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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第95話 ストレスだらけのIS委員会

<<   作成日時 : 2014/03/29 23:59   >>

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「顧問。バス鉄工所の副社長が、面会を求めておられますが…。」
 横須賀にあるIS委員会の分室で、俺は虚さんからの取り次ぎを聞く。
 アポもなしにかよ…。
 これで、何社目だよ。

 旅行から帰ってきて、空中戦艦の設計を終了してから主契約先の選定に入った途端に海外メーカーから、次々と重役クラスが来日している。
 目的はただ一つ。
 建造を、一部でも請け負うためだ。
 昨日はMEKO型フリゲートで実績のある、ドイツのブローム・ウント・フォス社。
 多くの米海軍艦艇建造の実績がある、インガルス造船所。
 実質的に、フランスの国営造船会社と言ってもいいDCNS(Direction des Constructions Navales Services:造船役務局)。
 造船関係の主な会社で、こんな所か。
 さらに、CIWSや各種レーダー等の関係で、レイセオン社、ボフォース社、タレス・ネーデルランド社、BAEシステムズ等。
 面会の申し出が、ぎっしりと入っている。
 全部に会っていたら、こっちが参りそうだな。
「プロジェクトの関係者を、午後3:00に第2会議室に。発注メーカーについて詰める。バス鉄工所副社長をお通ししてくれ。」
「畏まりました。」
 これが、嫌だったんだよな。
 利権と技術習得の争いになるのを、避けられないわけがない。
 せめて、利害調整位は上でやって欲しい。
 何でもかんでもこっちに丸投げされたら、正直身が持たないよ。
 ああ。もう!
 とにかく、入学式前には起工させよう。
 幸い造船所は、飛鳥商事の一番設備が整った場所がキープできた。
 芝崎は、造船関係は得意じゃないしな。
 全長が600mを超える超大型船の建造が可能なだけでなく、各種造船機械や関連工場もばっちり揃っていて、軍艦も十分に建造できる。
 ここなら、空中戦艦も建造可能だ。
 俺が日本にいる関係上、造船所は日本にある物を選定するのがベストだ。
 けど、少しでも関わってノウハウを取得しようと、各国の軍需メーカーも得意分野を売り込んでくる。
 結局、アイオワ級の再就役に海自の大型護衛艦の建造は決定されて、後者は俺が設計をした。
 アメリカは、近代化改修に必要な技術力を十分に持ち合わせている。
 日本も、アジアで唯一戦艦と正規空母を就役させた国だ。
 さらに、IS発祥の国。
 今までの地道な技術開発と、蓄積されたISの製造ノウハウがあれば自国での建造は十分可能だし、雇用も生み出す。
 ブロックごとに発注されて、どこも急ピッチで作業が進んでいる。
 今回は、試験的にHEGも投入されている。
 報告書によると、予想以上に建造期間の短縮に貢献している。
 開発しておいてなんだけど、凄い物作ったよな。
 さて、来客の対応をするか。

「ご説明させていただきましたとおり、我が社は最新鋭艦ズムウォルト級の建造も一手に引き受けております。従来とは全く別の構造の船体の建造も問題なく行えまので、色々とお役に立てると確信しております。」
 バス鉄工所の副社長が自社の技術をアピールするのを、俺はずっと聞きつづけていた。
 確かにズムウォルト級の建造はバス鉄工所に受注されているから、その造艦能力は高いだろう。
 ズムウォルト級は建造費高いから、実績のある会社に発注することを第一に考えた筈だ。
 その点では、文句の付けようがない。
 けど、今の時点ではやっぱり危険かな…。
「お話は、よく解りました。ですが、どの企業に参加していただくかはこれからになります。可能な限り、早く返答させていただきます。その為の会議は、本日になりますので、さほど時間はかからずにお知らせできるでしょう。」
「そうですか。では、よい返事を期待させていただきます。」
 副社長が応接室を出た後、俺は深い溜息をついた。

「船体その物は、そのまま飛鳥商事でよいと考えますが…。」
「問題は、他の兵装か…。ある程度、政治的配慮が必要になりますな。」
 3時からの会議では、建造計画に参画するメーカーに関してどこまで政治的配慮をするかが大きな議題になっていた。
「アメリカの売り込みが、凄まじいですな。」
「イージスシステムを開発したロッキード・マーティンを始めとして、高度な軍事技術を擁するだけにある程度選定しないと余計な憶測を招くリスクがあります。そんな事をされては、正直かないませんな。」
「とは言え、あまり参画させると委員会でも面倒なことになる。」
「確かに。」
 一夏は資料に目を通し意見を聞きながら、各国軍需産業の参画について自分なりに考えていた。
 会議のメンバーは、アメリカが参画し過ぎることへの懸念をIS委員会における発言力の強化という視点で見ている。
 一夏は亡国企業への情報漏えいや、計画に密かに食い込む事の懸念という視点で見ている。
 本音を言えばアメリカの軍需産業を参画させることに一夏は反対だが、参画させないわけにはいかない。
 その微妙なバランスを調整する事は、計画において極めて重要な事だった。

 参ったな…。
 レーダーや艦載用のFCSだと、どうしてもアメリカに一日の長があるからまるで参画させないと言うのも難しいんだよな。
 とは言え、他国の事も考えないとな…。
 それ以前に、欧州規格とアメリカ規格の事も考えないと。
 頭痛いぜ…。
 最初に選びやすいのは、やっぱりCIWSか…。
 ん?
 お。これはこれは…。

「ファランクスで、25mmバルカンに換装して捜索レーダー等をバージョンアップした新型が、売り込まれていたな?」
「はい。」
「ディスプレイに、詳細な資料と画像を。」
「はい。」
 改めて資料に目を通し、再生された画像を見る。
「CIWSは、このタイプのファランクスにしよう。25mmなら威力的にも問題はないだろう。」
 ファランクスは、スペースがあり艦のバランスに影響が無い限り搭載可能で、破壊された後も交換は他のCIWSに比べ容易である。
 この観点から、CIWSはファランクスにすることを提案し、出席していた他のメンバーも同意した。
「他に、アメリカ製の兵装は導入なさいますか?対空砲として、127mm砲ないし76mm砲があれば万全と考えますが。」
「その点では、アメリカ製よりイタリア製だろう。アメリカの艦載砲は対空戦闘能力では劣るからな。」
 主砲の重荷電粒子砲は、芝崎製の物を出力を上げて搭載することを決定。
 そして、最大の懸案が話し合われることになった。

「VLSにFCS、各種レーダー。一番の頭痛の種ですな。」
 艦載用VLSは、アメリカ、フランス、ロシアが主な開発国だが、大きな問題がある。
 VLSごとに搭載できるミサイルが、まるで違うのである。
 故に、VLSが決定すると搭載するミサイルも決定する。
 最も普及しているのは、アメリカのMk.41だが必然的にミサイルはアメリカ製となる。
 大量に搭載する兵装なので、兵装関係でアメリカが占めるシェアが必然的に大きくなる。
 それを避けるには、どうすればいいか。
 一夏にしても、なかなか妙案が浮かばなかった。
『他国のミサイルを、可能な限り多く運用できるVLSがあれば、後はどうにかなるだろう。幸い、武器輸出三原則が緩くなって、最近はミサイルに関しても日本と欧州企業の共同開発も盛んになっている。』
 はるな型の搭載ミサイルは全て国産だが、VLSは欧州企業との共同開発のミサイルも搭載可能なように設計されている。
 これに手を加えれば、状況に応じて他国のミサイルも運用可能だと一夏は判断した。
 FCSに関しては、ISのそれを応用すればいい。

「それに関しては、私が委員会に掛け合って開発を進める。JVLSに少し手を加えれば、さほど手間はかからないだろう。レーダーを含むFCSもその線で行く。」
「成程。顧問が開発されれば、他国の影響力が増す事は避けられますな。」
「私は、あくまで第三者機関の人間だから、これがベストとは言えなくてもベターだろう。製造企業に関しては、VLSは三菱。レーダー及びFCSはBAEシステムズとタレス社に共同で当たってもらう。」
 これで大丈夫だろう。
 どの企業も、技術は十分にあるからな。
「では、次に機関部に関してですが…。」
 それから、3時間程して会議は終了。
 俺は、夜から病院なのでそっちに向かった。

「そうか。済まなかったな。わざわざ、知らせて貰って。」
「いえ。私も一夏君の身辺には、充分に配慮する必要を感じていました。この程度の事は、いつでも情報を入手することが出来ます。それに、虚も職責を弁えて情報漏洩とみなされないレベルに抑えていましたし。」
 空中戦艦の建造計画に関して、様々な利害調整も全て行っている事と一夏のストレスの蓄積具合を千冬は楯無から聞いていた。
 仕事でストレスが溜まっている事と、おぼろげな原因程度なら問題はない。
 虚は、その辺りを良く弁えていた。
「日曜の夜まで、病院か…。」
「最近は、隣接する件からも患者さんが多く来るだけに、一夏君も立場上可能な限り治療に当たる必要があるとはいえ、心配ですね。この歳で命と向き合う。それだけでも楽ではない筈です。」
 真耶が、心配そうな表情になる。
 そもそも、今の一夏の状況に真耶は強く批判的だった。
 世界でただ1人、ISを動かせるというだけで微妙な立場に置かれ、亡国企業関係でも壊滅の為に奔走せざるを得ない状況にあり、加えて医師。
 どんな人間でも、遅かれ早かれ精神的に参ってしまう。
 弾達との旅行で気分転換になっても、それを帳消しにするストレスが掛かっては意味がない。
 亡国企業から学園の生徒や多くの人々を守り、多くの業績を上げ各種博士号が授与されている事が誇らしいのは嘘偽りなく真耶の本音であるが、せめて一夏のストレスを減らすように配慮して欲しいという気持ちもあった。
 まして、今回の事では様々な利害調整をせねばならない。
 そのストレスたるや、凄まじい物だろう。
 体を悪くしないか、真耶は心配で堪らなかった。
「月曜日は、習志野だ。古巣での訓練で多少は気分が紛れるだろう。それに期待するしかないな。」
「そうですね…。」
 真耶は、窓から外を見上げた。

「6歳男児。腹部に、激痛を訴えています。嘔吐と貧血の症状が続いていた模様。」
「1,2の3でいくぞ。1、2、3。生食をもう一本、全開。ちょっと、お腹触るよ。」
 腹部の触診をして、すぐに腹膜炎を起こしているのが解った。
 けど、ポジション的に盲腸じゃないな。
 それに、痛み方も気になる。
「血算、生化学、腹部造影剤CT。」
 盲腸じゃないとすると何だ?
 手術歴があれば、原因がある程度は解るけど。
 ちょっと、聞き取りをするか。

「お母さんですね。救命センター長の織斑です。少し、お聞きしたいことがあるのですが。」
「はい。」
 OK。落ち着いているな。
「お子さんは、消化器系で何か持病をお持ちですか?」
「別に、無いと思いますが…。」
「手術歴は?」
「いえ。健康そのもので。戻しているのは風邪かと思って、家で様子を見ていたのですが急に酷くなって。」
 一応、兆しはあったか…。
 本当は、その時点で診察を受けてほしかったんだけどな…。
 今言っても、仕方ないか…。
「先生。検査結果出ました。」
「解った。」
 俺は、すぐに処置室に戻った。

「メッケル憩室炎ですね。」
「だな。」
 腸管の奇形である、メッケル憩室炎。
 それが、痛みの正体だった。
 無症状なら、そのままにしておくけどもうそんな事言ってられないな。
「まずは、抗生剤の投与だ。ザイボックス600mgを点滴開始。」
 基本的に、メッケル憩室炎は抗生物質を投与しての経過観察をしてから次の処置を決める。
 10分程、抗生物質の投与を続けたが痛みが引くどころか、激しくなる一方だ。
「消化器外科に連絡。オペに入って。」
 ここまで来たら、経過観察自体が却って症状を悪化させかねない。
 俺は手術を指示した。
「先生。バイク事故の青年が、運ばれてきます。腹部に拍動ありとのことです。」
 外傷が原因の、腹部大動脈瘤か…。
「血管外科は?」
「緊急手術が入って、執刀医を務められる医師がいません。」
「解った。オペ室用意。患者が到着次第、腹部大動脈瘤手術に入る。」
 拍動があるって事は、いつ破裂するか解らない。
 病院に着く前に破裂した場合、生存率は最悪25%。
 助かるのは、4人に1人。
 他の外傷も気になるけど、とにかく腹部の大動脈瘤を何とかしないと。
 他の検査は、オペ室でもだいぶできるからな。
 手術台は拡張性が高いから、改良は容易に出来るようになっている。
 人工血管に置換しながら、検査をしよう。
「患者さん。まもなく到着します。」
「オペ室。準備できました。」
「よし。全員配置に。」
 さあ。次の戦いだ。

『今頃は、忙しいのだろうな…。』
 外で食事を済ませてから、千冬はビールを飲んでいた。
 一夏の技術の確かさが広まるにつれ、事故が起きると横須賀病院に運ばれるケースが多くなっている。
 何より、総合診療科の部長であることから診断と次の指示が迅速で的確なので、大事故や診断が難しいケースでも患者の生存率は極めて高い。
 最近では土曜の外来診察に、全国から「原因不明」と言われた患者が殺到しているとも聞いている。
 かなり珍しいケースだが、いわゆる軍病院であるにも拘わらず地域医療の中核の役割を担っている。
 その中で、一夏の役割は大きい。
 患者からの要望で、他の科でも出来る限り外来に出てほしいという要望も日に日に多くなっている為に時間をやりくりして他科の外来にも可能な限り出るようにしている。
 生来の優しさと暖かさで患者に接する一夏の評判はすこぶる高く、周辺の開業医からの信頼も厚い。
 が、裏を返せばそれだけ責任も重いと言える。
 一夏が人の命を救う医師としての仕事に生きがいを感じているので、今は口を挟んではいないが千冬は不安を感じていた。
『無理だけはするなよ…。他人の命を大切に思うのは大切だが、何より自分を大事にしてくれ…。』

 終わった。終わった。
 もう少しで、破裂するところだったな。
 他に重大な損傷は無かったから、ほっとしたよ。
「織斑先生。お疲れ様です。」
「お疲れ様。大森先生。広尾先生。そちらの手術はどうだった?」
 メッケル憩室炎の子の事も、気になっていたからな。
 ちゃんと確認しないと。
「成功しました。手術の決断は正解でしたよ。破裂して大分膿が出て、捻転のおまけつきでしたから。」
 やっぱり切迫していたか。
 経過観察の間、酷くなる一方だったからな。
「退院まで、2週間といったところでしょうか。そちらはどうでしたか?」
「破裂寸前で、人工血管に置換できたからもう心配ないよ。改良した人工血管もいい調子だ。」
 今回使用した人工血管は、芝崎で俺が開発した新型の人工血管だ。
 より、人間の血管に近い構造で血栓ができる確率もさらに低くなっている。
 他にも、様々なタイプの人工血管が完成して使用されている。
 どの病院でも、好評だと聞いている。
 次は人工弁だな。より軽い抗凝固剤で済むタイプを目指している。
 これが完成すれば、患者さんの食事制限はずっと少なくなる。
「織斑先生。小児科の診察、お願いします。」
「解った。すぐに行く。」
 さて、仕事仕事と。
 夜、一番多いのは小児科の急患だからな。
 にしても、同じ仕事でも委員会より医師としての仕事の方がストレスたまらないってのもあれだな。
 命に向き合う責任感や重圧感は、無論感じる。
 勿論、委員会の仕事も責任感や重圧感はある。
 同時に、双方共にやりがいも感じる。
 けど、委員会みたいに政治や利権争いに関わると、どうしても人間の汚い一面を嫌というほど見せられるから気が滅入る。
 医療の現場でも、医療機器や薬剤メーカー同士の争いはあるから汚い面はある。
 でも、治療を担当した患者さんが元気になる姿を見ると、メーカー同士の争いの嫌な部分の事なんて、ふっとぶからな。
 もちろん、患者さんが助からないで看取った時は凄く辛い。
 それを差し引いても、やっぱり医師としての仕事はやりがいがある。
 楽じゃないけど、できうる限り携わっていたいと思うよ。

「ご苦労様。指示した通りに、手は打っておいて。」
 更識家の執務室で楯無は部下の報告を聞いて、必要な手を指示する。
『まったく…。只でさえ、一夏君はストレスだらけなのにセコいまねはやめてもらいたいわね。』
 ラウラに更識家のSPが護衛についている間、楯無はさらに報告書に目を通す。
 空中戦艦の建造計画が進むにつれて、各国軍需企業の動きが活発になっている。
 その中には、政治力のゴリ押しで参画しようとしている企業や裏金をばらまこうとしているメーカーも多数あるために、楯無は調査をしていた。
 只でさえ、国際政治を考慮した上で調整をしている結果、一夏には多大なストレスが掛かっている。
 これ以上は、見過ごす訳にはいかなかった。
『あまり度が過ぎていると、きっちりお仕置きするわよ。覚悟してくださいね。軍需企業のオジサマ方。』
 その後楯無はいくつかの指示を出し、結果、軍需産業界はスキャンダル塗れとなって逮捕者が続出した。

「過換気症候群が原因の、眩暈ですね。」
 土曜の総合診療科の外来で、一夏は関西から来た患者に診断をしていた。
「じゃあ…。」
「ええ。病気です。バランス機能、自律神経、脳機能に問題はありません。ストレスが原因になって呼吸のバランスが乱れてしまっているんです。この病気は、呼吸をし過ぎてしまっているんですよ。結果、血液中の酸素が少なくなって眩暈が起きてしまうんです。問診で性格に関しても訊ねさせていただきましたが、年齢も含めて発症しやすいのでしょう。抗不安薬を、処方させていただきます。後は、地元の心療内科や精神科の先生とよくご相談なさって、場合によってはカウンセリングもお受けになられて下さい。大丈夫です。よくなりますよ。」
 そう言って、一夏は処方箋を書く。
 総合診療科は病気を診断することに特化した科であり、そこで医師として診察をするには広範な知識と優れた診断力が求められる。
 日々、多くの医学書に目を通し様々な症例のデータを頭に入れながら、一夏は自分自身を少しでも伸ばそうと、外来に出ない日も他の医師の数倍の努力を積み重ねている。
 その結果、原因不明と言われて途方に暮れていた患者を救い続けていた。
 10代という日本では異例の若手医師にも拘らず、一夏への信頼は絶大である。
 まだ、総合診療が根付いていない日本において、一夏の評判は口コミやネットで広まり多くの患者が救いを求めに来る。
 そして、一夏はそれに応え続けている。

 さて、外来終わり。
 結局、昨日から寝てないな。
 おまけに、腹ペコ。
 ゼリー状の健康食品は口にしたけど、全然食べていないや。
 とにかく、食事にするか。
 俺は、部長室に入る。
 そこには、何と冬菊がいた。

「お疲れ様です。あの、いつも碌にお食事を摂らないでお仕事をなさっていると聞いたので、勝手ですがお弁当を作らせていただきました。」
 そう言って、小さめのお重を空ける。
「へえ。美味そうだな。」
 お重は三段になっていて、一番下は色とりどりの俵型のおにぎり。
 二段目と三段目は、色とりどりのおかず。
 しかも、食べやすいように工夫してある。
 味はさすがだな。
「ありがとう。凄く美味しい。」
「よかった。お仕事が忙しいのは理解していますけれど、くれぐれもお体を労わってくださいね。」
「そのつもりなんだけどな…。」
 あんまり、そういう風に見えないのかな?
 俺。
「それから、両親からの伝言です。今度、お姉様とご一緒に食事でもどうですかと。」
「そうだな。偶には、いいか。都合のいい日を連絡するよ。」
 医療の現場。
 IS委員会等の、国際政治が関わる分野。
 どっちも大変だけど、冬菊達のように俺の事を心から案じてくれる人たちがいる。
 嫌な思いも一杯しているけど、こういった人たちがいるから俺は頑張れる。
 つくづく、そう思った。
 その日は、冬菊お手製の昼飯をゆっくり堪能できた。
 神様の、贈り物かな?
 さて、月曜はいよいよ習志野だ。

後書き
いよいよ。これ以上なく馬鹿げた亡国企業対策のアイオワ級戦艦再就役に海自の大型護衛艦、さらにIS委員会の空中戦艦建造計画が動き出します。
その最中、一夏は空中戦艦建造計画に参加する企業の件に関わる各国の利害調整にも奔走しなければなりません。
本当は、こういう事は他の部署がやるべきだと思いますが、完全に丸投げですね。
兵器開発能力ではアメリカがやはり一位なのですが、亡国企業の件もありますし委員会内部のパワーバランスを考えるとアメリカをあまり参画させないようにして、優れた艦を建造しなければならないので頭が痛いのなんのと言った感じです。
そして、各国軍需産業も何とか受注しようと精力的に動き、大正時代の大汚職事件シーメンス事件さながらの事まで起きています。
つくづく、ストレスとは無縁でいられない一夏です。











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