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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第94話 一夏は普通に旅行に行けるか?

<<   作成日時 : 2014/03/22 23:00   >>

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「よっ。揃ってるか?」
「おお。揃ってるぜ。」
 逗子駅に行くと、今回旅行に行くメンバーが揃っていた。
「久しぶりだな。一夏。」
「久しぶり。元気してたか?数馬。」
 御手洗数馬。
 弾と並んで、俺と仲のいい奴だ。
 クラスは、違ったけどな。
 高校は、弾と同じ。
 ちなみに、俺も同じ高校に行っている筈だったんだけどな。
 私立藍越学園。
 私立高校だけど、学費は安いし卒業後の就職率も高いので俺はここに絞っていた。
「よっ。一夏。元気そうだな。」
「ああ。おじさん。元気してるか。」
「ああ。よろしくってさ。」
 ちょっと、ヤンキーっぽい。
 というか、中学時代は2年の後半までヤンキーだった俺の友達。
 村田斗真が、声を掛けてくる。
 入学してからはやたらと俺に喧嘩売ってきたけど、ヤンキーを卒業したころに和解。
 今は、工業高校の機械科に通学している。
 家は町工場で、芝崎とも取引がある。
 親父さんは凄腕の研磨職人であり、金型職人。
 人脈も広いし、何かとお世話になっている。
「あ。そうだ。例の話の返事どうだ?」
「大丈夫だってよ。今度、話しを詰めたいから工場に来てくれって。ついでに泊まってけよ。」
「そうする。そんじゃ。行こうぜ。」
 行先は、日光。
 小学校の修学旅行は、京都・奈良。
 中学校は仙台。
 修学旅行ではメジャーな日光には、一度も行った事がない。
 考えてみれば、変だよな。
 まあ。いいか。
 とにかく、普通に旅行できますように。

 そんな一夏達4人を、密かに警護している人影があった。
『こちら、トゥマーン1。護衛対象を確認。』
『こちら、シュバルツ1。確認。これより護衛任務に入る。』
『トゥマーン1了解。虚。本音。抜かりないよう。』
『承知しております。お嬢様。』
『りょうか〜い。』
 IS委員会の日本支部に就職した虚は、楯無に仕える現状をそのままに一夏の秘書役としても働くことになっているので護衛に参加している。
 4月から整備科に移る本音も、一夏の護衛という現状は変わっていない。
『一夏君。あまり、他の女性と仲良くなるようだったら、お姉さんは黙っていないわよ…。』
 本来なら公私混同はしない楯無だが、渚子までアプローチしてきたと確信しこれ以上増やさないという目的も持っていた。

「で、どうよ。周囲は全員女子のパラダイスは?」
 電車の中で、数馬が学園生活の質問をする。
「お前までそう来るのかよ。数馬。パラダイスなんかじゃないぜ。毎日、大変なんだぞ。訳の分からん理由でISを展開するし、ヤンデレになるし。鉛玉に、グレネードランチャー。おまけに、対戦車ミサイルまで飛び交うんだからな。生きた心地がしないんだぞ。」
 どいつもこいつも、どうしてそういう想像ばっかするんだよ。
 一遍入学してみろ。
 毎日、死の危険と隣り合わせだぞ。
 はっきり言って、疲れるなんてもんじゃない。
「それって、直訳すればモテモテってことだろ。いいじゃねえか。男冥利に尽きるってもんだぜ。」
「斗真…。お前、一遍さ。戦場を生き抜いてみろよ。あれが男冥利に尽きるとしたら、イカレてるって証拠だぜ。」
「あ。そっちの方はパス。俺は、女の子に囲まれる方がいいから。工業高校何て、野郎ばっかりだからな。」
「でも、女子はいるんだろ?お前、ワイルド系で持てそうじゃん。」
「最近の女子は、お前にメロメロだよ。モデルの仕事2回しただろ。」
「何だ?それ。工業高校なら、男女比率は女子が圧倒的に少ないから男はよりどりみどり。俺にメロメロって、ないだろう。」
 俺がそう言うと、斗真は大きな溜息をつく。
 何でだよ?
「いや。だからさ。女子は、工業系よりお前みたいな方が好みなんだよ。ファッションセンスいいし、ルックスいいし。特に、お前の髪の毛なんて垂涎の的だぞ。使ってるシャンプーとか知らないかって、よく聞かれるんだぜ。」
「んなもん、聞いてどうするんだよ?本音を言うと、切りたいんだぜ。慣れたけど、手入れは大変だしシャンプーとかは高いし。月に万単位かかるんだぞ。昔みたいにドラッグストアでお徳な値段て訳には、いかないんだよ。」
 そもそも、高校生で何が悲しくてシャンプーとかコンディショナーに月万単位の金使わなきゃならないんだよ。
 使っても、1000円くらいでいいじゃないか。
「切りたいんなら、切ればいいじゃないか?ほれ、ポテチ。」
「サンキュ。切れるんなら、切ってるよ。鈴達に禁止されてるんだよ。」
 斗真が差し出したポテチの袋から、一枚取り出して口に入れる。
 ホント、今でも理解できないぜ。
 何が悲しくて、髪切るのに許可を貰わないとならないんだよ。

「大変そうだな。いろいろと。それに関しては宿に着いてから、聞かせてくれよ。で。誰が、本命だよ?」
「は?何言ってんだよ?数馬。」
「だってよ。お前以外、全員女子だろ。好きな子の1人や2人は、いるだろうが。そこまでいかなくても、気になる子ぐらいいるだろう。来月から新学期だし。いくらおまえでもさ。」
 何か、言い方が引っ掛かる気が。
 まあ。いい。
 素直に言えばいいだけだしな。

「いないって。そりゃ、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、簪、玲子、クリス、アンナ、シルヴィ、楯無さん。学園外じゃ、ナタル、冬菊、菫と皆美人だけど、そういうのじゃないからな。」
 たく。何で、話がそっちに行くのかね?
 ゴシップ記事じゃないだろうが。って、何で揃いも揃って頭を抱えてんだ?

『『『悪化してるじゃねえか…。しかも、相当に…。』』』
 弾たちは、愕然としていた。
 一夏の中学生の頃を見ていれば、どれだけ唐変木か嫌でも理解できる。
 それでも、そろそろ治っていいころだと考えていた。
 だが、予想に大きく反してさらに悪化していた。
 現在。来月に入学する蘭達を含めて、専用機持ちの生徒は18人。
 蘭から話を聞いた弾を通じて、3学期から一夏の指導を受けている4人も一夏に恋をしているという情報は共有している。
 さらに、専用機持ち以外の生徒も一夏を狙っている。
 これに加えて、アメリカ海軍のテストパイロットにして絶世の美女と言っても過言ではないナタルに、教師であるのに一夏を1人の男性として強く意識している真耶。
 IS学園とは関係ないが、冬菊に菫。
 傍から見れば、完全にハーレム状態。
 これでも周囲の好意に気づかない一夏に、弾たちはどう反応していいのか解らなかった。

「なあ。一夏…。」
「何だよ?弾。」
「今日の服って、どう見ても新品だよな。この日に備えて買ってきたのか?」
 精神的なダメージからどうにか回復して、何か話題を見つけようとした弾は一夏の服を話題にしようとした。
「買ってきたというより。買ってもらった。奇妙に思うだろうけどな。」
「ん?一夏の姉さんにか?」
「いや。学園の先輩の姉さん。仕事で知り合ってから、偶に食事に行く仲でさ。昨日、映画を見に行った時に服を買ってくれたんだよ。何でも、俺がモデルやったんで売り上げが伸びたからその礼だと。」
 一夏の答えを聞いた4人は、更なる頭痛に襲われた。

『それ。もろ、アピールじゃんか…。』
 弾は面識はない物の、渚子の行動の理由をはっきり理解していた。
『くそ!一夏の唐変木は、筋金入りどころかチタン合金入りか!!』
 筋金入りという表現が生易しく聞こえるほどの唐変木に、数馬は意識を必死に繋ぎとめていた。
『さすがは、沼間中随一の唐変木と言われた一夏…。俺達に出来ない事を、平然とやってのける…。しびれもしないし、あこがれもしないけどな…。』
 斗真は、完全に呆れていた。

「何、3人揃って百面相やってるんだよ。他の人達の迷惑になるから、やめろよな。」
 何か、3人揃って妙な世界に行っていたのでノートパソコンを起動させた俺は、さすがに声を掛ける。
「「「誰のせいだ?誰の?」」」
「知るかよ。」
 少なくとも、俺のせいじゃない。
「というか、お前。何見てるんだ。」
 数馬が、ディスプレイを覗き込む。
「銃のカタログ。俺が使ってるのはH&K社製がほとんどなんだけど、他の銃器メーカーからもカタログが来てさ。一応見てるんだよ。今は、イタリアのメーカーだな。」
 基本的に、H&K社製で俺は何の不自由もしていない。
 偶にケースレス弾のG11みたいなのも作るけど、堅実さと性能には定評があるしな。
 最近は、散弾銃やボルトアクション式の狙撃銃の開発もしている。
 俺も持っているけど、後発なのにいい出来なんだよな。
「おおかた、お前に売り込んで宣伝に仕様って魂胆だな。その手の雑誌見たけどH&K社だいぶ設けているみたいだからな。」
「最近は、MP5の改良型も開発したしな。さらに売り込む気だろうな。」
 確か。アメリカのナイツ社のナイツ PDWで使用されている新型の弾丸、6mm×35mm弾を使用しているんだったな。
 PDWなら、MP7が発売されていて採用も伸びているけど、それでもできうる限り威力のある銃を使いたいという要望はどうしてもある。
 今回開発されたのは、それに応えた形だな。
 命中精度は高いままで拡張性も十分確保された、いい銃の様だから取り寄せる事も考えている。
 そんな動きに追随する様に、各国の銃器メーカーも一斉に開発を始めていたそうだ。

「着いた、着いた。」
「ちょうど昼時か。飯食いに行こうぜ。」
 昼の少し前に、日光駅に到着。
 弾が伸びをして筋肉をほぐして、数馬が昼飯の提案をする。
「賛成。そこの蕎麦屋美味そうじゃん。山菜に、茸の天ぷら付きだってよ。」
「じゃあ。そこにしようぜ。」
 斗真と俺が賛成する。

「こうして、皆で飯食うって中学以来か。」
「そう言えば、そうだな。」
 弾と話しながら、中学時代を思い出す。
 あの時は、俺がIS学園に行くなんて思いもしなかったな。
 早く就職して。一人前になって、千冬姉を安心させる事しか頭になかった。
 そして、そう考えながら剣術と武術の鍛錬に打ちこんでいた。
 世の中、何が起こるか解らないな。本当。
 うん。蕎麦も天ぷらも美味い。
 自然の恵みをもたらしてくれる、山に感謝だな。
「しっかり食っとけよ。一夏。お前、死ぬほど忙しいんだろ。」
 天ぷらを食べながら、数馬が話しかけてくる。
「そんな、忙しいのか?お前。」
「鍛錬に、訓練の指導。会社の仕事に研究開発。後は、夜の急患でオペを幾つかに、診察。金曜から土曜は、救命センターと総合診療科の診察にオペ。そんなとこだな。後はIS委員会があって、安保理の仕事が入ってくることもある。けど、慣れたぜ。」
 最初は大変だったけど、慣れると大丈夫だったりする。
「なあ。一夏。お前、週にどれくらいオペするんだ?」
「そうだな。23、4〜30ってところか。一回、空きっ腹で大きい手術が6つ連続ってのがあったな。その後は、手が足りない科の増援。最近は、予定手術も結構入るから多分40位いくんじゃないのか?」
「すいません。こいつに天ぷら追加してください。」
「は〜い。」
 何でそうなるんだ?斗真。
「休める時に、しっかり休め。その内、倒れるぞ。」
「これ位で倒れてたら、医者なんてやってられないぞ。」
「お前は、兼任が多すぎるんだよ。いいから、しっかり力は蓄えてろ。いいな。」
 う〜ん。斗真がちょっと怒ってるか?
 元ヤンキーだけに、怒らせると怖いんだよな。
 せっかくだからいただきますか。
 うん。しつこすぎないで、美味い。

「あの…。」
「はい?」
「ひょっとして、織斑一夏さんですか…?」
「はい。そうですが…。」
 女子大生の人かな?
「あ、あの。その…。サインください!」
 あ、そういう事か。
「ええ。いいですよ。」
 俺は万年筆を出して、相手の人の手帳にサインをする。
「ありがとうございます。ご旅行ですか?」
「ええ。中学時代の同級生と久しぶりに。」
「そうですか。あの…、お体を壊さないようにしてくださいね。何だか、凄く忙しそうですけど。」
「ありがとうございます。大丈夫ですよ。鍛えてますし、疲労を最小限にする術も身につけていますからね。」
 俺は不安を和らげようと、笑顔になる。
「そうですか…。サイン。ありがとうございました。あの、良い旅を…。」
「貴方も。」
 すると、顔を真っ赤にしてお勘定を済ませて店を出た。
 風邪かな?
「お前。相変わらずだよな。旅先で、落とすなよ。」
 弾が、溜息をつきながら言う。
「財布を落とすような、間抜けはしないぜ。」
 って、何だよ。その深い溜息は。

「今の所、問題ないわね。それにしても、日に日に綺麗になってフェロモンも増えすぎだわ。」
 楯無が、眉をひそめる。
「貴様が心配することではない。一夏は、私の嫁だ。嫁の事は、私が心配する。無用な事をするな。」
「あら。織斑先生が認めてくれたの?私達は、同じ土俵で勝負しているのよ。忘れないでね。チャンスは、平等にあるんだから。」
 護衛任務をきちんとこなしながらも、楯無とラウラは静かに戦いを繰り広げていた。

 何か、寒気がしたんだが気のせいだろう。
 俺達は、お世話になる温泉宿に着いた。
「いらっしゃい。久しぶりね。数馬。」
「何だよ。数馬の親戚か?」
「ああ。特別に、割引してもらえるんだ。おばさん。こっちが織斑一夏。俺の中学時代の友達。」
「お世話になります。」
「そんなに畏まらなくても、いいんですよ。じゃあ。お部屋にご案内しますね。」
 俺達はそれぞれ荷物をもって、部屋に通される。
 というか、女性客が俺ばっかり見ている。
 しかも、視線が奇妙だ。
 な〜んか、嫌な予感がするのは気のせいだろうか…。

「おお。眺めいいじゃん。」
「桜はまだ早いからな。星でも見ながら、呑もうぜ。」
 弾と数馬が、酒を呑む話をしている。
 やっぱ、呑んでるのか。
 程々にしておけよ。
 ん?IS委員会からか…。
 どれどれ…。

 待て、こら…。
 必要ねえっていったのが、解らねえのかよ。
 あのデカブツなら、ISで対応可能だよ。
 でも、こうなると建造しないわけにも行かないんだよな。
 マジで、勘弁してくれよ…。
 帰ったら、さっそく設計開始か…。

「どうした?何かあったのか。」
「ん?まあな…。話すわけにはいかないんだが、すげえ馬鹿らしいことしなくちゃならなくなった。帰ったら、すぐに取りかからないとな。」
 頭の中で、基本設計は済ませよう。
 とっとと終わらせたい。
 斗真に答えながら、俺は決定した。
「とりあえず、今日は江戸村行こうぜ。東照宮とかは明日以降って事でさ。」
 斗真の提案に、俺を含めて皆が賛成する。
 そうだな。リフレッシュの一つも、しないとな。

「あらあら、まあまあ。」
「下らんことを、決めた物だな。すぐに使われなくなるというのに。」
 楯無とラウラは、IS委員会からの通達を見て呆れる。
 一夏に、空中戦艦の建造に関する話が来ていたのは知っていた。
 それを聞いた時、一夏と同様に2人とも無用の長物という結論を出している。
 亡国企業を潰した後は、委員会の各国に対する威圧とも取られるので危険とも取れる。
 この事は、一夏も意見書に記している。
 それでも、委員会は一夏に建造の士気を取ることを依頼した。
 そして、楯無とラウラにはより警護を厳重にするように通達が来たのである。
「江戸村に向かうようね。まだ大丈夫でしょうけど、警護は厳重にするわよ。」
「解っている。」
 虚と本音にも連絡を入れて、2人は一夏の後を追う。

「ねえ。あの人って、織斑一夏よね。」
「あ。本当だ。雑誌でみるよりずっと素敵。」
「ハンサムなんだけど、それ以上に凄い綺麗よね。」
「サインもらえないかな?」
 何か、居辛いな…。
 慣れたつもりなんだけど、いつもより強烈だぞ。
「周囲は気にしないでさ。折角なんだし、満喫しろよ。」
 できればそうしたいよ。斗真。
 でも、これじゃあなあ…。
 てか…。
 何だよ…。この寒気は…。
 冷たい視線を、2人分感じるぞ。
 ラウラに楯無さんか…。
 俺の責任じゃ、ないだろうが…。
 とことん、プライベートに徹するか。
 お。ちょうどいいのが。
「茶道の体験コーナーがあるぞ。行こうぜ。結構、落ち着くからな。」
 無論、これは建前。
 本音は、退避。
 茶道で騒ぐなんて、言語道断だからな。
 この雰囲気も、変わるだろう。

「結構。あちこち回ったよな。」
 宿に帰って夕飯を食いながら、弾が言う。
 江戸村はあちこちに色々な物があるから、飽きがこない。
「にしても、どうして一夏は女を引き寄せるんだよ。」
「磁石みたいにな。」
 おい。
 数馬に斗真。
 人の事、何だと思っていやがる。
 退避目的で入った茶道の体験コーナーにしても、俺は注目の的だったけどさ。
 考えてみれば、きちんと作法を知っていたのは俺位だったしな。
 自分が、茶人だってことすっかり忘れてた。
 他にもあちこち回るたびに、いつも女性客の視線が集中。
 それだけでなく、楯無さんとラウラの冷たい視線まで加わる始末。
 旅行中ぐらい勘弁してくださいよ。
 周囲の女性の視線は、俺じゃあどうにもならないんですから。
 それでも、食事の時は寛げるな。
 日光の山の幸や川魚。
 それに、とちぎ和牛をつかった料理。
 美味い。
 しかし。これで終わらないのが世の中だったりする…。

「おい…。」
「「「何だよ?」」」
「隠してたな…。」
「「「何をだ?」」」
 こういう時は、見事にハモりやがるな。
 けど、そのままじゃ済まさないぞ。
「どうして、混浴だってことを隠してたんだ!!」
 このままスルーは、出来ないからな。
「「「俺達だって、偶にはいい思いをしたいんだよ!!」」」
「何がだ!?」
 俺が、いい思いをしているとでも思っているのか!?
 いきなりISを展開するし、アサルトライフル、バトルライフル、グレネードランチャー。
 極めつけに、重機関銃に対戦車ミサイルをぶっぱなされる。
 しかも、理由が支離滅裂で訳が解らん。
 これのどこが、いい思いなんだ。
「俺がいい思いしてんのかよ?」
 とりあえず、聞くか。
「周囲を見回してみろ!」
 は?意味わかんねえぞ。弾。
「お嬢様。巨乳幼馴染。ツンデレ幼馴染。フレンドリー美少女。ナイスバディな先輩。ミステリアス系。挙句の果てには、年上にアーティスト。」
 落ち着け、数馬。
「多すぎるだろうが!俺らなんて、1人もいないんだぞ。」
 言ってることが解んねえぞ。斗真。
 結局、意味は解らんな。
「まあ。とにかくだ。俺は混浴には行かない。冗談抜きで、命の危機だからな。そっちは行きたい奴が行って来い。俺は、普通の露天風呂に行く。よし、解決。解決。」
 と、言うか。
 他に、案が無い。
 第一、ラウラと楯無さんがいるのに混浴に行ったら、絶対に血の雨が降る阿鼻叫喚の地獄が待っている。
「そうか。じゃあ、一夏は部屋の露天風呂に入ってろ。この部屋、貸切の風呂がある所から。」
 何だよ?それ。
 偶に、訳の分からない事をするな。数馬は。
 まあ。これはこれでいいけどな。

 と言う訳で、俺は部屋の風呂を使っている。
 何しろ、スナイパーの気配をあの時に感じていたからな。
 絶対に、あの2人だ。
 にしても、やっぱり髪を洗うの大変だよな。
 ああ。短くしたいよ。
「ああ。大丈夫よ。お姉さんが、洗ってあげるから。」
 すいません。助かります。
 ん?何か、おかしくないか。
「トリートメント持ってきているのね。ヘアパックもしないとね。綺麗な髪なんだから、大切にしないと。」
 おい…。
 俺しか入ってない筈だぞ。
 そして、その声は…。

「ハーイ。一夏君。」
 何やってんですか!?楯無さん!!
「我々はお前の護衛だ。傍にいて当然だろう。」
 ラウラまで、何やってる!!
 こんな所、弾たちに見られたら。

「ちくしょー。ばあちゃんばっかじゃねえか。」
「目が潰れるぜ。くそっ!」
「世の中、甘くねえなあ…。」
 
 WARNING!

 WARNING!!

 WARNING!!!

 最悪のタイミングだ!!
 こんなところ、見られたら…。
「一夏。聞いてくれよ。かわいい女の子が1人もいない…。」
 弾が、部屋の風呂の入り口の戸を開ける。
 そこで、時が止まった。
「おい…。」
「随分。面白い事やってやってるじゃねえか…。」
 楯無さんとラウラは、素早く湯船に入る。
 ほっ。
 じゃねえ!!

「畜生!どうして混浴の俺らは、婆さんの裸見て吐きそうになったのに、お前はこれなんだよ!!」
「死ね!リア充!!砕け散れ!!」
 弾と数馬が、血涙を流す。
「ああ。やってられねえよ…。」
 斗真が、遠い世界に旅立つ。
 ちょっと、待て!!俺にとっても、アクシデントなんだよ!!

「成程。前会長にして、現副会長さん。そして、ドイツ陸軍特殊部隊の隊長さん。加えて、お前のボディーガードか…。」
 おい。弾。
 何だよ?その白い目は…。
「そして、美人と…。世の中は不公平だよなあ…。」
 数馬までかよ。
「加えて、お前の護衛をする時は風呂にまで入ってくるのか?いい御身分だよなあ…。」
 斗真の目が、凄え怖い…。
「それ以前に、一夏君は一学期にシャルロットちゃんとお風呂に入ってたから、問題ないの。あ。これ写真ね。」
 何が、問題ないんですか…?
 てか、やめて下さいよ!!
 どんどん。弾達が怖くなるじゃないですか!!

 あれから、とにかく大変だった。
 何とか、皆を宥めることに成功した。
 皆、話が分からない奴じゃないしな。
 俺は夜空を見上げ地元の地酒を呑みながら、今後の事を考えていた。
 基礎設計は、ほとんど頭の中で組み上がった。
 例の追加装備も、設計完了。
 後は、アメリカ海軍と海自か…。
 あの、馬鹿馬鹿しいとしか言いようのない計画。
 できれば、キャンセルにしてほしいもんだな。
 もっとも、HEGとEOSの事を考えればそうも行かないか…。

「こら。こういう所に来た時は、仕事の事は考えない。」
 楯無さんが猪口に、酒を注いでくれる。
 ちなみに弾達は、とっくに酔いつぶれて眠っている。
 以外に、酒に弱いんだな。
「どうしてもね…。何だか、あちこち馬鹿馬鹿しい事ばっかりやっていますから…。」
 猪口の中の酒を、一息に飲み干す。
 あまり味わっているとは言えないかもしれないが、そういう気にもなれない。
「明日は、メインなんでしょう?この旅行の間は、のんびりしなさい。」
「私達も、少し距離を離れて護衛をする。干渉は控えるから、のんびりしろ。来た意味がないぞ。」
 楯無さんとラウラに、そう言われる。
「解ってるんだけどな…。こうも、馬鹿馬鹿しい計画が続くと、この先の事を考える必要は出てくるさ…。」
 俺だって、昔話に花を咲かせたいさ…。
 でも…。俺は、どこにいてもこうなりそうだ…。
 酒を呑みながら、俺はしみじみそう思った。
 けど、2人に心配を掛けるのも何だからな。
 明日は、旅行を満喫するか。
 頼むから、これ以上馬鹿馬鹿しい計画は耳に入ってこないでくれよな…。

後書き
一夏が嘗ての同級生と遊びに行くと、どうなるのか?
そんな事を思いまして、春休み中の仕事でストレス溜まりまくりの一夏の気分転換として書きました。
そうなれば、当然、一夏に彼女ができたかがきになるだろうなあと思いました。
全員、一夏の唐変木を知っているので尚更です。
まあ、悪化しているのでありえないんですけどね(笑)。
気分転換の旅ですが、基本的にはギャグ回ですので楯無とラウラにちょっかいを掛けさせました。
って、いつもの学園生活とあまり変わらない気が…。
お蔭で、弾達は血涙の涙を流し、遠い世界を見つめたりと大変です。
にしても、一夏の唐変木って治るんですかね?
そんな中でも、ストレスの種はゼロにはなりません。
戦艦再就役、大型護衛艦建造計画、空中戦艦建造計画が、ついに決定。
帰ってからは、ストレスまみれになりますね。















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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
どうも、お久しぶりです。
85話でのエヌマ・エリシュ戦から私もISの機能を載せた戦艦を空想していましたが、国家単位でやりますかね、それ。
海自の大型護衛艦は「近場の脅威への抑止力」としてごり押しできても、米海軍はどんな理屈で議会を説得するんでしょうか。アイオワ級はぼろいのでかなりの部分を手直しして……もう超モンタナ級みたいの新造したほうがよさそうな気がします。空中戦艦とかもっとどうすんでしょうか。ドックとか予算とか。
今の世の中戦艦はちょっと、ねえ……。
最近ではミサイルが高性能すぎてメートル単位の装甲すらぶっこ抜くから戦艦は使い物にならんとか聞きますし。現代の海戦では46センチ砲ですら届かない距離で戦いますし。
わたし個人としては主砲はAGSを戦艦規模に改造、装甲は最新の複合装甲、もしくはISに使われているものを流用。これが大筋ですね。ステルスと安定性も兼ねて三胴船体を採用とか。空中戦艦のデザインは……わかりません。
久しぶりに長い感想を書いちゃいました。ごめんなさい。
次も楽しみにしています。
………「お隣さん」の反応が気になります。少し。
西園寺皇斗
2014/03/23 18:23
西園寺皇斗さん。
コメントありがとうございます。

>海自の大型護衛艦は「近場の脅威への抑止
>力」としてごり押しできても、米海軍はど
>んな理屈で議会を説得するんでしょうか。
 近年のアメリカは、軍縮傾向ですからね。
 おまけに、戦艦とはいえ数十年前に竣工し
 た艦を再就役するなんて言われたら、反対
 の大合唱は間違いなし。
 まだ正式決定ではないですけど、本当にど
 うやって計画を実行に移すんですかね。

>もう超モンタナ級みたいの新造したほうが
>よさそうな気がします。空中戦艦とかもっ
>とどうすんでしょうか。ドックとか予算と
>か。
 アイオワ級は船体の要たる竜骨が、いい加
 減にヤバいでしょうから、大改修をするに
 も、相当に大変だと思うんですよね。
 まあ、湾岸戦争以来博物館や記念館として
 余生を過ごしていますから、それなりに持
 つのか、はたまた船体そのものに補強を加
 えるのか?
 モンタナ級を超える戦艦は、ロマンですね。
 空中戦艦のデザインは、凡そ決まっていま
 す。
CIC担当
2014/03/26 19:56

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