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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第60話 更に多忙な3学期<後篇>

<<   作成日時 : 2013/07/28 01:47   >>

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『ふむ。また伸びたな。こちらも使うか。』
 千冬も、展開装甲を起動させる。
 兵装をシンプルにした分、舞桜は、基本スペックを、極限まで高めた設計になっている。
 それを、一夏が改修し、性能が3割向上しているのだから、性能の高さは推して知るべしである。
 一気に、機動性と運動性が高まり、千冬の攻撃は苛烈さを増す。

 向こうも使ったか。
 てか、冗談抜きにヤバイ。
 シールドエネルギーが、3割切りやがった。
 舞桜は5割を切った所か。
 基本スペックは、第二形態の紅椿も凌ぐからな。正直に言って、今の状態はキツイ。
 この後は、ISの実技指導が待っているから、光皇を使うのは無理だ。
 なら、可能な限り、展開装甲を機動力の向上に回すしかない。
 背部と腰部アーマーの展開装甲も、機動力の向上に回す。
 これなら、あれで何とかできるか。
 今のシールドエネルギーじゃ、1回しか使えないけどな。
 行くぜ!
 イグニッションブーストで、千冬姉に迫る。
 千冬姉も、向かってくる。
 刹那とも呼べない、僅かな瞬間。
 そこにしか、チャンスは見いだせない。
 逃したら終わりだ。
 そして、俺は最後の一撃を繰り出し、千冬姉も上段からの一撃を加えようとする。

「嘘…。」
「織斑君の…、勝ち…。」
 1桁単位だけど、白式はシールドエネルギーが残っている。
 舞桜はゼロ。
 阿頼耶識と末那識の性能に、助けられたな。
 こつこつと改修しているから、零落白夜を使用した時もエネルギー消費量は同じでも、威力は格段に上がっている。
 にしても、立つのも無茶苦茶きつい。
 千冬姉は、普通にしている。
 勝ったとは、言えないな。
「僅差だが、見事な物だ。白式の性能にも助けられてはいるが、日々の鍛錬の成果は出ているな。授業前に、医務室に行って来い。その状態では、午前はどうにかなっても、午後の指導は無理だからな。」
 初めて、褒めてもらえたか。
 こんだけ、しんどい目に遭ってやっとかよ。
 でも、褒めてもらえただけでも、良しとするか。
 俺の最後の手段。
 阿頼耶識と末那識を、地面の抵抗を利用して加速させて、千冬姉より速く、そして強力な一撃を繰り出す事。
 どうにか、成功したな。
 でも、この手は地面がないと使えない。
 もっと、腕を磨かないとな。

 昼飯食ったら、午後の実習の準備だが、出来る限り早く切り上げて、白式のデータ整理を、ある程度やっておきたい。
 授業後の鍛錬の後に、データを反映した整備をしておきたいしな。

「聞いたわよ。僅差とはいえ、織斑先生に勝ったんですってね。」
 見事!と書かれた扇子を広げて、楯無さんが、俺が食事をしているテーブルに座る。
「何とかですけどね。」
「それでも、十分凄いわよ。私ですら、無理だったのよ。というか、今まで一人もいなかったわ。でも、相当に疲れたらしいわね。その、食事の量を見ると。」
 今日のメニューは、わさび醤油の大きいステーキに大盛りの飯。それにサラダ。
 デザートに、フルーツを食べる。
 とにかく、栄養を取っておくように医務室の先生に言われて、ビタミンの錠剤をいくつか処方された。
 千冬姉相手は、さすがにキツイ。
 もう、プラント能力を切った状態で、展開装甲をフルに活用しないと駄目だな。
 ブッフバルト先生も、火がついた目をしてたからなあ。
 これから、もっときつくなる。
 セシリア達は、母国の特殊部隊で、厳しい訓練を受けていたそうだ。
 そりゃ、強くもなるな。
 箒も、かなりハードな自主トレを、積んでいたらしい。
 ラウラも、元旦以降、俺の警備の合間を縫って、自主トレをしていたらしい。
 習志野に来る前にも、KSK(陸軍特殊作戦コマンド)やGSG−9(国境警備隊第9グループ)といった、国内の特殊部隊との合同演習をしていたそうだ。
 さらに、シュヴァルツェア・レーゲンは、遠距離でも中距離でも対応できる、新型レールキャノン「シャープ・ファング(鋭い牙)」を増設。
 射撃戦の性能と、汎用性が増している。
 ツヴィリングの技術を解析したことが、すぐに解った。
 向こうも、俺の技術をできる限り解析しようと、必死だな。
 まあ、自分たちの国のISの面倒を、自分たちで見られるなら、俺も助かる。

「じゃあ、俺は先に行って、実習の準備と白式の整備をしてるから。」
 早めに食べて、俺は席を立つ。
「大変だな。授業、仕事、研究もきちんとやっているのだから、尚更に。体だけは壊すなよ。」
「解ってる。ありがとう。箒。」
 トレイを置いて、俺はアリーナに向かう。

 大分、あちこちに来てるな。
 ゴーレムとの戦闘の方が、ずっと楽だ。
 一回、1日かけて、フルオーバーホールすべきかな。
 去年の習志野での合同演習も、大分経験になったみたいだし、ブッフバルト先生、千冬姉。
 2人の嘗てのブリュンヒルデとの、激しい戦闘で得たデータをきちんと反映したいし。
 ちょっと、考えるか。
 とりあえず、出来る限りやっておいて、午後の実習の準備をしないと。
 今までの事を考慮して、個人戦闘の指導もすることになってるからな。

 個人戦闘の基礎は、出来ているか。
 まずは、シューティングレンジで拳銃とアサルトライフルを使用しての、軽い射撃訓練と、個人戦闘の訓練をしてみたが、思ったより技量は高い。
 特に、蘭はかなり頑張ったらしいな。
 技量では、他の3人に劣るけど、努力家だから、何時までも今のままでいるとは思えない。
 シャーリーのアサルトライフルは、FN SCAR−L CQB。
 拳銃は、スプリングフィールド XD 45 ACP。
 レイラは、サコー Rk95 TPの5.56mmNATO弾仕様に、FN FNP−45。
 コリーナは、H&K G36Kに、グロック 21。
 そして、蘭は、ブッシュマスター ACRの11.5インチモデルに、シグザウアー P229の40S&Wタイプか。
 蘭以外は、全員拳銃は45口径。
 攻撃力重視か。
 蘭は慣れていないから、40S&Wくらいがちょうどいいか。
 銃に慣れたら、また考えればいいわけだし。
 アサルトライフルは、レイラが輸出仕様のRk95を使ってるから、5.56mmNATO弾で統一できる。
 ある程度したら、野外フィールドとかを使用しての訓練に、切り替えるか。

 ISの訓練の初日は、まずは個々人のスキルを実際に見る。
 トップは、シャーリーかな。
 海兵隊は、アメリカ軍の切り込み隊。
 全員精鋭がモットーだけに、入学前でテストパイロットをやっているとなると、腕も中々だ。
 レイラとコリーナは、共に代表候補。
 こっちも中々だ。
 一番驚いたのが、蘭だ。
 予想以上に、技術を身につけてるな。
 他の3人に劣るけど、本人の頑張り次第で、同等以上になるのは意外に早そうだ。
 瑞鶴も、ある程度使いこなしている。
 コリーナが、羨ましそうに見てるな。
 他国の第3世代兵装の技術を使った兵装が、標準装備。
 その上で、新開発された第3世代兵装が搭載されているのが、瑞鶴だ。
 基本性能も、4機の内じゃ群を抜く。
 コリーナの専用機、アルパクティコも決して性能が低いISじゃないし、第2世代でも、パイロットの腕次第で第3世代ISとも互角に戦えるのは、シャルロットを見れば、解る。

「やっぱり、瑞鶴が、性能で群を抜いてますね…。」
 訓練の映像を見ながら、真耶は4人のISのスペックを別のウィンドウに、呼び出す。

 シャーリーのISは、アサルト・キャット。
アメリカ海兵隊が開発した、第3世代ISで、切り込み隊である海兵隊の用兵思想に則った、機体である。
兵装は、重滑腔砲「ジャイアント・アックス(巨大な斧)」、背部高出力荷電粒子砲「シャイニング・ランス(輝く槍)」2基、8連装ミサイルポッド「スカイ・ウルフ(空の狼)」2基、腕部および脚部には、ファングクェイクと福音の改修時に一夏が開発した、サバイバルナイフ、アリゲーターの改造型、「アリゲーター・カスタム」が内蔵されている。
第3世代兵装は、反重力衝撃砲「ジャイアント・クラッシュ(巨大な一撃)」。

 レイラのISは、ルミ・リタリ(雪の騎士)。
 高機動性能と運動性に重点を置いた、第3世代ISである。
受け流す。あるいは回避することを防御の中心とする設計思想の元、開発されている。
兵装は、高出力エネルギーサーベル「スヴォルド・フィケ(氷の剣)」、肩部ホーミングレーザー「メテオリ(流星)」、背部ミサイルポッド「ラケート(雹)」、腕部内蔵小口径レールガン「シャルプ・ヤプイッコ(鋭き氷柱)」。
第3世代特殊兵装は、イグニッションブーストの8割程度の速度を維持し続けて、戦闘が可能な、高速機動機構「ヴァルコイネン・ロヒカールメ(白い竜)」。

 コリーナのISは、第2世代IS アルパクティコ(猛禽)。
 テュランノスの教訓から、攻撃力、防御力、機動力の内、機動力を抑えめにして、攻撃力と防御力にウェイトを置いた機体になっている。
基本兵装以外の兵装は、機動ユニットに装備されており、状況に応じたユニットを装備して、運用する。
基本兵装は、プラズマ砲としても使用できる、プラズマ放射メイス「イフェスティオ(火山)」、シールド内臓6連装ガトリング砲「スフェラ(弾丸)」、腰部6連装リボルバー式グレネードランチャー「エクサルファ(六芒星)」である。
 一夏は、データに目を通した時に、状況に応じてユニットを換装するという設計思想を面白いと感じ、第2世代と第3世代の中間の世代と考えている。

「織斑君の考えるとおりとも、十分言えますね。機動ユニットは、状況に応じて換装するというコンセプトから、それ自体が、特殊兵装に近い物がありますからね。基本性能も中々の物ですし。」
「それでも、瑞鶴を羨ましく思うのは、仕方ないだろう。」

 蘭の専用機にして、一夏が開発した第3世代IS 瑞鶴。
 従来の第3世代兵装を、通常兵装として装備した試験機の側面を持つ、オールレンジ攻撃が可能な、IS。
特殊兵装は、偏向射撃も拡散攻撃も可能な特殊荷電粒子砲、レールガン、エネルギーカッター、シールド発生装置を1つにして極限まで小型化した、多機能ビット「竜神」8基。
通常兵装は、荷電粒子砲と衝撃砲を上下に連結させ、発射後に、軌道を任意の方向に曲げることができ、エネルギーブレードを発生させて、白兵戦兵装にもなる、特殊偏向ライフル「光雷」2基、レーザーと実体弾を混合させた、肩部バルカン砲「輪舞」、ビームナイフとしても使用可能な、腰部ビームブーメラン「鶴翼」。
ワンオフアビリティは、着弾時に、構成素材の原子構造に衝撃を与え、破壊する、振動砲「震壊」、空間を圧縮して、任意の白兵戦兵装を形成する「夢鏡」。
今までのノウハウの集積で、エネルギー消費は大幅に抑えられて、機動性も運動性能も高く、燃費の良いISに仕上がっている。
尚、竜神と光雷の偏向射撃には、特殊な適性は必要ない。

「あらゆる面で、他の3機を上回っていますね。五反田さんの技量は、今は4人の中では最下位でも、瑞鶴の機体性能を考慮すると、差は十分に埋められますね。」
「訓練報告では、兵装の使い方はマスターしたとある。模擬戦も可能な限り行っているから、技量もそれなりだ。性能を抜きにしても、下手をすれば、マイルズ達は、寝首を掛かれるな。」
 元々、運動神経が良かったことに加えて、一夏の古巣だった習志野で訓練を受け、専用機は一夏自ら開発の指揮を執った、最新型の第3世代IS。
 常にモチベーションは高く、訓練の時も貪欲に経験を血肉にしたとある。
「楯無が、期待のルーキーになるかもしれないと言っていたが、本当になるかもしれないな。」
 訓練風景を見ながら、千冬はそう呟いた。

「では、今日はこれまでとします。放課後は申請を出せば、自主訓練が可能です。その判断は、個々に委ねます。自分を伸ばすにはどうすればいいのか、それを、自分で考えるのも、俺の指導の一環です。ですが、くれぐれも体を大事にしてください。」
「「「「はい。」」」」
 さて、生徒会の仕事をしてから、訓練といくか。
 セシリア達とは別の意味で、大変だな。
 コリーナが、自分だけ第3世代ISじゃない事に、コンプレックスじみた物を、持っている気がしないでもないから、そこは考慮する必要ありだな。
 その時は、山田先生とセシリア達の映像を見せながら、ISを活かすも殺すも乗り手次第だという事を、出来る限り納得させる気ではいるけどな。
 ケイシー先輩やフォルテ先輩も、俺が入学した当時は、セシリア達じゃ話にならないレベルだったしな。
 少なくともいじめはないだろうが、注意点としておこう。
 後は、特別扱いしない事だな。
 不公平感を、持たせるから。

「一夏君も大変ね。色々な意味で。」
 生徒会室で書類にサインをしていると、楯無さんが話しかけてくる。
「まあ。そうですね。同級生として物を教えるのと、教官としての立場として教えるのでは、まるで違いますから。」
 何より。男女のメンタル面での差だ。
 正直、男だったらもっと楽だったろう。
 けど、女子の世界っていうのは、俺が思うより、複雑で厄介な面があるみたいだからな。
 それを、俺自身が把握しきっていないから、そこに気を使わないと軋轢が生まれる。
 それだけは、何としても防がないといけない。
 コリーナと蘭は打ち解けて、すっかり仲が良くなっているが、それが表面的な物にならないとは言えない。
 レイラとシャーリーは、あれが、仲がいい証拠みたいだから、それほど深刻な事にはならないだろうけど、それでも気を付けないとな。
 とにかく、大変すぎる。
 それでも引き受けた以上は、ベストを尽くすけどな。
「先輩から、一つアドバイス。あまり、思い詰めないようにね。只でさえ、一夏君は、その傾向が強いのだから。女子の世界で理解できない点があったら、いつでも尋ねに来てくれていいのよ。部屋は、隣だし気軽に来れるでしょう。」
「ええ。その時は、お願いします。」
 何と言っても、俺が入学するまでは生徒会長やってたわけだから、女子の世界の問題の収め方とかは、俺より上手だしな。
 よし、今日の分は終わり。
「さて。鍛錬に行きますか。」
「そうね。虚。鍵は締めておいてちょうだいね。」
「かしこまりました。お嬢様。」
 虚さんに、生徒会室の鍵締めを頼んで、俺と楯無さんは鍛錬に出かけた。

「これが、一夏さんの鍛錬…。」
 蘭は、言葉を失う。
「海兵隊でも、ここまで厳しくはないわ…。」
 シャーリーが、呆然となる。
「それより、よく耐えられるわね。正直、考えられないわ…。」
 レイラが、冷や汗を流す。
 コリーナは、言葉一つ出なかった。
 基礎トレーニング。
 射撃、個人戦闘、剣術、槍術、武術。
 そして、楯無、ケイシー、サファイアの、旧ビッグ3との、3対1の模擬戦闘。
 締めは、ヘンリエッテとの模擬戦闘。

「言っておくが、織斑は白式の全能力を使ってはいない。第3世代相当にまで抑え込んでいる。もっとも、楯無たちとの模擬戦闘は、その段階でも、スペックを抑え込んでいる。」
『えっ…?』
 コリーナは、呆然とした。
 同じ第3世代でも、性能を抑え込み、さらに、3対1という不利な状況で、一夏は上級生の専用機持ち達に勝利している。
 しかも、所要時間は3分を切っている。
 楯無のミステリアス・レイディは、2回目の改修が一夏自身によって行われていることは、知られている。
 ダリルのケルベロス。
 フォルテのエインガナ。
 両機とも、一夏が開発した第3世代屈指のハイスペック機。
 それでも、一夏とは3分間戦闘をすることもできない。
 さらに、前ブリュンヒルデのヘンリエッテとの模擬戦闘は、一夏の勝利。
 到底信じられない事だが、目の前で起きていることは現実だった。

 よし。プラント装甲を使わない状態での白式でも、ブッフバルト先生相手に、勝てるようになったな。
 と言っても、シールドエネルギーは、50を割り込んでる。
 勝ったとは、あんまり思えないな。
 欲を言えば、100前後は残したい。
 千冬姉相手でも、2桁は残したいな。
 そこは、焦らず、じっくり行くしかないか。
 ん?
 蘭達か。
 プロテインとサプリメントを飲んでから、そっちに歩いていく。

「何だ。見に来てたのか。」
「あ、はい。」
 蘭の奴、心ここにあらずといった、感じだな。
 皆も、呆然としている。
「お前の、個人鍛錬を見せようと思ってな。私が連れてきた。」
 千冬姉が、連れてきたのか。
「あの…。」
「ん?どうした?カラマンリスさん。」
「どうして、先輩達や、ブッフバルト先生に勝てたんですか?その…、ハンデつきで…。」
 ああ。それか。
 ちょうどいい。
 話しておくか。
「それが可能になる様に、自分をとことん鍛えたからだよ。どんなに高性能なISでも、結局は乗り手次第だ。どんな名刀も、使い手が駄目なら、只のなまくらなのと同じ。性能が上でも、乗り手の技量でそれをカバーするのは、十分可能だぜ。ケイシー先輩や、サファイア先輩達も、元は第2世代のISを使ってた。それでも、並みのパイロットが駆る、第3世代ISに勝てた。ISの性能は、確かに重要だ。その点は、認める。でも、それを十全に活かすのは、もっと大事なんだぜ。だから、みんな、一生懸命にトレーニングするんだからな。勿論、俺もな。じゃ、食事をきちんと食べて、きちんと休めよ。」
 さて、シャワーに行くか。
 ブッフバルト先生相手だと、汗だくだ。

「という訳だ。経験の浅いパイロットには、良くある傾向だが、ISの性能に溺れ、訓練を怠るな。織斑は、1学期でIS学園最強にまで上り詰めたが、基本スペック以外では、著しく不利だった。近接戦闘用のブレードしか、兵装が無かったのだからな。それでも、最強になったのは、日々の訓練があってこそだ。お前たちの指導は、織斑に一任しているが、この事は、他の人間が言った方が良いと考え、今日、私が連れてきた。織斑が言った事を、心に刻みつけろ。そして、訓練に励め。いいな。」
「「「「はい!」」」」
『そうか。コンプレックス持っている必要なんて、無かったんだ…。頑張ろう。』
 コリーナの心に中から、自身の専用機アルパクティコが、第2世代である事のコンプレックスは、霧散していた。

「どう?教官、第1日は?」
 ビーフストロガノフを食べながら、シャルロットが俺に聞いてくる。
「そうだな。「日々、是、勉強。」だな。やっぱり、新米だってことを、認識したよ。」
 大盛りのとんかつ定食にサラダを食べながら、俺は答えた。
 コリーナを連れてきた千冬姉の狙いは、直ぐに解った。
 本当は、俺がやらないと、いけないんだけどな。
 サポートはしてもらうけど、もうちょっと、頑張らないと。
 今回の事を教訓にして、きちんと活かさないとな。
「一夏。全部、自分でやろうとしないでね。それ、一夏のいちばん悪い所なんだから。自覚してよ…。」
 チンジャオロース定食を食べながら、鈴が心配そうに俺に言う。
「解ってる。結構、周囲を頼ってるんだぜ。カリキュラム作る時からな。それじゃ。俺、自習とか。いろいろあるから。」
 夕飯を終えて、俺は部屋に戻る。
 今日の授業の範囲は確認しているから、やってない部分は自習しないといけないし、会社の資料にも目を通す必要がある。
 ゴーレムの解析もあるしな。

「更に、多忙になったな。体を壊さないといいが…。」
 そう簡単に、体調を崩すほど、一夏は軟な鍛え方はしていないが、それでも、ラウラは心配だった。
「そうですわね。明日の準備もありますし…。」
 カルボナーラを食べる手を止めて、セシリアも心配そうになる。
「何か、見つけよう。私たちで、やれる事を。」
 箒の言葉に、皆が頷いた。

 よし。今日の授業の自習は、終わり。
 会社関係は、内容はそれほどないな。今月半ばくらいからが、一番大変か。
 さてと、会社関係から、行きますか。

「織斑君。頑張ってくれてますね。」
「あの様子だと、カラマンリスの事も気づいていたな。私が言いたいことを、全部話してくれたおかげで、もう、問題はないだろうが…。」
「そうですね…。体を壊さなければ、いいのですけれど…。」
 真耶もラウラと同じ事を、危惧していた。
 蘭達の指導も加わり、今まで以上に一夏は多忙だ。
 厳しい鍛錬を積んでいる一夏だが、体を壊さないという保証はない。
 もし、倒れでもしたら、生徒たちに与える影響は、少なからぬものがある。
 楯無との決闘の後、医務室に運ばれた一夏の傍らで、セシリア達は、不安に押しつぶされそうな表情をしていた。
「医務室と、話をしておく。こちらでもバックアップの体制は、可能な限り整えておこう。今日一日を見ただけでも、織斑の指導は的確だからな。本業が何もせんというわけにも、いくまい。」

「すいません。セシリア・オルコットです。折り入って、お話が。」
「真耶。あっちは頼む。クラスメイトの方でも、バックアップに動き始めたらしいからな。」
「解りました。そちらは、任せて下さい。」
 千冬が医務室に行くのとすれ違いに、セシリアが真剣な表情で、職員室に入った。

 やっと、終わった。密度高いな。
 特に、指導の準備はやっぱり、大変だ。
 先生たちの苦労が、偲ばれるよ。
 それに、思ったより疲れる…。
 疲労回復に効果のある錠剤を、水で飲む。
 あんまり、いい事じゃないんだけどな。
 1週間が勝負だな。
 それを超えれば、ペースも掴める。
 さて、研究もしておかないとな。
 週末には、ラボで白式のオーバーホールもあるし。
 そっちの準備も、ある。
 とにかく、少しでも睡眠時間をキープするようにしないと。

後書き
かろうじて、千冬に勝利した一夏と山田先生。
何はともあれ、勝ちは勝ちでめでたいです。
しかし、早くも問題の種が。
人に物を教えるのは、決して楽な事ではありません。
社会に出ると、実感するんですが、相手の事を斟酌した上でないと、うまくいかなかったり、軋轢を生んだりしてしまいます。
今回のリスクファクターは、IS。
自分だけ、第2世代ISで、他は第3世代。
特に、蘭の瑞鶴は、一夏自ら手掛けた、最新機能満載の高性能機。
ですが、技術が伴わなければ、ただのガラクタ。
千冬がお膳立てをして、一夏が鍛錬の大切さを教えてコリーナのコンプレックスを払しょくさせることに成功。
密度の高い一日が終わって、さすがの一夏もヘトヘト。
頑張れ、一夏。






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