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zoom RSS ガールズ&パンツァー 二次創作 第5話 「試合終了です!」

<<   作成日時 : 2013/03/04 20:40   >>

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「セオリー通りなら、この十字路で包囲殲滅という所だけど、彼女の作戦はそんなに単純な物では無い筈。各チームの状況を確認。」
 ダージリンは、みほの狙いを何とか読もうとしていた。
『狙いは、主力となる重戦車。あの3両を潰せば、戦局は逆転する。それができるか否かで勝敗が別れますわね。』

 一方、大洗のチームの一つ、サイさんチームの装填手、通称義満はあるマンションの屋上から、偵察をしていた。
「見つけた。」
 大急ぎで、エレベーターで1階に下りると、IV号中戦車/70(A)に向かう。
「敵を見つけた。ここから5000。」
「義満。中に入って装填準備を。この、周瑜の策。見せてくれる。」
 周瑜は、レオポンチームの車長兼通信手ナカジマに、自分の策を提案し、ナカジマはそれを採用し、戦車を配置していた。

「さ〜て、どこから来るかね〜?この辺は道が入り組んでるから、車でも慣れないと大変だよ〜。」
 各車両から一人ずつ偵察に向かわせ、杏は待ち構えていた。
「こちら、アヒルチーム。敵戦車発見。」
「どれくらいで来そう?」
 携帯に、発見の知らせが来る。
「私たちの初期位置とほとんど同じですから、約6分後。」
「りょうか〜い。アヒル、ウサギ、スズメの各チームは敵戦車の追撃開始ね。但し、最初は速度を落として。うちらが姿を現したら、後ろから包囲ね。」
「「「了解!」」」

「見つけました。西住殿。マチルダ2両、チャーチル1両。」
「ツバメさん、カバさん。打ち合わせ通りにお願いします。相手は、隊長です。十分に注意して。」
「「了解!」」
『相手は、ダージリンさん。1対1でも手強い。今までは、うまく行っていたけど、今度はどうなるか…。』
 チャーチルとティーガー。
 防御力では、チャーチルが。
 攻撃力では、ティーガーがそれぞれ勝る。
『こちらの砲で、ティーガーを撃破するのは至難の業…。』
 ダージリンはティーガーのスペックを思い出しながら、如何にして撃破するかを考える。
『いくらティーガーの88mm砲でも、チャーチルの正面装甲は抜けない。となれば…。』
『『側面か後方への攻撃!』』
 みほとダージリンは同じ結論を出す。

「落ち着け、落ち着くのだ。義経。南無八幡大菩薩。願わくば、我に無双の武勇を授け給え…。」
 古くから、武士たちに信仰されている、戦の神、八幡大菩薩の加護を祈りながら、義経は全神経を集中させる。
 そして、照準器にヴァレンタインのシルエットが映った瞬間、義経はトリガーを引く。
 71口径8.8cm対戦車砲PaK43/3から、徹甲弾が発射され、ヴァレンタインの車体側面に見事に命中する。

「ツチヤ、マチルダUの頭を押さえて。相手の2ポンド砲なら、至近距離でもブラック・プリンスは耐えられる。スズキ、装填大至急、ホシノ、いつでも射撃できるようにね」
 車長と通信手を兼ねるナカジマが指示を出す。
「了解!エンジンを換装した、ブラック・プリンスのスピードを見せる、いいチャンスだわ。」
「装填完了。」
「こっちも、いけるわよ。」
 レオポンチームのブラック・プリンスがエンジン換装で得た、最高速度50kmを活かして、マチルダUの前に出る。

「来るわよ。射撃用意。」
 既に砲弾は装填され、撃つのを待つばかりだった。
 ペリカンさんチームの砲撃手井上恵子は、軽く深呼吸して、自分を落ち着かせる。
 次の瞬間、マチルダUのシルエットが照準器に映る。
「「撃て!」」
 ブラック・プリンスの58.3口径17ポンド戦車砲Mk.V。
 戦車砲を換装した、シャーマンの43口径7.5cm戦車砲KwK40がマチルダUの車体前面装甲と側面装甲に命中する。

「んじゃ、柚子。行くよ。西住ちゃんが折角考えてくれた作戦を、生徒会が台無しにできないからね。新井、砲弾装填。北島、ヴァレンタインを一気に叩くよ。」
「「はい!」」

 片方のペアは、アヒル、ウサギ、スズメに追われて、全速で必死に逃げていた。
「2つ目の十字路を、左折して。そこに入って、一旦、態勢を立て直します。マチルダUにも連絡。」
「了解。」
 ヴァレンタインの車長が、通信手に指示を出しながら、自分を必死に落ち着かせようとしていた。
『同じ…。去年の準決勝と同じ…。』
 去年の全国大会では、準決勝で聖グロリアーナは黒森峰と対戦しているが、みほの作戦に乗せられて、敗北している。
 まるで、掌の上でいいように踊らされているような、感触。
 それを再び、車長は感じていた。
「車長。前方にケーニヒス・ティーガーが!」
「ヴァレンタインはこっちで叩くから、残りお願い。」
「「「はい!」」」
「北島、お願い!」
「はい!」
 既に狙いを定めていた北島は、迷わず引き金を引く。
 ヴァレンタインは、砲塔前面装甲に命中し戦闘不能になり、マチルダUも、3両の集中砲火を浴び、戦闘不能になった。
 
『唯一の勝機は、相手の2回目の攻撃…。ひたすら進んでいれば、混戦に持ち込んで勝機はあった…。』
 他のペアから戦闘不能になった事を聞いたダージリンは、今迄でたった一つ、勝機があったことに気付いた。
 みほはそれをさせない為に、素早く後退させたが、それ以前に正確な射撃をする為に、速度を落としたことで、聖グロリアーナは自ら勝機を逸していたのである。
「全車、前進。我々だけになろうとも、戦車道を選んだものの意地と誇りに掛けて、このままではいません。」
「「了解!」」
 2両のマチルダUと共に、チャーチルは前進を始める。

「西住殿。チャーチルが動き出しました。こちらに向かっています。」
「解りました。秋山さんは、直ぐに戻ってきてください。」
『やっぱり動きましたね。ダージリンさん。なら、それに応えます。数も3対3。』

『こちらの側面か後方を狙うなら、遮蔽物の隙間から狙うか、奇襲。どちらを選ぶのかしらね。』
 ダージリンは愛用のサイトロン社製 ビノキュラー 327MR 双眼鏡を出して、周囲をくまなく見渡し始める。

「絶対に逸らないで下さい。チャーチルを一旦やり過ごした後に、カメさんは後方から奇襲。ツバメさんの砲撃後に、私たちが前面に出ます。その後、ツバメさんは前進しつつ攻撃。」
「「了解!」」

「落ち着け。東部戦線の愚を犯すなよ。」
「承知。冷静さを欠けば、隊長の策は完成せん。」
「ここは、ひたすら待ち、落ち着くところぜよ。」
 左衛門佐は照準器を除く自分に落ち着けと言い聞かせ、おりょうも額の汗をぬぐう。

「幸恵。落ち着いて。訓練通りにいけば、当たるから。」
 優花里のクラスメイトで編成されるツバメさんチームの車長の、渡辺玲子は、砲手の竹部幸恵を励ます。
「西住さんが、親身になって指導してくれたのを、無駄にはしないわ。」
 なかなか、射撃のコツを飲み込めなくて、何度も聞きに来ても嫌な顔一つせずに、懇切丁寧に指導してくれたみほの為にも、幸恵は外さないと、決めて、ひたすら待っていた。

「そろそろ来るはず。」
「こちら、カバ。行くぜよ。」
「こちらツバメ。目標、間もなくこちらに。」
「解りました。冷泉さん。」
「いつでも行けるぞ。」
 全員が既に自分の役割を果たせるように、準備万端整えていた。

「おりょう!」
「いくぜよ!」
 おりょうが、最高速度で発進する。

「奇襲かしらね。左翼。後方のW号戦車に照準。右翼も警戒。どこから来るか…。」
 言い終わらない内に、両翼を守っていたマチルダUが戦闘不能になる。
「前面から、ティーガーが来るわ。装填。」
「装填完了。」
「側面が見えたら、迷わず撃って。少しでも躊躇えば、私たちの負けよ。」
 その時、ティーガーが全速でチャーチルの前を横切ろうとする。
「発射。」
「ブレーキ!」
 チャーチルが75mm砲を発射したのと同時に、麻子はブレーキを踏む。
 しかし、戦車も急に止まれるものではない。
 砲弾が、後部装甲を掠めていく。
 その時すでに、ティーガーの砲塔は、チャーチルの側面を捉えていた。
「撃て!」
 88mm砲の砲弾が命中する。

「聖グロリアーナ女学院チーム全車両撃破。よって、大洗女子学園の勝利。」
「「「「やったー!」」」」
「「「「バンザーイ!」」」」
「勝った。勝ったよ。私達。」
「まさか。あの聖グロリアーナに勝てるなんて…。」
「パーフェクトゲームになるとは、思わなかったね〜。いや〜、さすが、西住ちゃん。」
 戦車道を始めて間もない自分たちが、全国大会準優勝の経験がある強豪校に完全勝利できるとは、皆、夢にも思っていなかった。

「さすが。としか、言いようがありませんわね。この短期間で、ここまで鍛え上げるなんて…。」
 大洗女子の練度は、ダージリンの予想の遥か上をいっていた。
「私達も、まだまだ訓練不足。明日から、訓練に励まないといけませんわね。」
 無名のチームに負けたのにも関わらず、ダージリンはどこかすっきりしたような表情をしていた。

「一同、礼。」
「「ありがとうございました。」」

「凄いぞ!」
「よくやった!」
「このまま、頑張れよ!」
 見物に来ていた大洗市の市民たちからも、盛大な拍手が聞こえてきた。

「また、してやられましたわね。」
「私こそ。最後は冷や汗をかきそうでした。さすがにティーガーでもチャーチルの正面は抜けませんから。」
「お互い様ですわ。でも、公式試合では負けませんわよ。こちらも望みうる最大の戦力を投入して、勝利しますわ。覚悟してくださいね。」
「なら、私たちは、今以上に自分たちを磨きます。それに、私たちの学園には、まだ戦車があるようですよ。エンジンや戦車砲もいいのがストックされてます。」
「では、次の試合までに、互いに訓練に励みましょう。」
「はい。」
 みほと、ダージリンが握手をする。
「それから、ささやかな物ですが。」
 オレンジペコが、バスケットに入れられたティーセットと紅茶を渡す。
「それでは、全国大会で。」
 ダージリンたちが、聖グロリアーナの学園艦に戻っていく。

「凄いですよ!聖グロリアーナは好敵手と認めた相手にしか、紅茶を贈らないんですよ!」
「え、そうなの!?」
 優花里の話を聞いて、沙織が驚く。
「こちらからも、何か、お返しに贈り物がしたいですね。」
「華が、お花を活けて贈れば?」
「そうですね。そうします。」
 沙織の提案で、お返しが決まる。

「初めての公式試合で、素晴らしい戦いができたことを嬉しく思います。次の試合に備えて、皆もやる気でいっぱいです。私が車長を務める、ティーガーの砲手の、五十鈴華さんのご実家は、生け花の家元だそうです。彼女が、心を込めて活けた花を、お送りします。喜んでいただければ幸いです。」
 翌日、送られてきた花に添えられていたみほからの手紙を、ダージリンは読んでいた。
「素敵ですね。可憐で、清楚で。」
「ええ。あれだけ精密な命中率の人が活けたとは、思えないわ。」
『次の試合は、前の様にはいきませんわよ。みほさん。』

 数日後、戦車道全国大会の対戦を決める抽選が行われた。
「大洗女子学園8番。」
「サンダース大付属ですか…。」
「確か、優勝候補の一つで、うちにもあるシャーマンをたくさん持ってるのよね。」
「はい。」

「いきなり強豪ね。」
「やるしかないよ。やるしかね。」
 不安そうな柚子に話しかける杏の顔は、真剣そのものだった。

後書き
親善試合終了です。
真の戦場は、自分たちにとって自宅の様に何もかも知り尽くしている、大洗の市街地。
地元を知り尽くすと、地図にも乗らないような意外な裏道とかがあります。
それを利用し、偵察で相手の動向をつかみ、奇襲を仕掛けて確固撃破して殲滅。
3段構えで備えた、みほの作戦勝ちです。
そして、いよいよ全国大会。
第二次大戦の傑作戦車M4 シャーマンシリーズを擁するサンダース付属との戦い。
どんな作戦で、みほ達大洗女子学園は立ち向かうのでしょうか?


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