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zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第32話  サイド4の激闘(後編)

<<   作成日時 : 2013/01/04 22:38   >>

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「敵MS隊、来ます!続いて、艦砲射撃!」
「MS隊緊急発進!こちらも、攻撃を開始しろ!」
『完全に先手を取られたか…。』
 各所に仕掛けられた罠で、ネオジオン艦隊は少なからずダメージを受けており、既に4隻が撃沈もしくは戦闘不能になっていた。
 各艦から、ドライセン、バウ、ガ・ゾウムといった、MSが出撃していく。

「隊長。来ましたぜ。」
「まずは、歓迎させてもらおう。」
 兵装コンソールを操作して、28連装多弾頭ミサイルポッドがコンテナから射出される。
 一斉に発射されたミサイルから、さらにマイクロミサイルが発射され、出撃してきたネオジオンのMSが次々と撃破されていく。
 それでも、果敢に挑んでくるが、ベイト達が駆るテーラディアスに次々と堕とされ、さらにキースが指揮するMS隊が戦闘に加わり、たちまち、戦況は不利になる。
「さすがに、カスタムタイプ。量産機とは違うな。」
3機のバウのビームライフルの射撃を、サジテールの高い運動性能で、軽々と躱し、お返しとばかりに、ビームキャノンで返り討ちにする。
 その間にも、ジェンシャンを駆るコウは、ベイト達と共に、ネオジオンのMSを次々と屠っていく。
「おっと。こっちも負けてられないな。MS隊。隊長の援護だ。ジム・アルシェ隊は、ビームスマートガンの射程と威力を最大に活かせ。ジム・シュヴァリエ隊は、格の違いを座存分に見せてやれ。」
「「了解!」」

「前衛MS部隊、ほぼ壊滅。突破されました。異常な突破力を持つMSいえMAがいます。」
「連邦が、MAだと?映像は出るか?」
「見やすいとは言えませんが、よろしいでしょうか?」
「構わん。シルエットが解れば、それで良い。」
 スクリーンには荒い画像だが、ジェンシャンとテーラディアスが映っていた。
『あのシルエット、どこかで…。』
 ハマーンは記憶のページをめくる。
「エギーユ・デラーズの一件の際に運用された、ガンダム。まさか、その時に関わった技術者が、サイド4にいたというのか…。」
 旧ジオン公国の残党の一つ、エギーユ・デラーズが率いるデラーズフリートが実行した、「星の屑」作戦を止めようとした連邦軍の中に、似たような機体。ガンダム試作3号機「デンドロビウム」が加わっていたことを、ハマーンは覚えていた。
「通常艦艇で整備可能なように、再設計したか。それでも脅威だな。機体も、そしてあのような機体を己が一部のように駆るパイロットも…。成程…。」
『であれば、話は早い…。』
 ハマーンは、極めてシンプルな命令を下した。
「全軍。あの機体に攻撃を集中せよ!あれが要。それさえ取り除けば、後は烏合の衆。一気に叩けるぞ!」

 ハマーンが自分を標的にし始めたのを、攻撃が激しさを増したことでコウは感じていた。
「腕はさほどじゃねえが、うじゃうじゃいやがるぜ。ゴキブリじゃあるめえし。」
「とっとと落ちやがれ!この野郎!!」
「2人とも落ち着け!焦ったら、敵の思うつぼだ。」
 倒しても、倒しても、自分たちに向かってくるネオジオンのMS隊に、ベイトとモンシアはいら立ちを隠せなかった。
「なら、母艦を叩く!」
 ウラキは、有線クローのメガ粒子砲とビームサーベルで、巧みにネオジオン艦隊の艦艇を撃沈し、拡散メガ粒子砲で弾幕を張り、MS隊を確実に屠っていく。
 さらに左右から、MS隊が駆け付ける。
「隊長を援護。ジム・アルシェ隊は援護に専念。ジム・シュヴァリエ隊は援護を受けつつ、確実に敵を叩け!」
 自身もビームスマートガンで、ネオジオンのMSを撃破しつつ、キースは指示を出し、ウラキ達を中心とする、突撃隊形を整える。
「それなら、存分にやらせてもらうか。」
 対艦ミサイルポッドを射出し、発射されたミサイルがネオジオンの艦艇にダメージを与えると、ハイパー・メガ・ビームランチャーで止めを刺す。
「ふん。指揮官としても、一人前になったな。キース。」
「いつまでも、ヒヨッコじゃありませんよ。」
「そりゃそうだ。」
 モンシアが、キースとの通信で嬉しそうな顔をする。
「そんじゃあ、百戦錬磨の戦い方ってのを、見せてやるとするか。行くぜ、2人とも。」
「おう。」
「了解!」
 モンシア達は、巧みな連係プレイでネオジオンのMS隊に、確実にダメージを与え、ウラキの負担は大分軽くなる。
 その間に、キースが手配していたコンテナが到着し、ミサイルポッドが再装填される。
「よし、このまま、敵の防衛線を食い破る。第二陣は万が一に備えているんだ。突撃!」
 ジェンシャンとテーラディアス隊を先頭に、サイド4駐留部隊のMS隊は次々とネオジオン艦隊の戦線を突き崩していく。

「何というザマだ!」
 次々と、ウラキを先頭とする、サイド4駐留部隊のMS隊に叩きのめされる自軍の姿に、ハマーンは憤慨する。
『これだけ戦力を集中させても、墜ちぬのか…。』
 既に損害は多大で、戦線は半分以上突き崩されている。
 このままでは、サダラーンにも危機が迫る事は明白だった。

「アマーリエ、ついて来い。MSハンガーに連絡。私たちが出る。このままでは、部隊が間違いなく崩壊する。」
 ニュータイプではないとはいえ、コウを倒すにはもはや自ら出向くしかないという結論を出した。
 MSハンガーには、2機のMSがあった。
 1機は、青と銀のカラーリングのスマートなMS。
 もう1機は、キュベレイの発展型だと一目でわかる、スマートで曲線を多用した流麗なMSだった。
「アマーリエ。敵は手強いぞ。心して掛れ。」
「はっ。」
 2人はMSに乗り込み、起動させてカタパルトに向かう。
「アマーリエ・エールラー、テミス、行きます。」
 アマーリエのMSが、発進する。
 AMX−107 テミス
 アマーリエの専用機として開発された、NT専用MSである。
 スペックだけで見れば、専用機としてはさほど優れていないように見えるが、各部に多くの姿勢制御スラスターを搭載し、高い運動性能を誇る。
 武装も、いたってシンプルで、NT専用だという事を差し引いても、扱いやすく優れたMSである。
 そして、ハマーンが搭乗したMSが、カタパルトに固定される。
「ヴィルジン・ヴァイス、出る。」
 AMX−005 ヴィルジン・ヴァイス。
 キュベレイに替わる、ハマーン専用の高性能NT専用MSとして、開発された。
 重武装ではあるが、奇妙な物は搭載されておらず、手堅くまとめられており、機体の軽量化、大推力スラスター、各部に設けられた多くの姿勢制御スラスターで、高い機動性と運動性能を実現している。

「あれは…。」
 ウラキはモニターを、最大望遠にして、テミスとヴィルジン・ヴァイスを見る。
「見慣れねえな。けど、ヤバそうな感じだな。」
「俺達で、相手するしかねえだろうな。白いのは、多分、ハマーンだ。隊長。悪いが、そっちの相手を頼みます。もう1機は、俺達3人で片づけますんで。」
 モンシアとベイトが、熟練兵だけが持つ直感で、今まで戦った事のない強敵だと感じ、ウラキにハマーンの相手を頼み、自分たちは、アマーリエのテミスの相手をすることを決めた。
「了解。気を付けて。」
「隊長も、死なないでくださいよ。」
 アデルがそう言って、ベイト達は、テミスに向かう。

「さてと。キース、コンテナの武器を全部使った後、ジェンシャンを切り離す。後方に送ってくれ。」
「解った。気をつけろよ。相手はあのハマーンだからな。」
 コンソールを操作しながら、ウラキはキースにジェンシャンの回収を頼む。
「さて、始まりの花火だ。」
 フォールディングバズーカとビームライフルをコンテナから取り出すと、ミサイルが搭載された全てのコンテナを放出して、フルバーニアンをジェンシャンからパージする。

「くっ!」
 凄まじい数のミサイルを撃破し、回避しながら、上からのフルバーニアンの攻撃をシールドで防ぎ、シールドに内蔵されているメガ粒子砲と、背部のメガビームキャノンを撃つ。
「さすがに、そう簡単にやられてくれないか。当然だな。」
 フルバーニアンの高い運動性能で軽々と躱すと、ビームライフルを撃ち返す。
「成程。MSの性能も高いが、こちらが嫌なところを狙ってくる。さすがに、私に煮え湯を飲ませただけのことはあるな。ならば、こちらも本気で相手をさせてもらおう。」
 腰部後方のファンネルコンテナから、12基のファンネルが射出され、ビームをフルバーニアンに集中させる。
 しかし、フルバーニアンのシールドは全ての攻撃を防ぎ切り、その隙に、ウラキは3基のファンネルを撃ち落としていた、
「シールドにIフィールドだと?範囲は狭いとはいえ、厄介な!」
 今回の戦闘では、Iフィールドをシールドの表面に発生させることが可能な、試作型のシールドを装備して出撃している。
 シールド自体も、対ビームコーティングを入念に施し、材質も厚く、防御力は高かった。
残った9基のファンネルで、フルバーニアンを狙うが、ウラキはフルバーニアンを駆り、悉く回避しながら、撃ち落としていく。
「くっ!アナハイムめ。こんな化け物じみたMSを、よくも作ってくれたものだな。」
 5基に減ったファンネルを散開させて、各方向から同時に攻撃を加える。
 回避しながら、ビームライフルで撃ち落としつつ、ウラキはある武装を使用する。
 バックパックから、有線式のサイコミュのような兵器が展開され、コウの射撃と共に、残りのファンネルを全て撃ち落とす。
「何!?」
 予想外の兵器に、ハマーンは驚愕する。
「残り3発か。なら。」
 ウラキはコンソールを操作してから、ヴィルジン・ヴァイスにビームライフルを発射する。
 シールドで防ごうとしたが、発射されたビームの出力は高く、シールドは僅かな時間しか、防ぐことができなかった。
「くっ!」
 シールドをパージして、ハマーンはできる限り遠ざかる。
『エネルギーパックの残りを、1発のビームに纏めて撃ちだすだと?それに先程の武装。間違いなく、一般兵用のサイコミュ兵器。だが、我が軍の物より、明らかに性能が高い。サイド4にはアナハイムの秘密エリアがあると噂があったが、かなりの技術者を、抱えているという事か。それに、このMSの化け物じみた推力。機動性、運動性。この点では、ヴィルジン・ヴァイスをも上回っている。サイコミュが搭載されていなければ、どうなっていたか…。だが…。』
 再び、ハマーンはファンネルを射出する。
「所詮は、紛い物のサイコミュ。いつまで、使えるかな?」
 ビームライフルとメガビームキャノンを撃ちながら、猛攻を仕掛ける。

 ウラキはフルバーニアンを上昇させながら、攻撃を回避するが、ハマーンが追撃してくる。
 上昇中ではあるが、自分の体のように馴染んでいる機体なので、全ての攻撃を回避することが可能だった。
「いつまでも逃げられると思うな!!」
 ハマーンは、ヴィルジン・ヴァイスのスラスターの推力を、最大に引き上げる。
『追いつけん!!』
 軽量化を図り、180000kg以上の大推力スラスターを装備しているヴィルジン・ヴァイスだが、一向に追いつけなかった。

「反撃開始だ!」
 急降下しながら、有線サイコミュマルチデバイスとビームライフル、フォールディングバズーカの散弾でファンネルを撃ち落としながら、腰部後方に装備されているユニット4基が射出されて、ヴィルジン・ヴァイスを狙う。
「何だと!?」
 ハマーンは回避運動を取るが、意表を突かれ、攻撃が装甲をわずかに掠った。
『ファンネルだというのか!?いや、相手はまちがいなくニュータイプではない。では、何故?…そうか!ラカンのドーベンウルフに搭載されていた、レーザー通信式の隠し腕と同じ原理か。だが、向こうの方が性能で大きく上回る。先程の有線式に、このレーザー通信式、これらが、この機体の最大の武器か…。』
 ハマーンは、全てを悟った。
「星の矢」作戦後に、フルバーニアンは制御系と推進系等の改修を、行った。
 その際に、制御系は大改修で一新され、準サイコミュ兵器と言ってもいい兵器の運用が、可能になっていた。
その改修コストは、ネモ4機分を費やした程である。
 有線サイコミュマルチデバイスは、ケーブルにエネルギー供給ラインを内蔵し、ドーベンウルフやガンダムMk.Xより、遥かに長時間の運用が可能となり、レーザー通信で制御するビットも、制御系の優秀さから、NT専用MSのファンネルには及ばないが、高い性能を与えられた。
 その他、Iフィールド発生装置内蔵シールドや、エネルギーパックの残量を1発に纏めて発射できるビームライフルを搭載し、追加装甲で防御力を向上させ、機動性、運動性、加速性能の低下を防ぐために、制御スラスターを増やし、スラスターの総推進力も引き上げられている。
 RX−87Fb/FA ガンダムフルバーニアンMk.U ロベリア
 サイコミュ関連技術、材質工学、ミノフスキー物理学等、最先端の技術を導入して、改修されたフルバーニアンである。
「さあ。勝負はこれからだぞ。ハマーン!」
「この私に、勝てると思うか!?」
 ヴィルジン・ヴァイスの左手にビームサーベルを持ち、ハマーンはロベリアを迎え撃つ。

「そらそら、どうした?」
 モンシアが、クレイバズーカUでテミスの逃げ道を塞ぎ、ベイトがビームマシンガンを撃つ。
「くっ、この!」
「残念だがね。」
 アデルがビームバズーカで、ファンネルを射出する時間を与えない。
 ベイト達の息の合ったコンビネーションの前に、アマーリエは苦戦を強いられていた。
『この3機。戦い慣れている。』
 パイロットとしては十分に水準以上だが、一年戦争の時から、戦い抜いてきたベイト達に比べて、経験で及ばない。
 また、サイコミュ兵器について、アナハイムの技術陣から説明を受けて、3人でどう戦うかについて議論を重ね、シミュレーターで戦術を練り上げてきている。
 まず、ファンネルを如何に封じるかについては、サイコミュを通じて指示を出す暇を与えないように、連携攻撃で相手を攻め立てる。
 これにより、相手の動揺を誘い、ファンネルから意識を逸らさせる事が有効という、結論を出していた。
『一か八か…。』
 アマーリエは慎重に、タイミングを見定めようとする。
 ベイトのテーラディアスがビームバズーカを発射した際、モンシアとアデルの動きに僅かな隙が生じた。
「ファンネル!」
 シールドでビームバズーカを防ぎながら、テミスのファンネルコンテナから、ファンネルが射出される。
「へっ!飛んで火にいる。」
「何とやらだ!」
 モンシアとアデルはテーラディアスのビームバズーカに装備された、ショットガンを発射する。

「しまった!」
 連携でファンネルを射出するタイミングを封じるだけが、作戦だと考えていたアマーリエは、初めて相見える、テーラディアスのビームバズーカについていたショットガンに、全く関心を示していなかった。
 射出されたファンネルは、そのまま散弾の雨の中に自ら飛び込む形になり、全て破壊される。
「隙ができた時の対策ぐらい、とっくの昔に考えてたんだよ。マヌケが!」
 コックピットの中で、ベイトがニヤリと笑みを浮かべた。
「腕はいいが、経験不足だな。今回は、それがもろに出たわけだ。」
 アデルが、ビームバズーカのエネルギーパックを交換する。
「さ〜て!ぼちぼち、終わらせようや。」
 モンシアが、喧嘩の前のように指を鳴らして、ビームサーベルを抜く。
「行くぜ!」
 モンシアのテーラディアスが、ビームサーベルを手に、テミスに突っ込み、ベイトとアデルが援護をする。

「はあっ!!」
「おのれっ!!」
 互いに、ファンネルとレーザー通信ビットは既に破壊され、MSでの白兵戦に移行し、時折、撃ち合いになっていた。
 しかし、白兵戦において、ハマーンのヴィルジン・ヴァイスは、不利な戦いを強いられていた。
 原因はビームサーベルの出力である。
 ヴィルジン・ヴァイスのビームサーベルの出力は、0.9MWと高出力と言っていいが、ロベリアのそれの出力は1.5MW。
 ヴィルジン・ヴァイスの6割以上の出力である。
 まともに戦えば、パワーの差で押し切られることは確実である。
 故に、まともに戦えば、押し切られて装甲を切り裂かれることは、明白な事実であり、それを意識しながら戦う事を、ハマーンは強いられていた。
「ならば!!」
 距離を離しつつ、ロベリアの右側面に回り込み、ビームライフルとメガビームキャノンで撃破しようとするが、ロベリアの防御面での奥の手が出た。
 有線サイコミュマルチデバイスに命中した途端に、ビームが拡散し無効化されたのである。
 ビームとは、物質を磁場で収束させ、加速して撃ちだす平気だが、マルチデバイスには、収束させる磁場を無効化させる特殊な磁場を、発生させる装置が搭載されている。
 シールドに装備されたIフィールド発生装置と並ぶ、ロベリアの守備兵装である。

「次から、次へと!!」
「ニナに感謝かな。もっとも、何度も使える手じゃないけどね。」
 毒づいたハマーンは仕切りなおすために距離を取り、ウラキはビームライフルで追撃する。
 その時、サイコミュデバイスがエネルギーチャージで収容されたために、そこにハマーンは活路を見出した。
 ビームサーベルを持たない右腕を切断し、アウトレンジで仕留めようとしたのである。
「甘い!」
 装備されていないはずの右腕の機構の一部が作動し、ビームサーベルの刃が形成され、ビームサーベルを受け止めて、左腕のサーベルで、ヴィルジン・ヴァイスの左腕を肩口から切断する。
「まだ、あったのか!!」
 多様な装備を持つロベリアに、ハマーンは心底うんざりする。

 高出力ジェネレータを持つロベリアは、各種準サイコミュ兵器を搭載しても、まだ余裕があり、幾つかの試作装備が使用可能だった。
 その一環として、腕部に手持ち式でなく、腕部の機構を展開することによって使用するビームサーベルが装備されている。
 出力はロベリアの通常のビームサーベルと同じであり、強力な隠し武器でもあった。

『強い…!ガトーと同等。いや、間違いなくガトー以上。テクニックだけじゃなく、ニュータイプとしての能力も、そうとう使いこなしていると見るべきかな…。以前戦った、ニュータイプなら倒す自信はあるが、ハマーン相手となると、肉を相当に斬らせないと無理か…。』
 互いに、距離を取っている間。
 コウは、急いでミネラルドリンクを飲んで、水分と各種栄養素を補給し、呼吸を整える。

『ニュータイプでないとはいえ、これほどとは…。この怪物のようなMSを、自在に操る技量…。腐った連邦に、まだ、これほどの男がいたのか…。』
 ハマーンも、ウラキの技量に驚愕していた。
 最大の敵は、エゥーゴと考えていた為に、連邦の事は、ほとんど意識の外にあったのである。
 いずれにしろ、コウを倒さねば、サイド4は陥落しない。
 ハマーンはこの状況を打開する策を、模索していた。

「この!調子に、乗るな!!」
 アマーリエは、モンシアのテーラディアスと白兵戦をしながら、ベイトとアデルにビームライフルを撃ち続けていた。
 しかし、徐々に追いつめられていくのが、解る。
 技量もさることながら、蓄積された経験の差が開きすぎている為、戦闘に柔軟性に欠ける。
 モンシア達は、すでにアマーリエの戦い方を、凡そパターンとして捉え、対処することができるようになっていた。
「次は、そこだろう!?」
 ベイトのテーラディアスから、ある物が射出され、テミスは射撃不能になり、動くこともできなくなった。
 動きを読んだベイトが、トリモチランチャーを発射して、隕石テミスの右腕を貼り付け、重しにしたのである。
「しまった!!」
 何とか引きはがそうとするが、はがせるはずもなく、モンシアはテーラディアスのビームサーベルで、頭からテミスを両断する。
「ふう。結構、手こずったな。後は隊長だが…。」
 モンシアは、メインカメラの倍率を最大にする。
 モニターには、死闘を繰り広げる、ハマーンのヴィルジン・ヴァイスとウラキのロベリアの死闘が続いていた。
 ヴィルジン・ヴァイスの左腕を失ったハマーンは、ビームライフルを放棄。
 メガビームキャノンを、射撃兵装としていた。
 まともにビームサーベルの鍔ぜり合いになれば、押し切られるのが解っているので、ハマーンは一撃離脱の戦い方に、できうる限りのバリエーションを加えて、ウラキと互角の戦いをしていた。
 ウラキは、ハマーンのニュータイプ能力と高い操縦スキルの前に、完全に攻めきれないでいた。
『アマーリエが、やられたか…。』
 有能な副官であると同時に、優秀なニュータイプでありMSパイロットであったアマーリエの損失は、ハマーンにとっても、かなりの痛手であった。

 激闘は、未だに終止符が打たれていなかった。

後書き
久方ぶりの更新ですね。
ついに、ウラキとハマーンの直接対決です。
極限まで改修を施され、機体性能で勝るフルバーニアン。
ハマーン専用の高性能NT専用MS。
ハマーンがNT専用MSの性能で落とそうとすれば、フルバーニアンは搭載された様々な新兵装を使いこなして、ハマーンを苦しめます。
アマーリエはベイト、モンシア、アデルの3人の巧妙な連係プレイの前に、敗れ去りました。
艦隊同士の戦いでは、ネオジオン側が明らかに不利。
それでも、続く、ウラキとハマーンの死闘。
戦いの行方は、どうなるでしょうか?
ちなみに、新たなフルバーニアン、ロベリアの武装には、後に登場するガンダムの兵装と関係ある物がありますが、お分かりになるでしょうか?











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まさかビームマグナムのプロトタイプが出てくるとは(/´△`\)
回を重ねる事に驚かせるう同時に楽しませて頂いてますヽ(*´▽)ノ♪
ウニ
2013/01/05 01:28
新年2回目のコメントになります、ZESTです。
ニナの魔改造で、強化されたフルバーニアンMk-U。
この小説において、NT専用機と互角に渡り合えるチート機体になってしまいましたね(汗)。

「機動戦士ガンダムUC」のユニコーンガンダムの主武装である、ビーム・マグナムとビーム・トンファーに、Iフィールド発生装置内蔵シールドの試作型に加え、有線サイコミュマルチデバイスという、対ニュータイプ用兵器を搭載したガンダムを駆るコウに、果たしてハマーンはどう立ち向かのか。

「Zガンダム〜ネオジオン戦役〜」の、今後の展開が益々楽しみです。
ZEST
2013/01/06 15:51
ウニさん。
コメントありがとうございます。

>まさかビームマグナムのプロトタイプが出
>てくるとは(/´△`\) 回を重ねる事に驚か
>せるう同時に楽しませて頂いてますヽ(*´
>▽)ノ♪
 ビームマグナム自体が、あまりにチートす
 ぎる武装だったので、どこかでデータ収集
 しているはずだと考えて、登場させました。
 ユニコーンガンダム自体も、プロトタイプ
 として、シナンジュがありますからね。
CIC担当
2013/01/06 17:03
ZESTさん。
コメントありがとうございます。

>ニナの魔改造で、強化されたフルバーニアン
>Mk-U。
>この小説において、NT専用機と互角に渡り合
>えるチート機体になってしまいましたね
 後に登場する新兵器のデータ収集機のよう
 にもなっていますが、ハマーンに散々煮え
 湯を飲ましたコウの機体ですから、限界ま
 でチューンしないとやっぱりまずいなあ。
 と、考えたわけでして。
 ちなみにモデルはEx−Sガンダムだった
 りします。

>対ニュータイプ用兵器を搭載したガンダム
>を駆るコウに、果たしてハマーンはどう立ち
>向かのか。
 もはや、精も根も尽き果てる覚悟で、戦う
 事になると考えます。
 どのような形で、勝負がつくにせよ。
 双方共に、ただでは済まないでしょう。
CIC担当
2013/01/06 19:49
今年初のコメントをさせて貰います。

新型機のハマーンを五分以上に押し切っているコウの強さに驚愕しています。
ニナ&コウのタッグでの戦いとも言えそうですね。

モンシアさん達の働きも、危なげなくベテランの余裕に歓喜しています。!(^^)!

ただ、グレミーの動きが見えないなのが、気にかかります。
ハマーンが居ない本丸には、錦の御旗が有ります。
彼が、この機会を見逃すでしょか?
自分に最大限に利用するはずですよね?

今年も続きを楽しみにしています。

タケゾウ
2013/01/07 12:40
タケゾウさん。
コメントありがとうございます。

>新型機のハマーンを五分以上に押し切って
>いるコウの強さに驚愕しています。 
 ニュータイプも、スーパーマンじゃありま
 せんからね。
 コウのように、実戦経験を取り込み、機体
 のスペックを知った上で、柔軟な発想を実
 行に移す実力を持ち、修羅場をくぐってき
 たパイロットなら、ニュータイプとも戦え
 ると思いますよ。

>ニナ&コウのタッグでの戦いとも言えそう
>ですね。
 確かにそうですね。
 改修費を惜しまず、愛する夫の為に、知恵
 を絞って改修したMS。
 操縦には、高いスキルが必要になりますが、
 あのデンドロビウムを、自在に操ったコウ
 なら大丈夫と、信じているんでしょう。
 信頼と、愛する夫に生きて帰って欲しいと
 いう想いがこもったMS。
 それ自体が、お守りみたいな物なのでしょ
 う。

>モンシアさん達の働きも、危なげなくベテ
>ランの余裕に歓喜しています。!(^^)!
 性格は問題ありますけど、多くの実戦を経
 験してきた彼らの腕は、熟練の域。
 その能力を活かせる上司の下で、水を得た
 魚の如く戦えるモンシア達の前では、アマ
 ーリエでは、力も経験も不足していました
 ね。

>グレミーの動きが見えないなのが、気にか
>かります。
 水面下で、いろいろ画策していますから、
 いつかは動くでしょう。
 今は、動く時を何時かを計っていると言っ
 たところでしょうか。

>今年も続きを楽しみにしています。
 ありがとうございます。
 いよいよ佳境に入って来た、ネオジオンと
 の戦い。
 楽しんでもらえますよう、頑張りますので、
 お楽しみいただければ、幸いです。
CIC担当
2013/01/07 20:02

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