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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第30話 What birds do you think? Phase3

<<   作成日時 : 2013/10/18 23:10   >>

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「先日の、ジャカルタでのコーイット・ヌアンケーの件ですが。死亡者は4名。眉間に1発。心臓に2発。使用された弾頭は、9mmパラベラム弾。現地警察は、状況から強盗殺人と見ています。しかしながら、停電が起きた時刻。死亡推定時刻。これみよがしの現場の状況から、プロの犯行と判断しました。これの意味するところは…。」
「ああ。解っている。キャスパーの仕業だ。話の腰を折って、済まんがな。数日前に、かなり遠回しに警告を受けたよ。我々を引きずり出すのが、キャスパーの狙いだ。」
 日野木はパーキングエリアの車内で、部下らしい女性の報告を受けていた。
「やはり!」
「一佐!」
「まあ、落ち着け。これは、想定内だった事である。それに、この程度は、我々には大したダメージにもならん。とは言え、黙視はできん。」
 日野木がそう言った後、日本に入っていたSR班のメンバーは、胸に込み上げる物を抑えながら、話の続きを待っていた。

「プランは既に発動しているが、シナリオはかなりの修正を余儀なくされるだろう。KからK2に変更。磯部。貴様が指揮を執れ。詳細は任せる。日本での作戦は、プランK4だ。吉岡。詳細は変わらん。指示を出すのは私だが、実行は、貴様に任せる。」
「はっ!」
「はっ!」
 2人の部下が、復唱する。
「キャスパーは、ジャカルタを動かんだろう。行動を起こした意味が、ないからな。だが、ココ・ヘクマティアルとソフィア・スティーナ・アルムフェルトに関しては、今後の状況がどう転ぶか。まだ、未知数だ。知っての通り、2人とも、世界を股に掛ける武器商人。各国の情報に通じている上に、強力な私兵を引き連れている。特に、ソフィア・スティーナ・アルムフェルトの情報収集能力・分析力・決断力は、決して軽視するな。いいな。吉岡。」
「はっ!」
「解っていると思うが、これからは、隠密行動で処理できる範囲を超える。間違いなく。戦闘状況が発生するだろう。相手は手強く、当然、リスクも高い。その上で、諸君に最後の質問だ。状況はこのままでよいか?」
「「「「「はっ!望むところであります!」」」」」

「全員の志願を、確認した。ご苦労。この戦いに勝利した暁には、本国も我々を無視できなくなり、忘れられた部隊ではなくなる。派手にいこう。」
「「「「「はっ!」」」」」
「うむ!」
 部下たちの意志を確認した日野木は、携帯を切る。

「そう…。派手にな…。」
 日野木の表情は、どこか複雑だった。

「フフーフ。やはり、彼に任せて正解だったな。」
 ジャカルタのホテルに宿泊しているキャスパーは、ソフィからのメールに目を通して、状況を把握した。
「何かあったの?キャスパー。」
「いえね。チェキータさん。改めて、ソフィの情報網とそれを活かす彼の能力に、頼もしさを感じていたんですよ。それにしても、日野木一佐。やはり、一筋縄ではいきませんね。ひょっとしたら、フロイドさんより冷酷かもしれない。」
「あら。そんな人間がいるのかしら?」
 嘗ては、レームの妻として、共にフロイド・ヘクマティアルの護衛についていたチェキータは、フロイドの性格を多少は知っていたが、故に、信じられなかった。
 が、ソフィからのメールを読むと、納得した。
「目的は達したけど、大変そうね。」
「ええ。面倒くさいことになりそうです。」

『進行率は、8割を超えたけど。進めば進む程、どれだけ混沌としているかが解る。にしても、軍閥と国軍のパワーバランスまで利用するとは…。」
 調査を進めている内に、SR班は軍閥とも太いパイプを持っていることが、明らかになった。
 目的は2つ。
 国軍と軍閥の争いを隠れ蓑にして、諜報活動を続ける事。
 もう一つは、双方を中継点として、様々な情報を引き出す事である。
『マッチポンプの上に、国軍も軍閥もマヌケなピエロ。背筋が、寒くなってきた…。』
 今まで相対してきた敵とは別の意味で非情な相手だけに、SR班というより日野木個人に、ソフィは戦慄を感じていた。
 決して外は寒くはないが、寒さを感じたソフィは、エリが淹れたコーヒーを飲んで体を暖める。
『さあ、もう少し。行こうか。』

「今回の相手は、相当に厄介ですね。純粋に力での勝負なら負けることはないでしょうが…。」
「日野木ってオッサンが、そうはさせないと思うがな。ドンパチがある事を想定した場合、面倒なトラップが待っているだろうよ。さて、どう切り抜けるか…。」
 バルメとレーム。
 共に精鋭部隊出身で、戦闘能力は折り紙つきだが、今回は勝手が違う。
 2人は、戦闘能力に特化したと言ってもいい、生粋の兵士。
 だが、今回は情報戦の可能性が、濃厚である。
 事と次第によっては、狩られる側に回る可能性を考慮し、できうる限り対抗策を考えていた。
「駄目だな。そっち方面は、やっぱりココとソフィに任せた方が賢明だろう。」
「ですね。トージョ達もいますし。ココもソフィも、相手が凄腕の諜報部隊長だとしても、そう遅れは取らない筈です。」
「そうでないと、キツイぜ。」

 レームとバルメが巡回をしている時、トージョはSR班と日野木の事を考えていた。
『俺がSR班を辞める切欠になったあの時、本当にSR班は諜報部隊だったのか…?』
 SR班のある任務の際に、トージョは嘗ての上司と同僚たちと袂を分かち、キャスパーの部下になった。
 それから、各地を転々として、情報関係と交渉術に長けた人材を欲していたココが、キャスパーの紹介でトージョを部下にした。
『あれから、何年も立った…。キャスパーの言った事は、当たっているのかもな。だとしたら、日本での状況は大分違うな。』
 トージョは、当初の予想が外れるかもしれないと、考え始めた。
 その時、トージョの携帯に連絡が入る。
「はい…。解りました。」
『さすがに、すぐに解ったか。当然だな…。』
 トージョは、ココとソフィの所に行った。

「ガンビル通商。つまり、SR班から申し出がありましたよ。」
 トージョがココ達の所に行った頃、キャスパーはガンビル通商という貿易会社から、手紙を受け取っていた。
「ふ〜ん。何て?」
「今後のビジネスについて。だそうです。さてさて、何を提案して来るのやら…。」
 手紙を手に、キャスパーは面白そうに笑う。
 傍のノートパソコンには、ソフィから送られてきた、新しい情報が表示されていた。
「あの子からの情報から、まともな商談じゃない事は確かでしょ。じゃあ、返答は決まってるんじゃないの?キャスパー。」
「まあ。話を聞いてみるのも、面白そうじゃないですか。チェキータさん。聞いた後でメリットになるのなら、方針転換も吝かじゃないですよ。デメリットなら、予定通りで行けばいいだけですから。」
「じゃ。応じるわけか。」
「ま、そういう事です。後は、お願いします。」
「了解。」
 チェキータは、エドガーたちの所に行く。
「さて、日野木一佐とSR班。どう出てきますか?ずっと亡霊のままか、この世から消え去るか。さて、どっちやら。中々、楽しめそうですね。どちらにしろ。」
 少しして、キャスパーの表情はどこか獰猛になる。
「楽しませてくれないと、興が無さすぎる。ここまで、僕に面倒な思いをさせたんですから、頼みますよ…。」

「ふむ。予定通りだな。磯部。任せたぞ。そちらのプランが完了し次第、こちらも開始する。」
「はっ!」
 ジャカルタの部下から知らせを受けた日野木は、何かを考えるような表情になる。
『いよいよ。賽は投げられるか…。』

 トージョに日野木から連絡があった翌朝、ココ達はACOGを装備したARX−160の手入れをして、ボディーアーマーを着込み、上から薄手のブルゾンを着込む。
 他に、「ヒトラーの電気鋸」の異名で知られるグロスフス MG42がチームごとに1丁持つことになっている。
 重量で言えばミニミが有利だが、火力を重視して7.62mmNATO弾を上回る8mmマウザーを使用するMG42を使用することを、ココとソフィは決めた。

「よく、こんなのあったな。」
 MG42はMG3と名を変え、7.62mmNATO弾を使用する機関銃として、運用されている。
「手に入れようと思えば、そんなに難しくないですよ。8mmマウザーにしてもね。防弾車の類でも、これを喰らえば只ではすみませんよ。本音を言えば、M2が使えればよかったんですけど、あれは重すぎますからね。」
 珍しげに、MG42を見るルツに、ソフィは説明する。
「備えあれば、憂いなしか…。どう思う?トージョ。日本でドンパチやる可能性は、低いって言ってたよな?」
「俺が知っている、日野さんならな。」
 アールの質問にトージョは答えるが、確信しているとは言えない口調だった。
『どこか、日野さんらしくない。キャスパーに対しての対応が、どうも引っかかる…。』
 SR班は諜報部隊ではあるが、時によっては戦闘もする。
 だが、それですら隠密裏だ。
 しかし、今回に限ってそうはならない。
 頭の隅で、トージョはそんな事を考えていた。

「さて、昨晩。トージョに電話。私とソフィにメールが来た。会談の申し入れだ。今後のビジネスと言う事だが。それはないね。もう、キャスパー兄さんに喧嘩売っちゃってるし。ならば、なんでこんな事をしたんだろう?ソフィの情報解析の結果から、兄さんがそれなりにシェアを得たとしても、SR班の地盤はそう簡単には揺るがない。」
「つまり、喧嘩を売る必要が無い。」
 バルメは、ココの言いたいことを察した。
「そう。正解。だからこそ、ますます解らなくなってきた。ひょっとしたら、今回兄さんに喧嘩を売ったのは、何らかの目的を果たすためのステップかもしれない。とにかく、東南アジアのルートが解明できた途端に、解らない事だらけ。いずれにせよ。接触して、意図を知る必要がある。場所は、海ほたるパーキングエリア。日本に支社やダミーカンパニーを持っていないので、日本での会合は、パーキングエリアで極秘裏に行うのが、SR班のやり方だそうだ。この機を逃すと、他国に拠点を作り移る可能性も出てくる。その前に、この件に決着を着ける。状況開始!」
『そう。俺ですら、今の日野さんが何を考えているのか、解らない…。あんた、何やる気なんだよ…?』

 一方、ジャカルタのキャスパーが宿泊するホテルには、1人の女性が訪れた。
「黒坂が、キャスパー・ヘクマティアルに接触する。状況開始…。」
 中年の商社マンらしき男が、覗き見防止フィルター付きの携帯で、メールを送る。
 SR班と、HCLI。
 遂に、戦いの幕が上がった。

後書き
日野木の口から宣戦布告があった事を伝えられ、SR班も戦闘態勢に。
その一方で、ソフィは解析した情報から、何かを突き止めた模様。
そして、SR班と東南アジアの深い関わり。
様々な事実が明らかになり、そして謎が増え、戦いが始まります。






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