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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第43話 専用機持ちの仕事

<<   作成日時 : 2013/03/23 20:30   >>

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 平和だな。
 もう、2学期も終わる。
 アメリカの一件以来、ゴーレムの出現情報は一切なし。
 学園も、平和な日々が続いている。
「平和だな〜。いや。結構、結構。」
 朝食を食べ終わって緑茶を飲みながら、俺はしみじみと呟く。
「何、ジジ臭いこと言ってんのよ。」
 隣に座っている鈴が、呆れた様に呟く。
「無理もない。ここの所の一夏の多忙ぶりは、異常にも程がある。亡国企業に拉致させる訳にはいかないが、一夏の技術は必要だ。常人の10倍は軽く働いているのだからな。平穏が貴重に思えるのも、無理はない。」
 ラウラが、濃いめのブラックコーヒーを、一口飲んでいう
「いくら、白式が第5世代になったからって、一夏が楽してるわけじゃないしね。性能が向上した分、操縦者の負担は、相当に大きい。IS学園で、今の白式クラスのISをまともに扱えるのは、織斑先生かブッフバルト先生の2人か…。」
 カフェオレを飲みながら、シャルロットが考え込む表情になる。
 今の白式の最大の課題は、ピーキー過ぎる操縦性だった。
 基本スペックが異常といっていい程向上しているが、第三形態移行まで行くと、その過程で基本スペックが、劇的に向上している。
 それを、第四形態移行で信じられないレベルにまで向上してるから、俺以外だと少し動かすだけでも一苦労だ。
 俺はもう慣れたから、何の問題もないけど、他の人じゃなあ…。
 それに、性能が向上したからこそ、今まで以上に自分を伸ばさないといけない。
 プラント装甲を最大限に活かすには、ISに関する理論だけじゃなく、戦闘センスを磨きに磨く必要がある。
 そこで、以前に考案したイメージトレーニングデバイスに、機能を加えた。
 これを使用してのイメージトレーニングも、鍛錬に盛り込んである。
 もちろん、それを実戦で試すのも必要になる。
 そう…。
俺の意思が、どうであろうとも…。

駄目だ。駄目だ。
気取られるわけには、いかない。
しっかりしろ。織斑一夏。
いつも通りにしないと、駄目だ。
そうじゃないと…。

 とにかく、新入生たちが入学するまでには、何とか亡国企業に関しては決着をつけたいもんだ。
 幸い、無傷のゴーレムが大量に確保できたから、それを解析して材料の調達先を特定して、そこから辿っていける。
 ぼちぼち尻尾を、掴めるかな?
 さて、登校しますか。

 簪が誕生日にプレゼントしてくれた、網膜投影式のノートパソコンで、技術関係のサイトにアクセスして、目を通していた。
 これいいよな。
 最近は、こういった物も出てるのか。
 月一位で、アキバに行くかな。弾あたりを誘って。
 そうしよう。
 各社の新製品も見て、ビジネスのアイデアも練りたいしな。

「織斑君。ちょっと、いい?」
 休み時間に、新聞部の黛先輩が教室に来た。
 何だろうな?
「あ、はい。」
 ま、とりあえず行ってみよう。

「で、何でしょうか?」
「う、うん。織斑君て、モデル関係の仕事とか、ほとんどやっていないよね。」
 はあ、そうですけど。
 何か、話がよく解らないな。
「似合わないことは、しない主義ですし。俺自身、そういった事に興味がないんですよ。」
 はっきりいって、モデルだのテレビ出演だのといった事に、俺は全く興味がない。
 最近は、ビジネス関係とか、技術誌のインタビューには応じるけど、それ以外に、やる気はゼロ。
 鍛錬があるし、研究も忙しい。
 今、第4世代型ISの設計に、入っているからな。
 暇もない。
「それに、はっきり言って暇もないですしね。鍛錬とか研究の時間が無くなるのは、ちょっと…。」
 第一…。

 うん?
 何か、様子が変だな。
 こう。切羽詰まってるというか。
 訳ありか。
「ひょっとして、何か、訳ありとかですか?」
「うん。えと、この雑誌、読んだことないかな?」
 先輩が、一冊の雑誌を出す。
「ありますよ。ファッションセンスを磨くために、サイトにアクセスしたり、雑誌を読んだりしてますから。何回かは。」
 何か、少し見えてきた。
「えとね。最近、売れ行きが芳しくなくて…。私の姉さん。この雑誌を出してる出版社に勤めてるんだけど、だいぶ悩んでいるらしくて、何とか、力になりたくて…。織斑君の優しさにつけ込むような形で、卑怯だってのは理解してるんだ。でも、今回だけでいいから、取材、頼まれてほしいの。お願い。」
 そう言って、先輩は深々と頭を下げる。
 う〜ん。確かに。あまり褒められたやり方じゃないな。
 周囲も何人か、そう思っているみたいだし。
 どうしたもんかな。
 オフの日なら、何とかならなくもないけど。
「オフの日なら、何とか時間都合できますけど、それでよければ。」
「本当…?」
 先輩が、俺の顔を見て確認するように言う。
「はい。その日は、鍛錬も研究も、基本的にしていませんから。」
 ま、その日なら、いいか。
 その内、何らかの形でそういう仕事も入る可能性があるから、予行演習だと思えばいいし。
 それに…、…だしな。
 ちょうどいいか…。
「ありがとう。本当に、ありがとう。それと…、ごめんなさい。こんな卑怯な真似して…。」
「気にしないでください。家族の為に何かしたいっていうのは、俺なりに解りますから。ただ、こういったやり方は、どうかと思いますので、今後は控えてくれれば、俺は、何も言う気ないですよ。」
「うん。気を付ける。じゃあ、日時は後で連絡するから。」
 先輩は、嬉しそうに教室に戻る。

「で、引き受けたの?相変わらず、人がいいんだから。」
 チンジャオロース定食を食べながら、鈴が呆れた様に言う。
「否定はしないぜ。ただ、先輩を見てたらちょっとな。」
 俺と、重なるんだよな。
 昔の俺と。
 千冬姉の為に、何もできなかった俺と…。
「でも、予行演習としてやっておいて、損はないと思うよ。最近は技術誌でも撮影はあるしね。」
 シャルロットが、煮込みハンバーグを一口食べて、言う。
 そう言えば、ぼちぼちそんなこともあるかもしれないって、村山さんが言ってたっけ。
「一夏さんの場合、ティーンエイジ向けの雑誌に、ファッション関係等、相当な数の依頼が来る可能性も、ありますね。」
 チキンクリーム風味のスープスパゲッティを食べながら、セシリアが言う。
 経験豊富だからな。
 大体の予想は、つくんだろう。
「ま。予行演習と見てるけど、今回限りだけどな。今、新しいISの設計をしてるから。」
 授業以外は、鍛錬と研究に充てたいしな。
 スポーツ内科の先生からも、今は、完全オフの日は、撮影関係でもなるべく仕事はしないようにと言われてるから。やる事もないだろうな。
 やるとしても、許可が必要になるっぽいし。
「ま、何事も経験よ。行ってきなさい。」
 ハヤシライスとミニサラダを食べていた楯無さんが、声をかけてくる。
「一夏、頑張って。」
 楯無さんの隣で、スープカレー定食を食べていた簪も、声をかけてくる。
 楯無さんに対するコンプレックスで疎遠になっていた2人だが、最近はごく普通の姉妹になった。
 4組の担任の先生も、すっかり明るくなってクラスにも溶け込んでいるのを見て安心し、俺にお礼を言ってきた。
 別に、何もしてないんだけどな。俺。
 前に、シャルロットにそのことを話したら。
「やっぱり、一夏は一夏だね。」
 と、言われた。
 何だ?そりゃ。
 ま、いっか。

「はじめまして、インフィニット・ストライプ副編集長の黛渚子です。」
 銀座にあるビルのフロアの一部にある、出版社の部屋の一つでインタビューから始まった。
 渚子さんは、黛先輩にそっくりだな。
 新聞部に入ったのも、お姉さんの影響かもな。
 なんか、似てるな。
 考えてみれば、俺が剣術や武術を始めたのも、千冬姉の影響だしな。
 似た者揃いか。

「それでは、インタビューからね。それにしても、ファッションセンスいいわね。すごく素敵。」
 俺の今日の服装は、ブラウンのスーツに、同じ色のベスト。
 襟元はクロスタイで、黒のインバネスコートに、帽子を被っている。
 会社の重役やってるせいかどうかは解らないが、服装がかなりフォーマルよりになる。
 職業病ってやつかな?
 それはそれで、問題あるかもな。
 今度、弾と一緒にそっち系の服買いに行くかな。
「髪もきれいよね。艶やかでうっとりしてしまうもの。服装と重なって、すごく気高くて綺麗で、あなたの周囲の環境が理解できるわ。と、話が逸れちゃったわね。まず最初だけれど、IS学園での生活の感想は、どうかしら。」
 そう来たか。
 まあ、興味はあるよな。
 何しろ、男子が俺1人だから。

「そうですね。男子と女子だと話題がまるで違いますから、そこが苦労しましたね。幸い、幼馴染がいたおかげで、そこから友人も増やせましたから、今は生活には問題ないんですけど、もうちょっと、慎みを持って欲しいというところでしょうか。」
「慎み…。なるほどね。寮でのラフな格好だと、やっぱり目のやり場に困る?」
「それはもう、困りますよ。俺も男ですから、目はそっちに行きそうになりますけど、女の子としては、じっと見られるのは嫌でしょうから。そうしないように、最初は随分努力しました。おかげで、もう、気にせずに普通に、寮生活を送れるようになりましたけどね。それでも、治らないというか、さらに目のやり場に困る格好の女子って、いるんですよね。」
 ホント、あれには参るぜ。
 まさか、シャルロットがあんなに過激な恰好するとは思わなかったし、ラウラは裸だったしな。
 おまけに、シャルロットの時は、箒と玲子まで脱ぎ始めたし、エライ目にあったぜ。
 って。渚子さん。笑いこらえていますけど、どうしたんですか?
「本当に、妹から聞いたとおりね。なんて言えばいいのかしらね。普通、男の子なら、そこで理性の箍が外れちゃうわよ?自制心が強いのか、それとも、どうしようもなく鈍いのか。どっちかしらね。」
 そんなに、俺って鈍いか?
 普通だと、思うけどな。
 第一、その。そういう関係になるのは、やっぱりまだまずいだろ。
 いろんな意味で。

「じゃあ、次にいくわね。IS学園最強にして、世界でも5本の指に入るといわれるほどの実力者なのに、今も、体に負担を掛けなさすぎない、ギリギリの訓練をしてるって聞くけど。どうしてかしら?」
 あ、それか。
 考えてみれば、楯無さんと会った時にも、同じようなことを聞かれたっけ。
「俺より強い人は、まだまだいますよ。去年亡くなった俺の師匠もそうでしたし、何より、姉さんがいますしね。」
 初代ブリュンヒルデにして、未だ衰えをしらない圧倒的な技量を誇る、千冬姉。
 今の俺じゃ、まだまだ差が大きすぎる。
 だから、俺は自分をもっと鍛えぬく。
 本当は、俺流に行きたいけど、医務室や冬菊の家が経営している病院の先生にも、禁止されてるからな。
 千冬姉の作ったトレーニングメニュープラス、イメージトレーニングで差を少しでも埋めていきたい。
「初代ブリュンヒルデ、織斑千冬さんか。今でも、実力は全く衰えていないって話ね。」
「週末、家に帰った時に道場で稽古をつけってもらっているんですけど、まだまだですね。どうにか、10本やって1本取れるか取れないかですから。最低でも3本に1本は取れるようになるのが、当面の目標ですね。冬休みは、師匠の遺族の人の家にやっかいになって、修業を積むか。湯殿山で山籠もりをするか。習志野の演習施設を使わせてもらえるよう頼むかして、1日を訓練漬けにしたいですね。正直に言って、血反吐を吐くぐらいの修業をしないと、姉には追いつけませんよ。それぐらい強いですから。何より、願いを叶え、誓いを守るために、強くなりたいんです。」
 そう。
 今、俺が自分を鍛えているのは、俺の願いを叶え、誓いを守るため。
 その為には、俺は、もっと鍛錬を積んでいかなきゃならない。
「願いと誓いとは、何かしら…?」
「どちらも同じですね。誰か守れる人間であること。そういった人間でありたいですし、そうなると誓って、小学校の頃から鍛錬を積んできましたからね。」

『やっぱり、同年代の子とは、明らかに違うわ。』
 渚子は、一夏と同年代の俳優や歌手へのインタビューも多くしてきたが、一夏は明らかに違うと解る。
 一言でいえば、瞳に宿る物。
 何か遠いところにある、目指す場所ををまっすぐに見つめ、どんなに困難で苦しい道のりでも、そこに辿り着いて見せる。
 その決意が籠った、気高い何か。
 これ以上ない、尊い物。
 それこそが、一夏のアイデンティティであり、一夏の心の芯。
 そういった物を持っている人間は、めったにいない。
『何人もの女の子が、好意を寄せている理由はそこね。』
 何故、一夏が多くの女子に想いを寄せられるのか、渚子ははっきりと理解した。
 地にしっかりと足をつけて、進むべき道を、迷わずに真っ直ぐに歩いていく。
 高校1年生となれば、これから自分の道を見つけていく年頃。
 だが、一夏はすでにそれを見つけている。
 さらに、それを実行している。
 聖マリアンヌ女学園、そしてノーフォークと襲撃事件があったが、一夏は全てたった一人で防ぎ、多くの人命を守っている。
 それが、一夏に気高さを与えている。
 誓いの元に行動する。
 日本でいえば、武士。
 西洋でいえば、騎士。
 現に、ノーフォークの現地メディアは、一夏を「現代の侍」と大絶賛している。
 だが、本人はそれを誇ることはない。
 とても謙虚で、温和な人柄の持ち主である。
 さらに、茶道、華道、舞、日本舞踊といった事にも通じている。
 文武両道に秀でた、気高き美少年。
 ルックスでいえば、他にも綺麗といっていい少年少女はいる。
 だが、一夏の様な気高さを感じさせる人間は、そうはいない。
『女の子は、たまらないか…。』

「今は、芝崎インダストリーの技術顧問として、様々な分野で活躍しているけど、その根っこにある物は、何かしら?」
 少し、考え込むような表情をした後、一夏は口を開いた。
「ISの訓練をしていた時、整備や設計といった関連する技術も、いろいろ勉強してきました。その時から、思ってはいたんですよ。いつか、自分の技術を、誰かの役に立てるようにしたいって…。最近、開発に携わった新型の手術器具にしても、そう思って設計したんです。これにしても、IS関連の技術を、応用していますからね。」
「この手術器具は、今まで保険が適用されなかった、様々な治療法に用いる器具も、小型化して搭載されているわね。」
 仕事の範囲外ではあったが、医療器具業界のみならず、医学界にも革命を起こし、今まで治療を受けられなかった多くの患者が、治療を受けられるようになり、様々な病気の治療を、より高い確率の成功率で、安全かつ副作用が限りなくゼロに等しい治療を受けられることになった事は、出版業界でも大きな話題になっていた。
「お金があれば、高い治療費が必要になる治療法も、受けられます。でも、皆が皆、そうではありませんしね。資本主義社会なら、当たり前なのかもしれませんが、俺個人は嫌なんですよ。そういうの。子供じみた理屈なのかもしれませんけど、できうる限り多くの人が、ちゃんとした治療を受けられる世の中で、あって欲しいんです。その為に、俺の知識と技術が役に立つなら、俺は開発に関わりたい。別に、それでボーナスが欲しいわけじゃないですしね。ただ、1人でも多くの人が助かってくれれば、それでいいんです。偽善と言われるかもしれません。それでもいいんです。俺1人が偽善と言われて、多くの人が助かるなら、それで、十分ですから…。」
 穏やかな顔で話す一夏を、渚子は黙ってみていた。
『これも、人気がある理由の一つかな…。』
 文武両道で、気高さを持つ美少年というのは、一夏の一面に過ぎない。
 さらに、優しさという一面があるのを、渚子はよく理解した。
『考えてみれば、そうでもなければ、たった一人で多くの人を守ろうとはしない物ね。』
 誓いと願い。
 その根底にある物。
 分け隔てない、優しさと暖かさ。
 様々なものが、IS学園の生徒たちを惹きつける。
 渚子は、それを確認した思いだった。

「じゃあ、インタビューはこれでお終い。1時間の休憩ね。食事はこっちで用意しているから。その後、撮影に入るわ。」
 撮影か…。
 ある意味、一番の試練か…。
 インタビューは、そんなに突っ込んだ内容じゃなかったからクリアできたけど、こっちはどんなだろうな?

 大丈夫か。
 変な服はない。
 とりあえず、一安心だな。
 フォーマル系とカジュアル系が、半々か。
 商店街のチラシのモデルを、やった時みたいなもんだ。
 大丈夫だな。

「織斑一夏君。入ります。」
 まずは、フォーマル系のスーツ2種での撮影。
 当然メイクが入ったが、ヘアメイクまで入るとは思わなかった。
 って、どうしたんですか?皆さん。
「じゃ、じゃあ。撮影お願いします。」
 渚子さんが慌てたように、カメラマンの人にお願いする。
 顔赤いな。どうしたんだろう?
 風邪かな?最近、寒いからな。

 う〜ん。
 何か、ポーズがナルシストっぽいな。
 正直、自分が自分じゃないっぽい気がする。
 というより、渚子さん。
 何故、少女マンガを読みながら、ポーズを決めてるんですか?
 俺が考えていることに気付いたのか、カメラマンの人が片手拝みで、謝ってきた。
 公私混同してるのか?
 まあ、外に出ないならいいけど。
 しばらくしてから、ちゃんと撮影に入った。
 やれやれ。

「あ。織斑君。次なんだけど。優しく笑って。そうね…、何かを慈しむような感じで。」
 また、難しい注文を。
 う〜ん。でも、黛先輩のお願いでもあるしな。やってみますか。
「いいわ。それ。その笑顔が欲しかったの。撮影早く!急いで!!」
 何か、気合入ってるし。
 どうも、この世界は訳が分からない。
 セシリアとか鈴も、モデルの仕事やってるけど、よくできるな。
 ある意味、尊敬するぜ。
 その後、カジュアル系のスーツの撮影と、スラックスにシャツ、セーターに冬物のパーカーを着ての撮影をして終わった。

「お疲れ様。今日撮影に使った服は、ご自宅に送っておくわ。ギャラも明後日には振り込んでおくから。」
「はい。お疲れ様でした。」
 さ、終わったし、家に帰るか。
「お疲れ様。久しぶりに、いい写真が撮れたよ。満足できる仕事ができると、気分がいい。」
 カメラマンの人が、機材を片付けた後、嬉しそうに俺に話しかけてくる。
「なんだか、照れますね、そう言われると。」
「そうかい?じゃあ、また縁があったら。これ、俺の名刺。」
 そう言って、俺に名刺を渡して帰って行った。
 どうするんだ?
 まあ、いいか。

「そうだ。織斑君。少しいいかな?屋上のレストランで食事でも。ワインがとってもおいしいのよ。」
 時計を見ると、2時を少し過ぎたばかりだった。
 今日は電車だから、いいかな。
「ええ。いいですよ。」
 その後、食事をしながら、いろいろ仕事の苦労話を互いにして、帰った。

「織斑君。凄いよ。物凄い売れ行きで、出版社が緊急で増刷を頼んだんだって。」
 何で、そうなる?
「一夏さん。写真写り凄くいいですわね。カジュアルな服装も、とってもお似合いですし。」
 セシリアは事前に情報を仕入れていたらしく、しっかりネットで予約を入れていたらしい。
 いつも、フォーマルよりだから、新鮮な感じがするだけじゃないのか?
「一夏って、カジュアルもよく似合うものね。ねえ?今度、一緒に仕事しない?私が以前仕事した出版社から、聞いてみてくれないかって、頼まれたんだ。」
 いや。あれは一度で十分。
 いろいろ、疲れる。
 やっぱり、似合う人間に任せるよ。鈴。
「お前たち。人の嫁をさらし者にする気か?今回は、家族を思う気持ちを汲んでの承諾だ。間違えるな。」
 まあ、そうだけど、そこまで不機嫌になる必要ないだろう?ラウラ。
「かいちょ〜う。他の雑誌ではやらないの?」
 のほほんさん。人にそういう事言う前に、生徒会の仕事を片付けるように。
「一夏。海外のファッション雑誌のモデルって、興味ない?」
 シャルロット。
 やっぱりそっちは、俺には似合わないと思う。
 マジで疲れた。
 似合わんことはしないよ。
「い、一夏。実は、その、私もそろそろ考えていてだな。お前とならやっても構わないと思っているぞ。」
 箒。
 すまんが、一人でやってくれ。
「私もどうしようかな。結構、最近、オファーが来てるんだけど。一人はちょっとなあ…。」
 玲子。
 ちょうどいいから、箒とやれ。
 その方が、華やぐだろ。

「は〜い。一夏君は、お姉さんとすればいいわ。慣れてないところはフォローするから。任せなさい。」
 阿衡之佐と書かれた扇子を開きながら、ISの授業でアリーナに行く途中の楯無さんが、呼びかけてくる。
 まあ。貴方なら慣れてそうですけど、やりませんから。
 そう考えていると、制服の袖を、引っ張られる。
「簪か。どうした?」
「あのね。今度、一夏が取材受けた雑誌が、私にオファーしてきたんだけど。」
「そうか。日本代表候補だからな。頑張れよ。」
 やっぱり、こういうのは代表候補に任せるべきだな。
「一夏と一緒は、駄目?」
 うっ…。
 そういう、子犬みたいな態度には、弱いんだよ。
 というか、姉さんとやってくれ。
 とりあえず、言い訳のバリエーションでも考えるとしよう。
 また来られたら、ちょっとキツイ…。

後書き
前回は、シリアスだったり、謎めいたりしていましたから、今回はほのぼの系では、ないです。
読んでいただければ、解りますが、繋がりがあります。
どういう繋がりかは、ご想像にお任せします。
ただ、第三者の質問に対して、一夏が自分の行動の原点にある物は何かを語るというのは、前々から書きたかったのは事実ですので、書きました。
医療関係は、特にアメリカの事情に関して、私も思うところがありますから。
ご存知かと思いますが、アメリカは国民皆保険制度ではなく、民間の保険業者と契約を結ぶために、問題点も少なからずあります。
貧しい人は、本当に碌に治療も受けられません。
富豪は、一流病院の名医の治療を受けられます。
アメリカの人は、これでいいと思い、国民皆保険には否定的です。
それぞれの国で、医療に対する考え方がありますから、ことさら口を差し挟むつもりはありませんが、やはり個人的には納得いきませんね。
撮影シーンは、書いてて純粋に楽しかったです(笑)。
ナルシストっぽい、一夏のポーズ。
どんなのでしょうかね?











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