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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第101話 新学期

<<   作成日時 : 2014/05/11 00:00   >>

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「事前に資料を拝見させていただきましたが、予想以上に順調ですね。」
 横浜の造船所アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドを訪れた俺は船体の完成度を見たが、予想以上に捗っていた。
 IHIが、東京からも出来る限り工員を呼び寄せたのもあるがHEGも一役買っている。

「弊社のHEGは、お役に立っていますでしょうか?」
 開発の指揮を執った人間として、最終確認は取っておきたいので訊ねることにした。
「こちらの予想以上です。今回は試験導入ですが、本格的に導入されればさらにスピードは上がるのは間違いありません。様々なオプションが用意されていますので、可能な作業が多いのは大いに助かっております。」
「それを聞いて、安心しましたよ。」
 拡張性を確保しつつ、様々なオプションで多くの作業に対応できるようにするというのがHEGの設計コンセプトだけど、間違っていなかったな。
 各地で作られた船体のパーツが、組み上がっていく。
「我が社も今回の発注には、力を入れています。何しろ、基準排水量30000t以上の大型護衛艦。しかも、日本では初めての三胴船でステルス性も強く意識されていますからね。」
 三胴船は、アメリカの沿海域戦闘艦インディペンデンス級にも採用されていて、甲板面積が広くとれるけど、左右の船体があるので中央船体が艦の全幅に比べて幅を抑える事が可能で、推進時の抵抗を軽減することが出来る。
 けれど、構造が複雑になるのでコストが高い。
 設計する時には、従来の単胴船にするかどうか迷ったけどあのデカブツを相手にする以上、速力も可能な限り欲しかったのでこの構造を採用した。
 さらにステルス性も可能な限り追及して、艦上構造物。
 特に艦橋と煙突は一体化させて、突起物も極力無くしている。
 レーダーは、多機能レーダーとしてはるな型ミサイル護衛艦に搭載されているFCS−4レーダーを大幅に改良したFCS−4Aが順調に製造されている。
 その他の航海用レーダーに通信アンテナも、形状には工夫を凝らしている。
 その分、製造メーカーには苦労を掛けちゃってるけどな。

「現在、つくば型全4隻の進捗度はほぼ同様です。どの艦も順調に建造が進んでおります。進水及び竣工も、当初のスケジュール通りにいくと見て間違いないと考えます。」
「そうですか。設計者としては、ほっとしていますよ。」
 本当は、こっちにつきっきりでいたいんだけどな。
 本音で言えば、こんな馬鹿馬鹿しい計画に携わるのは真っ平御免だ。
 戦艦なんて、汎用性のない艦艇を建造する位なら。
 護衛隊群を増やす方が、よほど効果がある。
 後は、ISやVTOL機双方の運用を大前提とした、空母の建造をするべきだ。
 大型空母の建造の経験こそない物の、ISが配備されたことによりひゅうが型は全通甲板式の小型空母への改装が行われ、いずも型は当初から小型空母として建造されている。
 今回のつくば型の建造費用を当てれば、さらに大型の空母が建造可能だ。
 今更言っても、仕方ないけどな。
 その代り、砲熕兵装には特殊な重レーザー砲に誘導砲弾を採用した127mm砲。
 対空戦闘を強く意識した76mmm砲にCIWSを搭載して、VLSも120セル搭載している。
 装甲は改良された強化微細粒子複合装甲を採用し、傾斜装甲にしているのでカタログデータ以上の防御力を備えている。
 勿論、ダメージコントロールも様々な工夫を凝らしている。
 日本側としても、できうる限りコンパクトな設計にしたかったのでその要求に沿いながらも、可能な限りの兵装を搭載した。
 はっきり言って、傍迷惑この上なかったんだろうな。
 最初の技研での打ち合わせの時に、どこかうんざりしたような表情だったし。
 その後は、進水後の艤装に関しての打ち合わせをして、東京湾にある飛鳥グループのドッグに向かった。

「前例がありませんでしたからね。苦労はありますが、織斑特別顧問の技術指導で建造は順調に進んでいます。」
「ご苦労をおかけして、申し訳ないと思っております。」
 SFじゃああるまいし、まさかこんなのを建造してくれなんて依頼が来るとは思わなかったからな。
 苦労なんて、ダース単位であるだろうな。
 おまけに、追加要求まで来るし。
 勘弁してくれよ。
 クルーの訓練、楽じゃないんだぞ。
 持ってる知識、あれこれいろいろ使って解決したけどとにかく疲れた。
 ドッグでは、船体の建造が着々と進んでいる。
 こっちも、予想以上に進んでいるな。
 にしても、よく建造費を調達したもんだ。
 アメリカが、相当精力的にロビー活動していたことは聞いていたけど、あれってはっきり言って恐喝かカツアゲに近くないか?
 あのデカブツの脅威を煽りに煽って、「資金を提供しないと、どうなるか解っていますか?」だぜ。
 中坊かっつーの。
 で、例のごとく日本は大量に資金提供をする事になった。
 ATMじゃねえんだぞ。
 日本は。
 もう計画は動いているから、今更どうこう言っても仕方ないけど。
 とにかく、きちんと竣工する様に俺も頑張らないと。
 これで、「竣工しませんでした。」じゃ、納税者が納得しないしな。
 設計チームを指揮した俺にだって、技術者としての意地と誇りがある。

「お忙しい中、わざわざお越しいただきありがとうございます。」
 技術者から説明を受けていると、飛鳥商事の会長。
 つまり、菫の親父さんが来た。
「いえ。私が責任者ですから、当然です。会長こそ、お忙しい中ご苦労様です。」
「いやいや。受注した以上は、他人任せというわけにも行きません、グループ総帥として当然の事です。」
「そうですか。」
 ビジネスをしていてよく思うんだけど、俺達って結構似た物同士だったりする。
 ワンマンという訳じゃないけど、関わっている全ての業務の報告を必ず受けて進捗を頭に入れている。

「それにしても、こういった物まで建造されるようになるとは、技術も進みましたな。」
 建造中の船体を見て、会長が感慨深い口調で言う。
「そうですね。私個人としては、自分がこういった物に携わるとは思ってもいませんでした。」
 あの時、バイトを引き受けていなければ、俺は普通の高校生として過ごしていただろう。
 ISに乗る事も無く、設計をする事も無く、ごく平凡な高校生として。
 ま。束さんの事だから、他に手を考えていたことは疑いない。
 絶対に、俺のIS適性を確認しただろうな。
 只、様々な分野に携わる技術者。
 何より、医者になるなんて考えてもいなかった。
 そして、政治の世界でも仕事をしている。
 世の中、何が起こるか解らないな。
「失礼します。特別顧問。兵装の搬入スケジュールについてですが…。」
 艤装グループの責任者から、スケジュールについての説明を受ける。
 ちょうど、船体の完成と同時期か。
 機関に関しては、俺の担当だが順調に進んでいる。
 学園の近くに、メガフロートの空きがあったので助かったぜ。
 今はメガフロートの実用化で、海沿いに短期間でファクトリーを作ることが可能だ。
 土地さえあればビルやファクトリーは、さらに短期間に作れる。
 おかげで、こっちは大助かりだ。
 アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドでもそうだったけど、こっちでもHEGは大活躍だな。
 もうすぐ、免許の交付試験が始まる。
 世の中の役に立ってくれることを、切に願うよ。
 その為に、色々と工夫もしているからな。
 ちなみにHEGでは、別に進めているプロジェクトがある。

「そう言えば、間もなく入学式のシーズンですな。」
「ええ。生徒会でもほぼ準備は追えています。」
 ここまでこぎつけるのも、本当に大変だったな。
 倍率が3万5千倍だったから、安全を確保するために安保理で会議が開かれて各国の利害調整をして、本当に苦労した。
 その上、蘭達新入生の専用機持ち4人の事もあったしな。
 ここまでいろいろあった入学式の準備って、無かったんじゃないかな?
 亡国企業も、本当に迷惑な連中だよ。
 とっとと、壊滅させたいね。
 アメリカからは叩きだして、各機関との連携も確立。
 もっとも、この段階でもいろいろ苦労があったけどな。
 予想通りというべきかなんというべきか、DIAとNSAは大分険悪な雰囲気だったな。
 あの長官。
 そんなに、周囲が従順でないと嫌なのかね?
 あそこまで行くと、見ているこっちまでうんざりする。
 あまり、期待しない方がいい。
 その代り、ロバートが潤滑油になってFBIにCIAとは、良好な関係を築けた。
 これは、大きな収穫だ。
 今、偽装した分室を日本に置く準備が進んでいる。
 集まる場所は、慎重に選ぶ必要があるな。
 それは、こっちで考えておこう。

「では、私はこれで。今日でしたな。心より、お待ち申し上げております。娘も喜びますから。」
「こちらこそ。楽しみにしております。」
 会長が本社に戻る際に、俺達はそんな会話をした。
 というのは、以前から話があった菫の家へのお泊りの都合がやっと着いたからだ。
 先週は、緊急オペが舞い込みまくって俺が働きづくめだったことから病院は非番。
 落下事故で、脳の神経細胞がかなりやられて大きな血腫ができた患者さんのオペは14時間掛かったからな。
 幸い、術後感染も無かったし脳圧も安定。
 順調に回復している。
 他にも、とにかく大変な手術に重傷の交通外傷の患者さんが、沢山運ばれてきた。
 何でも、やばそうだったらうちの病院に打診するのがデフォルトになっているらしい。
 何でさ?
 ま。さすがに、何かあったら必ず連絡する様に、念は押しているけどな。

「一夏さん。ようこそお出で下さいました。姉君様も。」
「お招きありがとう。これ。」
 俺は、持ってきた花束を渡した。
「ありがとうございます。さっそく飾って。」
「承知しました。奥様。」
「会長夫人。本日は、お招きいただきありがとうございます。」
「こちらこそ。お忙しい中、当家にお越しいただきありがとうございます。夕食の用意は整っていますのよ。こちらへどうぞ。」
 会長夫人が、食堂へ案内する様に使用人の人達に言う。
「これは、お二方。ようこそお出で下さいました。」
「お招きに応じさせていただきました。会長。」
「いや。我々家族の我儘を聞いていただき、ありがたい限りです。さあ、行きましょう。」
 俺と千冬姉も、亡国企業対策やら色々あって気を張り詰めてたからな。
 昨日の冬菊のご家族との食事も含めて、久方ぶりに和やかな雰囲気で食事を楽しめた。

「さて。社外取締役には菫のお相手をしていただいて、姉君は我々とお話でも如何ですかな?」
「そうさせていただきます。一夏。菫さんのお相手をきちんと務めろよ。失礼の内容にな。」
「解った。」
「さあ。一夏さん。行きましょう。」
 菫に腕を引っ張られて、俺は食堂を出た。

「本当に、弟君には何とお礼を言えばいいのやら…。あんなに毎日を朗らかに過ごす娘の姿を見れるなど、つい最近までは考えてもいなかった…。」
「本当に、ありがとうございます…。」
 菫の両親が、千冬に深々と頭を下げる。
「ああして、菫さんが毎日を健やかに過ごしている。それが、弟にとっては何よりの報い。以前にこう言っていました。「医療機器の開発に携わったり、医師として人の苦しみを癒す事を義務としているのは偶然だけれど、それで救われる人がいるのは、何より嬉しい。」と。ですから、いつまでも恩をお感じになる必要はありません。それに、弟はああ見えてシャイなところがありますので、照れてしまうでしょう。」
「成程。そう言えば、夕食の際にもそのようなところが見受けられましたな。謙虚というか、どこか初々しい所がおありですな。」
 どこか納得したように、飛鳥会長が頷く。
「でも、そこがとても好感を持てますわ。謙虚で、誠実で、優しくて。学園でも大変に慕われているとか。そのせいか、娘が時々会えなくて寂しそうにしていますわ。携帯に弟君の電話番号とアドレスを入力した際の嬉しそうな顔は、今でも昨日のように思い出せます。」
 コーヒーを一口飲んでから、嬉しそうに会長夫人が言う。
「弟も、菫さんが初めて連絡をしてきたときは、嬉しそうに話をしていました。自分のしたことが、誰かを救っている。その事実を噛みしめていたのでしょう。最近は、お礼の手紙を大分貰っていますが、そちらも嬉しそうに見ています。」
 話している千冬の顔は、どこか誇らしげだった。
『さて。どちらかの姫君と添い遂げるのか?一夏。双方とも本気だぞ。』

 菫の家に泊まった、次の日。
「来賓と、新入生の親御さんのリスト。お願いします。」
「は〜い。」
 俺はのほほんさんからリストを受け取ると、セキュリティシステムと照合しながら最終確認をする。
 連中が紛れ込まないとは、言い切れないからな。
 終わるまで、気が抜けない。
 何しろ。世界中から生徒が入学してくるから、空港警察や港湾警察との連携も必要になる。
 既に、SATチームが密かに配備されることになっているし、特殊作戦群からも警備に人が回されている。
 そして、IS委員会直属の特殊部隊が俺の指揮下に入っている。
 各国から選りすぐりの精鋭を集めて組織された特殊部隊、“ワルキューレ”。
 俺が荒事にも関わる機会が増えた事で、俺の指揮下に入っている。
 これらの人員に、人工衛星、俺特製のステルスUAVを3機で、警戒網を敷く。
 絶対に、手出しはさせない。

「どうだった?」
「まるで不明。一つ言えることは、蟻一匹入れない程厳重な警戒網を敷くだろうって事ね。」
 ケートスの中で、エムの質問にうんざりしたような表情でスコールが答える。
「手出しは無理か。」
 スノーが、不機嫌そうな顔になる。
「アメリカは潰されたし、再構築するにも各諜報機関の目が厳しすぎる。今は、何もしないが吉という事ね。」
 スノーを宥めるように、スコールが言う。
 事実、アメリカも二度と国内を亡国企業に侵食されないように、国家の威信を掛けて監視網を敷いている。
 互いに競争意識はあるものの、概ね連携も出来ていた。
「幹部グループが捕まった事で、根こそぎやられたからな。残りは欧州か…。尤も、そちらは相当に骨だがな。」
「そうね。今の所は、大丈夫だと思う。今は、織斑一夏対策をどうするか。それに労力を割くべきね。」
 エムとスコールの言葉で、今後の実動グループの方針が決まった。

 そして、入学式の日が来た。
 校門では、親御さんを含めた来賓の確認が行われている。
 周囲には、密かに各方面から動員された人員で、警備が二重三重に敷かれている。
 俺は、状況を確認しながら指示を出す。
「どうだ?織斑。」
「今の所、問題は起きていません。念の為にワルキューレも展開させていますが、この様子だと襲撃がない可能性が結構高いかと。但し、油断は禁物ですが。」
 去年のクラス対抗戦から、ありえない状況のオンパレードだからな。
 何が起こるか、見当もつかない。
 専用機持ちと準専用機持ちに、山田先生達も臨戦態勢だからゴーレムは問題ないにしても、ディースにあのデカブツが来るかもしれない事を考慮すると、安心はできないな。

「織斑君。ご苦労様です。」
「山田先生。ご苦労様です。今の所、平穏ですね。にしても、1年生の専用機持ち、各クラスごとにばらけましたね。」
「去年が、イレギュラー過ぎましたからね。今年は事前に解っていましたから、1名ずつ振り分ける事が出来たんですよ。この方が、皆さん腕を磨きやすいですからね。」
 それは言えてるな。
 IS学園は、クラス替えが無い。
 2年生に進級する時に、整備科として6組に移って元の6組の生徒は他のクラスに振り分けられるくらいだ。
 結果、極めて異例だけど、整備科にのほほんさんが専用機持ちとして在籍している。
 これは、ちょっと面白いぞ。
 クラス対抗戦に学年別対抗戦は、整備科も参加するからセシリア達はのほほんさんと対戦することにもなる。
 さて、どうなるかな?
 習志野に行ってからも、皆、頑張っているからな。
 ちなみに、今年の新入生の専用機持ちは、1組には蘭。2組にはコリーナ。3組にはシャーリー。4組にはレイラになった。
 まさか、5組と6組に来ないよな?
「織斑。始まるぞ。」
「はい。」
 俺は在校生代表として、祝辞を述べることになっている。

 新入生が体育館に入場して、理事長の祝辞に各方面からの祝電の披露と入学式はとどこおりなく進んでいる。
 その間も、俺は警備状況の報告を逐次聞いている。
「在校生祝辞。生徒会会長織斑一夏。」
 おっと。出番だ。

 一夏が壇上に上がると新入生たちが一斉に一夏を見て、次の瞬間見惚れた。
 強い意志を宿した、真っ直ぐな瞳。
 端正な顔立ち。
 太腿の半ばまで伸びた、最上級の絹糸を星々が輝く夜空で染め上げた様な艶やかな黒髪。
 余計な贅肉は一欠けらも無く、しなやかで色気を感じさせる肢体。
 絶世の美少年。
 つい最近になって、ようやく取材やグラビア撮影に僅かながらも応じて、ファンの数はかなりの物になる。
 そして、世界でも5本の指に入る屈強のISパイロットにして、天才科学者。
 若き、天才医師。
 年頃の少女たちを魅了する物を、幾つも兼ね備えているのが一夏だった。

「新入生の皆さん。御入学おめでとうございます。この春麗らかな日に、このIS学園を新たな学び舎とする皆さんをこうして迎えることが出来て、私の心は喜びに満ちています。これから3年間。皆さんは、ISについての勉学に励む日々を送ることになります。御存じのとおり、この学園は全寮制です。国内だけでなく国外からも、親御さんの元を離れて暮らす事に様々な思いがあるでしょう。そして、それは親御さんたちも同様であると考えます。しかし、学園には、多くの在校生と先生たちがいます。先生たちは、暖かく皆さんの不安や悩みの相談の相手になってくれます。私達在校生も、先輩としてできうる限りの事をさせていただきたいと思っています。慣れない環境で、時に戸惑い、不安に思う事もあると思いますが、そんな時は、遠慮なく周囲を頼ってください。皆さんが安心して、そして、多くの良き思い出を作れるように、私達も力になります。皆さんの3年間が、実りある物になることを祈らせていただき、祝辞とさせていただきます。在校生代表。織斑一夏。」
 壇上で一礼して、一夏は祝辞を終える。
 その後、何事も無く無事に入学式は終わった。

 ふう。無事に終わったか。
 何事も無くて、本当によかったよ…。
 色々あって、準備も慌ただしい所があったからな。
 そんな事を考えていると、校庭に咲いている桜の花が目に映る。
 そういえば、去年の今頃も綺麗に咲いていたっけ。
 けど、去年は男は俺1人。
 綺麗だなんて感じている余裕は、無かったな。
 っと、風か。
 風になびく髪を片手で抑えて、風が運ぶ桜の香りを少しの間俺は楽しんでいた。

「ねえ。あれって、織斑先輩よね。」
「本当だ。」
「綺麗な髪。それに凄い美形。」
「絵になるわよね。」
 それぞれの教室に行った新入生たちが、校庭の桜の傍にいる一夏を見る。

「ねえ。五反田さんて、織斑先輩と昔からの知り合いなのよね?」
「お兄と一夏さんが、中学の時友達だったから。それでね。昔から、素敵だったよ。成績も運動神経も学校で並ぶ者なし。昔は髪は短かったけど、その時はその時で恰好よかったし。」
 1年1組では、蘭がクラスメイトと一夏の中学時代について話していた。
「いいなあ。お互いに知り合い同士で、専用機は織斑先輩のお手製でしょう。」
「あたしも欲しいなあ。織斑先輩お手製のIS。」
「私も。」
『えへへへ。今さらだけど、嬉しいな。』
 一夏が自ら開発した第三世代IS瑞鶴の専任操縦者であることを、蘭は改めて嬉しく思っていた。
『けど、勝負はここからだよね。』
 全校生徒の憧れの的である一夏を巡る、恋の争い。
 勝つのは容易でない事は、重々承知している。
 それだけに、蘭は気を引き締めていた。

後書き
アメリカの大掃除に、つくば型大型護衛艦に空中戦艦の建造状況のチェック等々多忙な日々を過ごす一夏。
そんな中、桜舞う季節になり、いよいよ新入生が入学。
書きながら、私は高校の入学式を思い出していました。
地元から大分離れていまして、私の中学から入学した前例はほとんどなかったことからちょっと浮き気味でしたね。
このままではいかんと思いまして、自分から積極的に友人を作って行きました。
入学式から、かれこれ20年以上。
歳食ったなあと思う、今日この頃です。
今の所、亡国企業は一夏を中心とした備えに打つ手なし。
このまま、平和な日々が続くでしょうか?














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