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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第08話 ハンドホールド・イン・アフリカ Phase1

<<   作成日時 : 2012/12/12 23:52   >>

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「華僑?ドバイでは、見なかったよ。」
 南アフリカについて、主要な港の一つダーバンで、注文されたフランス製の対空ミサイルMICAを注文相手に引き渡している途中、所要で南アフリカに来ていたキャスパーから、ドバイで華僑に会わなかったか、尋ねられていた。
「ふ〜ん。そうか…。来てなかったか。だが、南アフリカでは確実に出くわす。只の華僑じゃないよ。表向きは、香港の貿易商だけどね。」
「裏の顔は、私たちの邪魔者か…。兄さんが言うなら、結構面倒そうな相手だね。」
 それぞれ、ビジネスをする地域が違うので、偶にしか会わないが、それでも兄妹。
 キャスパーの言いたいことは、ココは大体理解できる。
「大星海公司。その貿易商には、注意することだ。じゃ、僕は次の商談があるから。」
 そう言って、キャスパーは、護衛として同行していたチェキータを連れて、自分のコンテナ船に戻った。

「これから、ポートエリザベスでしたね?」
「そうだよ。去年から、会う約束をしていたんだ。じゃ、皆行くよ。」
 2台のレンタカーに分乗して、ココ達は、南アフリカ共和国東ケープ州ポートエリザベス地区行きの飛行機に乗るために、ダーバン国際空港に向かう。

「今回会う相手はね。日本人で、天田南博士。通称ドクターマイアミ。どういうわけだか、作った物が全部兵器に転用される、ロボット技術のスペシャリスト。そして、物凄い蝶マニア。」
「何か、変わった人みたいですね。」
 ココの話から、どんな人物かを想像して、ソフィは感想を口にする。
「実際、変わった人ですから。会ったら驚きますよ。」
 助手席に乗っているバルメが、くすくす笑いながら言う。
『その人と、何で会う必要があるのやら…。』
 接点が見いだせずに、ソフィは考え続けていた。

 ポートエリザベス国際空港に、ある男がいた。
 ドバイで、ココを逮捕しようとしていたCIAの工作員、スケアクロウである。
「ダーバンで、MICAミサイルを取引?悪党が。おまけに、追加要求にも応じたのかよ。しかも、手渡しのダイヤモンドで支払いかよ。ケケケケ。ありがとうよ。アフマッド。ヘクマティアルのいる場所を探す手配は整ってるから、後はこっちがやる。奴が、ダーバンにいつまでもいるはずがねえ。どっかに移動するだろうからな。そこで、デッドエンドだ。んじゃ、そろそろ切るぜ。今、大星海公司の重役を、吐かせるところだからな。匂うんだよ。銃の油にまみれた、金の匂いが。」
 話している途中、さっきまでいた部屋から、杖を突いた壮年の男と、秘書らしい女が出てくるのを見て、すぐに電話を切り、部屋に向かうと、監視役として雇った、PMCオペレーターが、血塗れになって叩きのめされていた。
「はあ?カンフー女にボコられた?でかい図体で、あんな女に負けるなんて、お前、PMC失格じゃねえか!!」
 スケアクロウの嘆きの声が響き渡る。

「既に、部隊はホテルに。」
「心して掛れよ。」
「はっ…。」
 その眼は、明らかにビジネスマンと秘書の目ではなかった。

 ポートエリザベスに到着した翌日、武器展示会DIESA(ディーサ)の会場前で、ココとソフィは、天田博士を待っていた。
 待ち合わせまでまだ時間があるが、ココは、どうも相手が来ないような気が、していた。
「遅いな〜。南の奴。時間守る気あんの?」
 さすがに、ココは少し、イラつき始めていた。
「念の為に、お聞きしますが、天田博士という方は、約束は守る方ですか。」
「う〜ん、微妙。」
 ソフィに抱き着いて考えながら、ココは結論を出す。
「すっぽかされた方に、10ドル賭けます。」
 おそらく来ないだろうと、ソフィは結論を出していた。

 少しすると、乗用車が来て、ツーピースを着た黒人の女性が、ココの元に走り寄ってくる。
「マリーンさん。お久しぶり。元気だった?けど、マリーンさんが来たという事は…。」
 ソフィが賭けに勝ったことを意味することを、ココは悟った。
「すみません。すみません。すみません。」
 マリーンが、何度も頭を下げる。
『蝶探しだな…。あいつ…。』
 ココは、心の中で溜息をつく。

「中国のビジネスマン?」
「はい。多分、60近い方だと思うんですが、その方と、お食事を共にする機会が、多いんです。私が聞いても、ドクターもモコエナも教えてくれなくて…。」
 ココの話を聞きながら、ソフィは展示されている武器を見ていた。
『南アフリカや、東欧・ロシアのメーカーは新商品をPRして、マーケットを広げようとしているけど、西側は、もっぱらアップグレードパッケージか。最近は、新しく戦闘機や攻撃ヘリを買うより、改修して性能を向上させて長く使う方が、多いからね。』
 だが、歩兵の携帯兵器や夜間照準器、スコープ等は、新商品が展示されていた。
『レールシステムが多いな。西側は、M4みたいなカービンタイプが思ったより多い。全体的に、ポリマーフレームを使ったアサルトライフルや拳銃が目立つね。』
 生産コストを抑えるために、最近のアサルトライフルや拳銃は、ポリマーフレームをできる限り使うのが、主流だった。
 携帯式の対空及び対戦車ミサイルは、最新型が多く出品され、さらに進化していることが解る。
 説明を聞いた後、ソフィは何冊かパンフレットをもらう。
 欧州のみならず、ロシア語やアジア圏の言語にも堪能なソフィは、複数カ国の軍需メーカーのパンフレットを読むことに、何の問題もなく、ミサイルの進化と操作方法は常にチェックするために、仕事の合間を縫って、兵器展示会には足を運ぶ。

「蝶を探しに行った場所の、GPSの座標です。私のメールアドレスに送信されていました。」
 座標が書かれたメモを渡して、マリーンは帰る。

「どう?気に入ったのあった?なんか買ってもいいよ。いつも、自費で購入は結構大変でしょう?」
 話が終わると、ココはパンフレットを読んでいるソフィに抱きつく。
「特に、これといったのはないですね。僕の場合、主に技術の進み具合の確認の為に、足を運ぶのがほとんどですから。それにしても…。」
 顔を上げて、西側の軍需メーカーのブースを見る。
「やっぱり、今はアップグレードパッケージが、西側のトレンドですね。戦闘機、攻撃ヘリ。戦車。最近のは、パッケージで性能が大分向上しますからね。何より、新品を買うより、安上がりですし。」
「そうだね。アサルトライフルも、カービンタイプの取り回しがよくて、ポリマーを多く使って、オプションが多く装着できるように作られてるのが、メジャーか。拳銃もポリマーフレームが普通になってる。」
 AKシリーズも、専用のレールシステムが展示されていて、いくつかのオプションを装着したモデルが、展示されていた。
 拳銃も金属を使用した厳つい感じのものは、かなりの大口径の物以外は、ほとんど見受けられなかった。
「コストを安くできますし、軽量で使い勝手も良くなりますから。特に、屋内戦闘が多い、対テロ特殊部隊に売り込めれば、軍と警察双方に納品できますから、儲けも大きい。少々、有効射程が短くなるのは、考え物ですけど、アサルトライフルでの戦いにしても2、300m迄が、普通ですから、問題ありませんしね。」
 2人が最近の兵器の傾向について意見交換していると、杖を突く音がしてその方向から、スケアクロウが尋問していた壮年の男が、ココの元へ歩いてくる。

「初めまして。ミスココ・ヘクマティアル。私は香港の貿易会社、大星海公司の専務をしております、陳と申します。そちらは、弟さんですかな。」
「そのようなところです。ご挨拶が遅れましたね。初めまして、ミスター陳。HCLI社のココ・ヘクマティアルです。」
『貿易会社の専務ね…。その割に、しみ込んだ血の匂いでむせ返りそうだけど。成程、警戒を促されるわけだ。』
 会釈をしながら、ソフィは陳の本質を見抜いていた。
「よろしければ、今夜、お食事でもいかがですかな?この通り足が不自由で、立ち話はつらい物でして。」
「私でよろしければ、喜んで。」
「では、今夜、お待ちしております。」
 場所を告げて、陳が会場を去る。

「血の匂いでむせ返りそうでしたよ。ただの貿易会社の専務じゃないですね。戦場で血を浴びた人間です。それも相当な期間に渡って…。」
「兄さんが注意するわけだ。これ、レームに渡して。完全装備で向かって、南を保護するように伝えて。」
「解りました。すぐに、支度を始めます。」
 メモを受け取って、2人は会場を後にする。
 夕方、ココはウゴを伴って、街の高級中華料理店に向かった。

「分乗とかできなかったのかよ!キツイったらねえぜ。」
 完全武装で8人ともなると、今乗っている車ではさすがに無理があった。
 目的の場所は、雪に覆われた山なので、銃には白のビニールテープでカモフラージュを施し、装備も雪山での行動に合わせたものになっている。
 今回、ソフィはF2000ではなく、長銃身、100発の弾丸が装填可能なドラムマガジンを使用した、分隊支援仕様のXM8を用意していた。
 XM8は工具無しで、モジュール化されたバレルやストックを交換して、様々な用途の銃にセッティングが可能である。
 それを活かすために、通常バレルや、マガジン。
 他にも、幾つかの物を用意している
 レームも、何時も使用している、コルト M727ではなく、レミントン社製の狙撃銃M700のバリエーションの一つ、M24 SWSを用意している。
 狙撃により、正確な援護をするのが目的である。
「全員、顔は覚えたな?目的は、彼女。ドクターマイアミの、保護。もし、妨害する連中がいたら…。」
 レームの顔が、獲物を見つけて舌なめずりをする猛獣のような表情になり、続ける。
「それの、撃滅…。」

 一方、雪に覆われた山を、一組の男女が歩いていた。
 ボブカットにして眼鏡をかけ、煙草をふかしながら歩く若い女性。
 そして、護衛なのか、イスラエル軍の最新鋭制式ライフル、IMI タボールを構え、完全武装で女性の後ろを歩く、大柄の男がいる。
「ドクターマイアミ、本当によかったんですか?ミスヘクマティアルとの約束、すっぽかして。」
「いいの、いいの。ココとは、また会えるけど、幻の蝶とは、いつ会えるか解んないでしょ?天秤に掛ければ、どちらに傾くか、議論の余地もないよ。私にとっては。」
『少しは、一般常識という物を身に着けてくださいよ。ドクター。マリーンさんがその度に、頭を下げているんですよ。』
 科学者としては、超一流だが、人間としては、一般常識をほとんど持ち合わせていない、彼女を見て、男は溜息をつく。
 若い女性は、ドクターマイアミこと、天田南博士。
 男は、秘書のモコエナ。
 ココが、会うはずの人物だった。
 異常ともいえるほどの、蝶マニアで、幻の蝶の情報が入ったという理由で、ココとの約束をすっぽかし、何度も約束を守らせようとすると、その度に、子供の様に泣きじゃくる。
 その度に、モコエナは溜息をついていた。
「そもそも、この雪山で蝶がいるとは思えませんが…。」
「ここはね。でも、GPSの地点は蝶のパラダイス。幻の蝶とも会えるよ。さあ、行こう!」
 はしゃぐ、上司を見て、再びモコエナは、溜息をつく。

「さて、とっとと、ドクター探して帰ろうぜ。」
「この季節に、こんな寒いとこ来るとは、思わなかったぜ。ルツじゃねえけど、早く帰りたいもんだ。」
 南アフリカまで来て、雪の積もった山に登るとは思っていなかったので、トージョが愚痴る。
『気配は今のところ…。』
 周囲に気を配っていると、前方に何か感じた気がして、ソフィは、夜間用双眼鏡ATN社製ナイト・レイブン2で確認する。
 そこには、人影が写っていた。
『いた…。』
「ん?誰かいたか。」
「ええ。斥候ですね。」
 アールに聞かれて、ソフィが答える。

「ロウ中尉。」
 ついさっき、ソフィが見つけた兵士が、ポートエリザベス国際空港で陳の傍らにいた若い女、カレン・ロウの元に報告に行く。
「敵との距離は?」
「200m。装備はアサルトライフル。スナイパーライフル。それに分隊支援火器。」
「思いのほか重装備だな。待ち伏せて叩く。行け。」
 命令すると、10人の兵士が、IMI ガリルを手に待ち伏せるべく走っていく。
『ココ・ヘクマティアル。ここが、貴様の私兵の墓場となる…。』

「距離的に言えば、2〜300m程度離れた場所に、待ち伏せていると思われます。状況は不利ですね。風上にいる我々は、向こうの音を拾えません。それに、ここは待ち伏せには絶好の地形が、数多く存在します。」
「へえ。山岳戦の経験、多いのかい?」
「山ほどね。」
「つうと。何か、手はあんのか?」
 マオとの会話で、ソフィが山岳地帯での戦闘経験が豊富であることを知ったルツが、今の状況の打開策を聞く。
「風上にいればこそ、使える手がありますよ。」
 スリープ・システム・キャリアから、H&K M320グレネードランチャーを取り出し、装着してから、グレネードを装填する。
「おいおい。雪山でそれは、ヤバいだろ?」
 グレネードの爆発力で、時折雪崩が起きる可能性もある事を知っているレームは、それを指摘する。
「見ての、お楽しみですよ…。発射したら、散ってください…。」
『あのあたりか…。』
 蓄積した経験を活かして、待ち伏せしていると思われる方向に、グレネードを発射する。

「くそっ!目が。」
 グレネードは爆発せずに、ガスが風下に向けて広がった。
 ただのガスではなく、催涙ガス。
 隠れていた兵士たちは、目を抑え、中には耐えきれずに、身を乗り出すものも少なからずいる。
「落ち着け。ガスが拡散するまでの、辛抱だ!」
『出てきた…。』
 ソフィはその様を、双眼鏡で捉えていた。
 次の瞬間、待ち伏せていたポイントの目と鼻の先に、ソフィのXM8からの射撃が降りそそぐ。
「やむを得ん。全員、ゴーグルを着用。応戦しろ!」
 カレンの部隊が、攻撃を開始する

「なるほど。催涙ガスか。あれは堪らねえな。よし、軍隊アリ共を叩くぞ。」
 M24のボルトアクションを済ませながら、ソフィの機転を褒める。
 全員が、伏せ撃ちの態勢で、射撃を開始する。
 ソフィは、分隊支援火器にしたXM8で弾幕を張り、相手の反撃の芽を確実に摘み取る。

「ぐおっ!」
「ぐはっ!」
 弾幕で射撃を止めた兵を、レームが狙撃して2人を始末する。
「やむを得んな…。お前たちは、奴らをひきつけろ。私が始末する。」
 カレンは、左右のホルスターに収めている、シグザウアー製のコルトガバメントのクローンである、GSRのアクセサリーレールに、銃剣を装着する。

 それを見たバルメの脳裏に、嘗ての記憶が蘇る。
 屈辱と悔しさに満ちた、記憶。
 自分の無力さを思い知らされた、記憶。
 眼帯で隠された右目が、熱くなるのを感じる。
 無意識の内に立ち上がり、ホルスターに収めているグロック17と、ファイティングナイフを抜いて、カレンの部隊に向けて、突撃する。
「何考えていやがる、あのバカ!全員、バルメを掩護しろ!」
 バルメを仕留めようとするカレンの私兵に対して、ソフィが牽制射撃をして、他のメンバーも続く。

「お前たちは、そのままでいい。奴の相手は私がする。いいな。お前たちで、どうこうできる、相手ではないぞ。」
 カレンは、肌で感じるバルメの殺気から、今までにない手錬であることを感じていた。

後書き
南アでの、大星海公司との戦いですが、私なりにあちこち変えています。
兵器展示会については、私の主観が結構入っていますね。
ヘリや戦闘機、戦車に至るまで、旧型兵器を近代化させる提案というのは、軍需産業から各国にさかんに行われていますし、昔は珍しかったポリマーフレームの銃も、すっかりメジャーになりましたしね。
最近では、アメリカ以外の国の兵器の売り込みが、結構盛んな印象を受けます。
フィンランドなんかは、自衛隊で導入してもいいんじゃないかなという物もありますし、南アフリカや、東欧諸国も、西側の規格に合わせたアサルトライフルをマーケットに売り出していますからね。
むしろ、アメリカより動きは精力的な印象を受けます。
中国も、技術の進歩を背景にして、戦車や各種装甲車両等と広い範囲で、セールスを展開しています。
日本は輸出こそしませんが、新しい装備品をできうる限り短期間で、効率よく配備して、国防力を強化する動きが全くありません。
ここまで危機管理意識がないと、もはや犯罪レベルですね。
カレン部隊の燻り出しに関しては、装備でゴーグルがないなら、催涙弾が有効そうだ。
よし、相手を風下において、先に隠れさせ、燻り出しての戦闘にしようと、構想ができました。


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