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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第41話 闇を焦がす者達

<<   作成日時 : 2013/04/05 23:59   >>

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「キャラ様!高エネルギー反応接近します!!」
「各艦及びMS隊、散開!!当たるんじゃないよ!!」
 キャラの命令が出る前から、部隊は散開し始めたが、先手を取られたために、遅かったことは否定できなかった。
 部隊の艦艇や、発進中だったMSの多くが、光に飲み込まれ、四散する。

「それなりに、戦力は削ったな。全艦砲撃開始!MS隊は、艦隊の直援に専念。衛星群、第2射用意!その後、総攻撃を加える。」

「やってくれるじゃないか。旗艦の指示に従いながらも、散開したまま砲撃を開始。衛星群には気をつけな!第2射が来るよ!MS隊は、敵艦隊に突撃、グレミーの旗艦を沈めることだけ考えな!道は、このゲーマルクが開く。」
 キャラは、ゲーマルクの全身に装備されたメガ粒子砲を一斉に斉射しつつ、MS隊の為に、道を開く。

「ほう。それなりの知恵はあるか。こちらが、第2射の用意をしていることに気が付いているな。それまでに、私を討つことを試みるか。」
「クィンマンサより、通信。」
「繋げ。」
 何を言うのかは解っていたが、グレミーは通信を繋げさせた。

「キャラは、私が仕留める。出るぞ。」
「済まんな。頼む。」
「任せておけ。」
 通信を終えると、プルツーのクィンマンサとニュータイプ部隊が出撃していく。
『まあいい。せいぜい、私の為に働いてくれ。最後のカードを切るまでは、お前は役に立つ。量産型とはいえ、キュベレイの系譜の、MSも用意したのだからな。』
 冷めた思いでクィンマンサとニュータイプ部隊を見て、グレミーは戦況に思考を戻した。
「MS隊の一部に長距離用装備を。キャラの艦隊にさらにダメージを与えよ。直援も必ずつけろよ。」

「私が前線に出ている間に、艦隊を潰す腹かい。その前に、お前を殺してやるよ。うん?この感じは…。」
 モニターには、クィンマンサが映っていた。
「面白い。グレミーの切り札みたいだね。潰させてもらうよ。」

「ふん。まさにただのバカだな。敵が出てくれば、呆れるほど正直に出てくれるとはね。」
 メガ粒子砲を撃ちながら、ファンネルを射出して、キャラのゲーマルクに向かわせる。
「甘いんだよ!」
 メガ粒子砲を撃ちまくりながら、背部のユニットを射出する。
「そんな物、撃ち抜くのは訳も…。」
 ファンネルでユニットを撃ちぬこうとしたプルツーは、次の瞬間、一瞬思考が止まった。
 ユニットから、多くのファンネルが射出され、激烈な攻撃を仕掛けてくる。

「小細工を!」
「この程度の小細工に引っかかるなんて、相手はお子様かい?どうりで甘いわけだよ。」
 ゲーマルクがの背部のユニットは、それ自体がファンネルであると同時に、ファンネルのコンテナでもある。
 チルドファンネルと呼ばれる小型のファンネルと、それを多数搭載するマザーファンネル。
 ゲーマルクのファンネルは、他に類を見ないほど特殊なシステムだった。
「マザーファンネルを忘れてるよ!」
 2基のマザーファンネルも、クィンマンサを狙う。
「くっ!」

 一方、キャラの艦隊は戦いつつも、体勢を立て直そうとしていた。
「敵の各部隊の先頭に、砲火を集中!足を止めろ!!その間に、陣形を再編成する。」
 出撃したキャラから、艦隊の指揮権を委譲されたクルスは適切な指示で、グレミー軍の足を止めつつ、陣形を再編成していく。
『チャージの時間が解らない以上、できうる限り早く、散開も考慮した陣形に、再編成せねば…。』
 沈着冷静な判断力で、キャラを補佐してきたクルスだが、グレミーが用意したハイパー・メガ粒子砲の事を考慮すると、できうる限りそれに備えた陣形に再編成する必要がある。
 さしものクルスも、焦っていた。
「ゲーマルクに、さらにMS部隊が接近。数3。報告にあった、ニュータイプ部隊と考えられます。」
『このような時に…!』
 キャラは精神の安定を代償として、強いニュータイプ能力を得て、最新鋭NT専用MS ゲーマルクを与えられてはいるが、4機ものNT専用MSが相手では、さすがに分が悪い。
 宙域図を見渡して、グレミー軍を押し返しつつ、キャラを援護する戦術を模索し始めた。

「しつこいんだよ!雑魚が!!」
 全身のメガ粒子砲を発射しつつ、ファンネルで包囲して、仕留めようとするが、ニュータイプ部隊のキュベレイは、サイコミュはデチューンされているが、ビームキャノンの一つ、アクティブカノンを2門装備しており、固定武装は、むしろ充実している。
 さらに、ファンネルの搭載量もオリジナルより、増やされている。
 だが、キャラはそれを一顧だにしなかった。

「しぶとい…!」
 ゲーマルクは、各部に装備されたメガ粒子砲、ファンネル等でかなりの重量級モビルスーツとなっているが、もう一つの理由として、装甲が厚い。
 防御力が高いために、致命的なダメージを与えるのは、容易なことではなかった。
「そら!」
 装備された専用ビームサーベルで、キュベレイを1機仕留める。
『チャージはまだか!』
 メガ粒子砲とファンネルでゲーマルクに攻撃を加えながら、プルツーはハイパー・メガ粒子砲のチャージが完了するのを、待っていた。

「ハイパー・メガ粒子砲、エネルギー充填完了。」
「照準よし。」
「撃て!」
 漆黒の宇宙の闇を焦がすように、太いエネルギーの矢が、再び放たれた。

「全艦隊散開。被害を最小限に食い止めろ。MS隊は、敵の攻撃に備えるのだ。」
 各艦に退避命令を出しながら、クルスはMS部隊に備えるよう命令を出した。
 それでも、小惑星に搭載される規模では、接触しただけでも、かなりの損害が出る。
 完全に退避することは至難の業で、少なからぬ数の艦艇とMSが四散し、接触した艦艇もダメージを受ける。

「レードラ、ガドラ、ラードラ、轟沈!MS隊も全滅!!」
「リゲル、シリウス、中破!MS隊は健在。」
『半数を割り込んだか…。』
 3隻の巡洋艦が轟沈したことで、第1射の損害を合計すると、キャラの艦隊は半数以上の損害を出している。

「ゲーマルクより通信。」
「クルス、これまでだね。」
「申し訳ございません。」
 メインスクリーンに映ったキャラに、クルスは深々と頭を下げ謝罪する。
「お前の責任じゃない。私の責任さ。勝負は決まったが、グレミーが私たちを逃すとは思えない。解るな…。」
「はっ…。」
 クルスの答えを聞くと、キャラは満足そうに頷く。
「全艦、最大戦速。目標、敵旗艦。全艦で、砲火を集中せよ。MS部隊は、艦砲射撃と呼応しつつ、道を開け。」

「敵艦隊、本艦に向かって突撃してきます。」
 旗艦グランツのブリッジで、グレミーはオペレーターの報告を聞いて、意外そうな表情にする。
「あのクルスがな。もはや、これまでと悟ったか。両翼は砲火を集中。長距離装備のドーガも、攻撃に加われ。他のMS隊は敵MS隊を抑えろ。」
 グレミーは指示を出し、突撃してくるキャラの艦隊を、撃破させようとする。

「向こうも動いたか。一番近いのは、あのデカブツ。地獄への土産にさせてもらうよ。」
 すでに、自分の末路を悟ったにもかかわらず、キャラはすっきりしたような表情になっていた。
 メガ粒子砲とファンネルで、ニュータイプ部隊とクィンマンサに攻撃を仕掛けつつ、ハイ・メガ粒子砲搭載衛星の一つに、突撃する。

「私たちを無視するだと?舐めるな。」
 激昂したプルツーは、クィンマンサのメガ粒子砲をゲーマルクに発射する。
 が、全て、謎のフィールド状の物に、弾き返された。
「Iフィールドか?だが、搭載している様子は、見られなかったぞ。」
 プルツーが混乱している隙に、キャラは残った量産型キュベレイ2機を抱え込んで、全てのスラスターを全開にしつつ、ファンネルでクィンマンサの動きを止めようと図る。

「敵MS。リディルに向かってきます。」
「道連れにするつもりか!迎撃させろ!撃ち落とせ!!」
 グレミーの命令が届く前に、ハイ・メガ粒子砲搭載衛星「リディル」は、全ての砲門を開いて、ゲーマルクを撃ち落とそうとする。
 だが、ゲーマルクを包む、謎のフィールドは攻撃を全て跳ね返す。
「何だ!?あれは。」
 グレミーは、ゲーマルクを包むフィールドを見て、眉をひそめる。
 NT専用MSの装備でも、このような物があるとは報告を受けていない。
「敵MS更に接近!」
「全軍後退しつつ、砲撃を続けろ。MS隊は長距離仕様以外、直援に回れ!!」
 攻撃を防ぐフィールドの小隊が解らず、グレミーは本能的に恐怖を感じて、全軍に退避をしつつ攻撃することを、命じた。

「あははは!怖気づいたかい!?そんなんじゃ、ハマーン様に勝てっこないよ!!じゃあ、仕上げと行こうかい。」
 リディアのハイ・メガ粒子砲の中に侵入し、中枢部に辿り着く。
「グレミー。まず、一つ、潰させてもらうよ!!地獄で待ってるから、さっさと来るんだね!!」
 メガ粒子砲を一斉に発射し、中枢部は完全に破壊され、爆風にゲーマルクと抱えていた量産型キュベレイは巻き込まれて、核融合炉が連鎖的に爆発し、ハイ・メガ粒子砲は完全に破壊され、さらに各砲座や管制室、司令部、MS格納庫も爆破を起こす。

「ゲーマルクの識別信号消失。こちらも残るは本艦のみです。」
「怯むな!!少しでも奴らの戦力を削れ、各砲座、撃ち続けろ!!」
 キャラの艦隊は、旗艦アストリア以外撃沈され、各所に被害も出ているが、前進をやめない。
「長距離仕様のドーガ隊前へ。一斉に攻撃せよ。」
 205mmカノン砲、メガビームランチャーを装備した、ドーガも加わりアストリアへの攻撃はさらに激しさを増す。

「第1、第2主砲大破!砲撃不能!」
「副砲群全壊。ミサイル発射管使用不能。」
「機関部は?」
「異常ありません。」
「残りの主砲で砲撃を行いつつ、最大戦速を維持。怯むな!!」
 満身創痍になりながらも、アストリアはグレミー軍の艦列に楔となって食い込もうとする。
 その時、ファンネルがアストリアに集中砲火を浴びせて、撃沈する。
「ふん。手を焼かせる。」

「敵部隊全滅。」
「こちらの被害は?」
「ゲルゼンキルヒェン、ハンブルク中破。ハノーファー、ヴュルテンベルク、ブレーメン、プファルツ小破。MS隊11機が撃破。内7機が脱出。18機が損傷を被りました。破壊されたMSは補充可能です。」
『思いのほか、損害が大きかったな。キャラめ…。』
 予想を超える被害に、グレミーは苦々しい思いをしていたが、もし、プルツー達がキャラを抑え込んでいなかったら、この倍では済まなかったであろうことも、十分理解していたので、今回はこれで良しとした。
『NT部隊の消耗が、思ったより激しい。それにリディルを失った。スケジュールを繰り上げる、必要があるな。』
 ハマーンとグレミーの戦いの前哨戦ともいえる、キャラの艦隊との戦いは、グレミー軍の勝利で幕を下ろしたが、グレミーも、予想以上の損害を被っての勝利だった。

後書き
遂に、ネオジオン同士の戦いの幕が、上がりました。
強化したものの、以前以上に攻撃的になり、他部隊との連携が取れないことを理由にハマーンによって、捨て駒として戦場に送り出されたキャラですが、それでも人としての矜持のようなものは、持ち合わせていたみたいですね。グレミーを討ち取る為に、指揮官としての本分を全うしようとし、末路を悟っても、只では死なず、ハイパー・メガ粒子砲と運命を共にしました。
キャラの艦隊は全滅したものの、切り札の一つを破壊され、ニュータイプ部隊もマシュマーとの戦いの時と合わせて、5機が堕とされました。
その他の損害も、決して軽くないでしょう。
このまま、ハマーンに迫っても、苦戦させることはできても、その先はどうでしょうね?
切り札はあるようですが、ハマーンの元には無傷の兵力が多くありますから。
何より、ロンドベルという、不確定要素もあります。
カミーユ、アムロ、クワトロ、フォウ、エレオノーラの歴戦のニュータイプに、ヤザンを始めとする腕利きのパイロット達の集まる精鋭部隊。
グレミーは、どう対処するでしょうか?


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
2話続けてコメントを入れました、ZESTです。

今回の話で、キャラとクルスが壮絶な最期を遂げました。
キャラが好きな方にとってはキツい展開ですが、キャラにとっては、死に華を咲かせた事で満足出来ているでしょう。
量産型キュベレイ2機と、ハイパー・メガ粒子砲を内蔵した小型衛星一基を道連れにしたのですから。

この小説のグレミーは、ギレンと同等かそれ以上の冷徹さを持っている様ですね。
彼に駒扱いされているとは知らないプルツーの明日は果たしてどうなるのか、気になります。

そして、グレミーが口にしていた「最後のカード」こと謎のクローン。
正体は、クワトロへの抑止力となり得るフル・フロンタルか、それとも別の誰かか、考えるだけで知恵熱が沸騰しそうです。

次回も、楽しみに待っております。
ZEST
2013/04/07 11:44
ZESTさん。
続いてのコメントありがとうございます。

>キャラが好きな方にとってはキツい展開で
>すが、キャラにとっては、死に華を咲かせた
>事で満足出来ているでしょう。
 決戦に欠かせぬ切り札として用意した、衛
 星を1つに、ニュータイプ部隊の量産型キ
 ュベレイを2機潰しましたからね。
 部隊は全滅しましたが、十分に損害は与え
 たので、満足できる死に方だったと思いま
 す。

>この小説のグレミーは、ギレンと同等かそれ
>以上の冷徹さを持っている様ですね。
>彼に駒扱いされているとは知らないプルツ
>ーの明日は果たしてどうなるのか、気になり
>ます。
 当初から、反乱に備えさせていましたので、
 利用できるものは利用して、必要が無くな
 れば捨てるというキャラにしてますから、
 冷徹に見えるのでしょうね。
 このままいけば、利用されて捨てられるの
 は明白。
 そうなる前に、アムロ達はプルツーを救え
 るでしょうか?
 接触の仕方が、鍵になるのではと、思って
 います。

>正体は、クワトロへの抑止力となり得るフ
>ル・フロンタルか、それとも別の誰か
 フル・フロンタルですか。
 成程。
 そうきましたか。
 正解は、最終局面で明かされますので、お
 楽しみに。
CIC担当
2013/04/09 23:11
やはり、キャラと共にクルスも逝きましたか…
キャラの死は、ダブルゼータの時と同じく、戦士として満足した最後だったと思いますが、ゴットンとギャグも見たかった気もします。


グレミーのクローンの正体がフロンタルと言う発想は、予想外でした。
僕は、あのゼータのボスキャラかと予想していましたが…

さて、キャラの働きで不利になったグレミーの次の動きが気になります。
タケゾウ
2013/04/14 12:24
タケゾウさん。
遅くなりましたが、コメントありがとうござ
います。

>戦士として満足した最後だったと思います
>が、ゴットンとギャグも見たかった気もし
>ます。
 成程、ゴットンとの絡みですか。
 いいキャラでしたからね。彼。
 ただ、カミーユ達が主役だと、ギャグは合
 わない気がしたんですよ。

>グレミーのクローンの正体がフロンタルと
>言う発想は、予想外でした。
>僕は、あのゼータのボスキャラかと予想し
>ていましたが…
 ふむふむ。
 そういう考え方もありますか。
 正解を、お楽しみに。
CIC担当
2013/04/19 00:47

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