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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第87話 春、麗らかならず

<<   作成日時 : 2014/02/02 01:11   >>

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「来賓のリストは?」
「こっち〜。」
 のほほんさんから受け取ったリストに、俺は素早く目を通す。
 OK。問題ない。
 卒業式の準備は整っているけど、最終チェックを欠かすことは出来ない。
 入学してから、ありえない事態のオンパレードだ。
 しかも、IS学園は世界各国から入学してくるので父兄だけでも相当な数になるし、人質としての価値は十分にある。
 各国の対テロ特殊部隊から爆発物処理やハイジャックが起きた場合に対応するための選抜部隊を密かに搭乗させることで話し合いはついているし、準備も着々と進んでいる。
 それでも、油断はできない。
 どれだけ用心しても、し足りないのが現状だからな。

「それにしても、虚が抜けた後、会計はどうしようかしら。」
 楯無さんが、問題発生と書かれた扇子を広げながら考え込む。
 事務処理能力と、IS戦での見事な腕前を兼備する虚さんが抜けるのは生徒会としても頭痛の種だ。
 かと言って、メンバーの補充は楽じゃない。
 何しろ、亡国企業関係であまりにもディープな部分に触れているだけに、後任は慎重に選ぶ必要がある。
 実務能力なら当てはあるんだけど、IS戦となるとキツイんだよなあ…。
 俺の中ではラウラがベストなんだが、シュヴァルツェ・ハーゼの隊長としての任務もあるのではっきり言って無理。
 アンナは、出身部隊上リスクが無視できない。
 マールバラさんは、IS戦での戦闘力が未知数。
 後は…。
 うん…?
「いた…。」
「かいちょ〜う。誰?」
「クリスだよ。」
 のほほんさんに、答える。
「成程。クリスちゃんならしっかりしてるし、IS戦の腕前も中々の物だし問題ないか。」
 有望と書かれた扇子を広げて、楯無さんは何度も頷く。
「じゃあ。後で、織斑先生達と話し合ってみます。」
 他にも、理由があるしな。
 さてと、フライトプランの再チェックと。

「そうですか。IS学園でも卒業式の準備。進んでいらっしゃいますのね。」
 今日は、冬菊の誕生日。
 最近オープンしたイタリアンレストランのVIPルームを、仕事のつてでキープして誕生日を祝うディナーに招待していた。
 プレゼントは、ドレスの他に大粒で純度の高いアクアマリンとダイヤモンドのペンダントを用意した。
「幸せな結婚」を意味するので、女性の冬菊にはぴったりだろう。
 あまりいい縁じゃないけど、知り合ったからには幸せになって欲しい。
 これは、俺の嘘偽りない本心だ。
 冬菊だけじゃない。
 俺の大切な人達には、皆、幸せになってもらいたい。
 心からそう思う。
「やる事多くてさ。父兄だけでも相当な数になるし、各国のIS関連の企業の重役に政治家も来る。そっちの方も気が抜けないよ。ま。それは、冬菊の所も同じか。」
「はい。実行委員会は、毎日大忙しですわ。」
 俺は、他にも仕事があったのでぱっぱとほとんど済ませたけど、それでも無茶苦茶大変だった。
 それに、済ませたら済ませたで最終チェックもある。
 フライトスケジュール、各部の警備状況、国際指名手配されたテロリストの動きの把握。
 こういった事もしないといけないのが、IS学園の特徴だ。
 より正確に言えば、今年のだけどな。
 いつもは、これほど大掛かりにはならない。
 俺達が入学してから、派手に動いてくれたんで大忙し。
 まったく、迷惑な連中だよ。

「今日は、ありがとうございました。とても楽しかったです。」
「去年のお礼だよ。手作りの着物までプレゼントしてもらって、本当に嬉しかった。だから、俺なりにお祝いはしたかったんだ。」
 睡眠時間を削って、心を込めて縫ってくれた着物。
 俺の、大切な宝物だ。
 だから、きちんとお礼がしたかった。
 そんな事を考えていると、携帯の着信音が鳴った。
「私だ。交通事故?重傷なのか?何だって!?心臓外科チームは?容態が急変して緊急オペか。残っている心臓外科医を集めて、大至急オペの準備をすぐに行く。」
 まったく。こういう時に限って。
「ごめん。冬菊。緊急オペになりそうなんだ。すぐに病院に行かないと。」
「いいんです。頑張ってください。」
「ありがとう。じゃあ。安全運転でお願いしますよ。」
 冬菊の家から来た迎えのリムジンで、帰っていく。
 さ。俺も行くか。
「可能な限り、飛ばしてくれ。」
「任せろ。」
 今日乗ってきたのは、ランボルギーニ・ヴェネーノの防弾仕様のロードスターモデル。
 イタリアの一件で、ランボルギーニ社が感銘を受けたとかでカモッラ壊滅のお礼として最近送られてきた。
 最高クラスの防弾仕様で、エンジンもパワーアップさせているらしい。
 間に合わせるために、突貫工事だったとか。
 別にいいのにな。
 でも、断るわけにはいかないしなあ…。
「高速に出たら、一気に飛ばすぞ。お前の場合は、その辺りは制限なしだからな。」
 そう。
 俺が関わると、法定速度が関係なくなる。
 俺は、こち亀の中川じゃないっつーの!
 だからって、飛ばさないけどな。
 ただ、今回は人命が掛かっている。
 可能な限り、早く駆けつけないとな。

「患者さんは?」
「交通事故。不良の女子高生が無免許で暴走して、妊婦の乗った車に激突。お母さんは命に別状はないけど、赤ちゃんの方が…。」
 ポータブルの電子カルテを見た俺は、血の気が引いた。
 26週の早産で、体重は1340gの極低出生体重児。
 おまけに、下行大動脈から上行大動脈に続いて各部へ分岐する大動脈弓が正常な形じゃない。
 それに左心房と左心室の間にある僧帽弁が、かなり狭窄している。
 極めつけは、肺動脈の肺へ送る部分の細さだ。
 これを何とかしないと、心臓に酸素を豊富に含んだ血液が流れていかない。
 結果、サチュレーションが低いから赤ちゃんの皮膚は紫色だ。
「オペ室準備完了です。」
「よし。急ぐぞ!」
 前までは敬語だったけど、周囲への示しがつかないとかなんとかで上司として振る舞うように言われたのでこうしている。
 面倒だな。
 とにかく、早く終わらせないと。

「メス。」
 まず、胸を切開する。
「メイヨー。」
 新生児は骨が固まっていないので、ハサミで斬れる。
 ある程度固くなると、専用の器具が必要になるけどな。
「新生児用開胸器。」
 心膜に包まれた心臓を露出させて、細部を確認する。
「肺動脈が細すぎます。全然発育していないですよ。」
「大動脈弓も急がないと。」
 助手の杉田先生と南部先生が、尻込みする。
 そりゃこれだけ酷いと、そうなるか。
 それでも、2人は人工心肺を使う準備を進めていく。
「人工心肺準備完了。心筋保護液注入。完全体外循環開始。」
「杉田先生。心膜でロールを作って、僧帽弁形成用のリングを作ってください。その後、置換する弁をお願いします。南部先生は私のサポートに。」
「「はい。」」
「上行大動脈、弓部3分枝、下行大動脈を剥離する。」
 僧帽弁の再形成の準備の様子を見ながら、大動脈弓形成を進めていく。
 とにかく、早く終わらせたい。
 人工心肺に繋げているとは言え、この機械自体がまだ発展途上なので一刻も早く終わらせる必要がある。
「ヘパリン1.34mg投与。動脈管を結紮する。2−0絹糸。」
 絹糸で、次のステップの準備を終える。
「下行大動脈と大動脈弓をクランプする。大動脈遮断鉗子。」
 下行大動脈と大動脈弓を鉗子で、遮断する。
 ここからが本番だ。
 僧帽弁形成に、肺動脈の再建もある。
 秘策は用意しているけど、心臓手術はとにかく油断が出来ない。
 素早く的確に、大動脈弓の再建を続ける。
 動脈の圧力は問題ない。
「リングと弁の形成、終わりました。」
 ちょうどいい、タイミングだな。
 こっちも、大動脈弓形成が終わった。
「テンポラリーバイパスチューブを、2本作って。」
 怪訝な顔をしながら、杉田先生はバイパスチューブを作り始める。
 終わったらすぐに、バイパスチューブを分岐点より少し手前の部分から、左右の肺へ繋いで分岐する部分を遮断する。
 かなり奇妙で、狭い部分から先は正常な太さだったのでこれを利用した。
 後は、肺動脈のみ。
 左右の肺には、バイパスチューブで血液を送り込んでいるので人工心肺がなくとも肺には血流が確保されている。
「肺動脈以外の全てのクランプを、解除する。」
 肺動脈以外の鉗子を、解除する。
 よし、問題ないな。
 人工心肺を使用する際は、血液をサラサラにする為にヘパリンという薬を使う必要がある為に縫合にミスが無くても出血する可能性がある。
 人工心肺を使う点の、難しさの一つだ。
 他の部分も大丈夫だな。
「拍動確認。」
「ヴァイタル及び動脈圧は。」
「問題ありません。」
 こちらは、心膜で作ったリングと弁を使って僧帽弁形成を進める。
 一般的には人口弁を使うけど、あれは一生薬を飲み続けないといけなかったり菌塊がついて感染症のリスクが残ったりするので、できれば使わない方向でいきたかった。
 よし。僧帽弁形成終了。
 それじゃあ、行くか。
 俺の奥の手だ。

「有茎自己心膜を使用しての、肺動脈再建に移る。」
 血流を残したままの、心膜。
 それが、有茎自己心膜。
 バイパスチューブと並ぶ、奥の手だ。
 大動脈弓形成に僧帽弁再建と、人工心肺を使用していた時間は決して短くない。
 だから、可能な限りそれを短くしたかった。
 そして考えたのが、バイパスチューブによる血流の迂回。
 これで、離脱までの時間を短縮できる。
「6−0プロリン。ラストスパートだ。」
 できる限り素早く。
 できる限り緻密に縫合する。
 大事な有茎自己心膜の血管。
 血流が確保されているから、成長の可能性が十分に期待できる。
 人工血管に比べても血栓は、ずっとつきにくい。
「肺動脈遮断解除。」
 よし!サチュレーションはパーフェクト。
 大分、心膜を切除したので念の為、人工心膜で心臓を覆って閉胸してオペは終了。
 しばらく様子を見る必要はあるけど、何はともあれ成功だ。

「手術は無事成功です。しばらくはNICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児特定集中治療室)で経過を見守る必要はありますが、お子さんの命の力を信じましょう。」
 お母さんの病室で、御夫婦に手術の話をして成功の報告をする。
 医学の勉強をしてから、よく思う。
 命は強いのか?それとも弱いのか?
 どちらでもあるのかもしれないし、どちらでもないのかもしれない。
 でも、俺は信じたい。
 命は、強いと。
 だから、あの子が元気に育つと信じる。
「「どうも、ありがとうございました。」」
「頑張られたのは、お子さんですよ。出産して大きなハードルを目の前にしても、頑張られたんですから。」
 本当。あんな小さな体でよく頑張ってくれたよ。

「せっかくのディナーだったのに、済まなかったね。織斑先生。」
 外科部長の須田先生が、声を掛けてくる。
 横須賀病院は外科組織を拡充し、それに伴い外科部長に就任したのがこの先生だ。
 あの狸とは違い、いい人なんだよな。
 腕もいいし。
「命の危機があれば、駆けつける。それが医者ですよ。私は、そう思っています。」
 そうか。と言って、須田先生は笑う。
「ああ。そうだ。例の話。決まったよ。織斑先生に。」
 マジかよ…。
 高度救命センターのセンター長が他の自衛隊病院に移ることになり、さらに総合診療科が設立される事が決定し総合診療科部長に誰が就任するかが話し合われていた。
 それで、何と俺の名前が出ていた。
 ないと思っていたけど、あの狸親父め!!
「ま。そう、目くじらを立てんことだ。副院長も院長も、織斑先生を高く評価しているんだからね。勿論、私もだ。それから、もう給料を受け取ってもらうよ。いくらなんでも、無給とはいかなくなるからね。」
 そっちは、全部寄付しよう。
 それで、救われる人もいるんだから。
「とにかく、NICUに行ってきます。それで、はねた不良はどうしてます?」
「入院の必要もないね。軽い打撲程度だよ。もう、逮捕されて今頃は留置所だな。」
 せいぜい、後悔しろ。阿呆が!!
 やりきれない感情をどうにか押し殺して、NICUに向かった。

「はい。最終確認は順調です。かなりの未熟児のオペだったので、容態が急変してもおかしくありませんから今晩はこちらにいます。チェックはほぼ終えました。そちらに送りますので、確認してください。」
「解った。そちらの仕事はきちんとやれよ。」
 千冬は、携帯を切る。
「ふむ。チェックは問題ないな。後は、警備状況を再確認すれば終わりか。」
「本当によくやってくれますね。手術をして術後の経過を見守って、それに卒業式関連。加えて、亡国企業の調査。」
 ロンドンでのオークションの際、グレッグソン=ウィリアムズと情報交換をして、さらに一夏は調査を進めてアメリカとの関連解明にも動いている。
 欧州に関する調査も、並行してである。
 凡人に出来る事ではない。
 真耶は、しみじみと感じていた。
「くだらぬ手だが、いい隠れ蓑になった。何度も使えんがな。それより、脱出した実動部隊の行方は?」
「まだ。足取りは…。」
「そうか…。焦らずじっくり行くしかないかも、しれんな。」
 ここで焦れば、一夏の足を引っ張りかねない。
 千冬は、自らに忍耐を課していた。

 翌朝、NICUで容体が安定しているのを確認して俺は学園に戻り、いつも通りに鍛錬をしてシャワーを浴びていた。
 アメリカの方には、そんなに手を出していないと思っていたら情報を吸い取る目的で随分と手が伸びている。
 纏めて引きはがすのは、相当に骨だな。
 アメリカがやるように、お膳立てをするか。
 政府も汚名返上とばかりに、励んでくれるだろう。
 こっちは、欧州の調査と卒業式で手一杯だ。
 なにしろ、この時期に修学旅行だからな。
 何、考えてるんだか…。
 余裕を見せておくのは、それはそれでいいかもしれないが刺激するリスクもある。
 とは言え、連中に合わせて学園の行事の予定を変更したら、向こうを勢いづかせる可能性もある。
 余裕を見せつける方が、ベターかな。
 念の為、俺が見回りをすれば大丈夫だろう。
 千冬姉たちも、見回りをするはずだしな。

 そして、卒業式の日が来た。

「卒業生。入場。」
 体育館に、胸に花をつけた卒業生たちが次々と入ってくる。父兄は在校生の後ろの席に。
 各国からの来賓は、両側の特別席に座っている。
『何か。懐かしいな…。』
 一夏は、去年の卒業式の事を思い出していた。
 ISを動かせることが判明してから、一夏はすぐに習志野での訓練が入り中学に通う事は無かったが、卒業式は皆と一緒だった。
 稀代の唐変木の一夏は当然気付いていなかったが、同級生のみならず下級生女子にも慕われており、皆が一夏の卒業に涙した。
『俺が卒業する時は、どうなるんだろうな…。』
 警備状況をチェックしながら、一夏はそんな事を考えていた。

「在校生祝辞。生徒会会長。織斑一夏。」
 卒業証書の授与が終わり、在校生の祝辞が読み上げる番になる。
「はい。」
 在校生の祝辞は、生徒会長が述べるのがIS学園の慣習になっているので、一夏が壇上に立つ。
「卒業生の皆さん。ご卒業おめでとうございます。私は1年生ですので、共にこの学園で過ごしたのは僅か1年間です。ですが、その1年の間で教わった事は決して少なくありません。私個人が、その中で何か一つを上げるとすれば、自分が如何に未熟な人間であったことか。そこから卒業するにはどうすればいいか。そのヒントを、教えていただけたことです。自分が未熟でまだまだ精進が必要なのは、解っていたつもりでした。ですが、皆さんはそれをより解りやすく教えて下さりました。これは、他の1年生も同様と考えます。クラス対抗戦やタッグマッチで、皆さんが見せてくださった学園で磨かれた技量はそれを雄弁に物語っていたと感じます。それを通じて、日々勉学に励まれていた真摯な姿を私たちは目にしていたと考えます。人と出会った1日は、出会わなかった100日分に値する。これは、マダガスカルの諺です。このIS学園で皆さんと共に過ごせた1年間は、一体何年分の価値があるのか。計算の方法が見つかりません。それほど、価値のある1年間でした。皆さんは、今日、卒業して社会に出て活躍され、あるいはさらに勉学に励まれたりなさるわけですが、これからも、その真摯な姿勢に変わりはないと、確信しております。私たちが卒業する時には、今日の皆さんに決して恥じぬように精進を積み重ねていきたいと思います。今日お出でいただいた来賓の方々の中には、この学園を卒業なさった方々もいます。もし、私達が卒業する際に来賓として招かれた時に恥ずかしい思いをしないよう努力を惜しまぬことをお約束し、又、皆さんのこれからのより一層のご活躍をお祈りしつつ祝辞をさせていただきます。在校生代表織斑一夏。」
 一礼して、一夏は壇上を降りる。
 卒業生、来賓等の拍手を聞きながらも、一夏は警備状況を確認する。
『無粋な事はしないか。いい事だ。』
 卒業生が巣立っていくめでたい日に襲撃を掛けようものなら、一夏はゴーレムだろうがなんだろうが、リサイクルの分別など必要のないくらいに粉砕するつもりでいた。
 その後、来賓からの祝電と父兄、教員からの祝辞。
 卒業生からの答辞が読み上げられて、卒業式は終了する。

 ふう。
 無事に終わったな。
 これで、1年目は終わりか。
 何だか。あっという間だった。
 でも、妙に長かった気がする。
 先輩達にも、散々お世話になったしな。
 後は、先輩達が恥ずかしい思いをしないで済むように頑張ろう。
「おーい。織斑。いるか?」
 ケイシー先輩?
「はい。何ですか?」
「いやな。クラスごとに記念写真を撮るんだけどさ。お前と一緒に撮りたいんだと。」
「どういうことです?それ。」
 普通、記念写真は、クラスメイトオンリーだよな?
「それだけ、お前は私達にとって可愛い後輩だってことだよ。いつも一生懸命で、まっすぐで。ま。世話の焼ける奴ではあったけどさ。それに、お前が私たちに恥じないようになりたいって言ってたけど、私達だってお前に恥じない人間でありたいんだぞ。いつも陣頭に立って、何かを守る為に戦っていたお前にさ。」
「そうですか…。じゃあ。お言葉に甘えて。」
 こういう好意は素直に嬉しいから、素直に受けておこう。

「初めて見ますね。ああいう光景。」
 職員室の窓から、真耶は卒業生たちと記念写真を撮る一夏を見ていた。
「惚れる惚れないにかかわらず、あれの周囲には女が多すぎる。おかげでこちらは苦労が絶えん。が、こういうのは悪くないな。」
「ええ。」
 若干苦笑しているような千冬を、真耶はどこか嬉しそうに見ていた。

 深いな…。
 金の流れもそうだけど、他に何かがある。
 しかも、相当に遡る事が出来る何かだ。
 今まで、金の流ればっかりに目が行き過ぎたのかな…。
 ここで、見落としが出るとは思わなかった。
 考えてみれば、亡国企業の兵隊にしても奇妙ではあったんだよな。
 俺はてっきりPMCをクビになった連中を拾ったと漠然と考えていたけど、これに関してもきちんと調査を進める必要があるな。
 金の流れはだいぶ解明できたけど、まだ解明する部分がある。
 今までより、さらに大変になりそうだ。
 日本にいた実行部隊を取り逃がしたのも、痛い。
 アジトにしていた高級マンションからも、大した情報は得られなかった。
 もうすぐ、修学旅行。
 にも関わらず、この有り様…。
 のんびり楽しんでいる、余裕はないな。
 やれやれだ…。
 一つ言える事は、この何かが亡国企業の幹部に繋がっているとも言えそうな事だ。
 ここで解明を進めれば、一気にチェックメイトを掛けられる。
 正念場だな。
 さ。頑張りますか。

後書き
イギリスから帰ってきても、一夏は大忙し。
3学期の大きなイベント。
卒業式が待っています。
経験した方も多いと思いますが、リハーサルを何回もやりますからね。
当日の準備も、何かと忙しいですし。
何より、高校の卒業後は会うチャンスも少なくならざるをえませんから、特別な物だと思います。
無事に終了して、一夏はほっと一息。
ですが、これからも亡国企業解明の仕事は続きます。





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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ちょ、汚名を挽回してどうする!
返上するものでしょ。
挽回するのは名誉だよ。
ulysses
2014/06/13 06:39
ulyssesさん。
コメントありがとうございます。

ご指摘の箇所、訂正いたしました。
ありがとうございました。
CIC担当
2014/06/13 09:30

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