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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第34話 Requiem to the past Phase1

<<   作成日時 : 2014/04/28 23:42   >>

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『情報は、揃った…。』
 ソフィは部屋にこもって、情報整理をしていた
 バハマからパリに来てから、日野木から渡されたUSBメモリーを調べてみたが、国際レベルの傭兵市場の動きがぎっしりと詰まっていた。
 そして、その中には巧妙に隠された少年兵の売買情報が、詳細に記されていた。
 さらに、ブックマンからも陳の所に来た組織の人間に関する調査結果が届いた。
 そして、とうとうソフィを誘拐し少年兵にした組織の割り出しに成功したのである。
「アルバニアか…。少年兵はいないけど、近くに火種があるし。経済は低調。アルバニアンマフィアとよろしくやって、役人に鼻薬を嗅がせればごまかしようはあるか。認めたくないけど巧妙だね…。」
 コーヒーを飲みながら、ソフィは複雑な表情になる。
 アルバニアは、共産圏の国家。
 つまりは東側の国家だが、事実上の鎖国状態で非常に特異な国でもある。
 エンベル・ホッジャを指導者として共産圏の盟主旧ソ連を仮想敵国とし国民皆兵制を定めて、各地に大量のトーチカを建造。
 軍事優先主義を、ひた走って行った。
 だが、それも反政府デモによって終焉を迎えて鎖国体制も解かれ開放政策へ転換してはいるが、未だに経済を含む国の状態は不安定である。

 さらに、アルバニアンマフィアの存在がある。
 共産主義時代から、氏族社会の影響で存在したアルバニアンマフィアは開放政策への変換で国際的な組織になり、武器・麻薬を取引。
 それに留まらず、ユーゴスラビアからの独立を目指したコソボ解放軍とのつながりも浅からぬ物があるという報告もある。
 現在でも、政府や軍との関係が指摘されている。
 ソフィの予想通り、少年兵の育成施設を作る事はさして難しくない。
 子供も、国際世界に張り巡らされた犯罪ネットワークで誘拐してくればいい。
『さて、どう出てきますか?ブックマン。』
 コソボ解放軍への援助には、アメリカも関係している。
 今回の件はうまく処理したいと、考えるはずだ。

「コソボ紛争の件は収束しているとは言え、今回の件を放置しておくのは危険です。」
「だろうね。少年兵だけじゃなく高度に訓練されたテロリストでも送り込まれたら、9・11の二の舞。いや。それ以上かな…。」
 NCSでも、ソフィを少年兵にした組織に関しての対応が検討されていた。
「しかし、問題が微妙すぎる。現地マフィアを通じて、政府や軍の高官との関係も深いと見るべきだろう。部隊を送り込むにしても、アルバニア政府の了解をどうやって取る?芸能人のスキャンダルをネタにするゴシップ記者の様には、いかないぞ。」
 部下たちの議論を聞きながら、ブックマンは口実を考えていた。

「アルバニアって、経済苦しいよね?」
「はい。鎖国政策のせいで、国民が困窮していた影響はいまだに続いています。産業も育っているとは、言い難い状況ですから。」
 ブックマンの問いに部下が答えるのを聞いてから、机を指で叩く。
「ある程度の経済援助で、手打ちさせようか。国内のアルバニアンマフィアの方も厄介になるばかりだし、お偉方も納得すると思うけど。」
 アメリカ国内には各国のマフィアが多く存在するが、アルバニアンマフィアは非常に暴力的で知られている。
 犯罪も残虐である。
 既に政府も対策を議論しているので、それに付随する形で作戦行動が可能と考えた。

「さて。目標が解った所で、今後の方針を検討したい。意見は?」
「叩き潰す。それでいいだろう。」
 対テロ特殊部隊にいたルツは、即座に撃滅を主張する。
「簡単に言うな。ソーが手回しをして、部隊を送り込んでくるのは間違いない。それを考慮しないと、ヤバいぞ。あいつは、味方じゃないんだぜ?」
 武器商人である、ココとソフィ。
 CIAの重役である、ブックマン。
 立場で言えば、味方どころか敵同士。
 自分たちにとって有害と判断すれば、ブックマンは躊躇いなく始末しようとすると、アールは確信を持っていた。
「いずれにせよ。アメリカが部隊を動かすのは、間違いないでしょう。アルバニアンマフィアには、手を焼いている。ここらで、ガツンと精神的なダメージを与えたいはずです。」
 ワイリが、アメリカが壊滅作戦に動く可能性を示唆する。
 世界の警察官を自認するアメリカが、今回の事を見逃すとは到底思えない。
 加えて、アルバニアの大規模な犯罪組織の類を潰せば、国内のマフィアに精神的なダメージを与える事が出来るのは事実である。
 上手くいけば、世論の圧倒的な支持を得て大規模なマフィアの取り締まりに莫大な予算を割ける。
 ホワイトハウスも、選挙で有利に戦える実績を得ると共に厄介事を片付けられるから一石二鳥である。

「とすると、どの部隊を投入するかだな。」
「デルタは、ほぼ確実に投入されるでしょうね。」
 レームが考えていると、アーキンがデルタ時代の経験から投入される多可能性は高いと考える。
「後は、海兵隊の精鋭でしょうか?」
「可能性は高いな。そうだとしたら、MSOR(海兵特殊作戦連隊)が出張るだろうよ。が…。」
「が…?何ですか?レームさん。」
「俺とお前にワイリ。デルタにいれば、耳に入れたことあるだろう?SEALSの欠番部隊。」
「ええ。まあ。」
 アーキンが答える。

 アメリカ海軍の特殊部隊SEALSは、1から10の番号を割り振られたチームで編成されている。
 しかし、9番目のチーム9だけは欠番となっている。
 特殊部隊であるデルタにいた際に、レーム達は表向き欠番だが極秘部隊としてチーム9が存在するという噂を耳にしたことがあった。
「湾岸戦争で、極秘裏に任務に就いていたっていう噂ありましたね。」
 ワイリは自分の記憶のページをめくって、当時の事を思い出す。
「いや。その部隊が存在しても、今回は出てこないよ。」
 ココは、欠番部隊が出る可能性はないと判断した。

「今回、例の組織を潰せば大手柄。バルドラの時以上のね。とすれば、知名度の高い精鋭を使うよ。展開能力が高くて、練度が高い部隊を。」
「すると、チーム6。デブグルーで決まりだな。敵国の要人暗殺に関しても、エキスパートだからな。」
 SEALSチーム6。
 DEVGRU(United States Navy Special Warfare Development Group:海軍特殊戦開発グループ)は、SEALSのチームの1つでありながらもSEALSの指揮下にない特殊部隊である。
 公式にはアメリカ海軍特殊戦コマンド直下の、陸・海・空挺における戦術及び技術の開発・試験・評価部隊であるが、実質的には対テロ特殊部隊であり、対テロ任務、対象国の重要目標の奪還及び殺害が主任務である。
 この部隊が出てくるのは矛盾しているように見えるが、本来の任務について知っている者は知っている。また、戦術の試験の一環として壊滅させたという口実も作れる。

「レームの言う通りだろうね。それにマスコミへの発表にしても、どの部隊を動かしたのは今後の対テロ作戦の為に発表を控えるとか口実もいくらでも作れる。ま。こっちはボスを仕留めるのが目標だから、それ以外の雑魚はプレゼントしてもいいし。後は、段取り次第。そっちは、私とソフィで整えるから皆は訓練しててよ。じゃ、解散ね。」
「「「へーい。」」」
 解散して、レーム達は訓練についてミーティングを開始する。

『さて、どうしたものかな。御嬢さんと若様は自分達で復讐を遂げるつもりだろう。だが、それではこっちの面子が立たない…。』
 ココとソフィが段取りを決めている時、ブックマンも段取りを考えていた。
 今回は、あくまでアメリカ主導の作戦で組織を潰さなければならない。
 それを前提に、今まで情報収集をしてきたのだから当然と言えば当然である。
『一回、話し合う必要あるかな…。』
 もう一度、ココとソフィにコンタクトを取る必要があると考えていた。

「投入する部隊ですが、ナイツが適任かと。」
「ああ。それ、NG。そう簡単に動かしていい部隊じゃないし、命令書も通らないよ。今回の作戦は重要だけど、ナイツが出張る程優先順位高くないし。」
 組織を撃滅する作戦の会議で投入する部隊の議論が行われていたが、中々結論が出なかった。
 精鋭部隊であれば、成功率は高い。
 だが、機械の様に精密に任務をこなす部隊であればある程、ココ達の部隊も敵とみなす可能性が高い。
 それを考慮して、部隊を選ぶ必要があった。
「デブグルーが適任かな。」
「チーム6ですか。確かに、練度から言っても問題はないでしょうが…。」
「チーム2からも、1個分隊出すよ。それなら、面目立つし。」
「はあ…。それは確かに。」
 SEALSは、割り振られたナンバーごとに担当区域が決まっている。
 チーム2は、欧州および地中海方面が担当区域である。
 ブックマンの部下はそれを考慮したが、部隊の一部を裂く事で納得した。
『ま。ちょっと面倒だけど、貸しは多いから大丈夫だね。後は、段取りだけか。』

「お嬢。ソーから連絡だ。会いたいとさ。何でも、例の組織の壊滅作戦に関する事だと。」
「ブックマンが?何でまた。」
 欧州の事となればブックマンが担当なので段取りをつけて、あくまでアメリカとして作戦を進めると思っていたのでアールの話を聞いたココは少なからず驚いた。
「さあな。もう、こっちの居場所は掴んでるから今頃は空の上だろうさ。明後日には、また連絡来ると思うぜ。」
「あ、そ。どうする?ソフィ。」
「会うだけは会いましょう。損はしないでしょう。」
「そうだね。そうするか。」
 そして、アールの予想通り2日後にブックマンから連絡が来た。

「悪いね。わざわざ来てもらって。ま、座って何か注文しなよ。どうせ経費だから、気にしないでいいよ。」
 ボディーガードとして、アールにレーム。エリにヴィリーを伴ってココとソフィはパリのあるレストランに来ていた。
 ココは牛フィレ肉のステーキを。
 ソフィは、仔羊のロティを頼んだ。
「単刀直入に話すよ。例の組織は潰す。この件のみだが、共同戦線を張りたい。さすがに武器商人と手を組んでるなんて言えないから、身分を偽装してもらうけどね。詳細はこの中だ。」
 USBメモリーを渡すと3枚目の牛フィレ肉のロッシーニを平らげ、運ばれてきた4枚目にナイフとフォークを入れる。
「なるべく、早く連絡しますよ。ブックマン。」
「そうしてくれ。こっちも、作戦立案やらいろいろ忙しいからさ。とりあえずは、腹ごしらえしないとね。」
「ロッシーニ4皿食っといて、よく言うぜ。フォアグラ食いすぎると、肝臓がヤバいぞ。ソー。」
 アールが呆れる。
「食った分は、エネルギーになるのさ。前に言ってなかったか?レナート。」
「間違いなく、ボスニア出会った時より太ってるだろうが…。」
 小さく溜息をつきながらアールは指摘したが、ブックマンは気にも留めなかった。

「さて。帰ったら、皆で話し合いか。」
「身分の偽装については、察しがつきますね。装備の調達が必要ですか。」
「ま、楽になるならそれでいいさ。」
「そうですね。そこは割り切りましょう。」
 ココ達は今後の事を話し合うために、宿泊しているホテルに向かった。

後書き
日野木一佐とブックマンからの情報を基に、いよいよソフィを少年兵に仕立てた組織が判明。
国際社会を見ると、大抵少年兵は紛争地帯の反政府組織やゲリラが多いのですがそれではありきたりなので、人身売買の問題がある欧州。
その中でも、私の中では特に性質の悪いアルバニアンマフィアを選びました。
イタリアのシチリアマフィアやポーランド系マフィアも荒っぽいのですが、アルバニア系はそれに輪を掛けて強烈です。
さらに、アルバニア自体ほとんどカルト宗教団体と行っていい程特異過ぎる国でしたので、目くらましにするのにももってこいだと思いました。
さて、ココ達が行動を起こそうとすると同時に、アメリカもブックマンを中心に動きを見せます。
共闘を持ちかけるブックマン。
さて、これを受けるのでしょうか?













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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
更新待ってました。
遂にソフィを兵にした元凶がでてきましたね。
今後の展開が楽しみです
ザクザク
2014/04/29 21:31
ザクザクさん。
コメントありがとうございます。

>遂にソフィを兵にした元凶がでてきました
>ね。今後の展開が楽しみです
 そう言っていただけると嬉しいです。
 これ以降の構想もほぼ固まりましたので、
 可能な限り更新も早くしたいと思います。
CIC担当
2014/04/30 23:56

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