「増えるんですか?」
「詳しくは知らん。だが、微妙に意味合いは違うらしいな。」
 真耶の疑問に答えながら、千冬はいつも通りに書類仕事をしていた。

 俺は、学園近くのメガフロートにある空中戦艦の機関製造ファクトリーにいた。
 機関が組み上がったので明日から最終チェックと調整に入るが、ある程度はやっておきたかった。
 何しろ、今まで誰も開発したことが無い機関だ。
 理論と設計には自信があるが、最後まで気は抜けない。
 ディナーの準備があるからあまりできないけど、それでもやれることはそれなりにある。
 さてと。まずは初期機動のチェックから始めるか。
 端末からコマンドを入力すると、機関が始動する。
 よし、出力の上昇は順調だな。
 各部にも、問題はない。

「バルト法務局長。あなたでしたか。」
 指定されたフレンチレストランのVIPルームで俺を待っていたのは、IS委員会法務局長にして国際法の世界的権威。
 フルドリッヒ・バルト博士だった。
「日本の大学での講演の依頼で、来日しておりましてね。それに、特別顧問にも会う用事がありましてな。ま。その前に、食事をしましょう。」
 シャンパンで乾杯してから、フルコースが始まる。

「で、私に会うご用件とは…?」
 食後のカフェオレを飲みながら、俺は博士に訊ねる。
「貴方の、身辺警護についてです。それから、南米の調査の中間報告ですな。」
「後者はともかく、前者はどういうことでしょうか?」
 俺の身辺警護には、楯無さんにラウラ。
 更識家のSP、ワルキューレが当たっている。
 殊更増やす必要があるとは、思えない。
 それに、俺にばかり護衛を裂くと委員会の本部が手薄になる。
 勿論、直属のIS部隊がいるからそう簡単に遅れは取らないだろうが、これ以上増やすのは俺は反対だな。
「ああ。言葉が足りませんでしたな。ミスサラシキが生徒会副会長の関係から、いつも学園を空けるわけにはいきませんので、代行を務められる人材を派遣しようという事が決定したのです。プラス学園の守りも固める必要があると考えました。貴方の懸念は、本部が手薄になる事でしょうがそちらは問題ありません。ご安心ください。まあ、例のISの実戦データの収集もしたかったのでね。」
「ああ。あれですか。成程。訓練と実戦では、違いがありますからね。」
 IS委員会には、直属の研究所がある。
 自由国籍となった優秀な科学者が、日々、委員会直属のIS部隊の改修や新規開発の為の研究を行っており最近になって、新型ISが完成してテストが繰り返されていた。
「パイロットの腕も保証いたします。元軍人で、フランス陸軍第13竜騎兵落下傘連隊の元大尉ですからな。」
 フランス国籍から自由国籍になった、ISパイロットか。
 楯無さんみたいに、自由国籍になるISパイロットも少なくない。
 より、自分が活躍できる国に行く為だったりとか、始めからIS委員会直属部隊を目指す為だったりとか理由は様々だ。
「元特殊部隊所属ですか。事務処理能力は?」
「そちらも、心配はありません。」
 成程。それなら、問題ないかな。
 ラウラはシュヴァルツェハーゼ隊長としての任務もあるから、それを考慮すると俺や楯無さんの代行ができる人材は欲しいな。
 IS委員会直属なら。問題はないだろう。
 生徒会が関わる亡国企業関連の情報は、のほほんさん達を加えるとD〜Sのランク付けがされる機密情報の中でもAAクラス。
 俺と楯無さんは、Sクラスの最重要機密だ。
 普通の生徒を生徒会に入れるわけにはいかないし、かといって今のままは問題がある。
 正直、俺も頭痛の種だったんだよな。
「こちらが、データになります。」
 差し出されたメモリーカードを端末にセットして、データを呼び出す。
 成程。これなら、問題はなさそうだな。
「お手数をお掛けします。」
 俺に関わる事だからな。面倒を掛けた事については謝罪しておかないと。
「ああ。いえ。こちらでも、以前から議題になっていましたから。それから、貴方の昇進が正式に決定しました。少将にね。」

 …………。

 ……………。

 は…?

 何ですとーーー!?

 何で、いきなり少将なんだよ!?

 いや…。落ち着こう…。

「理由をお聞かせ願いたいのですが…。」
 まさか、理由なしの昇進なんてありえないからな…。
「海自の大型護衛艦並びに、委員会の空中戦艦の設計の功績。学園受験の際の亡国企業との戦いにおける戦果。これらを考えた場合。昇進させないわけにもいきません。加えて、今後同様の事態が起きた場合、各国の軍との共同作戦の際に、貴方がいい様に使われないための措置でもあります。本来なら、中将といきたいところですが、一気に二階級特進とはいきませんので今は少将に留めます。」
 つまり、時期を見て中将に昇進かよ。
 要するに、各国が自分達だけだと対処できるか不安を感じ始めた訳か。
 アメリカや日本みたいに、軍備を拡張できる国ばかりじゃないからな。
 だからこそ、地域ごとに各国の軍が協力し合って受験生を日本まで護衛したわけだからな。
 加えて、他国じゃ空中戦艦を建造できるだけの技術は無いか。
 あれを運用するだけの動力システムは、さすがに厳しいか。
 以前、核エンジンを搭載した軍用機が計画されたが、飛ぶたびに放射能を撒き散らす危険物でしかなかったからな。
 原子炉が駄目となると多数のPICしかないわけだけど、出力が足りないか。
 と、その前に確認しないと…。

「博士。空中戦艦の実質的な指揮官は…。」
「無論。少将になります。」
 やっぱりそうか。
 折を見て、艦長達とは話をしておかないとな。
 やれやれ、忙しいな。
「それから。こちらが南米の中間報告になります。」
 資料を受け取り、俺は寮に戻った。

「織斑君。昇進おめでとうございます。」
 一応めでたいこと(?)なので、山田先生がお祝いの言葉を言ってくれる。
 俺の将校用の軍服は、既に寮に届いていた。
「つくづく前代未聞だな。まさか、学園の生徒がIS委員会直属とはいえ少将になるとは思わなかったぞ。」
 千冬姉が、苦笑しながら言う。
 俺なんか、ちょっとパニクってるけどな。
「ああ。そうだ。これ、組織再編の真っ最中ですけど、アメリカの各諜報機関が南米における調査の中間報告を纏めてくれたので目を通しておいてください。」
「はい。」
「解った。」
 コピーしたメモリーカードを、俺は2人に渡す。
「それから、聞いているかもしれませんが…。」
「例の転校生は、3組に転入させる。5組は準専用機持ちの鳴島だ。これで、戦力的には形は整った。」
 実を言うと、3年生の方も各クラスに専用機持ちか準専用機持ちが必ず1人はいる。
 去年みたいなことがあっても、対処はきちんとできる筈だ。
 ディースが出てきたら、俺やラウラ。楯無さん達が中心になるけどな。
「明後日には、転入生も来る。初日で、お前自身が腕を確かめろ。いいな。もう、夜も遅い。お前は早く寝ろ。来月にはクラス対抗戦がある。準備もあるのだからな。」
「はい。」
 その前に、資料に目を通しておくか。
 明日には、会議を開きたいし。

「これは、ちょっと困ったものね。南米が不穏だと今のアメリカだと対処がきちんとできるかどうか…。」
 危機と書かれた扇子を広げ楯無さんが、苦い表情をする。
 翌日。千冬姉たち武装教官と生徒会メンバーに、ラウラを加えての会議が開かれていた。
「只でさえ、亡国企業の手の者が拘束された後の組織の再編成で、アメリカはてんやわんやだ。何かあった時に、実際に対処するのは難しいだろう。全盛期に比べれば下火になったとはいえ、FARC(Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia:コロンビア革命軍)にELN(Ejercito de Liberacion Nacional:民族解放戦線)といった左翼ゲリラ。極右のAUC(Autodefensas Unidas de Colombia:コロンビア自衛軍連合)。加えて、壊滅したとはいえ、麻薬組織のメデジン・カルテルにカリ・カルテルは、転移した癌のような状態になっている。FARCは、南米各国に触手が伸びている。つけこむ隙は十分にある。」
「他にも貧困問題が原因の内戦に麻薬組織が、あちこちにあるからな。報告書を見る限りでは、連中の手が伸びつつある。放置はしておけない。」
 俺の意見に皆も賛成しているが、打てる手はほとんどない。
 拠点殲滅用の追加パッケージやオートクチュールを装備すれば、潰すのは訳もないが、ISの軍事使用はアラスカ条約で禁じられている上に、ハーグ陸戦条約に照らし合わせても問題が出るだろう。
 嘗ては、軍隊に所属しないゲリラや民兵には適用されない傾向だったが、ベトナム戦争以降は通常の軍隊と同様に扱うという潮流になった。
 ところが、9・11テロ以降のテロ多発の結果、この流れはほとんど無視される傾向が少なからず見られる。
 事と次第によっては、これらゲリラや麻薬組織の殲滅にIS部隊が投入される可能性もあるのではと、俺は見ている。
「織斑。南米若しくはアメリカが、IS部隊を動員する可能性はあると思うか?」
「完全に無いとは、言い切れないでしょう。アメリカはテロリストと見なしている相手には、容赦はしません。南米に於いてISを所有する国家も、内政の成果とアピールする絶好の機会。警察に出向させた上での作戦として、軍事作戦ではないという主張をする可能性もあるかと。尤も、その前に各国が納得するかは別問題ですが。」
「だが、状況次第ではやりかねんな。」
 千冬姉が俺の答えを聞いたうえで、可能性を懸念する。
「しかし、そんな事をしたらISを使用した大量虐殺という歴史上の汚点を残す事になります。私には、考えづらいのですが…。」
 山田先生が意見を言う。
「訓練中に、攻撃を受けやむなく反撃。結果として殲滅した。というシナリオを用意する可能性もあるかと。それに、構成員を全滅させなくても、ボスと幹部を始末すれば、組織は朽ち果てます。そして、ISの戦闘力をまざまざと見せつけられて萎縮した構成員を逮捕。というシナリオも書くことは可能です。向こうは、麻薬取引で得た莫大な利益で対戦車ロケット等も所有していますから、正当防衛を主張するのも不可能とは言い難いですし。」
 ないとは言い難いのが、厄介な所だな。
 入念にシナリオを書けば、不可能じゃないとは言えない。
「織斑。何か、策はあるか?」
「一つ。無くもありません。」
 千冬姉に促されて、俺が考えた対抗策を話す。

「成程。その手があるか。本腰を入れさせるのは骨が折れるが、行動を起こしてくれ。私も動く。」
「解りました。」
「では、会議を終了する。ご苦労だったな。」
 さて。準備に取り掛かるか。
 にしても…。
「麗らかな春とはいきそうにないな…。」
 校庭に咲く桜の木を見ながら呟いて、俺は鍛錬の仕度をしに部屋に戻った。

後書き
入学式が終了して、一夏の方は、相変わらず忙しいですがIS学園は今は平穏その物。
ですが、国際社会は不穏なまま。
アメリカがやっと掃除できたのに、アメリカの裏庭と言われる南米は不穏な気配。
まあ、近代史を見ると安定させようとして物の裏目に出たケースもありますがね。
根本にある貧困問題が解決しなかった結果として、マフィアが根絶できないという非常に難しい問題もあります。
最近では、ブラジルでW杯に対する反対運動があったりしますが、これにも貧困問題が絡みます。
そして、生活が苦しく二進も三進もいかなくなってマフィアの構成員になるという流れが存在します。
それですまなくなり、政治にも影響力を持ったりしたりします。
一夏が頭を悩ませる点は、そこでもあります。
そして、重火器を装備している為に、国軍を動員しても殲滅は難しい。
これには、アメリカも協力していますけど、完全に成功とは言えません。
例えるならば、癌手術で一見成功してもあちこちに転移したような結果になってしまうんです。
結局、また対策を練らなくてはならない。
それに対して、一夏は何か手を考えているようです。
果たして、何でしょうか。
ちなみに、核を推進力とした軍用機の計画は実際にあって、飛行試験も行われましたが周囲を核汚染しかねないので結局中止になりました。
にしても、少将ですか…。
いろいろと、一夏も関わることが多くなりそうです。
ですが、アシストできる人材が、少々足りない気がしますな。
こっちはこっちで、無視できない問題です。










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