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zoom RSS ガールズ&パンツァー 二次創作 第6話 「全国大会です!」

<<   作成日時 : 2013/03/10 23:18   >>

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「西住さん。私達、他校からの視線が鋭くありませんでした?」
 抽選会の帰りにケーキ屋でケーキを食べながら、華がみほに聞く。
「前の、聖グロリアーナとの親善試合の事が、戦車道の雑誌に載ったんですよ。それが原因ですね。サンダース付属からもマークされてますよ。向こうも、こっちを相当鋭い視線で見てましたし。」
 優花里が、華に理由を話す。
「そういう事か…。」
 沙織が溜息をつく。
「でも、負けたくないよね。」
 沙織が言葉を紡ぐ。
「武部さん…。」
 みほが、驚いたように沙織を見る。
「だって、ダージリンさん。また試合しようって言ってくれたんだよ。なら、勝とうよ。勝ち続けようよ。また、一緒に試合したいし。」
「そうだね。武部さんの言うとおりだよね。」
 みほが、微笑みながら言う

「それはどうかしらね?親善試合くらいで、何、浮ついてるの?だいたい、勝てたのは、副隊長の指揮と戦術、指導があったからでしょう?そもそも、あなたたちにはもったいない人だって事、自覚してるの?」
 先がやや撥ねた髪を、肩の当たりまで髪を伸ばした少女が、沙織たちを見る。
「お久しぶりです。副隊長。お元気そうで、何よりです。」
「逸見さんも元気そうで、よかった。けど、浮ついてなんかないませんよ。自分たちがどういう目で見られているか、それを知ったうえで、勝とうとみんな頑張ってる。だから、聖グロリアーナとの親善試合にも勝てた。まぐれで勝てるような、生易しい相手じゃないことは、解ってくれてますよね?」
「…はい。」
「腕はさびてないようね、みほ。でも、私は母のように、納得したわけじゃない。理解はしているけど。だから、一つ勝負をしましょう。」
「勝負?」
「簡単よ。必ず決勝まで勝ち上がりなさい。そして、私たちに勝ったら、あなたが思うようにしなさい。但し、負けたら、すぐに黒森峰に戻って来なさい。」
 まほが、厳しい目でみほを見る。
「解りました。それでいいです。でも、その前に、聖グロリアーナ女学院に勝たなければ決勝にはこれないという事を、頭に入れておいてください。また試合をする。そう約束しています。」
 まほの視線を跳ね除けるかのような視線で、みほはまほを見る。
「成程…。ダージリンのあんな闘志に満ちた目を見た事なかったから、不思議に思っていたけど、そういう事…。私たちは聖グロリアーナだろうが、プラウダだろうが、どこにも負けはしない。それだけ言っておく。行くわよ。エリカ。」
「失礼します。副隊長。」

「黒森峰って、みほがいた学校だよね。」
「うん。」
「全国大会10連覇。強豪中の強豪です。去年は、西住殿のお姉さんが隊長としてチームを引っ張って、西住殿が副隊長として作戦を立案して、強豪を撃破し続けて、10連覇の記録を打ち立てたんです。」
 優花里が、黒森峰の説明をする。
「それにしてもなんだ?あの感じ悪いのは。」
「逸見エリカさん。勝つことが一番大事って考え方だから、ああいう言い方になるけど、悪い人じゃないよ。同い年なのに、私の事、凄く尊敬してくれてるみたいでああいう言い方になるだけだから、そこは誤解しないであげて。」
 エリカを庇うように、みほが皆に話す。
「何だか、あの人が、西住殿をとられたような感じになってるの、解った気がします。黒森峰の人達、西住殿の作戦に全幅の信頼を寄せていたって、雑誌で読んだことありますから。それに、優しい。だから、いなくなると、みんな、寂しくて仕方ない。嫉妬されてるんですよ。それに、西住殿みたいに優しくて、頼りになって、教え上手な人が来てくれたから、親善試合に勝てた。」
「恵まれてるんですのね。私達。」
 優花里と華が、エリカやまだ会った事のない黒森峰女学院のメンバーの気持ちを、理解する。

「それは別として、1回戦、絶対に勝とうよ。」
 沙織が、皆に言う。
「当然だ。」
 麻子がケーキを頬張る。
「ええ。」
「勿論です。」
「うん。」
 華、優花里、みほが頷く。

 翌日、生徒会室で各チームのリーダーを集めて、作戦会議が行われていた。
「サンダースの主力は、ブラック・プリンスと同じ17ポンド砲を搭載した、ファイアフライ中戦車で、間違いないと思います。後は、76mm砲搭載のM4A2後期生産型。フラッグ車は、M4A3E2ジャンボウ突撃戦車の76mm砲搭載仕様だと思います。編成としてはM4A2が半数。ファイアフライが4両、それに、ジャンボウの計10両になるというのが、私の予想です。」
「親善試合の事が知れて、相当にマークされてるそうだからね。それにしても、フラッグは、また固いのが来たね。集中砲火を浴びせても、ピンピンしてそう。」
 配られた資料の中にある。ジャンボウのスペックを見ながら、杏がやれやれという顔になる。
「この17ポンド砲は恐ろしいな。チャーチルの75mm砲を大きくしのぐ。手早く潰したいところだな。」
 エルヴィンが、深刻な表情になる。
「幸いと言っては何だが、防御力においては、ティーガーやブラック・プリンスに劣る。不意を突いて叩くしかあるまい。」
「だが、向こうも承知済みだろう。罠を仕掛けてくる可能性が高い。」
 桃が、エルヴィンの意見に反論する。
「いえ。エルヴィンさんの意見が、この場合正しいでしょう。但し、相手を、罠に引きずり込んでからです。正攻法では、リスクも高いですから。」
 みほが敢えて、大胆な作戦を採用する。
「もちろん、そこに至るまでは、きちんとした手順を踏んでからです。それで、作戦なんですが…。」
 試合まで1週間。
 大洗女子のメンバーは、さらにランクが高い訓練を、受けることとなった。

「さすが、全国大会だけあって、凄いですね。ここに来られるなんて、思わなかったです。」
 優花里が目を輝かせて、周囲を見る。
「みほは、去年も来てるんだよね。」
「うん。去年は、高等部に進んだ早々、副隊長やるとは思わなかったな。」
「でも、見事にチーム支えたんだから、やっぱり西住さんはすごいよ。」
 柚子が、みほに、そう話しかける。
 聖グロリアーナとの親善試合を経て、実戦での空気を感じ、さらに訓練を積んで、大洗女子チームの団結力と総合力は、確実に上がっている。
 柚子は、それを実感していた。
「ありがとうございます。副会長。」
「しかし、この周囲のきつい視線はねえ…。」
 杏子が苦笑しながら、周囲を見る。

 去年のみほの作戦立案能力を知っており、無名のチームを、いくら良い戦車があっても、聖グロリアーナとの殲滅戦で、1両も失うことなく勝利するチームに育て上げた事で、みほはさらに警戒されていた。
「来たわね。みほ。今日は、サンダースとの1回戦。負けたら、解ってるわね。」
「解ってます。だから、負けません!」
 みほは、大洗で今までとは違う何かを見つけた気がしており、ここで戦車道を続けることを決めていたので、何があっても負けるわけにはいかなかった。
「副隊長なら、サンダースに負けるなんてありえませんよ。でも、お荷物がいますから。あなたたち、副隊長の足を引っ張らないでね。あ、でも、引っ張ってくれたら、副隊長は、戻ってきてくれるから、私はありがたいかしら。」
「それ位にしておけ。私の用件は済んだ。行くぞ。」
 言う事を言ったら、まほはエリカを連れて観覧席に向かった。

「ほんと、あったま来る!」
「ですね!」
 沙織と優花里が、エリカの態度に腹を立てる。
「最初の砲撃で、目に者見せてさしあげますわ。」
 この1週間の訓練で、さらに砲手としての腕に磨きをかけた華が、闘志を燃やす。

「ヘイ!アンジー。ミホ。」
「やあやあ、ケイ。元気かな?」
「当然。ミホも元気そうね。大洗に転校したって聞いて、びっくりしたわよ。」
「お久しぶりです。ケイさん。」
 サンダースの隊長を務めるケイは、生徒会長も兼任しており、その関係で杏とは親しかった。
 みほとは、戦車道を通じての友人同士である。
「それにしても、育成者の才能もあったのね。聖グロリアーナとの親善試合、うちの子が見に行って録画してくれたのを見たけど、あんなにトラップを張り巡らして、きちんと機能させるなんて、びっくりしたわ。」
「みんな。一生懸命頑張ってましたから。みんなで手に入れた勝利です。」
 みほの言葉を聞いたケイは、嬉しそうに笑う。
「そうそう。戦車道で大切なのは、勝つこと以外にもあるわよね。フェアプレイ精神にチームワークとか。あ、そうだ。ランチどう?アンジー。」
「お言葉に甘えて。」

サンダースの本営に行くと、移動式の美容室やシャワールーム、野戦病院、アメリカンドッグ、スペアリブ、さらにはレーションの店まであった。
「サンダースって、お金持ちなんだ〜。」
 沙織が目を丸くする。
「戦車の保有台数は、日本一。チームも三軍までありますからね。」
 優花里がサンダースについて、説明する。

「成程。何か理由があるとは思っていたけど、そういう事か…。」
 切り分けたスペアリブを食べながら、ケイはみほが転校した理由を聞いて、納得していた。
「戦車道が、嫌いになったわけじゃないんです。でも、今のまま、西住流のレールの上を走っていて本当にいいのか迷って。だから、敢えて外れたんです。」
「自立の第一歩ってとこだね。いい事じゃん。西住ちゃん。」
 レーションのステーキを口に入れながら、杏はみほの判断を評価する。
「私も、今とは違う花を活けたい。その思いが、戦車道を始めた理由ですから。みほさんの気持ち、凄く解ります。」
 五十鈴流華道を継ぐことに不満はないが、今の自分が活けた花は、どこか納得できない。
 満足いく花を活けたいと考え、華は母親に勘当されながらも、戦車道に進んでいる。
「初戦から、ファイアフライを一気に出したのは、正解だったわね。みほがその気持ちで、大洗女子で戦車道をしてるなら、私たちは全力でぶつかる。それが礼儀ってものだもの。」
 ケイは、そう言ってウィンクをする。

「これより大洗女子学園と、サンダース大付属高校の試合を、始めます。一同、礼。」
「「よろしくお願いします!」」
 試合前の挨拶が終わって、それぞれの戦車が所定の位置に着く。

「いいですか?狙いはファイアフライです。1両でも多く減らすことができれば、こちらが有利になります。但し、決して無理をしないでください。あくまでフラッグ車であるジャンボウ突撃戦車を撃破すればこちらの勝ちです。作戦通りに、アヒルさん、ウサギさん、スズメさんは、カメさんを守ってください。カバさんとツバメさんはあんこうと。サイさんとペリカンさんはレオポンさんとチームを編成。この2チームが動いて、敵の守りを崩します。カメさん達は、攻撃する際は、カメさんを守る事を最優先にしながら、お願いします。」
 作戦会議で説明した通りに、みほが指示を出す。
「引きつけて、叩くか。つまりは、島津の釣り野伏せだぜよ。」
「いや。真田丸だな。」
「冬戦争の、モッティ戦術とも言えなくもない。」
 おりょうと左衛門佐、エルヴィンが、それぞれの表現で、みほの作戦を例える。

「狙えるか?義経。」
「任せろ、公瑾。何のために、さらに訓練を積んできた?一撃で葬ってやる。」
 照準器を覗く義経は、冷静に獲物を待ち受けていた。

「こっちを待ち構えているわね。あのみほの事だから、只の待ち伏せじゃないわ。油断すれば、火傷決定。でも、ここで引き気味になるのは、私たちの戦い方じゃないわ。皆、行くよ!」
 ジャンボウ突撃戦車を守るように、ファイアフライ4両がパンツァーカイルを組み、後方にシャーマンが続く。

「始まりましたね。」
「ええ。」
 オレンジペコとダージリンが、紅茶を飲みながら、試合を見守る。

『これまでで、何を手に入れたか。私に見せなさい。みほ。』
 厳しい表情で、まほは試合を見ていた。

 他の高校も、かたずをのんで見守っていた。

 大洗女子学園対サンダース大付属の第1回戦はこうして始まった。

後書き
いよいよ、全国大会が始まります。
所詮はアメリカの傑作戦車M4 シャーマンを主力とするサンダース。
しかも、ファイアフライが4両が主力、最大装甲厚ならチャーチルを凌ぐジャンボウがフラッグ車です。
みほも当然、策を用意していますが、ティーガーの正面装甲をも貫通する17ポンド砲は脅威。
どう対応するのでしょうか?
なにより、みほとまほの関係も気になるところですね。


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