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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第24話 フィースト・オブ・ザ・ウィッチ Phase4

<<   作成日時 : 2013/04/03 23:57   >>

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「元々、ヘックスは、CIAの人間ではありません。アメリカ陸軍の士官です。」
 翌朝。
 ソフィは、皆にヘックスについての調査結果を、説明し始めた。
「何で、アメリカ軍の士官が、諜報の道に行っちまったんだ?」
 ルツが、首を傾げる。
「レームさん、ワイリさん、アーキンさん、バリーさん。陸軍に女性で構成される特殊部隊の構想があったって、聞いたことあります?」
「初めてですよ。そんなの。最前線で戦う女性兵士自体、湾岸戦争からはいますけど。特殊部隊なんて、聞いたことない。」
 アーキンが、目を丸くする。
 元デルタフォース故に、多少、そういった方面の噂も聞かないわけではないが、さすがに、ソフィの質問には驚いた。
「あったんだ?構想。」
「はい。」
 ココの言葉に、ソフィははっきり頷いた。

「第3特殊グループ。広域無線小隊。通称WW小隊。それが、その部隊の名前です。当時、ウェストポイントを卒業したヘックスもその1人でした。過酷な訓練をクリアして、グリーンベレークラスの戦闘能力を身に着けはしましたが、訓練で多数の脱落者が出たことにより、小隊は、幻の小隊となったんですが、これに関しては、女性だけの特殊部隊を嫌う、陸軍の高級将校の圧力の形跡も、見受けられるようです。」
「初めて聞いたぜ。そんなの。別にあったって、いいと思うがな。実力あれば。」
「事実は小説よりも、奇なりですか…。」
「ですね…。」
「誰だよ。圧力かけた馬鹿は。」
 レーム、ワイリ、アーキン、バリーがそれぞれ、感想を言う。
「構想が白紙になった後、機密保持のため、軍上層部はヘックスを昇進させましたが、直後に除隊しています。その後、CIAのリクルーターが、ヘックスに接触しています。さらに、そのリクルーターは、ブックマンの部下である事も、確認が取れました。」
「とすると、ヘックスはブックマンの部下か。で、ヘックスの性格はどんな感じ?ソフィ。」
 ココの目が、鋭くなる。

「一言でいえば、生粋の愛国者であり、プライドが高いと言っていいでしょう。自分が男の兵士よりも、優れていると考えています。国に少しでも仇なす対象には、どこまでも、冷酷で残忍です。ただ、当初は、今の様な性格では、なかったようです。」
「で、切っ掛けは何だ?」
「9・11同時多発テロ。」
 その事件の名を聞いて、説明を聞いていた全員が、どこか納得したような表情になった。
 アメリカの社会にも、大きな影響を与え、一時期は軍への志願者が殺到した時期もある。
「当時のヘックスは、パラミリとして、中東方面で活躍していたのですが、その時に、婚約者を失っています。9・11のトリガーを引いたのは、タリバン。そして、当時のヘックスが活動していたのは、中東。今の様な性格に変えるには、十分過ぎる程の事件だったと、みていいでしょう。その後は、軍やPMCが持て余していた、腕利きの兵士で編成した、自らの部隊「カットスロート」を率いて、国際法違反すれすれのテロリスト狩りに、いそしむことになって、今に至ります。やり方は、ゲシュタポやチェイカーを思わせると言えば、想像はつくと思います。僕の調査結果は、以上です。念の為、ヨーロッパの情報は逐次入るように手配していますので、ヘックスが動いたら、連絡が来る手配に、なっています。」
「ご苦労様。ソフィ。私が求める以上に、よく調べ上げてくれたね。」
「本当だよ。どうすれば、そんな情報網が作れるんだか…。」
 ココの部隊で情報収集を担当するトージョだけでなく、全員が、ソフィが持つ、裏社会との太いパイプを元にした情報網に、舌を巻いていた。

「それにしても、また、ヤバイ性格の女が出てきたもんだぜ。こういう歪んだ愛国者ってのは、性質が悪いったらねえ。」
 バリーがうんざりしたような、表情になる。
「護衛は、相当に厳重にする必要がありますね。専務。くれぐれも、気を付けてください。それから、UAVの使用許可を。」
「エリさん。そちらはお任せします。好きなのを使ってください。」
 スナイパーが出てくる可能性が濃厚と見たエリは、UAVによる空からの監視で先手を打とうとしていた。

「それと。アールさん。すいませんが、ブックマン。ジョージ・ブラックについて、できる限り詳しく話してくれませんか。」
「ん?ああ。」
 アールがソフィの隣に来る。

「ブックマンは、元々、アナポリスを出た後に海兵隊に入隊した。そのまま、行けば、まだ海兵隊にいただろうな。だが、背中に重傷負ってな。除隊して、CIAのケースオフィサーになった。その後、俺はボスニアに行った時に、奴にあった。俺の上官は、ブラッディナイオ。人形使いと呼んでたな。はっきり言って、凄腕だった。俺の情報を駆使して、ボスニアの虐殺犯を、根こそぎとっ捕まえていった。そして、俺以外にも、エージェントを何人も使って、虐殺犯をとっ捕まえては、出世して権限を大きくしていった。それから、ボスニアから撤退して、奴との縁は切れて、俺は軍を除隊。そして、10年ぶりに奴に会った。ヘックスとは別の意味で、面倒だな。学者になりたくて、大学時代にアラビア文学を専攻していたそうだが、そのせいか、調査対象に食いついたら、完全に知り尽くすまで、離れないぜ。」
「なるほど。一度目をつけられると、かなり面倒ですね。ところで、ヘックスがこちらを狙っていることを知ったら、ブックマンはどう出ると思いますか?」
「調べつくしていないか、何らかのオペレーションがあれば、止めるだろう。だが、そうでなければ、黙認すると思う。これは、俺の予想だが、ソーはヘックスを便利にしてはいるが、同時に使い余してもいる。それを使いこなすために、ある程度、逸脱した行為を認めることも、否定できないな。」
「では、自分の意に反して、逸脱した行為をしたら?」
『これで、ヘックスの襲撃に関しての、CIAの反応がある程度解る。』
「切り捨てるな。容赦なく。」
『ココさんと僕がどの程度話題になっているか、それ次第か…。』
「ありがとうございます。参考になりました。」
「どういたしまして。今度、何か奢ってくれ。」
「じゃあ、たくさん食べられて、お酒がおいしい店を、チョイスしてください。」
『それにしても、さすがに、ベリサリエリの情報担当士官。観察眼も確かだ。』
 経験に裏打ちされた、アールの人物観察眼を、ソフィは高く評価していた。
「じゃ。報告会はお開き。私とソフィは、仕事に入るから、その間にヘックスへの対策をお願い。」

『次は、バレンシアでの取引。NATO圏の国で、派手にやるとは思いたくないけど。ヘックスなら、やるか。かと言って、取引の場にアサルトライフルを持っていくにもいかない…。』
 セイレーン号の執務室で、ヴィリーに護衛されて書類の決裁をしながら、ソフィはヘックスが来襲してきた際の、対応について考えていた。
 拳銃は当然持っているが、相手は軍やPMCの精鋭。
 正直に言って、心許ない。
 無論、周囲は警備されるが、懐に飛び込まれた時の備えは、必要不可欠だった。
『最低でも、サブマシンガンは持っておきたいな…。』
 ソフィは、選定に入った。

 一方、アトランティック号では、ココの部隊とソフィの部隊のメンバーが、護衛について、話し合っていた。
「スペインは、仮にもNATO圏です。暴れないと思いたいですが、暴れるでしょう。相手が相手です。そこで、UAVで上空から監視し、事前にこちらのメンバーを誘導。裏をかきたいと思いますが。」
「問題は、何を使うかだな…。」
 アーサーが考え込む。
 UAVといっても、種類は色々である。
 プレデターやグローバルホークの様な巨大なものもあれば、紙飛行機のように運用できるものもある。
「どっちにしろ、CIAもUAVで監視はしてる。ある程度、無視して、滞空時間が長いやつを、使うべきじゃないか?そもそも、お嬢とソフィは武器商人。UAVを手に入れるなんて、訳もない。どんなにうまく見つからないようにしても、初めから、ばれてるも同然。ソーなら、間違いなく、こっちがUAVを使う事を、想定にするだろうさ。ヘックスは、どうだかわからんがな。」
 アールは、いずれにせよばれるのだから、ベストな選択をするべきだという。
「確かにアールの言う通りではありますが、可能な限り見つからないようなものを使いましょう。」
 対して、バルメはそれを理解しつつも、可能な限り見つかりにくい物を使用すべきと主張する。
「問題が、航続距離だな。4、5時間は飛べないと心許ないぜ。それに、高度の問題がある。バルメの言いたいことは分かるが、上見上げて見つかったら、元も子もないぜ?」
 ミロが、考え込む。
「よし。RQ−15 ネプチューンにしよう。最近、アメリカのベンチャーが、燃料電池とソーラーパネルのハイブリッドで、動くモーターに積み替えて、滞空時間を、大幅に伸ばしたのがあるんだ。10時間は固いぜ。センサー系も、ばっちりだしな。」
「へえ。そんなのがあるのか。じゃ、それで行こうぜ。」
 アールがネプチューンの使用に賛成し、他も賛成した。

「そう。行先は、バレンシアですか。感謝しますわ。え?例の件ですか。そちらが約束を履行して下さるなら、私たちも約束を履行します。祖国の名誉にかけて。では、失礼します。支度が、ありますので。」
 ヘックスは、イリジウム携帯を切る。
「お気楽ね。薄汚いテロリストとの取引に私が応じるなんて、頭から信じているんだから。」
 ヘックスは、電話の向こうの相手を嘲笑する。
「弾丸の買い付け等、準備整いました。ヘックス。」
 サングラスをかけた屈強そうな男が、ヘックスの執務室に報告に来た。
「ご苦労様。それじゃあ、片づけをして出発しましょう。ここに残っているのは、もう不要だし…。」
 執務室を出て、テロリストたちを収容している区画に行く。

 そこには、AK47と大量の7.62mm×39mm弾。
 それに、手足を縛られ逃げ出せないようにして、放り出されているテロリストたちがいた。
「スタート。」
 ヘックスと10名の歴戦の風格を漂わせる男たち。
 ヘックスの直属部隊「カットスロート」が、AK47を情け容赦なく撃ちまくる。
 テロリストたちの阿鼻叫喚の声とAK47の発射音が、胸の悪くなるような協奏曲を奏でる。
 幾度かマガジンを交換した後、そこには大量の死体が転がっていた。

「ほんと。きりがないわね。殺しても、殺しても、撲滅できない。やっぱり元を絶たないと。」
「で、元を絶つのかよ?ヘックス。」
 カットスロートの1人が、尋ねてくる。
「ええ。そうしないと、他の仕事にも差支えが来る。いつもこっちに、構っていられないもの。今回は大物よ。最高にエキサイティングで、満足できる戦いが待っているわよ。」
 残酷な笑みを浮かべながら言うヘックスだが、カットスロートの面々も負けず劣らず、残酷な笑みを浮かべていた。

「Stand by,Ready MOVE!(行くわよ。準備なさい!)」

「Yeah!!」
 これ以上ないほど、嬉しげな表情で歓声を上げながら、拳銃を撃つ。

「動き出したか…。思ったより簡単に、釘は抜けたな。」
 昼食時だったので、ブックマンは庁内の食堂で、ステーキとハンバーガー2つ。ポテトサラダを注文し、食事を始めた。
『仕方あるまい。あれはまだ、使い道がある。興味はあったが、お嬢に手を出させるわけにはいかん。サクリファイスとしても上物だ。以前のよしみで、レナートには、後で知らせてやるか。もう、バレンシアに着いているころだろうからな。』
 見た目とは裏腹に、冷酷な決断を下して、切り分けたステーキを口に運んだ。

「動き出したか。それにしても、随分と弾丸を注文したものだよ。戦争を始めるつもりじゃ、あるまいに…。」
 ヘックスの動きは、既にソフィの情報網で把握されていた。
「この動き…。反応…。…。成程…。ブックマンの狙いは、そういう事か。」
 ソフィは、ある人物にメールを送信し、返信されたメールから、確信を得た。
「いいですよ…。そっちがその気なら、こっちも徹底抗戦しますので…。」

「フフーフ。偉い人も、時として愚行を犯すか。」
 分厚いハンバーグを3つに、チーズとベーコンを挟んだハンバーガーの昼食を取りながら、キャスパーは楽しそうに笑う。」
「何よ。キャスパー。食事中にニヤニヤして。」
「いえね。チェキータさん。どうにも、本社の周りが妙な雰囲気だったと思ったら、思わぬところから回答を得たんですよ。」
 メジャーリーグの大一番の結果を待つような笑みを、キャスパーは浮かべていた。

後書き
ソフィの情報網によって、ヘックスの性格や経歴が明らかになり、アールの口から、ブックマンの性格や考え方が明らかになります。
これで、相手に関してはだいぶ知る事が出来ましたが、はっきり言って常軌を逸しているのがヘックス。
慎重の上にも、慎重を期す必要があるので、UAVの投入が決定。
ヘックスの方は、ブックマンがしらない相手と取引をしつつ、動き出します。
そして、ソフィが突き止めた事は?
ココにとっての因縁の相手、ヘックスとの戦いが迫る中。
標的の事を知らされたら、アールはどうするのでしょうか?


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