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zoom RSS IS<インフィニット・ストラトス>二次小説 第38話 強さゆえの苦しみ

<<   作成日時 : 2013/02/23 23:03   >>

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「はあっ!!」
 退院した、翌日。
 俺は、セシリア達の訓練を見た後、自分の鍛錬を行う。
 今は、新任の先生が相手になってくれている。
 ヘンリエッテ・ブッフバルト先生。
 軽いウェーブのある、長い金髪が凄く綺麗な先生だ。
 見るからに、大人の女性って感じだよな。
 ブッフバルト先生が使っているISは、オーストリアの最新鋭第三世代ISゲイルスクゲル。
 元は、白兵戦をメインに開発されたISだけど、特殊兵装を扱うのが難しすぎて、専任が見つからなかった結果、ブッフバルト先生が専任になったそうだ。
 ちなみに、ブッフバルト先生は前回のモンド・グロッソ優勝者。
 つまり、ブリュンヒルデだったりする。
 もう、現役を引退して、テストパイロットしているそうだけどな。
 にしても、やっぱ強え。
 槍裁きの鋭さが、半端じゃねえし。
「隙あり!」
 槍から大口径レーザーと、多数の小口径レーザーが発射される。
 レーザー内蔵型の大型ランス、「シャイネン・ランツェ(輝く槍)」。
 俺は、白銀のエネルギーシールドを展開しつつ、とっさにイグニッションブーストを使って離脱し、荷電粒子砲のチャージサイクルを最短にして、発射する。
 死角から狙ったので、先生も回避するタイミングが遅れて、大分喰らう。
「さすが、IS学園の生徒の中で、最強と言われるだけあるわね。」
 エネルギーシールド発生ユニットを、特殊複合装甲で覆った大型シールド、「ツヴァイ・シルト(二つの盾)」で防ぐ。
 俺は、その間に、複雑な機動で、肉薄して、攻撃を加える。
「やるわね。さすがに…。国家代表を加えても、5本の指に入ると、言われるだけあるわ。」
 シャイネン・ランツェの連撃を、繰り出しながら俺の態勢を崩そうとする。
 一撃、一撃が、重い。
 これが、ブリュンヒルデの力かよ。

「ブッフバルト先生は、前回のモンド・グロッソのブリュンヒルデ…。それなのに、織斑君、あそこまで渡り合うなんて…。」
「白式の機体性能に助けられてはいるが、腕も随分上達したな。亡国企業も、愚行を犯したものだ。卑劣な手段で、織斑を捕えるつもりが、逆に、大きく成長させた。生身で最新のゴーレムシリーズと戦う経験をする奴は、まずいないだろうが、駁竜が発動するまで、重傷を負いながらも、半分を仕留めた。その時の経験が、自然と動きから、無駄を取り去っている。ブッフバルト先生も予想外に苦戦しているな。」
 赴任する前に、一夏の今までの試合や、ゴーレムシリーズとの戦いの映像を録画した物を、全て渡して、見ておくように言ったので、一夏の実力は把握していたはずだが、冬菊を助けた際の、生と死の狭間にいながらの戦いで成長した、一夏の実力は、明らかに想定外だった。

『強い…!1年生よ。ISの事を学び始めて、1年と少しなのに、この実力はどういう事!?日本の特殊部隊で訓練を受けて、子供の頃から、剣術や武術を学んでいたことは、資料にあったから知っていた。白式のハイスペックぶりも頭には入れていたけど、それを差し引いても、学生としては、強すぎる…!』
 シャイネン・ランツェの連撃を全て防いで、攻勢に出た一夏の攻撃を防ぎながら、ブッフバルトは、一夏の実力に驚愕していた。
『あれを、使う必要があるわね。』
 ゲイルスクゲルの背部スラスターから、何かのユニットが6基射出され、変形し、小型の人型ロボットのようになった。

 な、何だ?ありゃ!?
 ビットの一種か?
 俺が驚いていると、距離を置いて2基がビームを発射する。
 それを避けると、今度はエネルギーカッターで2基が白兵戦を仕掛けてくる。
 右の雪片で、両断しようとするが、複雑な機動で回避して、向かってくる。
 右肩部の展開装甲から、小口径レーザーマシンガンを発射して、追い払うが、今度はエネルギーカッターとビームマシンガンのペアが、向かってくる。
 くそっ、ちっこいし、おまけにこの機動…。
 先生と、ほとんど同じじゃねえか。
 ドラ○モンのス○ールラ○トで小さくなった先生を、相手にしてるようなもんだぜ。
 ていうか。先生が専任やってる理由が、よく解った。
 機体の機動性も運動性も高いが、何よりこれだ。
 完全に使いこなすには、相当のスキルがいる。
 開発したはいいが、ちゃんと扱える物を作る事が欠落してたな。
 IS関係の開発者がよくやるポカミスだが、使いこなせる人間が使うと、面倒なんて次元の問題じゃない。
 くそ。いい加減にしろっつーの。っと!
 先生まで、攻撃してきたか。
 なら、遠慮なしだ。
 俺は、流星を発射して、あの小人デバイス(俺が付けた名前)に回避機動を取らせつつ、先生も攻撃範囲にはいる様にして、鳳仙花を発射する。
 流星で機動範囲が狭められた、小人デバイスを全部破壊し、先生にもダメージを与える。

「よし、そこまで。授業が始まる。」
 千冬姉の言葉で、俺達はISを待機状態に戻した。
 上には上がいるなあ…。
 でも、俺の考えたメニューは、絶対にダメだって、言われてるしなあ…。
 どうすれば、いいんだ…。
 とりあえず、軽く湯船に浸かって、考えるか。
 昼休みは、戦闘時のデータをチェックしよう…。

「あれで、1年生とは思えません。ヴァルキリークラスですね。どうすれば、あんなに強くなれるのやら…。」
 オペレーティングルームで、ヘンリエッテは、驚けばいいのか、呆れればいいのか、解らなかった。
「つい最近だが、神無月グループの令嬢を誘拐して、最新型のゴーレムシリーズ6体と近接戦闘を行ってな。3体倒した後、知らん内に備わっていた緊急防衛システムが発動して、残りを倒したが、最初は、白式の近接戦闘用のブレード1本。しかも、生身だった。それで、3体、倒したからな。」
 千冬はその時の映像を、再生する。
 その映像は、ヘンリエッテにとって、信じられないものだった。
 それこそ、ISと、生身で戦闘をするような物だったからで、ある。
 しかも、改良に改良を重ねられて、ゴーレムシリーズの性能はさらに高くなっていた。
「信じられんのも、無理はないな。私かお前なら、戦えるが、学生が、生身で渡り合えるレベルでは、ないからな。」
「ええ。でも、彼はこの強さでも、満足していません。男子用の浴場に行きましたが、どこか落ち込んでいましたから…。」
 肩を落としたような一夏を見て、ヘンリエッテは心配していた。
「かなり、過酷というか無茶なトレーニングを課して、それをクリアして、さらにトレーニングのレベルを上げていましたけど、最近になって運動性慢性疲労の兆候が明らかに見えたので、ドクターストップがかかったんです。織斑先生が、トレーニングメニューを考えたのですが、不安なのかもしれませんね。これ以上、先に進めないのではないかと…。」
『あの強さなら、そんなに焦る必要はないと思うのだけれど…。1回、きちんと話す必要が、あるわね。』
 ヘンリエッテは、ある提案をして、千冬から許可をもらった。
「但し、一度きりだ。どう考えても、まずい方法だからな。」
「解っています。これきりになるように、するつもりですから。」

「一夏、どうしたの?ほとんど、手をつけてないよ。」
「ん、ああ。ちょっとな。今一つ、食欲なくてさ…。先行くわ。」
 シャルロットにそう言って、一夏が半分も手を付けていない朝食のトレイを持って、先に行く。
「おかしくありません?朝食は、必ずきちんと摂る一夏さんが、あの様子。」
「そうよね。確かにおかしいわね。」
 セシリアと鈴も、何があったのだろうかと、考える。

『やっぱり。ブッフバルト先生は強い。前回のモンド・グロッソのブリュンヒルデだから、当たり前だけど…。もし、ISが白式じゃなければ、話にならない。ISに頼り切りだ。これじゃ駄目だ。俺自身の、地力の底上げがまるでなってない…。』
 授業は、頭に入っているが、一夏の心の中は、焦燥感で溢れていた。
 前回のモンド・グロッソにおけるブリュンヒルデであるブッフバルト、それに初代ブリュンヒルデの千冬。
 圧倒的とも言える実力差を持つ2人を見ていると、自分の未熟さをこれ以上なく感じる。
 それを埋める為に、IS学園に通っていることは、頭では理解していても、一夏は一秒でも早く差を埋めるにはどうすればいいかを、考えていた。

 昼食時、売店でパンを買ってきた一夏は、千冬から渡されたトレーニングメニューを見ていた。
『基礎体力をつけるためのランニングに、ウェイトトレーニング。剣術と武術。射撃訓練。ブッフバルト先生との模擬戦。放課後のトレーニングも同じ。何か、何かないか?体に負担を掛けずに、出来る。トレーニング…。』
 カツサンドとソーセージを挟んだコッペパンを食べながら、一夏は考えて、あるアイデアが浮かぶ。
『イメージトレーニング。そうだ。この手があった。イメージ通りに動いた際の体が感じる感覚を、脳に送る事で、経験値を積む。これなら、いける。明日は土曜。明日中に完成する。よし、これで、少しは、差を埋めることができる。』

 訓練が終わった後、俺は、余分に買っておいたパンを食べながら、イメージトレーニングシステムの、設計図を組んでいた。
 四肢にバンドを嵌めて、頭にはヘアバンドを嵌める。
 これにはナノマシンが仕込まれているから、イメージトレーニング中の動きが体に信号で伝えられ、まるで本当に動いたように感じることができる。
 ヘアバンドは、脳に直接データを送って、記憶させて経験を蓄積する。
 1回ごとの使用時間は、1時間て、とこかな。
 よし、完成だ。
 端末は、自作して、さらに処理性能が増しているし、シミュレートプログラムの性能も向上している。
 ちなみに、この端末は芝崎インダストリーから発売され、各種研究機関から、かなり発注を受けたそうだ。
 結果、俺は技術顧問になり、給料がまた上がった。
 けど、相変わらず、千冬姉からの振り込みが続いている。
 少しは、大人と見てくれよ。千冬姉。
 さて、風呂に入って、頭の中で再確認と行くか。
 束さんの講義は、無茶苦茶高度で、ついてくのに凄え苦労したけど、こういう時は、役に立つな。
 今度会ったら、束さんにお礼を言っておくか。
 うん。

「織斑君。いるかしら?」
 ブッフバルト先生?
「はい。」
 風呂の支度をして、ドアを開ける。
「何ですか?俺、これから風呂ですけど。」
 って、楯無さんに、ケイシー先輩に、フォルテ先輩。
 何で、一緒なんだ。
「ちょうどいいわ。一緒に行きましょう。」
「あ、はい。」
皆も、行くつもりだったのか。そういう事か。

「それじゃ、俺はここで。」
 俺が男子用の浴場に行こうとすると、皆がついて来る。
 え?
 どういう事だ?
「あの…、こっち、男子用なんですけど…。」
「だって、一緒に入ろうと思って、来たんだもの。今日だけだけど、織斑先生に許可は貰ってるわ。偶にはいいでしょ?」
 そう言って、俺の腕を引っ張って、男子用の浴場に入っていく。
 しかも、楯無さん達まで、何でだよ…!?

 くつろげねえ…。
 下着姿も裸を見られるのも、皆、まるで、恥ずかしがらなかった。
 あ、そうか。
 俺が、男と見られていないだけか。
 ともあれ、少し、離れていよう。
 
「こら。離れちゃ駄目。」
 ブッフバルト先生が、後ろから、俺を抱きしめる。
 あの、先生…、む、胸が…。
「おっ。織斑。顔が真っ赤だぞ。お前もやっぱり男か。いやあ、並外れた唐変木だから、何とも思わないかと思ったけど。安心、安心。」
 ケイシー先輩が、右から抱き着いてくる。
 それを見た、フォルテ先輩が左から。
「じゃあ、お姉さんもね。」
 じゃあ。じゃ、ないですよ。じゃあ。じゃ!
 前後左右、柔らかい感触に、俺は動くことができなくなっていた。

「じゃ、先生が背中流してあげる。」
 そう言って、ブッフバルト先生が、俺の背中を流してくれている。
 はあ、一秒でも早く上がるとしよう。
「織斑君。」
「はい?」
 何だろ?
「あんまり焦って、自分を追い詰めちゃ駄目よ。無茶して、体がボロボロになったら、何の意味もないでしょう?」
「それに、耐えられるように、自分を鍛えるんです。そして、次のステップに行く。そうやって、俺は今まで、自分を鍛えてきました。」
 退院してから、俺はそうやって、道場に通いながらも自分でも鍛錬を続けてきた。
 壁を乗り越えたら、より高い壁を乗り越える為に、自分を徹底的に鍛え上げる。
 そうやって、ここまで来たんだ…。

「でも、結果は体に出ている。このままじゃ、多臓器不全。どうなるか、解らないわ。運動性慢性疲労だけじゃなく、横紋筋融解症もあり得るわ。あなたにもいろいろあって、それが切っ掛けなのかもしれない。でも、焦りすぎては駄目。3年間で、じっくり自分を作り込んでいくの。織斑先生のトレーニングメニュー、今までより軽いと思ったでしょうけど、それは体に無理を掛けないぎりぎりの範囲で、織斑君の地力を養うためなのよ。そうでなくても、あなたは十分に強いのだから。1学期でIS学園最強になれたって事は、それだけ、素質があるということなの。それを、大切にしなくちゃ駄目。肥料をたくさんあげれば、綺麗な花が、咲くわけじゃないでしょう?」
 横紋筋融解症は、主に骨格の周りについている横紋筋が、疲労等が原因で壊れる病である。
 症状としては倦怠感や激しい筋肉痛があるが、最悪のケースの一つとして、体内の老廃物を濾過して尿として排出する働きを持つ腎臓が、破壊された横紋筋から血液に流れ出した結果として機能不全になり、急性腎不全を起こし死亡する。
 まれな症状のようにも思えるが、毎年、この病気による死亡者は後を絶たない。
 以前に医師に指摘された運動性慢性疲労と並んで、過度なトレーニングの結果、発病する可能性のある病気である。
 大学でスポーツ医学を学び、一夏の検査データを見たブッフバルトは、運動性慢性疲労だけではなく、横紋筋融解症の可能性も危惧していた。
 その事を、医務室の医師に話し検査データの再検証をした結果、運動性慢性疲労と同程度のリスクがあるという結論が出たのである。
 それ故に、今の焦燥感にとらわれているように感じる一夏を、危惧していた。
 優れた才能を持つがそれに溺れず、ひたむきでまっすぐな努力家である一夏という蕾が大輪の花を咲かせないまま枯れることを、教師としても、大人としても、見過ごすことはできなかったのである。

 ブッフバルト先生の言葉に、俺は、反論できなかった。
 解ってる。
 解ってるんですよ。
「でも、俺は、このままじゃ、先に進めない。誓いを守るために、今まで鍛錬を重ねて、自分を強くして来たのに、今のままじゃ…。」
 その時、楯無さんの唇が、俺の唇に重ねられた。
 何か、暖かい…。
「落ち着いた?」
 楯無さんが、優しい顔で話しかけてくる。
「はい…。」
「その為に、先生がいるんでしょ?大丈夫。一夏君が、毎日どれだけ頑張っているかは、この学園にいる人はみんな知ってる。進めなくなりそうになったら、先生に相談すればいいの。お姉さんも、模擬戦の相手は、幾らでもしてあげる。一夏君に改修してもらったミステリアス・レイディは、物凄く高性能なISになったんだから。ケイシー先輩のケルベロスもフォルテのエインガナも、現行の第三世代ISでは、一、二を争う性能だし、あの2人の腕前は、知ってるでしょ。セシリアさん達は、山田先生と織斑先生に見てもらって、一夏君は、私達とトレーニングをしましょう。織斑先生からは、許可を貰ってるから。一夏君と戦えれば、私達は腕が上がるし、一夏君も経験値が積める。その後、ブッフバルト先生と模擬戦をすれば、さらに経験を積み重ねて、自然と強くなっていくわ。だから、焦らないで。ね?」
 いつの間にか、背中を洗い終わっていた俺を、楯無さんが、優しく胸元に抱きしめる。

 そう…、だな…。
 試しに、ゆっくり鍛えてみるか。
 駄目だったら、昔のやり方を、すこし控えめにすればいいしな。

「すいません。ご迷惑かけて。」
 俺はブッフバルト先生や、先輩たちに頭を下げる。
「気にしないで、生徒の悩みを何とかするのは、教師の仕事。」
「そうそう。後輩の面倒を見るのは、先輩の仕事だしな。」
 ブッフバルト先生とサファイア先輩が、優しく言ってくれる。
「じゃ、髪の毛洗いましょう。本当にきれいよね。丁寧に洗わないと。」
 その後、楯無さんに髪を洗ってもらって、風呂を上がった。

「一夏さん!どうして、ブッフバルト先生や楯無さん達と、男子用の浴場から…!」
 げっ、セシリア。
 ヤバイ!
「一夏!!どういう事!?答えなさいよ。」
 やましい事は、無いんだからな!鈴!
「ふうん。やっぱり一夏って、年上のお姉さんが好みなんだ。だから、僕が一緒にお風呂入っても、何もしなかったんだね!」
 何か、誤解してないか!?シャルロット。
「一夏、お前は誰の嫁だ!?」
 最近発売された、拳銃用の銃剣を付けたUSPと、ファイティングナイフを構えて、ラウラが迫ってくる。
 だから、そういうんじゃねえって!!
「一夏、貴様は、また混浴などという、破廉恥な事を…!!」
 箒!何で緋宵を、持ってきてるんだ!?
「少し、痛い目を見せないと駄目かな?2マグくらい…。」
 玲子が、マガジンを装填したグロック17を、コッキングする。
 おい、やめろって!!
「そう。お姉ちゃんとなら、お風呂入るんだ…。私は駄目なんだね…。」
 おい!簪!!
 お前持ってんの、FN ミニミじゃねえか!!
 しかも、7.62mm仕様。
 それは、洒落じゃ済まないぞ!!
 頼む、自重してくれ。

「はい。そこまで。確かに、男女の混浴は問題だけど、今回は、織斑君とゆっくり話をするために、織斑先生に特別に許可を貰ってのことで、今回限りです。それから、織斑君は、明日から、先生とサファイアさん、ケイシーさん、楯無さんとで、トレーニングします。皆さんのトレーニングは、今まで通り、織斑先生と山田先生が指導します。解りましたか?」
「「「「「「「はい…。」」」」」」」
 さすがに、ブッフバルト先生には逆らえないか。
 命拾いしたぜ…。
「じゃ、一夏君。お姉さんが、髪、梳いてあげるね。枝毛になったら大変だし、後、お勧めの美容院、紹介するから。」
 必死に、何かに耐えているセシリア達を横目に、俺達は部屋に戻る。

 翌日からは、基礎トレーニングを終えてから、サファイア先輩、ケイシー先輩、楯無さん。3人との模擬戦を終えて、再び、ブッフバルト先生との模擬戦に入る。

 3人の連係プレーには、結構手こずったけど、ブッフバルト先生の場合は、根本的なスキルが違う。
 全神経を集中させて、どう出るかを読んで、先手を打つ。
 シャイネン・ランツェからのレーザー砲の連射を、白銀のエネルギーシールドで防ぎつつ、雪片の空裂で、機動範囲を狭めて、流星を発射する。
 ツヴァイ・シルトでそれなりに防いでいるだろうから、一気に攻撃してくる可能性もある。
 なにより、あの小人ビットは厄介だ。
 あれと連携されると、対応が難しい、式神でもどこまで抑えられるか。
 待ち構えていると、小人ビットが三方から、レーザーを発射する。
 それに対しては、式神で対処して、俺は上昇して、鳳仙花を下に発射する。
 小人ビットを押さえていた式神が、犠牲になるが、白兵戦を仕掛けようとしていた小人ビットとブッフバルト先生にも、ダメージを与えられたから、それでよしとしよう。
 俺は、残りの式神を射出して、上昇してくる、ブッフバルト先生との近接戦に入る。

 とにかく今は、千冬姉や周囲の人の助言通りにしてみよう。
 俺より、経験もあるから、それを吸収できれば、強くなれるはずだ。
 千冬姉が、ブッフバルト先生に、楯無さん達を加えたのは、みんなの経験を物にしろ。
 そう言いたかったのかもしれない。
 そんな気がするからな。

後書き
シチュエーション的には、18禁のPCゲームのように思えるかもしれませんが、内容は至って真面目です。
人間というのは頭で理解していても、同時に自分自身を納得させるのは難しい、困った一面があります。
今回の一夏が、まさにそれです。
検査結果から、このままでは強くなる前に体がボロボロになってしまう。
その現実が突き付けられ、千冬が組んだメニューでトレーニングをしても、焦りは消えません。
目標である千冬。
新しく赴任してきた、前回のモンド・グロッソであるブリュンヒルデのヘンリエッテ。
この2人にどうしても、自分に重ね合わせてしまい、苦悩してしまいます。
そこを危惧して、今回のようなシチュエーションに、ヘンリエッテがしたのは、お風呂でゆっくり話す為。
進路指導室や、整備室では、無理だと考えての為です。
お風呂は、体や心を休める場ですからね。
そこで、改めて、無茶をするリスクを認識してもらい、今は時間をかけて自分を成長していってほしい。
何かあったら、できる限りの事をする。
それを伝えて、一夏の心を和らげる為でもあったわけです。
その後は、地獄を見そうになりましたが(笑)。
でも、無理は禁物ですしね。
私は、仕事上やむを得なかったのですが、オーバーワークの結果、心臓は悪くなりましたし、免疫機能が暴走したりもしたそうですから。
実力では一夏に劣るものの、経験では勝る楯無たちもいますし、もう大丈夫でしょう。
いずれにしても、才能という花はゆっくりと時間をかけて、育てていくものですしね。
尚、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、ヘンリエッテの姓は、嘗て浦和レッズに所属し、後に監督として、チームを初めて優勝に導いた、ギド・ブッフバルト氏からです。











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