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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第51話 生徒会長は対策を考える

<<   作成日時 : 2013/05/18 23:58   >>

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 2学期も、今週で終わる。
 24日からは、冬期休暇。
 けど、俺の場合、それでのんびり休むという風には、いかない。
 2学期になって、亡国企業の襲撃が多くなっている。
 今の、セシリア達の腕なら問題ないだろうし、それぞれの母国にはIS部隊がいる。
 けど、連中、最近になって、何をやらかすか解らなくなってきている。
 それを考えると、正直、気が重い。
 できれば、全員日本にいるのが望ましいんだが、それぞれ代表候補としての仕事があるので、そうもいかない。
 後手後手は、やっぱきついな。

「じゃあ、一夏君。行こう。」
「織斑。行くぞ。」
「はい。」
 朝のトレーニングを済ませて、朝食を食べた後。
 卯月先輩とケイシー先輩が、俺と楯無さん、サファイア先輩を迎えにくる。
 最近は、このメンバーで登校している。

「そう言えば、一夏君は、イブはどうするの?」
「千冬姉と過ごしますよ。毎年そうですから。今年は、ちょっとサプライズですけどね。」
 楯無さんに聞かれて、俺は答える。
 そう。いつもは、どこかのレストランで食事をするのが、俺のイブだが、今年は、ちょっと驚かせようと思っている。
「きちんと家族してるわよね。ま、それだけ、織斑先生が、あなたを大事に、愛しく思っているんでしょうね。素敵な家族ね。」
 楯無さんが、優しい顔で言う。
「で、その後は、どうなるんだ?」
 ケイシー先輩が、訊いてくる。
「鍛錬と個人的な研究ですね。習志野で2日訓練させて貰えるので、今までやった事を、確認して、さらにスキルアップをするつもりです。その後は、湯殿山に籠って、鍛錬を積むつもりです。友達を通じて、ツェルトバーンを手に入れまし、俺個人のルートで、レーションも手に入りますからね。」
 ツェルトバーンは、第二次世界大戦時に、ドイツ軍が使用していたテントだ。
 居住性は、今のテントに比べると良くないが、ボタンを掛けて組み立てられるので簡単なのが、嬉しいところだよな。

「少しは、遊べよ。お前も企業のお偉いさんだから、会食やらなんやらあるんだろ?」
「ええ。接待の類は、どうしてもね。他にも、関わっている仕事がありますから。」
 サファイア先輩の言う通り、技術顧問としての仕事は少なからずある。
 俺クラスになると、他の企業の重役の人との会食や、接待も仕事になる。
 だいぶ微妙な気分になるが、まあ、仕方ない。
「ま。とにかく、体には気をつけろよ。只でさえ、お前は忙しいんだからな。」
「ええ。気を付けますよ。」

「今日から、織斑と専用機持ち達が、授業に合流する。改修後のISの微調整も終了しているそうなので、この1週間は、今学期に身に着けた技術を、一つ一つ確認して、あやふやな所は、復習するように。」
 2学期から、俺達1年の専用機持ちは、合同で訓練をしている。
 最近になって、セシリア達は千冬姉と山田先生が指導をして、俺はケイシー先輩とフォルテ先輩、楯無さん。
 それに、ブッフバルト先生の指導を受けている。
 頑張った結果、実力は相当伸びた。
 さすがに、ブッフバルト先生には、及ばないけどな。

「一夏。勝負よ。この所、ずっと、先輩たちと仲良くしてたんだから。」
 何だ、そりゃ?
 意味不明だぞ。鈴。
「そうですわ。お出かけしたしたり、デザートを作ってもらったり、ずるいですわ。」
 鈴だって、点心作ってくれただろ?
 セシリア。
「それに、時々、先輩に添い寝してもらってるんだから。これ位当然だよ。一夏。」
 シャルロット、お前まで。
 何か、凄え、不機嫌そうだぞ。
 そっちは、色々、あったんだよ。
「言っておくがな。一夏。その事を聞いた時、私は寮を爆破したくなるのを、必死に抑えていたんだぞ。」
 ラウラ。
 おっかないこと言うな。
 つか、テロだろうが!それ!
「そもそも、男女が同じベッドで寝るなど、何て、羨ま、ではない。ふしだらな!!」
 箒。
 今、他の事、言うつもりだったろ?
「とにかく。これ以上、先輩たちにメロメロになられたら、困るの!」
 何がだ?
 どうも、専用機持ちになってから、言う事が支離滅裂になってきたぞ。玲子。
「お姉ちゃんに抱きしめてもらって、子守唄。やっぱり、お姉ちゃんみたいな人が好みなんだね…。でも、好みを変えちゃえば…。」
 簪の目がヤンデレになって、改修後に装備された兵装を展開する。
 今のセシリア達を相手にするのって、ちょっと洒落じゃすまないかも…。
 白式も各部を改修しているけど、紅椿も第二形態移行してるからなあ…。

「いくわよ。一夏!」
 鈴が衝撃砲を発射する。
 無論、回避できるが…。
「本番は、これからよ!」
 片方は、偏向射撃で俺に迫り、もう片方は、拡散させてくる。
 いきなりこう来るか?
 拡散範囲を考慮し、変更後の着弾地点を予測して、回避するが、拡散した衝撃砲が収束して、俺に向かってくる。
 っと。危ねえ。
 新型衝撃砲「百龍(バイロン)」。
 偏向射撃、拡散射撃が可能で、拡散させた衝撃砲は、収束後に偏向射撃が可能で、相当にトリッキーな攻め方が可能だ。
 百龍を回避しても、鈴の攻撃の手は緩まない。
 実弾兵器ばかりだと、AICの様な装備を持ったIS相手だとキツイと考えて装備した、荷電粒子速射砲「金翅蜂(ジンチーフォン)」で、すかさず鈴は攻撃を再開する。
 いきなり飛ばしてくるな。
 そんなに、不機嫌にする事してないぞ。俺。
 やられっぱなしでいるつもりもないので、八竜を発射して、鈴が撃ち落とす際に要する時間を使って、俺は、末那識のブレードの部分をビットにして、鈴に対応する。
「いつもビットが有効だなんて、思わないでよね。」
 甲龍から、高出力ホーミングレーザー「銀漢(インハン)」が発射される。
 でも、まだ使い方に慣れてないな。
 装備されたのが昨日の今日だから、新装備も使い切れてない。
 エネルギーブレードを発生させた、末那識のビットの攻撃を一方的に受ける鈴は、みるみる、シールドエネルギーを消費していく。
 俺はすかさず、接近して、新型の白兵戦兵装である、高出力プラズマブレードタイプの青龍刀「龍王(ロンワン)」を構える鈴の攻撃を回避しつつ、右ひざの鋼牙でとどめを刺す。

 すると、後方から物凄い砲撃が来て、挟み撃ちにしようとする。
「私たちのISも。」
「改修されたんだからね。」
 セシリアとシャルロットか。
 セシリアは、チャージサイクルが短い高出力荷電粒子砲を発射するタイプにして、カービンクラスに迄コンパクト化した「スターライト・アローU」と同じく、高出力荷電粒子砲を発射するタイプに改修した、ブルーティアーズを。
 シャルロットは、オルドルを改良した、防御フィールド、速射荷電粒子砲、衝撃砲を搭載した、多機能ビット「サント・シュバリーズ(聖騎士団)」と、レールガンと荷電粒子砲で構成され、プラズマブレードの銃剣も装備された6連装ガトリングガンを2基連結した、「フロワ・アンジュ・デシュ(冷酷な堕天使)」2基で弾幕を張る。
 しかも、両方とも射撃は十八番。
 ちょっと厳しいかな。
 上昇するが、偏向射撃をマスターしたセシリアは、追撃を掛けてくるし、シャルロットは、エネルギー兵器偏向射撃機構「ファウシル・ソウプラ(しなやかな鎌)」で、やっぱり追撃を掛けてくる。
 こういう時はだ。

「「えっ!?」」
 やっぱり、パニくったか。
 白式の各部のスラスターのベクトルを、絶えず変えながらのランダム回避。
 さすがに、補足するのは、相当にきつい筈だ。
 箒たちも、どうしていいか解らないみたいだな。
 この隙にだ。
 式神を、射出して、残り全員に一気に攻撃を仕掛けつつ、連弩を実体化させ撃ちまくり、零落白夜を発動させた末那識の空裂で、全員にダメージを与える。
 これで、時間が稼げるな。
 全員相手にするのは、ゴーレムの様にはいかないので、こっちとしては戦力を分断させたい。
 その為には、今あるカードを、有効に使わないとな。
 文化祭の時に買った装備も、役に立つし。

「そう。いつまでも!」
 シャルロットが、構える。
 あれを使うか。
 俺は、シャルロットの動きを読み、懐に潜り込む。
 リオン・セールに換えて装備した、格闘用高収束電磁衝撃機構「デゼスボワール・ブロー(絶望の処刑人)」が、さっきまで俺のいた空間を裂く。
 ダメージを立て続けに追っていたシャルロットに、末那識の一撃を喰らわせて、沈黙させる。
 あと、5人。

「隙ありですわ!」
 セシリアが、新たな実弾兵装、8連装ミサイルポッド「テンペスト(大嵐)」を発射する。
 もうちょっと、虚をつこうな。
 連弩で迎撃すれば、いいだけだぜ。
「迎撃はさせませんわ。」
 発射された連弩の弾丸が、次々と何かのフィールドに遮られる。
 あれか。
 サイレント・ゼフィルスのビット「エネルギー・アンブレラ」対策として装備した、衝撃砲の原理を応用した特殊兵装、包囲フィールド発生機構「サンクチュアリ(聖域)」。
 範囲を密集させて、展開させたのか。
 これは、扱いが難しいからな。
 けど。やり方はうまい
 テンペストは、かなりの炸薬が搭載されている。
 喰らうのは、あまりいい気分がしないな。
 開発しておいてなんだけど、故に…。
「そんな!」
 紙一重のタイミングで、テンペストを回避しつつ、一気に肉薄して、チャージサイクルを最短にした、白銀の荷電粒子砲を連射する。
「まだですわ!」
 セシリアがフェンシングの経験がある事に目をつけて、白兵戦用として開発した、高出力プラズマブレード「スパロー(燕)」を手にして、俺に挑む。
 が、今のセシリアの腕前じゃ、俺には勝てない。
 スパローと末那識が切っ先を交えた瞬間、俺は巻き上げるようにスパローを宙に舞わせて、とどめを刺す。

 ん?珍しい組み合わせだな。
「私が、一夏の動きを止める。行け。簪。」
「解った。」
 ラウラと簪がね。
 発動までの時間が半分に短縮され、ハイパーセンサーとリンクし、複数の対象に有効になったAICで、立て続けに俺の動きを捉えて、可変砲身式に変更し、高初速大口径荷電粒子砲に、従来より3割威力が向上。AICを応用して、偏向射撃が可能になった、ツヴィリング・ツヴァイで砲撃をする。 ヴォーダン・オージェも使っているが、まだまだだな。
 式神で攻撃するが、ダメージは、思ったほどじゃない。
 全周囲から極めて局地の範囲の、物理・エネルギー双方に対応したフィールドを展開可能な防御機構「トランスパレンツ・パンツァー(透明な装甲)」が、ラウラをガードする。
 展開時間に限りはあるが、これを使われると、だいぶ威力のある兵装か、零落白夜しかダメージを与えられない。
 白銀の荷電粒子砲でも、減衰されて与えられるダメージは落ちる。
 となると、末那識のビットで仕留めるしかない訳だ。
「思い通りには、させない。」
 打鉄弐式の薙刀が、ライフルに変形して、レールガンと荷電粒子砲を発射する。
 変形型多目的攻撃デバイス「幻月」。
 一つの兵装に複数の能力を持たせた、兵装だ。
 これなら、1つのバススロットで、白兵戦も砲撃戦も可能だ。
 さらに、24基のミサイルが発射される。
 回避するが、それでは終わらず、まるで何かに操られるように、俺を追尾し、弾頭のカバーがパージされ、小口径高初速レーザーと衝撃砲が一斉に発射される。
BTミサイル「銀竹」。
山嵐の改良版として、攻撃範囲を格段に広くし、実弾、エネルギー兵装を混合することで、汎用性も増した。
だが、改修した白式のスラスターを駆使すれば、十分に回避できる。
 でも、結構、ヤバイの作ったよな。
 口径は小さいけど、威力は山嵐以上だし。
 んじゃ、リベンジだ。
 白銀の荷電粒子砲とレールガンで、攻撃する。
 で、防がれるわけである。
 物理、エネルギー双方に対応したフィールドを展開可能な腕部防御システム「曲輪」。
 左右両腕に装備したそれには、一振りずつ小太刀が収められている。
 それを、拳銃に変形させて、簪は薙刀に戻した幻月と同時に使って、俺を攻撃する。
 個人戦闘のスキルも伸びたから、ちょっと大変だな。
 小太刀状の、変形型多目的攻撃デバイス「雷切」。
 気合、入れすぎたかな。
 でも、まだまだだな。
 射線と太刀筋を呼んで、右膝の鋼牙でダメージを与えて、末那識でとどめを刺す。
 
「私はそう簡単には、やられんぞ!!」
 ラウラは、6基のビットを展開し、半分は、レールガンと荷電粒子砲で、もう半分は、プラズマカッターで攻撃してくる。
 中口径高初速レールガン2門と高初速荷電粒子砲1門にプラズマカッターを搭載した多機能ビット「ベスティエ(獣)」。
 AICをさらに活かすために、新開発したビット兵器だ。
 経験はセシリアより浅いのに、コントロールはシャープだな。
 この辺は、地力か。
 技術が、進んでいるというのもあるけどな。
 だが、こっちは24基の式神がある。
 無効化されないようにコントロールして、潰していく。
「くっ!」
 最後の兵装。
 レーザー砲が追加装備され小口径レールガンが、高初速小口径レールガンと高初速小口径荷電粒子砲を2門ずつで構成されたガトリング砲に換装された「シュベルト・プファイル・ツヴァイ」で俺に向かってくるが、さすがに冷静さを欠いたのか、動きに若干だが精彩がない。
 それでも、会った頃よりは十分に成長しているが、今の俺の前じゃ致命的だ。
 末那識のビットや空裂のダメージの蓄積に、零落白夜を展開した末那識の連撃を喰らって、ラウラは沈黙。
 改良したAICをかわすのは、きつかった。
 展開した式神のコントロールは、頭使ったな。
 これからは、ラウラと手合わせするときは頭脳戦だな。
 んじゃ、残りは玲子と箒だ。

「さすがは一夏ね。第3世代クラス程度まで白式を抑えて、これだもん。」
「ああ。だが、このまま、軽々とやられる義務はない。」
 お。気合入ってるじゃん。
 巴御前は、改修の結果を確認したいしな。
 紅椿は、第二形態移行後の性能を、戦って確かめておきたい。

「「はあっ!」」
 箒は空裂で、俺の機動範囲を狭め、玲子が、新たに巴御前に装備された、薙刀状の多機能ブレード「天翼」で雨月を発動して、俺を狙う。
 同時に来られると少し面倒だが、機動範囲は残っているので、回避しつつ、末那識で零落白夜での空裂を放つ。
 絶対防御を無視する零落白夜での空裂は、今までの戦闘で与えていたダメージが蓄積した2人には、キツイみたいだな。
「まだだ!」
 現影で残像を作りつつ、高速機動で多方向から、出力を抑えてチャージサイクルを重視した穿千を発射して、ダメージを与えようとする。
 それを回避していると、「閃電」を改良し、発射回数と威力を3割増しに。
消費エネルギーを2割少なくして、偏向射撃が可能になった「雷光」を、玲子が発射する。
 箒は牽制か。
 すると、箒は絢爛舞踏を活かして、展開装甲を全て機動力上昇に回し、白拍子を射出して、多機能誘導装置搭載型ミサイル「破魔矢」を、全弾発射する。
 玲子は、改良して、各機能では第四世代クラスになり、最適な部分に実装した、擬似展開装甲「秋葉」の機動力上昇を担う部分を展開して、箒と共に、俺を挟撃しようとする。
 破魔矢を連弩で落としているが、白拍子は箒が操るビットだから、落とすのはそれなりに骨だし、何より防御フィールドまで装備している。
 これらを活かしながら、箒は自分の戦闘スタイルである、スピードを活かした剣術で戦える。
 厄介だよな。
 実力も、かなり上がっている。
 巴御前の秋葉にしても、それぞれの機能に特化させて、最適な場所に装備させているから、総合的に見て、第4世代クラスにかなり近いと言える。
 このコンビが、一番面倒か?
 連携の完成度では、箒は鈴と。
 玲子は簪との方が高いが、機体特性を考えると、同時に相手は厄介だ。
 
ワンオフアビリティ:自己進化機能、天照発動。

腕部多機能兵装システム「銀蘭」構築終了。

 ここでかよ。
 荷電粒子砲が2門になって、超高初速レールガン、ブレード、シールド。
 全ての性能が、8割増し。
 第四形態移行が、天照の進化の具合にまで影響を及ぼしたな。
 おまけに、通常時は小型化されている8基のビットが、搭載されている。
 武装は、銀蘭本体と変わらず。
 滅茶苦茶だ。
 冗談抜きに、好き勝手してるな。
 まあ、いい。
 これで、白拍子の相手をさせるか。
 後は、式神と俺で、それぞれ挟撃すればいい。
 っと、那須与一にも、偏向射撃機能を搭載してたっけな。
 式神は、箒たちの外側に展開している。
 それを活かすか。
 全ての式神をバレルロールさせながら降下させるが、幅は少しずつ広げる。
 そして、俺はそれに連動するように、2人に一撃離脱を繰り返して、仕留める。

「4分45秒。プラント装甲を使わずに、このタイムか…。」
「それにしても、白銀が進化しましたね。性能は大幅に向上して、しかも、それぞれに8基のビット付き。各部がそれぞれ自己進化しているのが、頷けます。」
 データを整理しながら、千冬と真耶は複雑な表情になる。
「それを、天照は管理しているようだが、見ろ。」
 千冬が、あるデータを表示する。
「基本性能自体が、底上げされている。天照と関係なくな。これは推論の域を出ないが、天照は、ある程度の底上げの結果として、発動するようになっているのでは、ないだろうか?」
「そうですね。私も同意見です…。」
 基本性能が、勝手に底上げされ、ある程度したら天照がさらに進化させ、そして、形態移行が起こる。
 第四形態移行時のフラグメントマップを見たが、明らかに既存のISとはタイプが違いすぎる。
 完全に、別物なのである。
 2人では、理解できる代物ではない。
「究極の自己進化か…。進化を学習し、自らに適した進化形態を作り上げるIS。一夏が怪物と呼ぶのも頷ける。」
 委員会直属とはいえ、一夏が卒業した後、各国がどう動くか。
 今も、白式は、一夏の私物となっている。
 それでも、各国が、指をくわえている筈がない。
 今後の事を考えると、千冬も真耶も気が重かった。

 さすがに、かなりレベルアップしてるな。
 改修の経緯は、いつもの通り不愉快だったが、その点だけは喜ばしいか。
 それぞれの母国も、今の状態で、ISを亡国企業に奪われるのは、御免こうむりたいだろう。
 帰国しても、それほど心配する必要は、ない筈だ。
 ラウラも、部隊長としての仕事が、ある。
 そっちの方を片付けなきゃならないが、ま、問題はないだろう。
 念の為に、委員会に上申書を書いておくか。
 さし当たっては、それで大丈夫だろう。
 問題は、瑞鶴の適合者が見つかった事だな。
 社じゃ、明らかに危険。
 岩本一尉と成田一佐に頼んでみるか。習志野なら安全だろう。
 あそこに殴り込みをかけるなんて、救いのない馬鹿のやる事だからな。
 IS戦じゃ、岩本一尉にボコられるし、個人戦闘なら成田一佐に叩きのめされて、病院行き。
 これで、行こう。
 承諾を取ってから、俺自身が説明に行くか。
 それが、筋だからな。

「私たちも成長したつもりだった。ISもお前に再び改修してもらったが、まだ及ばないか。というより、お前が、数段強くなっているからでも、あるがな。一夏。」
 ISを待機状態にしたラウラ達が、プロテインドリンクとアミノ酸のサプリメントを飲みながら、今後の事を考えている、俺の所に来る。
「みんな、相当伸びてるぜ。こっちも結構大変だった。俺自身を極限まで追い込む狙いも、結構果たせた。いい汗をかけたよ」
 プラント装甲を使わないのは、改修の結果を試す意味合いもあるが、何より、不利な立場に追い込んで、その局面を如何に打開するかという経験を積むことによって、俺自身の、基本スペックを伸ばす狙いもある。
 その点で、俺は満足していた。
「それから、お詫びいたします。私たちのせいで、一夏さんは、また不愉快な思いをすることになって…。」
 箒を除いて、皆が、悲しげな表情になる。特にセシリアは、泣き出しそうになっている。
「別に、皆のせいじゃないだろ?どっちにしろ、今までの戦闘経験の蓄積を兼ねて、フルオーバーホールの必要も、あったしな。気にするなって。じゃあ、俺は白式の整備とか、やる事があるから。」
 皆の顔を見ていると、正直、そこにはいられなかった。

「みんな。悲しそうにしていますね。」
 オペレーティングルームのモニターに映るセシリア達を見て、真耶が案ずる表情になる。
「各国が、反吐が出るような工作をしたことぐらいは、気づいている。一夏に対する申し訳なさで、一杯なのだろう。そして、一夏は、腸が煮えくり返っているだろうな。政治屋共は、そういった事が、解らないらしい。羨ましいよ。」
 千冬は吐き捨てるように、言った。
 今回の改修の件で、各国の政治屋で政治家生命を絶たれた者も多くいるが、「政治家は所詮政治屋で、揃いも揃って溝鼠にも劣る存在。」という価値観を千冬は持っているので、不愉快さは持続していた。
『尤も、これからは一夏に改修を頼むのは、困難を極めるだろうし、国際社会からは、今の段階で、白眼視されている。精々、自分たちの愚行の代償を思い知れ。屑共が!!』

 やってられるか!!
 何で、セシリア達が、あんな表情をする必要がある!?
 何の罪も、無いんだぞ!!
 重役になって、政治屋を多く見てきたが、屑が99%。
 まともなのは、100人に1人。
 卒業後の進路は、ああいった連中と関わらない方向で、考える必要があるな。
 正直、うんざりだ!!

「ブルーティアーズは、さらに高性能なISになったな。ミスターオリムラ。」
 よりにもよって、会ったら半殺しにして、一生ベッドの上にいるようにしたいのが、目の前に現れてくれたか。
 どの面下げて、来たんだか。
 英国外務大臣 ウィリス・ヘミングス。

「知っているだろうが、外相会談で、日本を訪れていてね。改修の礼を言いたいと思って、許可を戴いた。」
 だったら、来るなよ。
 自分たちが、どう思われているのか解ってないな。
 夏にイギリスに行った時から、進歩ゼロじゃないか。
「ミスオルコットから、謝罪を受けましたよ。自分たちのせいで、私が不愉快な思いをすることになって、申し訳ないと。それと、もう一つ、夏季休暇中、イギリスに滞在していた間の最後の日に、彼女はこうも言っていました。「今回の件で、自分達イギリス人を嫌いになったか?」と…。外務大臣。これが貴方の行動に対する、私の答えです。では、失礼します。何かと、忙しい身ですので。」
 良心と理解力と想像力の欠片があるのなら、少しは考えてみるんだな。
 自分たちの行動の結果、セシリアが、どんなに心を痛めているかを。
 それも解らないのなら、あんたは人間じゃないよ。

『「礼を言う気持ちがあるのなら、自分の目の前に姿を現すな。」か…。』
 イグニッションプランで、制式機に選ばれるか否かは、大きな違いがある。
 それ故に、どの国も必死である。
 その点から、イギリスは一夏を自国の帰属にしようとしている。
 だが、現在はIS委員会及び国連安全保障理事会直属。
 おいそれとは、手出しができない。
 さらに、ブルーティアーズを奪取されるリスクを最小限にする為に、改修を承諾するように、様々な圧力をかけた。
 下種な手段であることは承知していても、やらざるを得なかった。
 ヘミングスは、そう思っていた。
『上から見下ろしている者の、傲慢な考え方だったか…。ミスオルコットが、それほど苦しんでいた事に、気づいてもいなかった。同じ年頃の娘がいるというのに…。』
 学園を去り、宿舎となっているホテルに戻る際中、ヘミングスの口の中には、苦い味が広がり続けた。

 たく、会いたくない人間に会うと、ホント嫌な気分になるぜ。
 そっちの事情もあるんだろうが、それでも、自覚の一つはしてもらいたいよ。
 さて、亡国企業関係のレポートを見る限りでは、そこそこ情報が入ってきてるな。
 やれやれ、ベンチャー企業にまでか。
 相当大規模な情報網を、持ってるな。
 でなけりゃ、大企業はともかく、陽の目を見ていないベンチャー企業の技術まで目をつけられるとは、考えにくい。
 この辺りは、技術漏えいに関するセキュリティ意識が、まだ、ちょっと甘いからな。
 引き締めてもらうよう、要請するか。
 遅かれ早かれ、やる必要あったし。
 さ、次は習志野に、瑞鶴の専任の件で要請しないとな。
 その前に、社との話は済ませているから、千冬姉と山田先生に話した後に、要請しよう。
 イブ迄に、やる事、しっかりやっておかないとな。
 セシリア達の件は、念の為、皆の意見を聞いておくか。
 大丈夫だとは、思うけどな。
 それにしても、生徒会長になってから、忙しいよな。俺。

後書き
いよいよ。冬休みが間近に。
それぞれ、代表候補としての仕事がありますから、母国に戻ります。
その際に、ISを奪われないように、改修。
これで、各国のIS部隊と連携させて、リスクを下げる。
委員会にも、対策強化を上申する。
高校生とは思えない多忙な日々と、仕事をこなす一夏。
政治屋にたいする不快極まる感情を抑えながらですから、本当に大変です。
それでも、一夏は力を尽くします。
真面目ですね。
そして、政治屋はつくづく下種です。
現実もそうですから、救いはゼロ。




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