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zoom RSS コードギアス−反撃の騎士− NORTH14 E.U.

<<   作成日時 : 2013/02/14 20:22   >>

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 パリ。
 E.U.。
 正式にはユーロピア共和国連合の首都の参謀本部で、見事なひげを整えた将校が、戦況報告に目を通していた。
「ブリタニアは、ほとんど動かんな。膠着状態か。お陰で、こちらは戦線の再構築はできたがな。」
「しかし、どういうことでしょう。全体的には、我が軍が不利であるにも関わらず、ブリタニアがこれほど消極的になるとは、将官には考えられません。どう思われますか?スマイラス閣下。」
 将校の名は、ジィーン・スマイラス。
 階級は少将。
 E.U.軍に軍籍を置く軍人で、数少ない有能な軍人の一人である。
「聖ガブリエル騎士団の壊滅が、原因だ。何しろ、指揮官まで討ち取られたのだからな。士気も下がっているらしい。しかも、討ち取ったのが、日本最後の首相、枢木ゲンブの忘れ形見。日本では只でさえ激しかった抵抗運動が、さらに激化し、最大の組織を潰しても、コーネリアは苦労していると聞くからな。」
 大尉の階級証を付けた副官に、スマイラスは答える。
「ブリタニアの魔女がですか?」
「そうだ。黒の騎士団という、新たな抵抗組織が大きく関係しているそうだが、独自に開発した高性能のナイトメアを、保有しているそうだ。北欧同盟も、枢木グループが中心となり、最新鋭ナイトメア、ソティラスを開発し、見事な作戦で聖ガブリエル騎士団を壊滅させた。奇妙な共通点だと思わんかね?新設された軍の母体となった師団も、黒の騎士団も新興勢力。それが、世界に影響を与えた。向こうも、いやでも慎重にならざるをえんだろう。」
「成程。」

 スマイラスの予想は、正鵠を得ていた。
 新設された第8軍は、各地から優秀な人材を得て、組織として完成し、士気も練度も高い。
 前線に展開するのは、スザク率いる3個連隊とナイトメア1個大隊、アリス、アラン、アンジェルがそれぞれ率いる1個連隊を加え、6個連隊と1個大隊。
 本営には直属の2個連隊に加えナイトメア1個大隊。
 優秀な指揮官であるアーダルベルトの元で、ユーティライネンが作戦を立案し、それを受けて、前線でスザクが指揮を執り、戦う。
 理想的な状態が整った事で、迂闊には動けなくなっていた。
 さらに、多くの日本人が志願している。
故郷を蹂躙したブリタニアに一矢報いようと、文字通り、死を恐れずに戦う。

 対して、E.U.では様々な理由で、日本人を、ブリタニア同様にイレブンと呼び、隔離して、生活環境は最悪である。
 E.U.の日本人にも、スザクの戦いぶりは伝わっており、自分たちの境遇に不満を覚え、不穏な空気が漂っている。
 それを鎮静化させるために、市民権と引き換えに、日本人を集めた部隊の創設が提案されている。
 しかし、これは政治家たちが、E.U.の国民の血が流れ、国民からの支持が失われることを恐れたからである。
 志願する日本人は、彼らの現状を維持する為の生贄であり、スマイラスは醜悪さに吐き気すら覚えた。
 とはいえ、一軍人であるスマイラスに、政治に口を差し挟む権利は無い。
 せめて、日本人たちを、イレブンではなく、日本人として見ることのできる士官を指揮官にすることが、精一杯であった。
『彼女に任せてみるか…。』
 スマイラスは、心当たりがあったので、すぐに出頭するように命じた。

「レイラ・マルカス少佐。参りました。」
 スマイラスの執務室に出頭したのは、スザクと同じくらいの年齢の少女だった。
 レイラ・マルカス。
 参謀本部に在籍している、少佐の階級を持つ軍人である。
 父は亡命してきた、元ブリタニア貴族であるが、レイラはE.U.で生まれ、E.U.で育った。
 スマイラスは、レイラの父とは友人同士であり、レイラの両親が謎の事故死を遂げてから、一時期、後見人であった。
 それに恩を感じてか、レイラは士官学校に入学、任官後、頭角を現し、最年少の少佐として、参謀本部に配属されている。

「今度、日本人で部隊が編成される事は、聞いているな?」
「はい。」
 答えるレイラの表情は、良いとは言えなかった。
 政治家たちの保身のための、人身御供。
 その事を、よく知っているからである。
 父が元ブリタニアの貴族とはいえ、マルカル家はE.U.の名家であり、縁談も多く舞い込み、それと共に、多くの情報も耳に入る。
 スマイラス同様、良識のある軍人であるレイラは、この部隊の編成をよく思っていなかった。
 何故、平等な市民権を与えないのか?
 日本は、今や、ブリタニアの属国であるが、攻め滅ぼされた結果の属国で、彼らには何の罪もない。
 やるべきことから目をそらしている、政治家たちを、レイラは心から軽蔑していた。
「君を司令官に任命する。作戦立案、部隊の指揮はもちろんだが、日本人たちの待遇をどうするかも、君の自由だ。」
 驚くレイラに、一つのファイルを渡す。
「これは…。」
「現在、開発中のナイトメア。新設される部隊で、運用される。性能は高いが、軍が嫌ってね。仕様も決まっていないから、技術者と協議のうえで、変えてくれて構わん。全て、君に任せる。どうかな?」
 スマイラスは、黙ってレイラを見る。
「司令官就任、拝命いたします。」
 レイラは姿勢を正して、敬礼する。
「すぐに、会議室等はすぐに手配する。参謀や副官も好きに選びたまえ。ああそうだ。忘れていた。司令官就任に伴い、君は中佐に昇進だ。明日、辞令を渡すので、0900に、私の元に出頭してくれ、正式に辞令も渡す。それと、部隊名と部隊章も決めておいてくれ。部隊名を決めるには、条件は付いてしまうがね。書類の作成時にも困るしな。とりあえず、作業は明日からでいいだろう。今日は、帰宅して休むといい。これから、忙しくなるのだからな。」
「はっ!失礼いたします。」

『これで、新設される部隊は、まともな部隊になるだろう。』
 他の指揮官の間には、「イレブンは自殺的行為を好むから、捨て石にして何が悪い。」というような風潮がある事を、スマイラスはよく耳にする。
 対等の人間としてみれる者を司令官にしなければ、部隊を新設したところで、経費と人命を無駄に費やすだけだと、かねがね考えていたので、レイラを司令官に就任させる事が出来て、ほっとしていた。
『後は、彼女の力量次第だが、大丈夫だろう。』
 E.U.建国以来の才媛と言われ、作戦立案能力は高く評価されているのがレイラである。

「E.U.が?」
「はい。日本人のみの部隊を新設するという情報を、入手しました。」
 スザクからの報告を聞いたアーダルベルトは、複雑な表情で考え込む。
 その理由をスザクは、よく理解していた。
 E.U.国民の、日本人に対する見方を、よく知っていたからである。
 おそらく、平気で使い捨てにするだろう。
 2人は、そう見ていた。
「スザク。それと関係するかどうかは知らないが、E.U.が水面下で、我が国との同盟を持ちかけている。その際は、我が軍の派遣を強く求めることを、ほのめかしているらしい。」
『決まりか…。』
 スザクは、E.U.の政治家たちの思惑を、悟ったからである。
 E.U.と北欧同盟に、殊更、外交問題はないが、彼らが蔑む、“イレブン”が中核となる、精強な軍がいるのは事実であり、将来、邪魔になる可能性を考慮して、排除しておく算段だろう。
『無論、政治家たちも気づいている筈。E.U.の政治家たちは、自分たちと価値観が違う人間もいるという事が解るだけの想像力が、あるだろうか?そこが、分かれ目になる。』
 が、スザクは、既に答えを出していた。
 考えるまでも、なかったからである。
「結果は、目に見えています。我々は、軍の練度を上げることに専念いたしましょう。」
「そうだな。向こうには向こうの思惑があるだろうが、こちらにもこちらの事情がある。向こうの注文通りに、しなければならん道理は、ない。」
 話を斬り上げて、アーダルベルトとスザクは、訓練メニューの議論を始めた。

「うん。これで決まりね。」
 屋敷に帰宅した後。
 レイラは、新設される部隊の、部隊名と部隊章を考えていた。
 書斎の机の近くには、ぐしゃぐしゃに丸められた紙が、散乱している。
 悩むこと2時間。
 ようやく、レイラは部隊名と部隊章を決めることができた。
「後は、明日からか。忙しくなるわね…。」
 背もたれに寄りかかって、レイラは、今後の事を考え始める。
『政治家たちが、北欧同盟との連携を模索しているという噂だけど、まず、無理ね…。同盟側としては、魂胆は見え見え。ようするに第8軍を、枢木スザクと日本人たちをいいようにこき使いたいだけだもの…。』
 四大騎士団の一つ。聖ガブリエル騎士団を壊滅させるための作戦を立案し、自らは最前線でナイトメアを駆り、司令官を討ち取った名高い武人として、E.U.の軍人達にも広く知られている。
 なればこそ、自分たちの保身のために、第8軍が壊滅しようとも戦わせ、ブリタニアにE.U.侵攻をあきらめさせる。
 これが、E.U.の政治決定の最高機関、40人委員会の思惑だろうが、最精鋭たる第8軍を、いいように使わせなければならない義務は、同盟にはない。
 同盟が連携を拒否することは、目に見えていた。
 となれば、E.U.のゲットーにいる日本人を使い、切り捨てるだろう。
 スマイラスはそれを洞察して、作戦立案、指揮に関して、レイラに全権を委ねたのである。
 そして、差別感情のないレイラを、司令官に任命した。
「見せてやるわ。連中の差別感情が、どんなに間違っているかをね。」
 そう呟き、レイラはベッドに入った。

後書き
久々に欧州でのお話です。
聖ガブリエル騎士団壊滅の影響は、E.U.戦線にも影響を与えます。
そもそも、1師団、しかも蔑視するイレブンが、大多数を為す部隊など、ブリタニアが重視するはずも無し。
ところが、その師団が主力となりE.U.侵攻の主力たる四大騎士団の一つが、壊滅し、指揮官はスザクによって、討ち取られているわけですから、第8軍についても、主力量産型ナイトメアに関しても、情報収集をして、今後の戦略を練らねばなりません。
担当しているのは、主にシュナイゼルとはいえ、実際に戦うのは戦場の兵士や指揮官達。
北欧同盟とE.U.が同盟を締結して、スザク達と連携すればどうなるか等々考えれば、動けなくなりますからね。
シュナイゼルとて、無謀な戦略を立案する人物ではないでしょうから、今は時間を掛けてじっくりと策を練っているでしょう。
そんな中、E.U.は、スザク達の活躍が原因で、市民権を引き換えに、日本人の部隊を編成することを決定。
所詮は、弾除けですけどね。
ここで、良識的なスマイラスを登場させて、レイラを指揮官にする流れを作ってみました。
レイラに関する設定は、少し、変えています。
E.U.の魂胆が見え見えな、北欧同盟は、同盟には応じないようですから、しばらくはレイラとスザクの共闘はなさそうですね。
レイラの、指揮官としての技量が、試されます。
私の話では、レイラ達は、どう物語に関わるのでしょうね。




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