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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第47話 戻ってきた日常

<<   作成日時 : 2013/04/21 21:02   >>

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 ふう。終わった、終わった。
 最近になって、ブッフバルト先生のゲイルスクゲルの改修の依頼が、IS委員会からきて、俺はそれをやっていた。
 ハイスペックだが、代償として稼働時間にかなり難がある。
 シグルーンもそうだけど、各部のエネルギー消費率が問題だらけだった。
 だからこそ、ブッフバルト先生が必要だったわけだが、それはそれで問題だからな。
 俺が、改修することになった。

「ありがとう。迷惑かけるわね。」
 ザッハトルテとクレームシュニッテンに、濃い目のコーヒーを淹れて来てくれたブッフバルト先生が、整備室に入ってくる。
「いえ。改修計画自体は、個人的に前から計画はしてたんですよ。初めて先生と手合わせした時から、弱点は知っていましたから。改修点と追加兵装を見てください。」
 俺は、端末を操作して、空中投影型ディスプレイに改修に関するデータと、追加兵装のデータを表示する。
「凄い…。省電力化だけじゃなくて、機動性も運動性も向上してる。」
「可能な限り、既存の技術で省電力化と、性能向上を図ってますから、整備もそう難しくないですよ。追加した兵装は、特殊なのもありますけど、これも既存の技術の応用ですから。」
 今回の改修で、特に意識したのは、既に知られている技術の応用。
 だから、省電力化にしても、機動性や運動性の向上にしても、特別な技術は、何一つ使っていない。
 追加した兵装は、高初速中口径速射レールガン「ドンナー・シュペーア(雷の投槍)」、AICを発展させて、複数でも、ロックオンすれば攻撃可能で、従来のAICとしても使用可能な、AICキャノン「リーゼン・シュラーク(巨人の一撃)」の2つ。
 ドンナー・シュペーアは、開発しようと思えば、基本的にどの国でも開発できる。
 リーゼン・シュラークは、AICが機密になっているけど、原理そのものは理解できたから、そう難しくなかった。
 これに関しても、ブッフバルト先生がIS学園にいる限り、外部に技術が流出することはない。
 AIC自体は、セシリア達のレポートで、それぞれの母国に情報が言っているし、前々から噂になっていて、各国とも原理の解明に結構躍起になっているしな。
 それ以前に、兵装が多いと使い分けが難しくなるから、逆に操縦者への負担が大きい。
 イリュジオンは、デュー・コネサンスでサポートさせているし、シャルロットの技術と判断力で問題になっていないが、これは特別なケース。
 ある程度、的を絞って装備させる方が、賢明だ。
 ゲイルスクゲルは、実弾兵装がないのでそれを解消するために、この2つを装備させた。
 シャイネン・ランツェは、エネルギー系の射撃兵装としても優秀だから、バランスが取れる。
 これくらいで、ちょうどいいと判断した。

「これで、憂いなく戦えるわね。お礼として、きっちり鍛えてあげるわ。覚悟しておきなさい。」
「はい。お願いします。」
 強い相手。
 ましてや、元ブリュンヒルデとなれば、大歓迎だ。
 存分に、鍛えてもらうか。

「じゃあ。俺、明日からの仕事の件で、学校を休みますんで、手続きをしてきます。その後、調整に入りますので、待っていてください。」
「はい。行ってらっしゃい。」
 一夏は、更衣室に行く。
 芝崎インダストリーで、最新型の第三世代IS開発計画で、主任をつとめている一夏は、ISの組み立ておよび最終調整の為、休日返上で仕事に入る。
『もう、大丈夫みたいね。一時は、どうなるかと思ったけど。』
 改修で、第五世代ISになり、さらに第四形態移行を遂げた白式のあまりの性能に、一夏は自分自身が破壊の権化と化し、誓いを守れないのではないかという苦悩に陥り、その事を1人で解決しようとして、自分の心を破壊してしまうのではないかと、周囲を心配させたが、楯無の発案で、3年生の寮に移り、上級生と共に生活しながら、時に叱られ、時に諭されていく内に、それを乗り越えて、教師たちは、胸を撫で下ろしていた。
『これで、一夏君は、さらに強くなる。ISの操縦技術だけじゃなく、何より心が。』
 ヘンリエッテは、確信を持っていた。

「うん。手続きはこれでいい。授業の方も、お前の予想通りの進行だ。」
 OK。
 予習をきちんとしておけば、問題ないな。
 にしても、忙しいよな。
 これじゃ、顧問じゃなくて、完全に芝崎の技術者だよ。
 本来は、様々な方面の、アドバイザーの筈なんだけどな。
 まあ。いいか。
 IS以外の分野で、俺の知識や技術が世の中の役に立っているんだからな。
 手術器具の方は、世界各地で採用されて、治療コストを下げただけじゃなく、より安全で確実な治療を受けられる人が、大勢増えた。
 これは、素直に嬉しい。
 来週、それについての取材が入っている。
 村山さん曰く、「そろそろ、テレビ取材も受ける事になる。」そうだ。
 う〜ん。
 こればっかりは、何とかしたいなあ。
 やっぱり、似合わない。

 他にも、土木や建築現場での作業用に開発がすすめられていた、強化外骨格。
 正式に名称が決まり、装着型汎用重作業機器(Heavy Equipment−mounted General purpose)。
 略称HEGに関する法整備のガイドラインも、間もなく固まる。
 それにも、開発者として俺は参加している。
 免許交付に当たって、試験や、教習所でのトレーニングの内容を決める作業チームにも、俺は参加している。
 これで、幾分かは女尊男卑も改まるだろう。
 男女関わりなく、使えるしな。
 俺は男尊女卑も気に入らないが、今の行き過ぎた女尊男卑も好きじゃない。
 ISが使えようが使えまいが、性別に関わりなく、権利は平等であるべきだ。
 その辺を、政治家にはもっと考えてほしいね。
 女性に有利なような法を制定したりするのも、とどのつまりは政治家。
 政治の世界だけは、今も、男が有利。
 故に、今の女尊男卑の風潮は、政治屋のせいなわけだ。
 他人の迷惑を、考えてほしいぜ。
 さて、ゲイルスクゲルの調整に、行くとしますか。

「問題ないですね。後は、微調整をして終わりです。」
 想定通りの性能を発揮しているのを確認して、調整は終了する。
「見事ね。既存の技術を応用するだけでも、これだけの性能向上ができるなんて。」
「ISの開発国なら、どの国でもやれますよ。ただ、先進技術ばかり目が行ってしまって、既存の技術に、見向きもしない風潮がありますね。正直、どうかと思いますよ。」
 白式と紅椿の存在が、各国に衝撃を与えて、第3世代ISの実用化を各国とも急いでいるが、先進的な技術を完成させる事ばかりに、目を奪われている。
 それ以前に、第3世代ISの泣き所。
 燃費の改善に、力を注ぐべきじゃないのか?
 設計思想にもよるけど、稼働時間が短いのは痛いぜ?
 論文でも書いて、問題提起するかな。
 ただ。何かすると、今以上に忙しくなりそうだな。
 これ以上は、マジで勘弁してほしい…。

「織斑君は、先進技術の開発、既存技術の応用、どちらもできるように一生懸命、篠ノ之博士から学んで、入学してからも独学で勉強している。一生懸命さは、きっと尋常ではないのね。ISの操縦、開発。武術に剣術。いろんな才能を持っているけど、それを花開かせる一番大事な才能を、織斑君は持っているし、それに関わらず、いつも一生懸命だものね。ね。才能を花開かせる一番大事な才能って、何か解る?」
 意味が解らない。
 才能を花開かせるのに、才能がいるのか?
 ひたすら努力して、磨くしかないと思うけどな。
「努力って、いうのよ。何かの事で、一生懸命に努力することはね。それ自体、才能よ。織斑君は、学び始めたことで自分をステップアップさせようと、誰に言われなくても、一生懸命努力するでしょう?それが、一夏君が持っている一番大切な才能よ。それを大事にしてね。でも、自分の事も大事にして。お願いね。じゃ。」
 そう言って、先生は更衣室に行った。

「成程。たしかに、それは才能ね。」
 夕食を食べていると、遠藤先輩が納得したように頷く。
「今一つ、理解できないんですよね。どんな分野にしろ、伸ばしたいなら、精一杯努力しないと、駄目じゃないですか?当たり前だと思いますけど…。」
 牛肉の味噌漬け定食に、ポテトサラダを追加した俺は、首を傾げる。
 マジで解んねえ。
「あのな。織斑。努力ってのはだ。人によってできるレベルに、どうしても差が出るもんなんだよ。例えば、お前が前にやってた、自己流の鍛錬。お前以外の奴は、楯無に私やサファイアでも、まず、無理だぞ。体の前に、精神が持たない。ただ、お前はできる。くじけない様に、体だけじゃなくて、無意識の内に、精神も鍛えてきたんだからな。それができるのが、努力っていう才能なんだよ。」
 ケイシー先輩が、ビーフシチューとホットサンドを食べながら、俺に説明してくれる。
 自覚ないなあ…。
「お前さ。前から言おうと思ってたけど、もう少し、自分を評価しろよ。冷静な分析の結果もいいが、少しは自分を評価してやらないと、ずっと自分に厳しいままになるぞ。お前の場合、厳しいから厳しすぎるになる、リスクもある。程々にしとかないとな。ま、お前に限らず、それって難しいけどな。少しずつ、な…。」
「はい。」
 確かに、ケイシー先輩の言う通りだな。
 そこは、意識して、少しずつ変えていかないとな。
「うん。前より、素直になってきたわね。いい傾向よ。織斑君のそういう顔見ると、安心するわ。」
 遠藤先輩が、凄く嬉しそうな顔をする。

 風呂に入ってから、俺は自分の研究をしている。
 以前から設計していたISは、もう大詰め。
 実際に作ることはないだろうが、それでも研究を続けるのは、完全に習性かな?
 それから、もう一つ、ある事をしている。
 これも、多分ないだろう。
 というより、自分の面倒位は見てほしいからな。
 いくらなんでも、問題だし。
 それでも、これはこれで経験になるのでやっている。
 さて、明日から、本社の工場で新型ISの組み立てだ。
 今日は、イメージトレーニングを軽く済ませて、早く寝るか。

「一夏君。そろそろ寝ましょう。」
 楯無さんが、はちみつ入りのホットミルクを入れてくれる。
 落ち着くな…。
 千冬姉が働き始めた頃は、慣れようと必死で、ストレスが溜まり気味だったので、俺がよく入れてたっけ。
 ホットミルク一杯が、郷愁を誘うっていうのは面白いな。
「明日から、大変ね。仕事だからしょうがないけど、体には気を付けてね。私が傍にいるから、無理はさせないけどね。」
 楯無さんとラウラは、俺の護衛をすることになっているので、傍にいる。
 もちろん、社内の機密事項に関しては口外しないことになっている。
 2人なら、弁えてるから大丈夫だけどな。
「解ってます。ハーブティーをいろいろ持って行って、小休止の時に飲むつもりです。」
 ハーブティーにもいろいろあって、高ぶった精神を落ち着けてくれたり、ビタミンが豊富だったりと、心身ともに休ませてくれるのが、いろいろある。
 さて、寝るか。
 明日から、相当に忙しくなるからな…。

 翌日、俺は芝崎インダストリーの工場で、新型第3世代ISの組み立てに入っていた。
 パーツのチェックは、朝一番に来て終わらせたから、問題ない。
 後は、過程をチェックしながら、組み立てを進めればいい。
 簡単に聞こえるが、過程のチェックが一番面倒なんだけどな。
 組み立てて、予定の性能通りじゃなかったら、問題を洗い出して解決して、再びテストをする必要がある。
 イリュジオンに巴御前。
 ケルベロスにエインガナ。
 不知火に雪風と、6機のISの開発にセシリア達のISの改修をしていく中で、ずいぶん経験は積んだから、早く済ませるコツは掴んでいる。
 今までの独自研究経験も、役に立つ。
 今回は、第3世代の泣き所の燃費の悪さの解決は、枯れた技術を最大限に活用。
 特殊兵装は、第3世代の技術になるが、そちらも、今までの経験で如何に燃費を良くするかについては、ノウハウは蓄積されている。
 後は、それを融合して、形にできるかが勝負だ。
 メインフレームに駆動系は、問題無し。
 推力系も、大丈夫だな。
 後は兵装か。
 基本的には、既存の第3世代兵装の発展型だが、気は抜けない。
 細部に至るまで、きちんとチェックしないとな。
 残りの方が一番大変だが、それに関しても今までの経験が活かせる。
 それでも、周囲は、未来の技術を見るような顔を、している。
 束さんなら、そんな顔をしないと思うけどな。
 どうも、師匠が凄すぎると、そこの所の感覚が狂うみたいだ。

 こうして、4日後、俺たちの目の前には、白と赤のツートンカラーのISがあった。
 第3世代IS、瑞鶴。
 既に実用段階に達したと言っていいが、俺の中では、中間だな。
 既存の第3世代兵装を、通常兵装として、各種機能を搭載した多機能ビットを、第3世代兵装として搭載。
 さらに、白式と同じように、第一形態からワンオフアビリティを使用可能で、良好な燃費と稼働率を備えたIS。
 大胆さと手堅さの、融合と言ってもいい。
 枯れた技術と最先端技術を組み合わせることにより、完成度が高く高性能なISを開発するという試みを、形にした機体だ。
 さて、パイロットを見つけないとな。
 ていうか、早く、見つかって欲しいよ。
 巴御前の時は、上級生が全滅で、やっと玲子が見つかったけど、ああいうのはできれば、勘弁願いないからな。
 簡易IS適性試験と、IS学園のデータ。
 それに、自衛隊のデータも使用して、専任操縦者を見つけることになっている。
 そっちは、別の部署が担当することになっている。
 何はともあれ、俺の仕事は終わった。
 明日からは、学園での日々がまた始まる。
 そう言えば、そろそろ冬期休暇か。
 夏季休暇みたいには、ならないよなあ…。
 あれは、勘弁してほしかった。
 いや、マジで…。
 休みボケする暇も、なかったし。
 でも、3が日過ぎたら、仕事だ。
 3学期前の、ウォーミングアップと思えばいいか。

「いっくん。壁を乗り越えたね。」
「ああ。」
 一夏が瑞鶴を完成させた頃、亡国企業の調査結果の提示報告を済ませた後、束と千冬は、短い会話の中で、一夏が目の前にあった試練という壁を乗り越えた事を、喜び、安堵していた。
 一夏の事は、千冬から聞かされて束も知っていた。
 だが、天才科学者である束も、苦しんでいる一夏には差し伸べる手を持っていなかった。
 互いに、見ているしかなかったが、周囲の仲間の手を借りて乗り越えたことを喜んでいた。
 後に、白式から送信されたノルヴィッドの詩について調べ、千冬は、意味自体は知っていた。

 欧州からロシアへの通路ともいえる国だった、ポーランド。
 常に、大国の思惑に振り回され、独立を保つことも困難だった国を見て、たとえ何があろうと、自分がどうなろうと、独立という輝くダイヤモンドを得る勝利を願った詩。
 今、思うと、それは白式の願いだったのではないだろうかとも、思える。
 どんなに苦しんでも、辛い思いをしても、それに打ち勝ち、一夏の心にある誰かを守るという貴き誓い。
 白式は、それをダイヤモンドに例えたのでは、ないだろうかと。

「これで、いっくんはもっと強くなる。白式は、これからどうなるかは、解らないけど、それに負けそうになる事はないし、溝鼠が何をしでかそうと、大丈夫だよ。もっとも、ちーちゃんが、放っておくとは思っていないけどね。」
「当然だ。私の弟や教え子を、政治的に利用しようとする輩にくれてやる情けを、持っているほど、私は、人格者ではないからな。」
「私は、この通りの人格破綻者だから、何かしでかそうものなら、徹底的にとっちめてやるだけ。溝鼠の悪臭の元を世間に晒して、恥かかせてあげる。」
 これ以上、一夏やセシリア達を人の皮を被った溝鼠という政治屋の好きにさせる気は、千冬にはさらさらなく、束も、一夏を利用しようとする人間がいたら、徹底的に報いをくれてやるつもりでいた。
「紅椿も第二形態移行をして、スペックアップしたから、これから大変だと思うけど、箒ちゃんなら心配いらないしね。いっくんがいるし。」
「なるほど。あれが、放っておくはずもなしか。」
「そっ。じゃ、次の定期報告の時にね。」
 連絡を終えた千冬は、束から送られた情報に目を通し始めた。

「あ、一夏、おはよう。」
「おはよう。シャルロット。」
 実質、学園を2日しか休んでいないけど、なんか、久しぶりみたいに感じるのは、何でだろうか?
 やっぱり、3年生の寮にいるからかな?
 でも、学園にいる間は、鍛錬はしているから、毎日顔を合わせてるし。
 う〜ん。解らん。

「一夏さん。3学期には、帰っていらっしゃるんですよね?」
 ん?どうした、セシリア。
 当たり前だろう。
 俺、1年だし。
 危機感を持っているような顔をしているのは、気のせいだろうか?
「一夏…。先輩たちにすごく可愛がってもらってるって、本当…?」
 うっ…!
 シャルロット。
 頼むから、捨てられた子犬の様な目は、勘弁してくれ。
 ちゃんと、戻るっての。
「そういえば、夜の研究の時には、手作りのお菓子作ってもらってるって情報を、入手したわよ。食堂で、何にしようか、すごく楽しそうに考えてる先輩がいたって、目撃証言もあるんだからね!」
 遠藤先輩か…。
 って、鈴。
 目を吊り上げるほどじゃ、ないだろうが。
 お前にも、点心作ってもらってるんだから、似たようなことはあるって。
「一夏…!お前というやつは、行く先々で、餌付けをされているのか…!?どうして、そんな男に…!」
 なってねえって…。
 頼むから、緋宵を抜くな…。
 マジで怖いから。
「一夏。貴様というやつは…!」
 落ち着け、ラウラ。
 マジで、そういうのじゃねえって。
 そりゃ、先輩後輩としての付き合いはあって、仲良くはなったけど、それだけだぞ。
「どうして一夏は、そうなのかな?行く先々で、それだと不安よね。おちおちしてられないか。冬休みには、勝負に出ないと。」
 玲子。
 勝負ってなんだ?
 それから、その肉食獣の様な目はやめてくれ。
 昔の、良識的なお前は、どこに行ったんだ?
「一夏…。もう、お姉ちゃんの毒牙に掛かっちゃったの…?やっぱり、セクシーな人が好きなの?なら、いっそ…。」
 落ち着け、簪。
 明るくなってくれているのは嬉しいが、最近になって、時々無茶苦茶怖いぞ。
 何が、お前をそうさせたんだ?
 頼むから、小太刀は抜くな!
 怖すぎる。
 また、ヤンデレモードか!?
 クラスのみんなも、程度の差こそあれ、怒ってるような…。
 どうしてだ?

「酷いよ。織斑君。」
 何がだよ?
「上級生の、お姉さまたちとすごく仲いいって、確かな筋から情報を得てるんだからね!」
 しまった!
 女子の情報網は侮れないことを、忘れていた!
「3年生の寮に行くまでは、ほとんど接点がなかったのに!」
 先輩たちの方から、俺に話しかけてくれたし、ケイシー先輩や、サファイア先輩を通じて、それなりに面識あったんだって。
 それに…、絶対に言えないけど…、風呂も一緒だし…。

「相も変わらず、騒がしいな。それほどエネルギーが、有り余っているのか?うん?」
 来た…。
 恐怖の大王が…。

「少しは成長せんか!!馬鹿者共!!」
 全員が、端末の制裁を受ける。
 俺はいつものごとく、拳骨追加。
 理不尽だ…。
「今日の実習は、そのエネルギーを、しっかり発散させてやろう…。楽しみにしておけよ…。2組と、4組も、纏めて面倒を見てやるからな…。」
 やべえ…。
 地獄行き決定だ…。

「うん。大丈夫ね。」
 1組、2組、4組の合同授業で、しっかり地獄を見た俺達。
 特に、俺は諸悪の根源と見られたらしく、数倍しごかれた。
 いくら、白式でも、千冬姉相手じゃ勝てる見込みがない。
 舞桜は、武装がシンプルな分、基本スペックが無茶苦茶高い。
 それを、千冬姉は最大限に活かす。
 どこにも、勝てる見込みはない。
 どうにか、それなりに戦ったけど、あちこちの筋肉が痛い。
 通りがかった、遠藤先輩が、「念のために、医務室で見てもらおう。」と、言って連れ添ってもらい、調べてもらった。

「CPKは上昇しているけど、ISの授業の後だから、これくらいなら問題はないわ。腎機能も正常。マッサージをしても、強い痛みが出ないから、横紋筋融解症の兆候はないと言っていいわね。」
 先生が、電子カルテに診察と検査の結果を入力しながら、説明してくれる。
 ふう。
 一安心か。
「でも、もう少し、筋肉には栄養を上げてね。タンパク質の高い物を、食事に一品追加すると、いいわね。」
 先生が、資料をくれる。
 ふ〜ん。いろいろあるな。
 チーズも多いな。
 食事の後に、何個か食べよう。
「スポーツ用品店に、プロテインとかアミノ酸のサプリメントが売っているから、そういった物を利用するのもいいわね。その辺も考えてみて。」

 医務室の先生に貰った資料を基に選んだ、夕食を食べて、俺は特別区画にいた。
「何か、生活指導される為に、行ったような気がするな。」
「あながち、間違ってはいない。何しろ、1年生でお前にアドバイスできるのが1人もいないからな。精々、叱られてこい。」
 はあ…。
 叱られる為って、俺、そんなにダメ人間か?
 まあ、いい。
 調査結果の報告だ。
「ゴーレムの件ですけど、明らかに、世界各国の企業の様々な技術が使われています。」
 俺は、自分の端末の、空中投影型ディスプレイを大型化して、表示する。
「成程な。しかし、次から次へと…。」
 日本のみならず、アメリカや欧州各国の名だたる企業の様々な技術のリストを見て、千冬姉は呆れる。
「産業スパイですね。他の従業員が辞める時に、紛れて、他の企業に。それの繰り返しでしょう。」
 山田先生も、深刻な表情になる。
 これだけ大規模になると、IS委員会でも、相当な問題になるだろうからな。
 その時に、臨時会議が開かれれば、当然、俺も出席することになる。
 落ち着いててくれれば、いいけど。さてどうかな?
 とりあえずだ。
「俺が持ってる人脈を使って、産業スパイの噂を流して、注意を呼び掛けてみる。幸い、まだ、残ってるスパイがいるから、それを逮捕させれば、ガードは固くなるはずだしな。」
「うん。頼むぞ。一夏。」
「了解。」
 やれやれ、一難去って、また一難か。
 俺が、言える事じゃないけどな。
 この分じゃ、ゴーレムシリーズもまたパワーアップしてくるかもな。
 グレイ博士にしても、完成を目指しているだろうし…。
 中枢システムが、どん詰まりだから、やっても無駄なのにな。
 やれやれ…。

後書き
壁を乗り越えても、一夏には、まだまだ上級生から教わる事は、多いようです。
物の見事に、子供扱いされてますね(笑)。
ですが、技術顧問としては忙しいという、何とも奇妙な状態に。
そして、相変わらず、死亡フラグが点灯し、千冬の制裁と地獄の特訓が待っています。
その中で、ゴーレムシリーズに関することが、少しずつ解明される兆しが、見えてきましたね。
2学期は、間もなく終わりますが、3学期はどうなるのでしょうか?
というより、穏やかに2学期は終わるのでしょうか?
そして、ISのアニメは第2期が、制作決定。
さあ、気合を入れて、書きますか。




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