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zoom RSS 緋弾のアリア−Another DA− Bullet 09 香港に立ち込める硝煙(後編)

<<   作成日時 : 2013/01/15 23:37   >>

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『当たり前だが、結局は、ボスをとっ捕まえないと、駄目なんだよな。あと、そいつが頼りにする腕利きも、叩きのめす必要がある。雑魚掃除はその後でも、問題ない。とにかく、全土に根を張りつくす前に、引き抜かなきゃならんが、どこにいるのやら。』
 現在のところ、刑務処が買収された形跡は認められない。
 それが、救いだった。
「けど、警務処の連中も、とどのつまりは人間。気を付けないとな。」
 特別行政区とは言え、香港は中国の一部である。
 中国共産党の影響力が、強まる可能性は否定できない。
 しかも、近年、地方での汚職はひどくなる一方である。
 その手の類が、市長になったら、目も当てられない。
 近い未来でないにしろ、リスクが現実になる前に、片づける必要がある。
「釣るか…。」
 ルークは敢えて、虎口に飛び込む決断をした。

「奴は今、どこにいる?」
「ホテルを出て、新海離島区、ラマ島に向かっています。」
『罠か…。とはいえ、奴が向かっているのは、香港でも、最も人口密度が少ない場所。支隊を始末するのも、やりやすい…。』
 シュェンヂェンは罠だとすぐに理解するが、ルークを殺すにはうってつけの場所だった。
「仕掛ける。行け。」
 部下に言ってから、シュェンヂェンは飾ってある甲冑を身に着け始めた。
 小札と呼ばれる、金属製の板を組み合わせて作られた鎧で、素材はチタン鋼を使用しており、見た目より軽量だが、頑丈で、さらに鎧の下には防弾・防刃素材を使用した下地を着ており、防御力は非常に高い。
 兜をかぶり、マントを羽織ってから、立てかけてある、チタン鋼製の三つ又に分かれた槍を手にする。

『来る。前とは違うな。向こうも相当の手錬を集めてきたか。』
 気配の鋭さが、以前とは段違いなことから、向こうも本腰を入れてきたと、ルークは確信し、VSPとMSPのセーフティーを外す。
 そして、戦いが始まった。

 断続的に重い発射音が、響く。
「サブマシンガンか。」
 黒い防弾・防刃兼用スーツに身を固めた者たちが撃つのは、小型サブマシンガン、MAC M10。
 1960年代、ゴードン・B・イングラムによって開発され、後継銃M11が現在でも軍の特殊部隊で使用されている、シンプルで頑丈な作りと発射速度が速いことが特徴である、傑作サブマシンガンである。
 発射速度の速さから、命中度が悪く、マガジンを撃ち尽くすのも早い事から、“カートシャワー”というあだ名がつけられているが、短時間に弾幕を張るのには最適なサブマシンガンである。
 9mmパラベラム弾と45口径弾を使用するものの2種類あるが、刺客たちが使っているのは、後者だった。
 それを左右に持ち、撃ちまくっている。
 が、命中率が異常に高く、ルークは驚いていた。
『45口径のM10だと。左右に持って、この命中率かよ!俺も人のこと言えないけどな。』
 カートシャワーという二つ名を持つM10サブマシンガンは、発射速度は速いが命中率が悪い。
 だが、相手は制動を完全に抑え込んで、命中させるには,相応の訓練が必要である。
『相応どころかじゃねえな。かなりの訓練。しかも特殊部隊クラスだぞ。』
 心の中でグチりながらも、次々と、仕留めていった。

「強いな。話には聞いていたが…。」
 MSPで、部下を津次と仕留めていく様を見ながら、シュェンヂェンの目の色が変わる。
『俺が、直接仕留めるしかないか。』
 槍を手に、移動する

 蘆鬚城海水浴場。
 ラマ島のビーチの一つで、ルークは刺客たちと戦っていた。
 MSPにはピカティニーレールが装備されているので、様々なオプションが追加できる。
 今回は、最近発表された、拳銃用の銃剣を装備していた。
「そらっ。」
 防刃処理をされているが、それでも鋼鉄の塊。
 鈍器として使用できる。
 換装したマガジンが空になる頃には、全ての刺客を片付けていた。

「やはり、駄目だったか。処理しろ。」
 仔豚の姿焼きを食べながら、リーファは命令を出す。
『手は打って置くもの。このようにな。』
 薄笑いを浮かべながら、サクサクとした食感を楽しむ。

 蘆鬚城海水浴場から、1800m離れたビルに人影がある。
「幾ら奴でも、こいつの直撃は防げねえ。」
 南アフリカ ダネル社製 アンチマテリアルライフル NTW。
 20mm弾と、ロシア製の14.5mm弾を使用するタイプの内、後者で、ルークを狙うスナイパーが7人いた。
 後部にショックアブソバーまで装備されているが、その威力は絶大だった。
「じゃあ、早い者勝ちだ、上半身を吹っ飛ばしてやるぜ。」

「残念だが、それはないな。」
 ハイエンドクラスのノートパソコンで、イスラエル製無人偵察機 RQ−2 パイオニアで既に動きを掴んでいたチームがいた。
 香港武偵局から、増援として、日本の各武偵校に依頼が回り、それを受けて、香港についさっき来日した、アビー達である。
 康永は、パイオニアのセンサを換装した物を運用して、自分たちからのポイントからNTWを構えているスナイパーの位置、距離等の狙撃に必要なデータを収集する。

「距離800m、2時の方向。」
 マルチナは、SG550 sniperUをラプアマグナム仕様にして、目標をスコープに捉える。
 アビーも狙撃の腕前は水準以上なので、アランをスポットマンにして、父が所属する、SEALSで使用されている、セミオートマチックスナイパーライフル ナイツ社製SR−25のバレルを最も長い物に交換して、狙いを定める。
「いくわよ、アビー。」
「OK。今回は、あいつとは独立した依頼で偶々出くわしただけだから、文句を言われる筋合いは無い物ね。」
「そういう事。」
 マルチナが、素早く、2人のNTWを破壊する。
「気負うなよ。戦闘不能にすればいい。」
「大丈夫。これの使い方は、パパに散々仕込まれてきてるわ。」
 トリガーを引いて、狙撃手1人を、戦闘不能にする。

「後か!!何時の間に!!」
 全員ランクAのスナイパーだが、突然の奇襲で、7人中3人がやられたので、浮き足立つ。
「こらこら。慌てちゃ駄目よ。アビー、撃ちまくって足止めて。」
「OK。」
 アビーは、セミオートのメリットを最大限に活かして、相手に狙撃のチャンスを与えず、その隙に、マルチナが全員を仕留める。
「狙撃でBランクってとこかしら。」
「ありがとう。結構、努力してるのよ。マルチナは、Sランクに挑むんですって?」
「ええ。私のスナイピングなら、Sランクにいけるわ。そうすれば、あいつも文句言わないしね。康永はもう、確実にS行くでしょ。こっちに来る前に、短時間で情報収集をして、今回のお膳立てをしたんだから。」
 今まで、ランクが理由で同じミッションに加わるのを拒否されていたので、それぞれSランクを目指していた。

「何だ。あいつ?」
 パイオニアからの情報を基に、康永がノートでデータを収集する。
『ふん!そう言うからくりか。あいつが下についてると解った時点で、完全に繋がったな。』
 ルークは、康永より早く、今回の黒幕の正体を見抜いた。

「歴史は繰り返すか。まさか、楊玄感(ヤンシュェンガン)の子孫と出くわすとはな。しかも、完全武装にゴツイ三つ又の槍か…。」
 楊玄感。
 隋朝の重臣楊素の子だが、第二次高句麗征伐時に反乱を起こした、名門貴族である。
 結局、反乱は失敗し、追いつめられ自害している。

「ほう…。俺を知っているか。ひょっとして、それも予想して、腰に剣なんぞぶら下げていたのか?」
「いや。もしかしたら、こういった事が得意な奴と出会う事も、考えていただけさ。結果的には良かったがね。
 そう言って、銃を捨てると、ルークは剣を抜く。
「業物だな。しかも相当の…。」
「北欧神話に伝わる、竜殺しの剣グラム。そこらのなまくらどころか、最先端の科学技術で作られた武器でも、傷一つつかんよ。これを折りたいのなら、神話クラスの件が必要だろうな。」
 ルークは、剣を構える。
「隙のない見事な構え。久方ぶりに、よい戦いが出来る。だが、この槍も侮るなよ。チタン鋼で作らせた、特別製。そう簡単に折れはせん。ゆくぞ!!」
「来い!」
 グラムの斬撃をシュェンヂェンの槍が、受け止める。
 互いに距離を取り今度は、シュェンヂェンが槍で斬りかかる。
 それを受け流し、ルークは胴を薙ぐ。
 甲冑が切り裂かれ下の皮膚も斬り裂かれて、傷口から、血が流れる。

「ふっふふふふ。はあっはっはっはっ!!面白いぞ、僅かな時間で、これほどまで俺の血を沸騰させる男がいたとはな。たいていは一撃で俺の槍で、脳みそをぶちまけていたが、お前は違う。その剣技。どこまでも俺を滾らせる。存分に楽しませてもらおう。どちらかが倒れるまでな!!」
「どうやら、戦いを求めて、今の主についているだけか。主が知っているかどうかは解らんが、それでもお前ほどの男はそうはいないだろうな。いいだろう。全力でお前を倒す!!そうしないと、俺の仕事は終わらないからな!!」
 目の前にいる相手の手強さを全身で感じながら、それでも、ルークの精神は高揚していた。
 おそらく、武偵襲撃事件からの一連の事件の黒幕は、この男の向こう側にいる。
 確信していながらも、ルークは今の戦いに、血が滾り、快楽すら覚えていた。

後書き
銃撃戦もいいのですが、私は英雄豪傑同士の戦いという物が、大好きです。
剣や槍、互いの武術に磨きをかけて、真正面から戦う。
男のロマンですね。
相手は、現代の金属工学の産物、チタン鋼製の豪槍なら、ルークは太陽剣グラム。
互いの力と技がぶつかり合う戦いの決着は、どのようにつくでしょうか。


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