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zoom RSS コードギアス−反撃の騎士− NORTH13 波紋広がる

<<   作成日時 : 2013/02/08 18:34   >>

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「表向きは、コーネリアが勝利したという事になっているな。厳しい報道管制が敷かれているから、まあ、当たり前だが。」
 演習スケジュールと内容について議論していた、スザクとアーダルベルトの元にも、コーネリアが黒の騎士団に敗れたという情報は届いていた。
「よもや、皇女にして、ブリタニアきっての武人であるコーネリアが属領の抵抗組織に負けたとは、口が裂けても言えないでしょう。」
「そうだな。だが、戦略的目的は達したと、見えなくもない。日本最大の抵抗組織を壊滅させたのは事実だ。」
「戦術面では、そうでしょう。ですが、戦略面では、何一つ得る所がなかったどころか、状況は以前より、さらに悪化しています。抵抗運動の激化が、何よりの証し。それに、一つ気になる事が…。」
 スザクの表情と口調に、気になるところがあったアーダルベルトは、小休止を入れて、従兵にコーヒーを運ばせる。

「元々、コーネリアの目的は、日本解放戦線を壊滅させて、日本の抵抗運動の精神面における背骨をへし折る事だったと考えます。そうすれば、後の抵抗組織は、烏合の衆。態々、コーネリアが赴くこともないでしょう。ですが…。」
「構成員が、合流したことにより、事態は悪化か。さすがに大物クラスは、逃亡も想定して逮捕する用意もしていただろうが、それ以外の構成員まで逮捕しようにも、取りこぼしは出るな。それで、気になる事とは?」
 スザクはコーヒーを一口飲んで、話を続ける。
「この戦いに、黒の騎士団が、何を求めていたかという点です。コーネリアに勝利したという事は、格好の宣伝材料になり、さらに人材を集める呼び水になるでしょう。それこそが、ゼロの目的だと、私は考えます。用いた戦術。これは日本解放戦線にも、被害を少なからず及ぼしています。それが、証しかと…。」
 コーヒーを口に運ぼうとしたアーダルベルトの手が、止まる。
「敢えて、日本解放戦線を壊滅させて、有能な人材を引き抜き、黒の騎士団の強化を図ったという事か?」
「はい…。」
 ティーソーサーにカップを置いたアーダルベルトは、しばし考えたが、スザクの予想が正しいと考えた。
 報告では、独自に開発したと思われる、ナイトメアの存在が確認されている。
 それも、少なくない。
 そこまで、規模が拡大したとなれば、組織を運営する人材も必要になる。
 後方で軍需物資の管理までしているわけには、いかない。
 そう言った方面の専門家を、欲しているだろうし、部隊の再編に伴い新しい指揮官に、訓練を指導する士官も欲しい筈。
 自らも、軍を率いる身であるが故に、アーダルベルトは納得した。
「恐ろしい男だな。とすると、他の抵抗組織も、必要とあれば、同様の手口で崩すと考えるか?」
「全てではないでしょう。ある程度の水準の抵抗組織は、各地の撹乱に使えます。ゼロが求めているのは、あくまで人材。他の組織を崩すことは、その手段であって、目的ではありませんから。」
「いずれにせよ。さらに、注視する必要があるな。専門の部署を設ける必要がある。お互いに多忙の身だ。それに、今回の戦いの結果は、ブリタニアにも多少の波紋を与えるだろう。」
「同感です。」

「被害は、3割以上。まさか、コーネリアがね。」
 シュナイゼルが、思わぬ報告に驚く。
 各地のエリア成立に、多大な貢献をし、各地の戦場を渡り歩いてきた百戦錬磨の武人であるコーネリアが敗れるとは。夢にも思っていなかった。
 日本の抵抗運動の激烈さは、群を抜いているが、コーネリアを総督にすれば、さほど時間が掛らずに、抵抗運動も潰されるだろう。
 そう考えたからこそ、最終的に、コーネリアに日本の、エリア11の総督に着任することを、直接頼んだのである。
「いかがなさいますか?殿下。」
 副官のカノン・マルディーニが対処を聞く。
「そう簡単に、答えは出ないな。北欧同盟軍への対処の事もある。E.U.は聖ラファエル騎士団と、聖ミカエル騎士団で当面は十分だが、クレメンスに頼むかどうか、考えあぐねていてね。情報によると、聖ガブリエル騎士団を破った戦いで中核となった師団は、軍に格上げとなっている。副軍団長は、枢木スザクだ。前と変わらぬ陣容で、規模は拡大し、訓練で練度も上がっている。ナイトメアも高性能だ。戦力だけで見れば、黒の騎士団より、面倒な相手だよ。対処を間違えると、四大騎士団の半数を失う。そうなれば、私の手持ちのカードがなくなる。」
 実をいうと、さらに強いカードがブリタニアにはある。
 しかし、シュナイゼルが、自由に使えるカードではない。
 頭の、痛いところだった。

「此度の勝利おめでとうございます。ゼロ。」
「恐縮です。神楽那様。しかし、戦いはこれからです。黒の騎士団の規模をより大きくし、組織を整え、兵を鍛えなければなりません。コーネリアも、そう何度も不覚を取る相手ではありません。」
「その通りですね。しかし、この勝利は、小さくない一歩。少しずつ前に進むことができれば、また、今後の状況も変わりましょう。」
「仰る通りです。」
『ここからは、どんなに小さな勝利でもいい。積み重ねていくことが大事だ。それを呼び水にして、次の行動に移る。そうなれば、状況は、大きく変わる。』

「ゼロ。ブリタニアは、どう動くと見る?」
 桐原が、ルルーシュに今後の見通しを尋ねる。
「コーネリアは、軍の立て直しを、しなければなりますまい。こちらのリストから漏れた、日本解放戦線の構成員の捕縛も進めていますから、その指揮を執る必要があります。しばらくは、総督府を動きますまい。本国は、北欧同盟への対処をどうするかで、手一杯でしょう。E.U.戦線から兵を抜いて投入するという手もありますが、そこらの兵では、軽くあしらわれて、彼らに勝利の美酒を味あわせるだけ。そのような愚行を、シュナイゼルがするとも思えません。どの軍を投入するか、しばらくは、熟慮する事でしょう。」
「その間に、取り込んだ人材を含めて、訓練をするか。」
「はい。ナリタ連山は、使えませんが、以前からの訓練に使用している地は、監視は無い事を、確認しております。ルートも選んでおりますので、ご安心を。」
 桐原は、異論を唱えなかった。
 コーネリアに敗北を味あわせること自体、今までどの抵抗組織にも、出来なかったのである。

 その日の夜、ルルーシュはアッシュフォード学園のプールにいた。
『さっそく、効果が出てきたな。六家も俺のやる事に、口を差し挟むことはないだろう。後は、情報網。できれば、他国からの情報も欲しいところだな。』
 ルルーシュは、ブリタニア本国の、参謀本部の情報を最も欲していた。
 どのような、世界戦略を描いているかが解れば、その裏をかき、黒の騎士団の名はさらに上がる。
 ただ、リスクは高い。
 諜報員を潜り込ませるのは、容易ではないだろう。
 ハッキングをするにしても、防壁は極めて堅固で破るのは難しい。
 尻尾を掴まれては、全てが終わりだからである。
 
 タブレットを起動させて、ルルーシュが、黒の騎士団の団員の経歴や、得意分野を、チェックしていると、飛び込み台から、学園指定の水着を着たC.C.が飛び込む。
「さしあたり、国内の情報はこの男で十分だ。入団した名誉ブリタニア人から、相応しい者を助手に着けるとするか。問題は、やはり本国の防壁。人知れず破り、情報を吸い出す。時間はかかるが、専属チームを作り、少しずつやらせる。これしかないな。後は場所だが、まあ、手ごろな貴族様を見繕えば、いいか。」
「ふふ。まるで詐欺師か何かだぞ。ルルーシュ。騎士団の団長が呆れるな。」
 楽しげな口調でC.C.がプールから上がってくる。
 決して、グラマーではないが、ほっそりとした肢体のウエストの括れやヒップからは、女としての色香が漂ってくる。
「このエリアの貴族が、どれほど悪辣な真似をして、富をむさぼっている?それを有効利用してやるのだから、構わんだろう。」
 それがどうしたと言いたげな笑みを、ルルーシュは浮かべる。

「で、他にも必要な人材は、揃いそうなのか?」
「ああ。あの片瀬という男。原石だけは、大量に貯め込んでいた。有能とは程遠い男だったが、その点だけは、褒めてやるさ。」
 後方での、軍需物資管理の専門家。
 旧日本軍において、新兵の訓練を担当していた軍人。
 多くの整備兵。
 そして、有能な士官達。
 鬼切も大分ロールアウトしてきたので、まず、ナイトメア戦の経験者に割り当て、機種転換訓練を済ませて、経験のない新兵を育成し、前線に送る。
 黒の騎士団は、組織としてかなり完成しつつあった。
『コーネリア。日本解放戦線が崩壊したからといって、お前と俺との戦いは終わらない。これからが、本当の戦いだ。以前より遥かに苦い思いをさせてやるぞ。』
 ルルーシュは、壮絶な笑みを浮かべた。

「申し訳ありません。兄上。」
「いや、君が無事でよかったよ。コーネリア。犠牲は大きかったが、日本解放戦線は、崩壊した。後は、如何に激しくとも小粒。しばらくは苦労するだろうが、すぐに楽になる。」
 コーネリアは、本国のシュナイゼルと通信をしていた。
「それより、中華連邦からの、鋼髏の密輸の状況は、どうなっているかな?」
 意外なことを聞かれて、コーネリアはしばらく口を開かなかったが、すぐに手元の資料を見る。
「さほど、変化はないようです。例のナイトメア。どうやら、黒の騎士団から各地に流れては、いないようです。陽動を考慮しての捜査でも、その兆候は見受けられません。」
「そうか。サザーランドとも互角以上に戦うというから、危惧していてね。あちこちにばらまかれては、鋼髏が各地に広まるより、何倍も面倒なことになる。とにかく、その点は注意を頼む。」
「解っております。私も早急に軍を建て直し、他の抵抗組織を1日も早く殲滅させます。そうでなければ、弟や妹たちに、顔向けができませぬゆえ…。」
 コーネリアの表情が、僅かに曇る。
「そうだな。ルルーシュ、ナナリー、クロヴィス。皆が、この地で、命を落とした…。クロヴィスは、エリア11の総督になる事を、「自分に残した宿題」と、言っていた。喧嘩ばかりしていたが、心のどこかで通じ合っていたのだろう。安らかに眠れる地であってほしいと思うのは、私も同じだ。だから、無理を承知で、君に総督に就任するよう頼んだ。」
 2人の間に、しばし、沈黙が流れた。

「本国は、騒ぎになっているが、平定すれば、直ぐにやむ。軍については、私が可能な限り便宜を図ろう。必要な物があれば、何でも言ってくれ。それでは。」
 シュナイゼルは、通信を切った。

「黒の騎士団を除けば、雑魚ばかり。コーネリア殿下が、早急に潰してくだされば、さほど問題は無いと考えます。それよりも…。」
「そう。中華連邦だ。例の噂が本当ならば、コーネリアは、二正面作戦を、強いられる可能性がある。事と次第によっては、コーネリアの元に新たに軍を派遣する必要が生じるのは明白だ。カノン、準備にかかってくれ。」
「承知しました。」
 カノンが執務室を出ると、シュナイゼルは外の風景に視線を移す。
『ゼロ。そして、枢木スザク。生じた二つの波紋…。影響が及ぶのを、如何に防ぐか。難しい問題だな…。』

後書き
日本解放戦線は壊滅した物の、黒の騎士団との戦いは完全に敗北どころか大敗。
ルルーシュは、コーネリア軍を破るという果実と、有能な人材という原石を得ることができました。
戦略的な目的は、かなり達成しています。
黒の騎士団の成果に、さすがに六家も評価するしかないですし、神楽那の信頼も深まりましたから、何かと融通が利きますし、様々な分野での人材が揃ったので、ルルーシュは戦略を構想することに、集中することができます。
一方、ブリタニアとしては、これ以上ないアクシデント。
軍事力で支配している国にとって、敗北は壁に穿たれた蟻の一穴。
これが原因で、体制が崩れかねませんので、早急に対処が必要です。
さらに、聖ガブリエル騎士団を撃滅させた、スザクが、欧州にいます。
ブリタニアにとって、不都合な影響を及ぼす、二つの波紋。
ルルーシュがいる極東、スザクがいる欧州。
それぞれに大国がありますから、シュナイゼルとしては、頭の痛いところでしょう。

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