cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第60話 更に多忙な3学期<前篇>

<<   作成日時 : 2013/07/28 01:29   >>

面白い ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

 ふう。
 トレーニング終了と。
 さすがに、ブッフバルト先生相手は、半端じゃなくキツイ。
 しかも、ゲイルスクゲルは、俺自身が改修してさらに性能が増している。
 元々は、白兵戦を主眼に置いて設計されていたけど、射撃戦の性能も増してるから、冗談抜きで性質が悪い。
 こっちも、白銀が銀蘭に進化したけど、それで勝てるほど甘い相手じゃない。
 でも、プラント装甲を使わない状態で、互角の勝負ができるようになった。
 あともう少しで、勝てる。
 もう一踏ん張りするか。
 プロテインとサプリメントが、妙に美味い。

『織斑君が、ここまで実力を伸ばした。しかも、改修して基本スペックが、大幅に向上。各種射撃兵装も追加されたゲイルスクゲルで、互角。いえ、違うわね…。』
 プラント装甲を使わない状態で、互角の勝負になった事は、ヘンリエッテにとって、衝撃的だった。
 仮にも、前ブリュンヒルデ。
 いくら、白式が第5世代とはいえ、ある程度は、自分の方に分がある勝負が出来ていたが、もはやそれすらも不可能になった。
 ハンデをつけられても、もはや一夏に勝つことは不可能になった。
『以前から、もう、一夏君は私を凌ぎ始めていた。とうとう、完全に私を超えたわね。自主訓練が必要だわ。』
 如何に、一夏が屈強の実力者とはいえ、生徒に負けるようでは話にならない。
 今まで、矛先を交えた相手の中で、ヘンリエッテは、一夏を最強の存在と位置づけ、再び上回る決意を固めた。

「ブッフバルト先生相手に、互角…。」
 セシリア達の指導を終えて、一夏とヘンリエッテの手合わせを見ていた真耶は、呆然としていた。
「ブッフバルト先生も、一夏を今まで戦った中で最強の存在と、認識したようだな。実力を高める決意を、固めたようだ。少々不謹慎な物言いだが、面白い事になるぞ。結果として、一夏はさらに強くなる。」
 一夏の訓練の相手として招聘したヘンリエッテの実力が増せば、それに比例して、一夏自身も実力を増す。
 ある程度予想はしていたが、大分早くその時が来たことで、千冬はどうなるかを楽しみにしていた。

「一夏凄いね。ブッフバルト先生相手に、互角の勝負だもん。」
 BLTサンドを一口食べて、シャルロットが嬉しそうに話す。
 ていうか、興奮していないか?
 珍しいな。こんなシャルロット、初めて見たぞ。
「まさか、ブッフバルト先生相手にねえ。その気になれば、ブリュンヒルデ狙えるんじゃないの?」
 肉入りのおかゆを食べながら、鈴が言う。
「俺は、モンド・グロッソに出る気はないな。俺の目標は、それとは違うし。」
 イカの塩辛を乗せた飯を、一口食べて、俺は鈴に答える。
「もったいないですわね。私、モンド・グロッソで、どこまで一夏さんが勝ち進むか、興味があるんですのに。」
 セシリアは、代表候補なんだから、まず国家代表になる事に、興味持とうぜ。

「「「「おはようございます。一夏さん。」」」」
 これは、ちょっと、ヤバいかな…。

「あら。蘭。先輩たちの会話に首を突っ込むのって、ちょっと感心しないわね。」
 途端に鈴の機嫌が、悪くなる。
 何故、蘭がいるのかというと、瑞鶴の専任だからだ。
 筆記は余裕でパスできるレベルだったし、簡易適性検査もA判定だったとはいえ、マジでびっくりしたぜ。
 それから、短期間だが習志野で訓練をしている。
 基礎的な理論や、操縦のコツはできる限り教えておいたから、上達のスピードは速かったと、岩本一尉から聞いている。
 個人戦闘の方でも、随分頑張っていたと、成田一佐に聞いている。
 今日から大変だけど、頑張ってくれよな。

「今日から、3か月間。よろしくご指導ください。」
 アスリートのような無駄のない体つきに、金髪をショートカットにした、アメリカ海兵隊のテストパイロット、シャーリーン・マイルズが、背筋を正して、挨拶をする。
 親父さんはSEALSの隊員。
 お袋さんは、法医学者。
 代々、軍人の家系だそうだ。
 まさか、家でも、軍隊式の教育じゃないよな。
「シャーリー。もう少しリラックスしなよ。」
 ややうすい金髪を、後ろで結んだ、フィンランド代表候補のレイラ・クリスティーナ・ウィンドが、苦笑しながら言う。
 レイラの爺さんは、第二次世界大戦の撃墜王、ハンス・ウィンド。
 親父さんは、フィンランド空軍のお偉いさん。
 レイラの家も、代々軍人の家系で、しかもパイロットの家系だ。
「朝食の時間位、フランクにいこうよ。2人とも。」
 ポニーテールで、抜群のプロポーションのギリシャ代表候補、コリーナ・カラマンリスが、その場を収める。
 親父さんは、技術者。
 お袋さんは、哲学者。
 学者の家系ってとこかな。
 とにかく、本が大好きで、引っ越しの荷物も本だらけだったそうだ。今の部屋割りは、蘭はコリーナと。
 シャーリーがレイラと同室に、なっている。
 蘭は、コリーナとすぐに打ち解けたが、鈴とは仲が悪い。
 頼むから仲良くしてくれ。
 朝食を終えてから、俺は職員室に向かう。
 しばらくは、教官なので、職員室に俺の席が出来た。
 さて、準備、準備と。

「今日から、入学まで皆さんの指導を担当することになりました、生徒会長の織斑一夏です。精一杯、その任を務めさせていただきますので、よろしくお願いします。では、始めます。」
 カリキュラムを組むにあたって、まず、様々な理論面の理解度を確認することを、重視した。
 この面がおろそかになっていると、ある程度までは、ISの操縦はできるが、それ以上になると、途端に技量が落ちる。
 無論、操縦技術の実践は大事だが、その土台となる座学が駄目だと、話にならない。
 退屈かもしれないけど、この点を徹底することにしている。

 で、案の定。結構、あやふやになっている点が、あちこちに見られる。
 質問で少し深い部分になると、どもったり、答えが怪しくなる。
 その時には、俺はその部分をしっかり説明して、きちんと理解できているかを確認する。
 その際には、実例として、俺達や上級生の模擬戦闘の映像を使用する。
 百聞は一見にしかず。
 納得してもらう事の早道は、実例を提示する事だからな。
 効果はあるな。
 自分の理解があやふやな点について、みんな真剣に理解しようとする。

「では、次の時間は自習です。今の授業でやった範囲を、それぞれ復習してください。周囲と教えあうのも許可します。その後、簡単な小テストと、ISの実習となります。」
 次は、第2外国語とIS実習なので、俺は授業に出る必要がある。
 1日の半分は教官をして、半分は生徒。
 忙しいな。全く。

「織斑君。しっかりやれてますね。土台をきちんと固めることの大事さは、よく解っていますから、それができるように、授業内容も考えていますし。」
 真耶と千冬は、それとなく、一夏の授業風景を見に行っていた。
「あの4人より技量の高い、オルコットたちの指導をしていたんだ。当然だ。」
 千冬は、相変わらず、一夏を褒めようとしない。

「あ、織斑君。お疲れ様です。」
「あ、どうも。」
 全く疲れるよ。
 セシリア達の時とは、感覚が違うからな。
 何と言っても、入学以来の気心の知れた仲だが。
 寮について、翌日に自己紹介をさせてから、大して日が経っていない。
 それに、緊張するしな。
 ただ、俺が考えていた授業の進め方は、出来た。
「小テストは、中々だな。授業の内容が、理解できていれば、問題ない。理解できていなければ、酷い点数になるが。」
 そうでなきゃ、意味ないだろ。千冬姉。
 授業の理解度を確認するために、小テストするんだから。
 おっと、授業の用意。
 生徒と教官の掛け持ちなので、授業で使う教科書は職員室に置いてある。
 登校して最初に来るのは、職員室だからな。

「今、ちょっと覗いてきたけど。凄く真剣に自習してたわよ。基礎が完全に固まっていないことを、認識したんでしょうね。」
 ブッフバルト先生も、見に行ってたのか。
「授業をしていて、解ったんですけど、結構、あやふやな部分がありましたからね。今の段階で、きちんと理解してもらわないと、困りますよ。じゃあ、授業に行ってきます。」
 さ、授業、授業と。

「基礎が完全じゃない事を、これでもかって認識させられたわよね。」
 ノートを見ながら、シャーリーが溜息をつく。
「それは、こっちも同じ。」
 レイラが、テキストを読みながら、重要な部分に蛍光ペンで印をつける。
「蘭は、結構、大丈夫な感じだったわよね。やっぱり、一夏さんにいろいろ教わってたの?」
「いろいろ質問はしてたし、文化祭でIS戦のトーナメント見たり、キャノンボールファストに招待してもらって、その時に、知識の確認はしてたよ。あ。ここって、そうじゃなくて、こういう事だと思う。」
 コリーナの質問に答えながら、蘭は意見交換をする。
「お兄さんが、一夏さんの友達なのよね?いいなあ。」
「シャーリー。無駄口叩いてると、小テストで泣きを見るわよ。自習の時間で、確認しておかないと。」
 初対面で、シャーリーたちも一夏にすっかり憧れていた為に、蘭が羨ましくてしょうがなかった。
「一夏さん。厳しい所は、厳しい人だから。復習頑張ろう。」
 蘭の言葉にうなずいて、皆、復習を続ける。

 さてと、次はISの実習か。
 3学期ともなると、さらにハードになるんだろうな。
 でも、頑張って、自分を伸ばさないとな。

「一夏、疲れてない?」
 シャルロットが、心配そうに俺を見る。
「ありがとう。でも、大丈夫だよ。緊張はしたけど、コツは掴んだしな。」
 教えながら、接し方とか、色々ヒントは得た。
 これは、次の授業に活かすとしよう。
 きちんと、指導したいからな。
 半端なことは、したくない。
 引き受けた以上は、それに見合う責任を果たすのが筋目だ。

「さて、3学期は、連携戦闘の基礎を固める。まずは、チームを作れ。専用機持ちがリーダーだ。それと、織斑。」
「はい?」
 何だ?
「お前は、山田先生とペアを組んで、私と訓練をしてもらう。お前がリーダーを務めたチームでは、他のチームとのパワーバランスが、おかしくなる。」
 げ。千冬姉とやりあうのかよ。
 マジかよ…。
 俺は、ハンバーガーヒルのブラボー中隊の隊員でも、旅順攻撃の白襷隊の一員でもないんだぞ。
 山田先生も、顔色が良くない。
 そりゃそうだよな。
 でも、千冬姉の言う事も、もっともなんだよな。
 箒、鈴、セシリア、シャルロット、ラウラ、玲子、のほほんさん。
 どのチームが相手でも、今の俺なら、1人でも十分に勝てるし、2、3チーム相手でも、問題ない。
 まあ、それが問題なんだけどな。
 ブッフバルト先生は、指導役か。
 とりあえず、頑張りましょうね。山田先生。
 勝負に負けても、生き延びれば俺達の勝ちですから。

「さて。まずは、他のチームの訓練を見ておけ。カリキュラムの最後になる、連携戦闘の基礎を教える時の、参考にもなる。」
 まあ、そうだな。
 改善点と、それをどう改めるかをより多く見つけ出せることが出来れば、より訓練ができる。

 まずは、ラウラとシャルロットのチームか。
 あ、シュヴァルツェア・レーゲン、新型の武装を装備してるな。
 レールキャノンが、2門か。
 ツヴィリング・ツヴァイと合わせて、エネルギー兵器と実体弾での中長距離戦闘が、可能になってるな。
 ベスティエがあるけど、機体の固有兵装として、無いに越したことはないからな。
 イリュジオンは、拡張領域にいろんな兵装を搭載できるから、ことさら改修されてないか。
 さて、どうなるかな?
「始め!」

 サント・シュヴァリーズとベスティエで動きを止めた相手に、攻撃を集中させるか。
 まずは、ツーマンセルでの戦い方を覚えさせるのか。
 基本だからな。
 牽制されている方には、ラウラとシャルロットが援護に回るか。
 オールレンジ攻撃をしながら、あれだけの戦闘が出来るようになってる。
 国に帰っても、訓練は怠ってなかったか。
 ま、あの2人が訓練をさぼっているとは、考えづらいけどな。
 互いが駆け付けた事で、ツーマンセル同士と、リーダー同士の戦いになったな。
 その間にも、互いにコアネットワークで指示を出している。
 指揮能力では、ラウラに一日の長があるな。
 何と言っても、シュバルツェハーゼの部隊長だし。
 シャルロットのチームの方が、疲労が激しいな。
 ラウラは、無駄な動きをさせないように意識しながら、指示を出している。
 シャルロットも頑張ってるけど、ラウラが先手を打って、シャルロットも指揮を出すことで疲れたのか、動きにキレがなくなってる。
 そろそろ、終わりだな。
 そして、決着が着く。
 ラウラチームの勝ち。
 経験の差だな。

「織斑。デュノアのチームの敗因は、何だと思う?」
「決定的なのは、指揮官としての経験の差です。それ故に、指示を出した後のツーマンセルの動きの無駄さに、明らかに差があります。現に、シャルロットのチームの方が、疲弊するスピードは速く、シャルロット自身も、動きにキレが無くなりました。今回の対応策としては、ラウラを抑えることを第一として、ツーマンセルの残りの一組は膠着状態にして、残りは片方に攻撃を集中し、もう片方の攻撃は、受け流し続けて、数の上で有利に立つべきだったと、思います。相手の方が、指揮官としての技量が勝る場合は、如何にそれを封じるか。それを第一に考えるべきだったと、考えます。」
 俺が、敗因と、取るべきだったと思う戦術を言うと、千冬姉が静かに頷く。
「その通りだ。デュノア。戦術の基礎に、もう一度立ち返ってみろ。お前は確かに優秀なパイロットだが、指揮官としての経験はどうしても、ボーデヴィッヒに劣る。こればかりは、経験で埋めるしかない。それでも埋められない時には、如何にして、相手の指揮官としての能力を封じるかが、大事だ。その上で、作戦を考えてみろ。」
「はい。」
 だいぶ、疲れてるな。
 ラウラも、実力は増してるから、一騎打ちでさえ楽じゃない。
 その上で、指揮もするから、当然早く疲弊する。
 まずは、それを頭に入れないとな。
「よし、次。」

 シャルロットとラウラのチームの後は、セシリアと鈴のチーム。
 箒と玲子のチーム。のほほんさんのチームは、余ったのでブッフバルト先生と対戦した。
 セシリアと鈴のチームは、鈴のチームの攻撃を最小限にとどめながらダメージを与えようとしたセシリアの戦術能力と、力で押し切ろうとした鈴の戦術能力が、ほぼ互角。
 結果、引き分け。
 箒と玲子は、箒が現影を最大限に活用して、自分を囮にしつつダメージを与え、その隙に、玲子のチームのツーマンセルを、潰していった。
 無論、玲子もそれを抑えようとしたが、その度に箒に抑えられて、箒のチームの勝ち。
 紅椿は、雨月と空裂が、新型の多機能ブレード「金鵄」に換装され、燃費が向上しただけでなく、強力なEMP能力も搭載されている。
 対電磁処理が甘いと、ヤバいな。
 破魔矢は、弾頭が、強力な3段式HEAT弾頭に変更されている。
 ヤワなISじゃ、下手すりゃ一回喰らっただけでも、相当にヤバイ。
 そして、基本スペックも2割向上。
 如何に、巴御前が改修されていても、これだと差があり過ぎる。
 絢爛舞踏もあるしな。
 のほほんさんのチームは、ゲイルスクゲルを改修していたのと、連携戦闘の熟練者、前ブリュンヒルデのブッフバルト先生に物の見事に敗退。
 ま、当然か。

 遂に来てしまった…。
 千冬姉相手の訓練が…。
 舞桜は、去年、改修して、スペック向上してるからな。
 怖すぎて、洒落にならん。
 とにかく、やるしかない。

『山田先生。牽制をお願いします。多分、読まれていると思いますが、俺が直接闘います。陽炎は汎用性が高い分、舞桜に近接戦闘性能で、大分、差が付けられていますから。』
『解りました。』
 山田先生相手に、細かい事をどうこう言う必要はない。
 これだけで、山田先生は、局面ごとに必要な手を、打ってくれる。
 後は、俺次第か。
 俺は、右手には阿頼耶識を。
 左手には、末那識を展開する。
「始め!」

「はああっ!」
 イグニッションブーストで、一気に千冬姉めがけて突っ込む。
「ふむ。やはりそう来るか。」
 千冬姉が散桜で、空裂を放って迎撃しようとするが、明王が発射されて中断するしかなく、その間に俺は、最短のサイクルで、銀蘭の荷電粒子砲とレールガンを発射する。
 左右の吹雪で、シールドを使い防ぐ隙に、阿頼耶識で攻撃する。
 普通なら、確実に大ダメージを与えられるんだが、千冬姉だと、少し削るくらいにしかならない。
「ほお。腕を上げたな、そうでなくてはな。」
 千冬姉は散桜で、鋭い一撃を繰り出す。
 それを末那識で受け止めると、周囲をビットが取り囲む。
 舞桜に新しく装備した、多機能ビット「春陽」。
 偏向射撃が可能な重粒子荷電粒子砲1門、衝撃砲2門に、プラズマブレード、エネルギーブレード、零落白夜が搭載されている。
 開発した俺が言うのもなんだが、千冬姉が使うと思うとぞっとする。
 数の上では、こっちの勝ちだから、それでどうにか凌ぐか。
 けど、今は間に合わないな。
 俺は下段から阿頼耶識で、攻撃を仕掛けると、千冬姉が、腕部装甲で柄を防いだ。
 元々、そう簡単に当たってもらう必要もない。
 俺は、この隙にイグニッションブーストで緊急離脱をしつつ、流星を発射して、式神を射出する。
 本当は、8対8でやりあいたかったが、千冬姉相手じゃ絶対に無理。
 ちょっと訓練しただけで、コツを完全に掴んでるし。
 第1世代からISに関わっているだけあって、機体や装備の特性を理解するスピードが、並大抵じゃない。
 って、考えてる場合じゃない。
 もう、千冬姉は、式神の殲滅に掛かってる。
 フォーメーションは組んでいるけど、巧みに春陽を操って崩そうとする。
 千冬姉相手だと、近接戦闘も、全身全霊の力を絞り出さなくちゃならなくなるから、式神のコントロールに絶対に影響が出る。
 接近されるのだけは避けて、戦いつつ、俺も春陽を潰すしかない。
 山田先生が、紅炎で支援射撃をしてくれる。
 春陽は8基だから、山田先生に攻撃しようとすれば、さすがに千冬姉といえども、旗色はいいとは言えない。
 とにかく、ビットを潰す。
 八竜と、流星を同時に発射して、春陽の機動範囲を狭くして、連弩を撃ちまくって破壊していく。
 すると、イグニッションブーストで、千冬姉が一気に迫ってくる。
 近接戦闘に持ち込んで、式神と山田先生の支援を同時に封じる腹積もりか。
 なら、式神で迎撃する。
 駄目なら、近接戦闘でやりあうしかない。
 山田先生もそれを察して、攻撃を開始する。

『ほう。腹を括ったか。』
 式神と真耶の攻撃を回避しながら、一夏に近づく千冬は、距離を開けようとしない一夏を見て、軽く驚いた。
 真耶の支援射撃を活かすのならば、距離を開けようとするだろう。
 だが、それこそが千冬の狙いだった。
 相手との距離を保とうとすることは、時として焦りを生じさせ、冷静な判断力を奪う。
 一夏は、無意識の内にそれを察したのだろう。
『いいだろう。今のお前の技量を、存分に試させてもらうぞ。』

「凄い…。」
 式神の攻撃を回避した千冬と、一夏が激烈な近接戦闘を繰り広げている。
 無論、千冬が圧倒しているが、一夏も勝負を捨てていない。
 凄まじい戦いに、1組と2組の生徒は圧倒されていた。
 阿頼耶識での鋭い付きが、絶え間なく、千冬に襲い掛かる。
 が、千冬は散桜だけで、ほとんど防ぐ。
 だが、一夏も舞桜のシールドを、少なからず削る。
 しかし、零落白夜を展開した散桜で、千冬も白式のシールドを削り取る。

 くそ。
 やっぱ、改修しとくんじゃなかったかな。
 基本性能が3割向上した舞桜を駆る千冬姉は、脅威どころじゃない。
 白式の方が、圧倒的に性能は上なんだが、それを千冬姉はもろともしない。
 化け物かっつーの!
 おまけに、これじゃあ、山田先生が俺を支援できない。
 けど、あのまま離れようとすれば、じりじりと距離を詰められて、俺が冷静さを失っていただろう。
 式神で仕留められなかった時点で、俺達が不利になる事が決定していたからな。
 プラント機能を切ったうえで、展開装甲を起動させる。
 今のままじゃ、押し切られる。
「ほう。久方ぶりだな。展開装甲を使うのは。」
 千冬姉相手じゃ、使うしかないっつーの!
 たく。我が姉ながら、とんでもないな。
 俺は、阿頼耶識と末那識での連撃に、展開装甲が生成したビームブレードと、鋼牙を使用したCQBも織り交ぜる。
 冬休みの間、習志野や湯殿山で、鍛錬をした成果を見せてやる。

後書き
いよいよ、3学期が始まります。
期間限定ではありますが、一夏は教官を務め、さらに多忙な日々が待ち受けます。
しかし、それ以上に大変なのが、鈴と蘭という、一夏を巡っての恋のライバル同士が、常に顔を突き合わせるという状態。
何か、起きそうですね。
ISの講義は、いよいよ連携戦闘に入ります。
未だ衰えを見せない千冬と戦う羽目になった、一夏と山田先生。
生きていられるでしょうか?






IS〈インフィニット・ストラトス〉 5 (オーバーラップ文庫)
オーバーラップ
2013-07-24
弓弦イズル

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by IS〈インフィニット・ストラトス〉 5 (オーバーラップ文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ハンバーガー・ヒル コレクターズ・エディション [DVD]
キングレコード
2009-07-08

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ハンバーガー・ヒル コレクターズ・エディション [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



坂の上の雲 10 旅順総攻撃 [Blu-ray]
ポニーキャニオン
2012-03-21

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 坂の上の雲 10 旅順総攻撃 [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



二百三高地 [DVD]
東映ビデオ
2003-12-21

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 二百三高地 [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

後篇に続く。
目次へ戻る。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第60話 更に多忙な3学期<前篇> cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる