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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第37話 内乱の始まり

<<   作成日時 : 2013/02/15 18:39   >>

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「ふん。マシュマーめ。姑息な真似を。」
 グランツの整備ハンガーにある大型MSのコックピットで、プルツーは、マシュマーの策を、不愉快そうに鼻で笑った。
 主力部隊が囮になり、別働隊で司令部を直撃する。
 目新しい作戦ではないが、やりようによっては、効果は十分にある。
 だからこそ、プルツーは不愉快だった。

「プルツー。出番だ。打ち合わせ通りに頼む。狙いはマシュマーだ。雑魚は連れて行く者に掃除をさせろ。」
「解ってるよ。グレミー。」
 大型MSが、専用のエレベーターで整備ハンガーから運ばれ、宇宙に躍り出る。
 その後に続く5機は、明らかにキュベレイの系統のMSだった。

 NZ−000 クィン・マンサ。
 グレミーが、開発させていた、全高39.2mの大型MSである。
 各所にメガ粒子砲を搭載し、キュベレイと同型のファンネルを30機搭載。
Iフィールドジェネレーターと強固な装甲で、攻防共に極めて強力なNT専用MSである。
しかし、パイロットにも高いニュータイプ能力が求められるので、性能を引き出せるのはプルツーだけで、実質的には、プルツーの専用機である。
5機のMSは、AMX−004G 量産型キュベレイ。
 搭乗しているのは、プルのクローン達であり、ハサンの予想は的中していた。
 オリジナルのプルに比べて、ニュータイプ能力が劣化しているので、サイコミュやファンネルの性能は低くなっているが、ファンネルは30機搭載され、背部にはアクティブカノンというビームキャノンの一種を装備している為に、性能は高い。
 グレミーが、密かに準備していた切り札である。

「6つか。グレミーめ。」
 マシュマーは、ハマーンから与えられた深紅のMSに搭乗し、MSカタパルトに移動させる。
「サン・ロチェス。出るぞ!」
 AMX−113 サン・ロチェス。
 ハンマ・ハンマをベースに開発された、NT専用MSである。
 3連装有線サイコミュメガ粒子砲の他に、出力を強化されたファンネルが、8基装備され、シールドにも、メガ粒子砲が内蔵されている。
 スラスター推進力も強化されて、機動性も運動性も増している。

「来たか、マシュマー。奴は私が相手をする。お前たちは、敵を掃除しろ。」
「「「「「はっ。」」」」」
 プルツーの命令で、量産型キュベレイが散開しようとする。
「行かせん!!」
 有線サイコミュが行く手を阻み、1機を堕とす。
「お前の相手は、私だ。無視されるのは嫌いなんだよ。」
 クィン・マンサからファンネルが放出され、サン・ロチェスを狙う。
「甘い!」
 左右の腕から隠し腕が、展開され、右腕はビームサーベルを持ち、ファンネルを両断し、左のシールドのメガ粒子砲で、ファンネルを撃破する。
「その程度で、このマシュマーが討てるか!!身の程を知れ!逆賊共!!」
 量産型キュベレイの1機が、サン・ロチェスのビームサーベルで両断され、撃墜される。

「プルツー達が苦戦か…。サイド6には、命令だけでなく、新型まで届けていたのか。ハマーンめ。抜け目のない。」
 グレミーの本隊は、イリアの急襲を受け、防衛戦が敷かれているが、イリアとハンマ・ハンマの前に、ドーガは次々と撃墜されていく。
「防衛線を幾重にも形成しつつ、予備兵力で奇襲部隊の側面をつけ、半包囲して殲滅せよ。」
 グレミーは、マシュマーの本隊を撃滅することに全力を注ぐために、まずは、イリアを殲滅する為に、指示を出す。

「ふっ。マシュマーめ。よく、やってくれる。キャラの部隊と、合流するまでの時間は?」
「はっ。約30時間であります。」
「アクシズとソロモンの守りは?」
「ご命令通りに。」
 長期戦に備えた補給地に相応しいのは、サイド3付近では、アクシズとソロモンのみ。
 ここをグレミーに抑えられるわけにはいかないので、ハマーンは守りを固めていた。
 この兵力は、予備兵力の意味もある。
 ハマーンの本隊と、グレミーの部隊が戦いに入った際に退路を断ち、包囲する為の兵力でもある。
 長期戦が不可能になれば、グレミーは嫌でも短期戦に持ち込まざるを得ない。
 自ら望む方向に、グレミーが進むように、ハマーンは準備を既に整えていた。
『後は、新設されたという、ロンドベル隊がどう動くか。か…。戦力の規模を、探れなかったのは、痛いな…。』
 月に潜入させていたスパイから、ロンドベルが設立されたのは報告されていたが、戦力の規模、運用されるMS等の、ハマーンが最も欲していた情報は、セキュリティが厳しく、入手は不可能だった。
『まあ、よい。今は、グレミーを叩くことに、専念するとするか。』
 本音を言えば嘘なのだが、情報入手が不可能な以上、早急にグレミーを叩く以外、取るべき手段はなかった。

「マシュマーめ。手こずらせる…。」
 クィン・マンサと量産型キュベレイの計6機のNT専用MSをもってしても、マシュマーを仕留めきれないでいた。
 グレミーはある事を、見落としていたのである。
 実戦経験である。
 アムロ達もそうだが、マシュマーにしてもコロニー攻略戦で少なからず実戦経験を積んでいるし、完熟訓練でも、NT専用MSを想定した訓練を、行っている。
 一方、プルのクローン達は、知識はあっても実戦経験がないままに、戦っている。
 戦いは、知識だけでは勝てない。
 積み上げられた実戦経験が、物を言う。
 プルツー達は、マシュマーに連携の隙を突かれていた。
『ニュータイプ部隊を2人失っただけでも、痛手だというのに…。』
 さらに、イリアがじわじわと、グランツに迫っているのも合わせて、グレミーを苛立たせていた。
「MS部隊の一部を、マシュマーのみに叩きつけろ。その隙に、ニュータイプ部隊は本隊を叩け。それを確認次第、向かわせたMS部隊は引き上げさせる。」
 これ以上、ニュータイプ部隊に損害を与えたくないグレミーは、マシュマーとニュータイプ部隊を引き離すことを最優先事項とした。

「しぶとい…。」
 プルツーも、ニュータイプ部隊ではマシュマーに対抗できないと判断し、離脱させる事を試みたが、数度失敗していた。

 その時、ドーガ隊の一部が、205mmカノン砲とメガビームランチャーで支援を受けながら、サン・ロチェスのみに的を絞って、主武装のビーム・ガトリングガンを撃つ。
「増援か。小賢しい。」
 無論、かすりもしないが、プルツー達に貴重な時間を与えた。
「よし。マシュマーの本隊に向かえ。奴は私が堕とす。」
「「「はっ。」」」

「私との一騎打ちを望むか。よかろう。受けて立ってやる。」
「ほざくんじゃないよ!!」
 クィン・マンサの、胸部メガ粒子砲が、拡散モードで発射されるが、マシュマーは、サン・ロチェスを駆り、軽々と躱し、懐に飛び込む。
「終わりだ!」
「くっ!」
 咄嗟に腕でビームサーベルを突き立てられるのを防ぐが、クィン・マンサの左腕は、完全に破壊される。
「命拾いしたな。」
「貴様!!」
 全てのファンネルが、マシュマーを狙うが、全てを巧みに回避しつつ、確実に破壊していく。
 操縦技術では、明らかにマシュマーが勝っていた。

「旗色が悪いな。」
 マシュマーとプルツーの戦いを見ていたグレミーは、明らかにプルツーの方が、形勢は不利だった。
「グレミー様。緊急の暗号電です。」
 渡されて目を通すなり、グレミーは悔しさを堪えて報告書を握りつぶす。
「ハマーンめ…。マシュマーとの戦いは、奴にとっては、規定事項だったのか…。」
 報告書には、サイド3に向かうキャラの艦隊を補足し、1両日中には、ハマーンと合流するという予測が記されていた。
「信号弾を撃て、現宙域より、離脱する。」
「はっ!」

「やむを得ん…か…!!勝負は預けるぞ!マシュマー!!」
 グレミーの部隊のMS隊が撤収していく。
「艦長。こちらも退くぞ。信号弾を。」
 戦いは始まったばかりなので、マシュマーとしても、できれば無理は避けたかったので、相手が退くのなら、追撃する意志は無かった。

「申し訳ありません。マシュマー様。任務を遂行できずに…。」
 イリアが、深々と頭を下げる。
「構わん。今回は、向こうが退いたことを受けての、私の決断。お前はそれに従っただけだ。キャラの艦隊が近くハマーン様と合流する目処が立ったのだろう。グレミーを討ち取るのは、その後でもいい。楽しみは最後に取っておくものだ。」
「はっ!」
「今は、休んでおけ。戦いはこれからだ。」
「マシュマー様。損傷艦艇の応急修理が、終わりました。」
「よし。サイド3に進路を取れ。我々も、ハマーン様と合流する。」
 グレミーが反旗を翻しての戦いは、こうして終わった。

「今回は、慣らしの様なものだ。向こうは十分に完熟訓練を積んでいた。だが、今回でお前も、クィン・マンサには慣れただろう?」
「もちろんだ。」
「なら、それで良かろう。我々の最大の獲物は、ハマーンだ。獲物は大きいほど良い。それに奴との再戦の場は、今後、いくらでもある。決着はそこでつければよかろう。」
「今度は、今日の様にはいかない!」
 怒りに震えるプルツーを宥めて、部屋に帰させる。

「子供のおもりも大変ですな。グレミー様。」
 研究主任が、入れ替わるように入って来た。
「プルツー以外のクローンは、残りを含めて、さらに強化しろ。判断力が残らないような野獣では困るが、人間性が失われても冷静さが残ればいい。それから、経験も共有させろ。相手の戦力を、過小評価し過ぎたようだ。」
「はっ。では、直ちに。」

「艦長。進路を、ノイエ・ライヒトゥームへ。そこで、艦艇の整備・補修を行う。核パルスエンジンのチェックも、行わせておけよ。」
 グレミーは、艦隊をサイド3とは別の方向に向かわせた。

後書き
所詮は引き分け。
というより、今、損害を増やすと、後の戦局に影響が出ると考えた上での、戦略的撤退。
グレミーの泣き所。兵力不足が、もろに出た結果ですね。
ハマーン陣営に内応工作をしても、渡した手形が空手形では、骨折り損になるだけ。
とりあえず、艦の整備・補修をする場所があるようですから、そこに行くみたいですけど。
グレミーも、少なからず苦労していますね。
切り札の、ニュータイプ部隊も、マシュマーの前に苦戦を余儀なくされましたから。
如何、挽回するのでしょうか。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
前回のコメントで、ケアレスミスに近い誤字をしてしまって、すいませんでした! ZESTです。

反乱後のグレミーvsマシュマーの激闘は、マシュマーに軍配が上がりましたね。
アーガマ隊や、コウ達サイド4組と戦いを繰り広げてきたマシュマーに対し、ダカールでアーガマ隊と一戦交えたプルツーと、コールドスリープ状態であったプルクローンとでは経験と練度の差があるのは当然の結果でしょう。

次に、今話で登場したマシュマーの新型MS、サン・ロチェスはプルツーのクィン・マンサを終始圧倒した凄い機体でした。
ベース機が同じであるローゼン・ズールの、サイコジャマーの様な、NTキラー兵装は無い様ですが、今後の展開次第では実装されそうですね。

そして、遂に明らかとなったグレミー達反乱軍の拠点、ノイエ・ライヒトゥーム。
核パルスエンジンが搭載されている事を示すグレミーの台詞から、万が一の時は、アクシズかソロモン、サイド3にぶつけそうな予感がしますね(汗)。

それでは、次回の更新も楽しみにしております。

追伸
前回のコメントの誤字修正を記載しておきます。

(誤)→「軌道戦士ガンダムUC」
(正)→「機動戦士ガンダムUC」
ZEST
2013/02/17 11:39
ZESTさん。
コメントありがとうございます。

>反乱後のグレミーvsマシュマーの激闘は、
>マシュマーに軍配が上がりましたね。
 戦略的に、グレミーは不利に立たされてい
 ますからね。
 せめて、戦術面での勝利で、戦略的に五分
 にしたかったのでしょうが、ちょっとやそ
 っとじゃ、無理でしたね。
 ハマーンの方が、上手ですな。
 ご指摘の通り、経験と練度の差もあります
 からね。
 しかも、不利な状況のキャラの艦隊を、援
 護しつつ、戦場より離脱するという、ハー
 ドな任務もこなしてますし、経験値の蓄積
 も、その後の任務で明らかに、グレミー軍
 を上回るでしょう。

>今話で登場したマシュマーの新型MS、サン・
>ロチェスはプルツーのクィン・マンサを終
>始圧倒した凄い機体でした。
 基本的には、ハンマ・ハンマをベースに、
 スペックアップをして、汎用性とファンネ
 ルを追加したMSですが、マシュマーが性
 能を見事に引き出しましたね。

>核パルスエンジンが搭載されている事を示
>すグレミーの台詞から、万が一の時は、アク
>シズかソロモン、サイド3にぶつけそうな予
>感がしますね
 否定できないですね。
 万策尽きたら、やるかもしれないですし。
 ハマーンは、対策考えているんですかね?
CIC担当
2013/02/18 00:50
プルツーとクインマンサを持ってしても、マシュマーには届きませんでしたか。

いよいよ、グレミーvsハマーン戦が本格的になりそうな予感がしますが、グレミーに起死回生の手があるのかが、これからの趨勢を決めそうですね。


どんな優れたモビルスーツがあっても、所詮乗りこなすパイロット無しでは、意味がありません。

そして、エース機が強くても軍としての強さは、全体の強さ。
それが、グレミーに分からないとは、思えませんが…

続きを楽しみにしています。
タケゾウ
2013/02/19 12:35
タケゾウさん
コメントありがとうございます。

>プルツーとクインマンサを持ってしても、
>マシュマーには届きませんでしたか。
 実戦経験もそうですが、MSの慣熟度も差
 がありましたからね。
 
>グレミーに起死回生の手があるのかが、こ
>れからの趨勢を決めそうですね。
 兵力で劣る以上、それを埋める何かが、不
 可欠。それがなければ、消耗戦の結果、グ
 レミー軍は、全滅するしかないですから。

>軍としての強さは、全体の強さ。それが、
>グレミーに分からないとは、思えませんが
 一年戦争という、反面教師があるから、学
 んではいるでしょうが、さて、どんなカー
 ドを切ってくるでしょうかね。
CIC担当
2013/02/22 01:53

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