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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第23話 フィースト・オブ・ザ・ウィッチ Phase3

<<   作成日時 : 2013/03/27 23:06   >>

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「こんなところで、人工衛星の、打ち上げですか?HCLIだって、きちんとした企業ですよ。他にも打ち上げる場所はあるでしょうに…。成程、どこの国の打ち上げ基地も使わなければ、余計な口を、差し挟まれることもない。ですか…。」
「正解。うちはうちの、ビジネス展開があるからね。国にどうこう言われると、儲かる機会に、儲からないなんてことにもなりかねない。議員や官僚には、ビジネスのやり方は解んないよ。せめて、ソフィの100分の1でも理解できていていればね。世の中、うまくいかないね」
 ロケットを見上げるソフィに、ココは説明しながらグチをこぼし、そんなココを、優しい眼差しでソフィは見る。

「なんか、空気が甘くねえか?」
「実際、甘いよ。やれやれ。」
「へっへっへっ。」
 トージョがやれやれという顔をし、アールは苦笑し、レームは面白そうに見る。

「お。全員、揃ってる。」
「南。遅刻。」
 ココが、声が聞こえてきた方向を、見る。
「まあ、まあ。そう固いこと言いなさんなって。」
 天田南。
 通称ドクター・マイアミ。
 ココが、進めている「何か」の、重要な人物である。

「天田博士。約束は、守る物であって、破る物ではありませんと、前に言った事をお忘れですか?」
 ソフィが近づいてくると、南の額に冷や汗が一筋流れる。
「いや。まあ、ちょっとね。」
「蝶ですか?夢中になるな。なんて言う権利はありませんが、約束を守ることを要求する権利くらいは、持っていると思いますし、約束した以上、守る義務を持つ。そう、思いませんか?博士。」
「そうなんだけどね…。その、ね。かなりの、希少種の情報が入って、結局はガセだったんだけど、でも、それでも確かめたくて。」
「情報源位突き止めたら、いかがですか?それもしないで言い訳というのは、褒められたものではありませんよ。」
 何とか、この場を切り抜けようとするが、南の言い訳はソフィに悉く斥けられた。

「申し訳ない。秘書である、私の責任だ。この場はどうか収めていただきたい。」
「あなたは…。」
 南の秘書と名乗ったのは、ソフィ達が嘗て戦った、大星海公司の陳国明の部下である、カレン・ロウであった。

「久しぶりだな。こうして、会うとは思わなかったよ…。」
「ですね…。不思議な巡り合わせです。」
 海を見ながら、ソフィとカレンは話をしていた。
「何も、聞かないのか?」
「聞いてほしいんですか?」
「いや…。つまらないことを言った、忘れてくれ。」
 そう言って、南の元に戻るカレンの後姿を見て、ソフィは何かを感じざるを得なかった。
『秘書か…。知っているね。陳が死んだことを。そして、誰が殺したのかを…。けど、憎んでいる様子はない。本国に戻されたという予想、当たっていたみたいだ。国に居場所がなくなり、陳の死を知り、世界に居場所が見つからなくなり、そこを博士に拾われたといったところかな…。』
 口にこそ出さなかったが、ソフィは、カレンが南の秘書になった経緯を、凡そ理解していた。
 考えているうちに、爆音と共にロケットが発射された。

『衛星測位補助システム。アメリカが打ち上げた衛星のサポートという名目だけど、合計126基。流通、通信、そして、軍隊の兵站をも、支配できる。海運においては、並ぶもののない巨大企業HCLI。そして、衛星によるシステムが加われば、事と次第によっては、国家をも凌ぎかねない。ココさんは、それを理解しているのだろうか?ビジネスとしても、あまりに規模が大きすぎる。各国家が、黙ってはいないな。周囲には、気を付ける必要がありそうだ。』
 ロケットが打ち上げられても空を見上げながら、ソフィはこれからの事を考えていた。
「そんじゃあ、今夜はラスト126基目の発射成功を祝って、パーティーだよ。」
 パーティーと聞いて喜ぶ一同を見ると、ソフィは、今晩は楽しむことに決めた。
「いずれにしても。用心、用心。」
「こら。こういう時にまで、仕事のこと考えちゃダメ。」
 ふと呟いた時、不満そうにココが抱きついてくる。
「ココさんと一緒にいる以上、周辺の事は気にしますよ。スケアクロウあたりがセコイまねして来ないかとかね。」
『尤も。案山子程度で済めばいいけど…。』

「珍しいですね…。ココさんが深酒なんて。」
 パーティーが終わった後、ソフィはココと一緒に飲んでいたが、もう、深夜3時近くになろうとしていた。
「今日。満月だからね…。」
 テーブルにワイングラスを置いて、何かを思い出すような顔になる。
『ヘックスの事か…。』
 ヘックスについて、ココから調査を頼まれていたが、既に調査は終わっていた。
「ねえ。ソフィ。」
「はい。」
「ヘックスと因縁があるの、知ってるんでしょ?気を遣わせて、ごめんね。」
「謝る必要はないと、思いますよ。誰だって、言いにくい事の一つや二つ。ありますから。僕なんて、言えないことだらけですから…。」
 ソフィは、自分の事をほとんど語らない。
 レーム達は大事な仲間だと思っているのは確かだが、根本的な所で、何故か、自分の心を開けないでいる。
『ひょっとしたら、仲間だなんて思っていないのかも…。』
 ふと、ソフィはそんな事を、考えていた。
 だが、それを悟るとココが心配すると考え、ウィスキーと一緒に流し込む。

「ごめんね…。」
 ココは、ソフィを優しく抱き寄せる。
「何が…、ですか…?」
 突然の事に、ソフィは理解ができなかった。
 ココが謝る理由自体が、見当たらなかったからである。
「情けないって、思う…。ソフィの事を知れば知る程、大人のせいで人生を滅茶苦茶にされて…、可能性も…、未来も摘み取られて…。でも…、大人は何もして上げられなくて…、何かしてもらうばかりで…。本当にごめんね…。」
『ココさん…。』
 一度も考えたこともなかったので、何故、ココが謝るのかソフィには理解できなかった。
 そして、ココも自分がソフィに謝る理由を、ソフィが理解していないことを、痛感していた。
 そういった人生を、送ってきた、戦う事しか知らない元少年兵の少年。
 もし、少年兵にならなければ、ごく普通の学生として、両親と穏やかで幸せな暮らしを送っていたはず。
 武器商人である自分がこんなことを思うのは、偽善だと思いつつも、ココは思わずにはいられなかった。
「約束する。ソフィを少年兵にした連中は、必ず見つけ出して潰す。ボスにはたっぷり報いを与えて、地獄へ堕とす。今、本社が、全力で調べ上げてるから。」
 それから、ココは優しくソフィを抱きしめ、頭を撫でていた。
『エコー。やっぱり、いつもは笑っていられない…。ソフィの事となると、どうしても、感情が抑えられなくて、自分が酷く脆く感じるよ…。』
 ココの部隊でも古参のメンバーで、デルタ時代のレームの部下だった男、エッカート。
 ココとヘックスの因縁に深く関わる人物だが、既に故人であった。

「ココの事ですが…。」
「うん?どうした、バルメ。」
 何か言いたそうなバルメを、レームは見る。
「今日は満月。思い出しているんでしょうね…。」
「エコーか…。」
 ワイリが、昔を思い出すような表情になる。
 ココの部隊の中でも、この3人は古株。
 他のメンバーが知らない事も、よく知っている。
 その中でも、エコーの事は、今のココに大きな影響を与えている。
「ま。あいつが死んで、ココは随分変わったからなあ…。」
「それに、ソフィの事をとても気にかけています。今まで、彼の機転で、助かったことは多いと言っていいですしね。」
「考えてみりゃ、あいつ、自分から危険な役目を買って出てるしな。UAVの時も、相手をやり込めたのは、実質的にはソフィ。随分、助けてもらってるな。でも、あいつはまだ15のガキ。それに貧乏くじひかせてるのは、情けないっていえば、情けないな。」
「そうですね。ソフィ自身が、驚異的な戦闘能力を持っているというのもありますが。頭はきれるし、知識や教養も豊富。でも、それは誘拐されて、少年兵という商品として、戦場に出される前と、その後の過酷な経験が、理由…。確かに、大人としては情けないことこの上ない。それに、ココさんにとって、ソフィの存在は、かなり大きい。そうでなければ、ソフィを誘拐した組織について、本社に調べさせるとも、思えません。」
 エコーが死んだときのココを知っているだけに、ソフィの身に何かあった時のことが、3人は気になっていた。
 特に、今回は、CIAが確実に絡んでいる。
 しかも、最も危険な部門であるパラミリである事の裏付けが取れた以上、何をしてくるか解らない。
 それを思うと3人は、今回は、ココだけでなく、ソフィも守らなければならない事を、実感していた。

「寝たか…。」
 アブサンを2杯飲むと、ココは眠り始めた。
『さすがに、度数70%強烈だね。』
 スコッチの水割りを飲みながら、ココの寝顔を見る。
『パラミリか…。手ごわい相手だったけど、今回は相当にまずいことになるかもしれない…。僕も、気を緩めることはできないか…。』
 無論、バリー達を信頼している。
 特に、エリは要人警護のエキスパート。
 取引をする都市の地図、ホテルの見取り図を見て、護衛のプランを立てることに関しては、非常に優秀である。
 ミロ、ヴィリー、アーサーも、百戦錬磨の傭兵である。
 パラミリといえども、そう遅れは取らないだろう。
 だが、ヘックス。
 ドイツ語で魔女を意味する単語を二つ名にしていることが、気にかかる。
 経歴及び、パラミリとしての今までの行動に関しても、情報は入手しているが、どうにも、悪寒を覚えざるを得ない。
『ブックマン。ジョージ・ブラックがどう出るか。そもそも、何故、僕を知りたがった?』
 アールの話で、ココだけでなく自分の事にも少なからず興味を持たれていることを知った時、ソフィは今回の件は、何か複雑なものの一部なのではないかという、奇妙な感覚を覚えた。
『一度、アールさんから、ブックマンの事をきちんと聞いた方が、いいかもしれない。場合によっては、CIAその物を、敵に回す事態も想定する必要がないとは、否定できない。そうでなければ、CIAのお偉方が潰す対象としてみるならともかく、興味を持つこと自体、あまりにも奇妙すぎる。何か、理由は必ずある。何の理由もなしに、アメリカは動かない。動いた先に、彼らは自分たちにとってのメリットを、視野に入れている。それを読まないと、掌の上で踊る道化になる…。』

 翌朝、CIA本庁に出勤したブックマンのスマートフォンに、ヘックスからのメールが入った。

“標的は、若い武器商人”。

それが、内容だった。

『仕方あるまい…。しばらく、おとなしくさせることが、できるならな。』
 20秒ほど考えた末、ブックマンは結論を出した。

後書き
ソロモン諸島でのロケット打ち上げから始まって、ヘックスがターゲットをブックマンに伝えるまでが、今回のお話です。
今回の中心は、ココの部隊の嘗てのメンバー、エコーことエッカート。
ココのパーソナリティーに、少なからず影響を与えた、人物であることを強調し、そして、ソフィとの関係をレーム達古株のメンバーに重ねさせて、独り立ちし、腕利きの部下を揃えたソフィですが、注意が必要だという事を、認識してもらいます。
それだけ、ココにとってソフィは、それだけ特別な存在です。
そのソフィを狙ったヘックスの動きを、黙認したブックマン。
思惑通りにいくでしょうか?


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