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zoom RSS コードギアス−反撃の騎士− NORTH03 剣の選定

<<   作成日時 : 2012/11/29 23:55   >>

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「ヘルシンキも久しぶりだな。スザク。」
「そうですね。閣下。」
 アーダルベルトとスザクは、参謀本部の会議に出席すべくヘルシンキに来ていた。
 本来ならば、前線指揮官である2人が来る理由はないが、今回は、ソティラスについての議論もあるので、運用している部隊から代表として、出席している。
 第5特殊師団からの代表は、師団長のアーダルベルトだけの予定だったが、より成功率を高めるために、マンネルヘイムの要望で、スザクも警備要員と共に同行している。

「ここもある意味、戦場だな。調べてみれば、メーカーとつながりがある人間が参謀本部に、ゴロゴロいた。さて、どう、ソティラスを退けようとするのかな?」
 コーヒーを一口飲みながら、アーダルベルトはスザクの考えを聞く。
「おそらくは、生産ライン変更による、前線へのナイトメア供給をとだえさせない為。そんな所でしょう。理には適っていますが…。」
 ホテルにチェックインを済ませた後、アーダルベルトの部屋で二人は会議での対策を話し合っていた。
「なるほど、理には適っているな…。」
「しかし、タリスマンでは、これ以上ブリタニアのナイトメアに対抗するのは、無理でしょう。グロースターのように、ナイトメアとの格闘戦を視野に入れたナイトメアを投入してきた以上、発展型もいずれ投入されるのは、目に見えています。今の内に、ソティラスを制式化して数を揃え、さらなる発展型を、こちらも開発する必要があります。さらに言えば、他の戦線の劣勢のしわ寄せが、わが師団に来始めています。許容限界を超えれば、戦線が崩壊するのは目に見えています。この点は、使いようがあるかと。」
 スザクが言った事は。「お前たちのせいで、自分たちが余計な苦労を背負い込む状況になり始めている。」と、暗に批判していることになる。
 これは、各戦線の参謀たちにとって、愉快ではないが認めねばならない事実である。
「そうだな。そこを突かれれば、言い訳はできなくなる。が、もう一つ、止めが欲しいところだな。」
「それについては、既に手配を済ませています。そろそろ、新陳代謝が必要な時期かと…。」
 スザクの言葉に、アーダルベルトは黙って頷く。

「それでは、参謀会議を開催する。尚、今回は、次期主力ナイトメアの選定も行われるので、候補機を運用する第5特殊師団から、アルブレヒト師団長と枢木副師団長も出席してもらっている。では、まず、各方面の戦況についてだが…。」
 大会議室のモニターに戦線の状況が、表示される。
 全体的に、ナイトメアのノウハウを多く蓄積しており、国力も勝るブリタニアが優勢だが、北欧同盟も国力からすれば、善戦している。
「やはり、各部の戦線の戦力の増強が必要ですな。」
「うむ。まずは、最低でも五分の状態に持ち込む必要がある。」
「しかし、新型のグロースターが投入されてから、戦況は悪くなる一方だ。」
「ナイトメアとの格闘戦を、本格的に視野に入れた機体だ。自明の理と言えば自明の理だが、手をこまねいているわけにはいかんな。」
 各戦線の参謀たちの話題が、グロースターに集中し始めている。
 サザーランドであれば、戦術次第で対抗できたが、グロースター相手となると、ナイトメアとの格闘戦を視野に入れた設計のために、運動性が高められ、タリスマンの火力を活かせず、次々と撃破され、味方の士気が衰えるとともに、戦線が崩されるケースは決して少なくなかった。
 その中で、唯一互角以上に戦っているのが、アーダルベルト率いる第5特殊師団で、中核をなすのがスザク率いる第1連隊であった。

「その点で言えば、第5特殊師団の戦果は見事としか言いようがない。数度に渡って、我が国に対するブリタニア侵攻軍の主力たる、聖ガブリエル騎士団を、敗退させているのですからな。」
 話題は自然に、第5特殊師団に移る。
「確か、貴官の師団は独自のナイトメアを開発し、運用しているのでしたな?」
「現在のわが軍のナイトメアの設計及び運用思想を見直し、新しい可能性を見出すのも任務の内ですので、運用するナイトメアも現在の制式機タリスマンとは、コンセプトが違います。」
 アーダルベルトの言葉に、他の部隊の参謀たちが、注目する。
「一体、どのようなコンセプトですかな。少将。」
「グロースターと同じです。即ち、ナイトメアとの戦いを前提としたナイトメアです。タリスマンも運用しておりますが、武装の一部を取り外して軽量化し、機動力を増して、補助戦力として、運用しております。」
 アーダルベルトは、ソティラスの設計コンセプトと、タリスマンの運用について説明を始める。
『そろそろ、始まる…。』
 スザクは、ここまで一言もしゃべらずにいる。まだその時ではないからである。
「つまり、我が国で主流となっている、ナイトメアを戦車の延長上にある兵器とは見ずに、まったく独立した兵器と考えております。わが師団で運用しているタリスマンも、機動力を活かした遊撃戦力として、運用しております。もっとも、元々、火力を重視した設計ですので、自走砲のようになっておりますが、それは、現在、主力機として使用しているナイトメア、ソティラスでも可能です。結論から言えば、数さえそろえば、わが部隊はタリスマンは必要ありません。ソティラスこそが、必要なナイトメアであります。」
『さて、どうでるか…。』
 スザクはさりげなく、出席している参謀たちを観察する。

「それは、わが軍の制式機もソティラスに変えるべきだと、解釈してもよいのですかな?少将。」
『食いついたか…。』
 スザクは、その時が近づくのを感じた。
「はい。これからのナイトメアは、ナイトメアとの戦いを前提とした物でなければ、我が国は、ブリタニアに攻め落とされましょう。グロースターが戦線に投入されている以上、その後継機の開発に向けての研究がなされているのは、もはや自明の理だからです。幸い、ソティラスは、グロースターとも互角の戦いが可能です。こちらも、ソティラスを戦線に投入し、後継機の開発を進めるべきです。」
『さて、どう出る…?』
 スザクはどういった反論が出るかに、注目していた。

「小官は賛同しかねます。一戦線で戦果を挙げているからと言って、他の戦線でもそうとは言い切れますまい。」
「同意見です。タリスマンとて、遊びで開発していた訳ではありませんぞ。基本性能では、サザーランドと同クラス。改修次第で、対抗のしようがある。」
『なら、なぜしてこなかった…。』
 タリスマンのスペックが、サザーランドと同クラスであることは、事実である。
 ならば、何故、いままで、対ナイトメア戦向けの改修をしなかったのか、理解に苦しむ。
 そうすれば、生産ラインの一部変更で、戦況も今とは違っていたことは疑いないと、スザクは考えた。
「今しばらく、タリスマンがどこまでブリタニアのナイトメア部隊に対抗できるのか、見定める必要がある。次期制式機の選定はそれからでも、よかろう。」
「異議なし。」
「賛成です。」
「小官も同意します。」

「枢木大佐。貴官は第5師団の要たる第1連隊を率いて、聖ガブリエル騎士団を撃破してきたな。何も言っていないのはなぜかな?遠慮する必要はない。思う所を言ってみたまえ。」
 マンネルヘイムが、スザクに発言を促す。
「では、各戦線の参謀の方々にお尋ねします。現在の戦況の結果、何が起きているかご存知でしょうか?」
 思いもよらぬスザクの問いに、参謀たちはどう答えればいいのか、解らなくなった。
 スザクは全ての参謀を見渡すと、大きなため息をつく。
「総参謀長閣下。私が言いたいことは少々ありますが、最初でこれでは、発言しても無益なだけです。議論は、他の方々にお任せしたく思います。お気持ちを無にしてしまい、申し訳ございません。」
 マンネルヘイムに深々と頭を下げると、スザクは席に着こうとする。
「待ちたまえ、大佐。私は、遠慮する必要はない。と、言った。王様の耳はロバの耳と言ったところで、咎めるつもりはない。君の意見を言いたまえ。」
 スザクはしばらくマンネルヘイムの目を見て、次に改めて、各戦線の参謀たちを見渡し、手元の端末を操作して、この所の第5特殊師団の戦闘と、その数日前の戦いについての資料をスクリーンに表示する。
「小官が申したい事の一つは、これです。参謀の方々なら、ご理解できると思いますが?」
 参謀たちの幾人かの顔が、歪む。
 このところの、第5特殊師団の戦いは、他の戦線が聖ガブリエル騎士団の部隊の一部に押された結果、戦線を支えきれなくなったことである。
 その度に、押し戻し、現在の戦況を保っている。
 スザクが表示した資料の意味は、それであった。
 無論、参謀たちには、それが十分理解できた。
「単刀直入に申し上げます。この状況が続き、さらに規模が拡大すれば、わが師団だけでは対処不能になります。連戦が続き、将兵は疲れ果て、ナイトメアの整備も万全でならない状況で戦い続ければどうなるか、小官程度が申す必要もないと考えますが、他の方々の意見はいかがでしょうか?さらに、他の戦線で不利な状況に陥っている原因は、ナイトメア戦を視野に知れたグロースターが戦線に投入されたことである事は、既に討議の中でも明らかになっており、共通の認識と言ってよいでしょう。このままでは、わが軍の防衛線は、ブリタニア軍という、凄まじい洪水に破壊される堤防のようになるのは、自明の理。このまま、タリスマンを制式機としたままで、戦況を打開する案をお持ちの方がいれば、ご教授願いたく存じます。」
 スザクは今度こそ、席に着いた。
『中々の役者ぶりだな。軍人にしておくのは惜しい。』
 アーダルベルトは、心の中で賞賛していた。
 マンネルヘイムから、発言するよう言われてから、スザクが一芝居打っていることは既に気づいていた。
 正論で説き伏せようとしても、あれやこれやと屁理屈を並べ立てることをスザクは理解しており、あえて搦め手でいったのである。
 現に、その効果はてきめんで、先程まであれほど異論を唱えていた参謀たちが、何も言えなくなっていた。
 それこそが、スザクの言う事の正しさの証明であった。

「他に何かあるかね?大佐。遠慮はいらんよ。」
「では、お言葉に甘えまして…。」
 スザクは、パチンと指を鳴らした。
 すると、会議場に憲兵が入ってきて、参謀の大部分に銃を向けた。
「私が言いたいことをもう一つ、申し上げます。少佐。彼らの罪状を。」
 スザクが、憲兵隊のカヤンデル少佐に、ここに来た理由を言うよう促す。
「ここにいる参謀の中で、憲兵が銃を向けた者たちを、拘束します。罪状は、我が国の現制式機タリスマンに関係する、各メーカーからの贈賄の現行犯であります。」
 逮捕の対象となった参謀たちは、観念して、肩を落とした。
「総参謀長閣下、該当する者は、他の高級士官にも少なからずいます。そちらも、既に憲兵隊が拘束しております。」
「閣下。これが、私がもう一つ言いたいことです。己の欲の為に、前線に高性能な装備を配備を妨害する者が、軍上層部にいては、最前線にいる我々は、戦いに専念できません。濁った血は、速やかに瀉血し、新鮮な血液と入れ替える必要があると考えます。」
 マンネルハイムは、しばらく考え、スザクを見た。
「貴官の言うとおりだな。カヤンデル少佐、彼らを連行しろ。」
「はっ!」
 手錠をかけられた参謀たちは、カヤンデルによって連行されていった。

「さて、再開するか。と、言っても、ほとんどいなくなってしまったがな。」
 残っている僅かな参謀たちは、保守的な考え方なので反対していたわけであって、メーカーからの賄賂は受け取っていなかった。
「枢木大佐からの戦況説明を、鑑みますと、制式機の変更はやむを得ないでしょう。我が国もナイトメアの運用を、根本的に見直す時期に来た。認めざるをえますまい。」
「小官も賛成いたします。」
 残った保守的な考えの参謀たちも、スザクの主張の正しさを認めないわけにはいかなかった。
「では、次期制式ナイトメアはソティラスで、決定とする。」

「しかし、見事な芝居だったな。こんな時代でなければ、役者をやってもよかったんじゃないのか?」
ホテルに帰る途中、会議の時のことについて、アーダルベルトはスザクと、話していた。
「あの程度では、大根役者ですよ。老人ホームでの、ボランティアならいいかもしれませんがね。」
 スザクは、苦笑しながら答える。
「それにしても、少々、荒っぽく幕を下ろしたな。」
「ああいった輩は、ブリタニアに内部分裂のきっかけに、されかねません。早めに、対処すべきだと考えていました。そういう事です。」
 それを聞いて、スザクが予測しているであろう、ブリタニアの戦略を、アーダルベルトは理解した。
「調略を仕掛けてくるか。宰相のシュナイゼルならやりかねんな。その前の予防措置か。
「はい。」
『情勢を見る目が確かなのは、亡き枢木首相の血かな。』
 スザクの父、枢木ゲンブはブリタニアに対抗することは不可能だと理解していたので、戦争を回避すべく最後まで努力を続けたが、結局、政府と軍部の主戦派を抑えきれなかった。
 そして、戦後はゲンブが予想していた通りになり、軍の残党が抵抗勢力として、各部で抵抗しているのが、エリア11と呼ばれている、嘗ての日本の姿である。
「さあ、これから忙しくなるぞ。育成マニュアルにソティラスの生産ラインの構築。やることは、山のようにあるからな。」
「そうですね。」
 参謀本部を出て、前線に帰る支度をすべく公用車でホテルに向かう。

後書き
今回は、戦闘は無しで、主力ナイトメア選定に関する話になります。
兵器の導入の際、メーカーが何らかの妨害を加えようとするのは、世の常。
実際、アメリカ軍に主力アサルトライフルを納入していたコルト社は、現場からの反発があったとはいえ、拡張性があり、手堅い設計だった、ドイツのH&K XM8の導入を阻止しようと、ロビー活動を展開しました。
今回の話では軍人を介した、関連メーカーの妨害という形にしています。
日本でも、自衛隊の装備品の導入に関して、汚職事件が起きています。
ここまで来ると、宿命と言えるのかもしれませんな。
ただ、それでは、戦いに専念できないので、スザクは色々と知恵を練り、裏で手をまわしたわけです。
これで、ナイトメアに関しては、ブリタニアと同クラスまで引き上げることができる体制が整えられます。
後は、戦場の采配次第。
さて、どうなるでしょうか?


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