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zoom RSS ガールズ&パンツァー 二次創作 第1話 転校します!

<<   作成日時 : 2013/02/02 21:10   >>

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「いよいよ、明日ね。」
「はい。」
 広大な屋敷の一室で、一人の少女が母親と話をしていた。
「あなたの言う事は、よく解りました。よくよく考え、決断したのなら、私は何も言いません。但し、道を曲げることは許しませんよ。私は、そんな娘を産んだつもりは、ありませんからね。」
 母親は厳しい顔立ちのままだが、どこか嬉しく、娘を励ますような口調で、言う。
「では、おやすみなさい。お母様。」
「おやすみなさい。」

「いい加減に、出てきたらどう?盗み聞きは感心しないわね。」
 少し沈んだ。と言うよりは、拗ねた顔をした少女が、母親の前に座る。
「まだ、認めてあげないつもりなの?あの子は、自分の歩く道を見つけ、そして歩こうとしている。その判断は、尊重すべきよ。」
 だが、目の前の少女は、何も言わなかった。
「姉として、いろいろ言いたいことがあるのは、解ります。周囲だけでなく、あなたも期待していることも解ります。けれども、あの子の道は、あの子の物。それに口をさしはさむ権利は、私にもあなたにもないの。解るわね?」
「はい…。」
 声を必死に絞り出すように、少女は返事をした。
「それが、解っていればいいわ。あなたも休みなさい。」
「はい…。」

「ふう。」
 家政婦が緑茶を入れなおす。
「本当に、どちらも私にそっくり。自分の考えを決して譲らない。よかったのか、悪かったのか。判断に苦しむわね。」
 母親は苦笑した。
「巣立ちの時。私はそう思います。奥様。」
 長く、家に仕えている家政婦、菊代は自分の考えを口にする。
「その通り。ただ、少し早いから、心の準備ができていなかったのかしら?あの娘は。」
「お嬢様を、本当に大切に思っていらっしゃいますから、離れるのが寂しいのでございましょう。ですが、仲の良い姉妹。きちんと理解なさっていらっしゃると、私は思います。」
 菊代の話を聞いて、母親は嬉しそうに頷く。

「今日から、この大洗女子学園に転入しました、西住みほです。よろしくお願いします。」
 髪の長さが、肩に少しかかる程度の少女。
 西住みほが、転入の挨拶をする。
「それじゃあ、西住さんの席は…。五十鈴さんの隣ね。五十鈴さん。いろいろ教えてあげて。」
「はい。先生。」
 艶やかな黒髪を長く伸ばした、まさに大和撫子といった少女の隣にみほが座る。
「あの、よろしく。」
「五十鈴華です。よろしくお願いします。」
 華は優しく笑って、挨拶をする。
「では、授業を始めます。」

 昼休みに入ると、弁当を広げたり、売店に行ったりと、生徒たちは昼食を摂りに行く。
「ねえ。西住さん。一緒にご飯食べない?私も華も、お弁当だから。」
 肩の少し下まで髪を伸ばした少女が、華と一緒に話しかけてくる。
「うん。いいよ。」
「あ。私、武部沙織。よろしくね。」
「西住みほ。こちらこそ、よろしくね。」
 そして、3人は弁当を食べ始める。

「あ、あの…。」
 やや癖毛の生徒が、おずおずと入り口から顔を出す。
「あなた、確か二課C組の…。」
 華が、思い出す
「は、はい。あの、そちらの方は、西住みほ殿でありますか?」
 殿付で呼ばれて、みほは驚いて瞬きする。
「うん。そうだけど。あなたは?」
「は、はい!普通二課C組の秋山優花里と申します!憧れの西住殿にお会いできて、光栄であります!!」
 敬礼をしながら、自己紹介をする。
「ど、どうも。えと、お昼まだなら、一緒に食べない?五十鈴さん、武部さん。いいよね?」
「ええ。」
「うん。いいよ。」

「思い出しました。西住さん、あの、西住流の方ですよね?去年の戦車道全国大会で黒森峰女学院の副隊長を務められて、十連覇をなされた。」
 華が優花里の態度を奇妙に思っている内に、みほの事を思い出した。
「う、うん。」
「じゃあ、履修科目も戦車道を選ぶんだ。今年から、復活するし。」
 沙織も話に加わる。
「うん。そのつもり。だから、この学校に転入したの。いろいろ考えて…。」

 戦車道。
 茶道や華道と並んで、女性の嗜みとされている物である。
 戦車でチームを編成し、競い合う武道。
 その中でも西住流は、日本でも最も有名な流派で、みほは次女で、家元にはならないまでも、流派の中でも重要な人間となる事が決まっている。

「あれは、凄かったです。決勝戦では、包囲殲滅しようとした相手の策を逆手にとって、部分ごとに各個撃破して、包囲網をバラバラにしての勝利。見てて、物凄く興奮しました。あの、私も戦車道を選択することを決めていたので、もし、西住殿のお許しがいただければ、一緒の戦車に乗せていただけませんか?」
「いいんじゃない?この4人で、チームをまず作ろうよ。」
「私も、戦車道には、前々から興味を持っていて、ぜひ選択したいと思っていました。」
 沙織と華も、やる気になる。
「それはいいとして、あと1人いないと、ちょっと大変だよ。」
 通常戦車は、リーダーとなる車長、戦車を操る操縦手、通信を担当する通信手、砲弾を装填する装填手、戦車砲を発射する、砲手で運用される。
 必ずしも、こうなるわけではないが、5人編成が最も合理的だからである。
「あ。1人いた。」
 沙織に、1人心当たりがいた。

 昼休み後、急遽、全校集会が開かれた。
「既に、周知の事だが、我が校で20年ぶりに戦車道が復活する。これは、文部科学省の要請によって、戦車道の世界大会に向けて、国を挙げての戦力の底上げが目的だ。それに関して、生徒会長から話がある。」
 ボブカットで、片眼鏡をした広報担当。
 河嶋桃が、説明をして、小柄でツインテールの生徒会長角谷杏が、続いて説明を始める。
「まあ、そんなわけで、戦車道が始まるわけなんだけど。まず、経験積まないと、強くなんない。そんなわけで、まず、全国大会に出る。そして、優勝の暁には、特典を用意しているよ。」

「何でしょうか?特典て。」
「さあ。」
 華は考え、沙織は首を傾げる。
「最新鋭戦車のプレゼントじゃないですかね?レオパルド2の最新モデルとか、10式戦車とか?」
 優花里が目を輝かせる。
「それは無いと思うけど…。」
 みほが、やや、引き気味な笑顔になる。

「特典とは、遅刻見逃しを年間200日!そして、単位を3倍プレゼント!」
 それを聞いて、1人の生徒の態度が変わる。

「凄い特典ですわね。」
「というか、どうやって学園長説得させたんだろ…?」
「でも、凄く魅力的です!」
「まあ、確かに。ね…。」
 華は目を丸くし、沙織は実現させた方法を考え、優花里は驚き、みほもさすがに驚いていた。

「まず。この4人は戦車道選択決定として、武部さん。心当たりって誰?」
「そこ。」
 沙織が入り口を、指差す。
「私も、入れてほしい…。」
 カチューシャをつけて、酷く眠たげな生徒がいた。
「紹介するね。冷泉麻子。私の幼馴染。こう見えても、学年主席の優等生だよ。これで、1チーム決まり。」

「西住ちゃんいる?」
 教室に杏が入ってくる。
「あ、はい?って、生徒会長さん。何か御用ですか?」
「重要な用事だ。」
 桃が、短く言う。
 杏子は、みほたちの選択科目で何を選んでいるかを、見る。
 そして、次の瞬間、みほを見る。
「ちょっと、生徒会室まで来て。話あるから。」
「は、はあ。」
 訳の分からない内に、みほは生徒会室に行くことになった。

「いやあ。西住っていう苗字の人が転入してくるって聞いたから、もしやと思ったけど、本当に西住流の子が来るとは思わなかったよ。しかも、戦車道の世界では知らぬ者なしの、「微笑みの悪魔」が来るとはねえ。幸先いいよ。」
「微笑みの悪魔」
 みほの二つ名である。
 戦車道の総合的な力では、姉であり、嘗ての母校黒森峰女学院の隊長で、戦車道世界大会の代表の有力候補で強化選手でもある、西住まほに劣るが、様々な情報を分析し、相手の作戦を見抜き、それを打ち破る天賦の才を持っており、中等部で隊長を務めた際には、他校を全く寄せ付けずに、優勝。
微笑んだ時には、既に相手の作戦を打ち破る作戦を立案していることから、「微笑みの悪魔」と呼ばれるようになった。
 それは、高等部に進級しても変わらずに、決勝戦でも、相手の包囲網を分断し各個撃破して優勝に貢献している。
 まほだけでなく、黒森峰女学院のメンバーは、みほの作戦立案能力に全幅の信頼を寄せており、それ故に、常に余裕を持ち、どんな事態になっても、取り乱すことはなかった。

「で、話なんだけど、うちの学校は、戦車道は20年やってない。つまり、経験者ゼロ。そこで、西住ちゃんに、教本作りとか、訓練プログラム作るのやって欲しいんだ。それを円滑にするために、生徒会に入ってもらうよ。ポストは会計。戦車道やるからには、パーツとかいろいろ必要になるから、それの購入に関しても、きちんとした知識が必要だしね。1人じゃ大変だから、アシスタントもつける。こっちの、副会長の小山柚子ね。」
「よろしくね。西住さん。足引っ張らないよう、一生懸命頑張るわ。」
 ポニーテールの、巨乳の生徒が手を差し出してくる。
「いえ。こちらこそよろしくお願いします。で、最初に質問ですけど。」
「うん?何。」
「戦車、あるんですか?20年やってないとなると、オーバーホールが必要ですから、見ておかないと。」
 その時、何とも嫌な感触の沈黙が降りた。

「選択した人に頼んで、戦車探し、しなくちゃですね…。」
 一筋の汗を流しながらも、みほは、必死に顔の筋肉をコントロールしていた。

後書き
私は歴史が大好きで、そこから軍艦や軍用機ときて、戦車も好きです。
ガールズ&パンツァーは戦車好きには、たまらない名作。
試合の時の臨場感やリアリティは、見事としか言いようがありません。
この二次小説は、ちょっとした気分転換の際に書いていた作品ですが、結構たまったので、皆さんがどんなふうに思われるかを知りたくなって、まずは1話目を連載することにしました。
母のしほや、姉のまほの性格も、大分変っています。
あのままの性格でいくネタもあったのですが、それではつまらないと思いまして、敢えて変えました。
どれくらいの人が読んで下さるかはわかりませんが、楽しんで下さるとありがたいです。
かなり、ありえない改造の戦車も出てきますから、不快に思われるかもしれませんけどね。


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