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zoom RSS ガールズ&パンツァー 二次創作 第3話 「試合します!」

<<   作成日時 : 2013/02/17 23:23   >>

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「お久しぶりですわね。杏さん。」
「おや?ダージリン。久しぶり。どうしたの?」
 生徒会室で、杏子にダージリンという名の少女から、電話がかかってきた。
「いえ。戦車道が復活したそうで、お祝いを言いたいと思いまして。」
「いやいや。ありがとうね。で、その先は何かな?」
 杏子は、どこか楽しそうに話の続きを待つ。
 すると受話器越しに、とても楽しそうな笑い声が聞こえる。
「相変わらず、鋭いですわね。そちらに、去年の黒森峰女学院の副隊長さんが、転入したと聞きまして。もう、練習なさっているんですの?」
「まあね。もう、基礎はばっちり身について、今はチーム戦してるよ。と言っても、西住ちゃんがいるチームが、圧倒的に強いけど。自分達以外は敵のバトルロワイアルでも、西住ちゃんが車長の戦車が、勝ったし。」
 訓練が始まって1週間が過ぎた頃には、既に、チームごとに分かれての模擬演習ができるまでに練度は高くなっていた。
 戦車の改修作業をしている間に、皆が読んでいた、みほが作っていたマニュアルは非常に解りやすかったのである。
 初めて戦車に乗っても、それぞれの役割をきちんと把握し、2日で基礎は固める事が出来たのである。
 合間に、みほは戦術についての講義も行っている。
「予想以上ですわね。では、本題に入りますわ…。」
 ダージリンは、戦車道全国大会で準優勝をしたこともある名門、聖グロリアーナ女学院の隊長を務める少女だった。

「結局、完敗か…。」
「今だ、平氏の勢いは強い…。」
 ブラック・プリンス歩兵戦車がフラッグ車となったチームの、サイさんチームの車長兼通信手の通称周瑜と砲手を務める義経は、悔しさに唇をかみしめる。
 今回、作戦を立案した周瑜は、守りを固めつつ、フラッグ車であるあんこうチームのティーガーを撃破しようとしたが、その前にみほは砲火を集中させて、守りに綻びを作り、そこから相手の守りを崩して、フラッグ車を撃破した。

「狙いは悪くなかったんですけど、もう少し、柔軟さが必要ですね。例えば、相手が砲火を集中してくる場合、その中心となる戦車はどれかを見極めて、それを叩く。サイさんチームならアウトレンジでそれも可能でしたよ。」
 自分だったらどうしたかを、説明して、周瑜に、柔軟さと臨機応変さの大切さを、教える。
「そういう事か。この周瑜公瑾。しかと心得た。」
 高圧的な態度を取らずに、修正すべき点は何かを、懇切丁寧に説明して納得させる。
 西住流の名を表に出さないみほの指導は、実を結び、今は隊長となり作戦立案も行う。
「それでは、今日の訓練はここまでです。皆さん、お疲れ様でした。」
「「「「お疲れ様でした。」」」」

「西住殿って、教え方がすごく上手で、皆助かってます。」
「そうですわね。私も射撃で、いろいろ指導して下さって、本当に助かってます。」
 昼食を一緒に食べる機会が多く、同じ戦車に乗っていることから、最も効率的に指導を受けることができた華は、すでに大洗女子学園でも、随一の命中率を誇る砲手に成長していた。
「五十鈴さん。頑張ってたから。それに、皆も本当に一生懸命だったから。皆が努力した。私がしたのは、お手伝いだけだよ。秋山さん。」
 戦車道を通じて交友関係も広がり、下級生にとっても、優しくて頼りになる存在になっていた。

「親善試合ですか?」
 訓練前に、生徒会室で仕事をしていたみほは、杏から、親善試合が決まったことを、知らされた。
「うん。西住ちゃんのおかげで、みんなやる気になって、めきめき伸びて、チーム戦出来るまでになったでしょ?全国大会前に、試合をしておけば、実戦経験も積めるしね。」
「そうですね。で、相手はどこです。」
「それはね…。」

「聖グロリアーナ女学院!?」
 親善試合の相手を聞いて、優花里が大声を上げる。
「強いの?」
「全国大会準優勝の経験もある名門。去年は、準決勝まで駒を進めた相手です!」
 沙織の質問に、半分パニックになりながら、優花里が説明する。
「相手からの挑戦状だ。これで逃げたら、いい恥さらしだぞ。」
 桃が、優花里に言い聞かせる。
「確かに、ここで逃げるなんて、嫌です!」
「今まで、何の為に、西住先輩に指導してもらったのか、解らなくなります!」
 M4A6シャーマンを使用するウサギさんチームの装填手、丸山紗希。車長の澤梓が、挑戦を受けるべきと主張する。
「秋山ちゃん。後輩が、ここまでやる気になってんのに、いつまでもビビってるつもり?」
 杏子が、けしかけるような口調になる。
「べ、別に、ビビッてなんかいません!望むところです!!」
「んじゃ、隊長のお言葉。西住ちゃん。お願い。」

 みほが前に出る。
「聖グロリアーナ女学院は、確かに強敵です。練度も高いですし、連携は絶妙です。経験では、私たちが劣ります。けれども、今までの訓練期間で、皆さんも力をつけてきています。私もそうなるように、訓練が始まるまで準備をしてきましたし、訓練でもアドバイスをしてきました。だから、頑張りましょう。チームの仲間を信じて。何より、今まで努力を重ねてきた自分を信じて。」
 少しでも、士気を高めようと、みほは皆の前で自分たちを信じて頑張って欲しいと、言った。

「敵に背中を見せるのは、武士の名折れ。」
「既にサイは投げられた。」
「立ち止まったまんまじゃ、夜明けは見れんぜよ。」
 IV号中戦車/70(A)を使用する、カバさんチームの砲手、通称左衛門座。装填手の通称カエサル。操縦手の通称おりょうがやる気を見せる。
「隊長、いまこそ我々の真価を見せる時だ。ポーランドのようにな。」
 車長兼通信手の通称エルヴィンが、不敵な笑顔でみほを見る。

「強豪相手、望むところよ。私たちが改修した戦車の力、見せてやるわ。」
「「「おう!」」」
 ブラック・プリンス歩兵戦車を使用する、レオポンチームが、闘志を燃やしていた。
 ブラック・プリンス歩兵戦車は、イギリス製。
 聖グロリアーナ女学院の主力戦車もまた、イギリス製である。
 いやがおうにも、闘志が燃えてくる。
「親善試合は、1週間後。それに備えて、訓練を怠るな。以上。全員、本日の訓練を開始。西住は作戦会議だ。」
「「「「「はい!」」」」」
 全員が、再び訓練に戻る。

「聖グロリアーナ女学院の布陣ですが、主力となるのはマチルダU歩兵戦車と見て、間違いないと思います。公式戦でも、この戦車が使われなかった例は、私が知る限りありません。もし、他の戦車に変えてくるとしたら、おそらく、ヴァレンタインMk.XI歩兵戦車だと考えます。隊長の戦車は、通常通りチャーチル歩兵戦車Mk.Zだと思います。」
「相手が、我々をどう見ているかだな…。」
 侮れない相手と見れば、主力はヴァレンタイン。さほどでもないと考えれば、通常通りにマチルダU。
 どちらで来るか、桃は考えあぐねていた。
「ヴァレンタインだと、面倒だよね〜。あの75cm砲は、ティーガー以外には、脅威だし。」
 干しイモを食べながら、杏はヴァレンタインのスペックを思い出す。
「もし、ヴァレンタインが出てきたら、まともに相手をせずに、分断して各個撃破するのが賢明ですね。会長、試合はどこでやるんですか?」
 各個撃破するには、地の利を活かして、こちらを追わせたいのが、みほの本音だった
 そうなると、地の利を得られるか否かが非常に重要になるので、確認しておく必要があった。
「大洗市を会場にすることで、手配済み。一番近かったからね。」
「ここなら、地元ですから、皆、裏道まで、熟知してますよ。」
 杏子の返答と、柚子の言葉で地の利を活かせることを確信した、みほの作戦の概要が、決まる。
「では、どちらがでてきても、また混合になっても、地の利を活かして各個撃破。これを作戦の根幹にしたいと思います。今回は、どちらが早く全滅するかの、殲滅戦形式。まず、第1段階ですが…。」

 1週間後。
 久方ぶりに大洗女子学園の学園艦は、陸に揚がった。
 市内は、久方ぶりの親善試合という事で、かなりの賑わいを見せていた。

「凄い賑わい。」
 戦車で移動しながら、みほは驚いていた。
「20年振りの、戦車道復活ですから。皆さん、嬉しいんじゃないでしょうか。」
「気合入れないといけませんね。西住殿。」
 華が言うのに続いて、優花里がみほに声をかけてくる。
「うん。市街地の地形は、いろんなとこまで頭に入れてきたから、頑張らないとね。」
「あ。あれって、聖グロリアーナ女学院の学園艦。」
「大きいですわね…。」
 沙織が聖グロリアーナ女学院の学園艦を見つけるが、大洗女子学園のそれのゆうに3倍はあった。
『チャーチル歩兵戦車Mk.Z1両。ヴァレンタイン歩兵戦車Mk.XI3両。マチルダU歩兵戦車6両。主力は混合。けれど、攻撃の主力は、間違いなくヴァレンタイン。』
 3種混合の編成だったが、聖グロリアーナの攻撃の主力が、ヴァレンタインである事を、みほは即座に見抜いた。

「まずは、戦車道復活おめでとうございます。杏さん。」
「いやあ、まともに組みあがっている戦車が、無くてね。パーツが揃っていたから、改造って形になったけど、どうにか揃ったよ。訓練も、西住ちゃんがみっちり鍛えてくれたしね。」
「それで、見たことはあっても、細部が違う戦車が、多いわけですわね。シャーマンの主砲は、W号の長砲身。駆逐戦車も、見たことのないシルエットですもの。大変だったでしょうね。」
 エンジンを換装するとなると、周囲の様々なパーツも交換する必要がある。事実、その面で自動車部は苦労したが、工夫を凝らして、それを成功させた。

「しかも、奇しくも、同じ北アフリカ戦線使用の迷彩。何やら、因縁めいたものを感じますわね。互いに正々堂々と戦いましょう。」
「当然。ズルはNG。興覚めするからね。」
 ダージリンが満足そうに微笑んで頷くと、みほの方に歩いてくる。

「まさか、大洗に転校されるとは思いませんでしたわ。いずれは、黒森峰の隊長になると、確信していたんですのよ。」
「姉を含めて、周囲には随分反対されました。でも、私なりに思う所があって、ここに来ています。転校してからは、初めての実戦ですけど、今までの訓練で、ここに来て、良かったと思っています。」
「去年は、あなたの策に散々翻弄されてしまいましたけど、今度はどうなりますかしら?」
 ダージリンの顔に、兆発じみた笑みが浮かぶ。
「勝負は時の運ですから…。終わってみないと、解らないですよ。後は、勝つ意志を持ってベストを尽くす。これしかないですね。」
 みほの言葉を聞くと、ダージリンは穏やかな笑みを浮かべる。
「同じ西住流の血を引くのに、あなたとお姉さんは、やはりどこか明確に違いますわね。言葉にするのは、とても難しいのですけど。」
 ダージリンは好意的な表情で手を差し出し、みほはその手を握る。

 審判と両校の戦車の車長が並ぶ。
「これより、聖グロリアーナ学院と大洗女子学園の親善試合を行います。一同、礼。」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
 それぞれが、戦車に乗り込む。

「西住ちゃん。作戦の指揮、任せたよ。私たちは、西住ちゃんに全面的に従うから、バンバン命令してね。」
「全力を尽くします。信頼に、応えられるように。」
 杏からの通信に応えた後、みほの表情は西住流師範の娘らしく、引き締まった表情になる。

「各車に。相手は20年ぶりに戦車道を復活させたとはいえ、彼女が鍛えたチーム。全身全霊の力を持って、挑みます。」
 ダージリンの表情は、穏やかな中に芯が入っていた。
 去年の準決勝で、みほの作戦立案・指揮能力は嫌というほど思い知らされているからである。
 
「始め!」
 親善試合が開始された。

後書き
いよいよ、大洗女子学園の初陣です。
初戦は、聖グロリアーナというのは、原作通りですが、戦車の編成で結構悩みました。
チャーチルの他は、全てマチルダUというのでは、面白くないですし、おまけに搭載しているのが、2ポンド砲と攻撃力に難があります。
9両の内、3分の1位は、他の戦車にしようと考えましたが、イギリス製って、結構碌なのがないんです。
17ポンド砲が威力は最大。
足回りが悪かったり、故障が多かったり、攻撃力に難があったりと、溜息をついて、今後の展開を考えてヴァレンタインにしました。
攻撃力と防御力は、シャーマンと同クラスです。
足は遅いですけどね。
さて、どういった展開になるでしょうか。


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