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zoom RSS 緋弾のアリア−Another DA− Bullet03 掃討作戦

<<   作成日時 : 2012/11/06 21:26   >>

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『向こうは、既に臨戦態勢か…。』
 空港のあちこちに、それとなくいる人間が麻薬組織の偵察要員だということを、ルークはすでに見抜いていた。
『ハードな戦いに、なりそうだな…。』
 今回集められる武偵は、Aクラス以上であることは間違いないが、彼らの生還確率は高いとは言えない。
 少なくともルークは、そう考えていた。
『さて、どういくか…。』
 タクシーで用意されたホテルに向かう中で、今回のターゲットについての情報を、頭に浮かべて対応策を練っていた。

「よく、来てくれた。心より歓迎する。危険な任務になるが、よろしく頼む。」
 中佐の階級証を付けた、コロンビア陸軍の士官がホテルの一室に武偵たちを集めて、挨拶と、感謝の意を述べた。
 今回集まった武偵は、総数15人。
 Sランク武偵は、ルークを入れて3人である。
 さらに、陸軍特殊部隊が3個中隊投入される。
「チームは3つ。Sランク武偵をリーダーとしAランク武偵が4人に、特殊部隊で編成される。尚、相手は我が国でもかなり名が知られた、麻薬王といっても過言ではない。武偵法により、いかなる場合でも殺人を禁じられている国もあるが、幹部以外は殺しても一向に構わない。幹部のほうは、できる限り生かしてほしいが、やむを得ない場合は、殺しても構わない。あくまで、奴らの殲滅が目的だ。」
『成程。特殊部隊じゃ殺す確率が高いから、武偵で、とっ捕まえる可能性を高くしたいわけか。』
 ルークはコロンビア政府の意図を、理解した。
 周囲の武偵。
 おそらくはSランクの2人も、理解しているようだった。

「作戦に関しては、各チームに任せる。各自、準備に入ってくれ。武器で入用があるなら、用意しよう。」
 それぞれのチームが、ミッションプランを立てて最終調整に入る準備をする。
「基本的には、電撃戦で行く。幸い、全員アサルトライフルを装備しているからな。雑魚に関しては、殺す方向で行く。時間がもったいないからな。あくまでボスだけがターゲットだ。他の連中はどうでもいい。邪魔をされると面倒だから、排除する。」
 他のメンバーも、頷く。
 Aランク武偵は、全員が日本以外の武偵なので、こういったことは融通が利く。
『後は、他のチームとの調整か。揉めそうだな…。』
 他のチームには日本に登録しているSランクの武偵がいる。
 日本の武偵法では、ごく少数の例外を除いて、犯人の殺害は禁止されている。
 ルークはこの点を危惧してした。

「合理的ではあるが、殺害を前提とした作戦には、そう簡単に同意できない。」
 案の定、奈良武偵局所属のSランク武偵が、異議を唱える。
「武偵法9条「テロ組織、もしくはそれに準ずる麻薬密売組織等に関しては、これを例外とする。」問題はないだろう?」
 武偵法9条にも、例外はある。
 凶悪犯の中でも、国家転覆をたくらむテロリスト等の、特に凶悪な犯罪者は例外事項となる。
 この場合、犯人を殺害したとしても、騒ぎ立てるのは、奇妙奇天烈な屁理屈で視聴率を上げようとする、頭の弱いワイドショーの司会者や、一部の人権派と称する弁護士くらいである。
「あんたの考えに、興味はない。ただ一つだけ言っておく、老若男女に関わらず人質にする、クソッタレどもを見てみろ。まともな人間だったら、そんな考えふっとぶぜ。その場合、最も確実に人質を助ける手はな。頭を吹っ飛ばして、地獄行きにすることなんだよ。ま、実際に、体験しないと解らんがね。俺のやり方に反対なら、強制はしない。そっちのやり方でやってくれ。ただ、その結果に責任は持つんだな。俺は、俺の失敗には責任持つが、お前たちの尻拭いまで、する気はないよ。さて、作戦開始まで俺は準備をさせてもらうぜ。」
 そう言うと、ルークは装備の点検を始める。
 VG31のマガジンケースに入った、6つのマガジン。
 愛用のツェルベロスと予備マガジン2つ、銃身を14.5インチにまで延長した、S&W M500とスピードローダー3つ。
 自作の特製フォールディングナイフに大ぶりの短剣と、長剣、指の動きを妨げないように金属の板を縫い付けられた、小手のようなグローブ。
 連絡用のインカム。
 服装は、Yシャツの上にベストを着て、スカーフとブローチで胸元を飾る。
そして、コートを着て、靴底とつま先に特殊合金を仕込んだブーツを履く。
 全てが、防弾・防刃使用である。
「よし、行くぞ。」
 ルークの班の作戦が開始された。

「くそっ!!武偵なんざ雇いやがって!」
 ルーク達のターゲットになる麻薬組織のボスは、苛立たしげに葉巻に火をつけ、ブランデーを煽る。
 既に、組織の構成員たちが屋敷の守りを固めているが、安心できずにいた。
 酒で眠気を誘おうとしても、逆に目が冴えてしまっていた。
 大規模な麻薬組織のボスである自分が、欧州諸国やアメリカといった国の武偵には「殺しのライセンス」を与えられる対象であることや、鼻薬を嗅がせていた軍の将校から情報が来ることもなく、ごく最近になって、自分の情報網から入手したころから、政府が本気で、大規模な麻薬組織を壊滅させる決断をした事を、実感したからである。
 さらに、すでに深夜で奇襲がまだかからずにいることが、不安や焦燥感に拍車をかけている。
 いつ奇襲がかかるか解らず、ボスから、屋敷を守る末端の構成員に、大きなストレスになっていた。

「あちらさん。相当参っているな。狙い通りだ。」
 夜間用の双眼鏡で、様子を見たルークは、にやりと笑った。
 基本的には奇襲をかけることが、作戦の根本だったが、相手にストレスを与え、万全の迎撃ができないように、しばらく、様子を見ていた。
「3時45分。そろそろ、いいな。よし、ボスをとっ捕まえにいくぞ。」
 疾きこと風の如く。
 静かなること、林の如く。
 その言葉通りに、屋敷の正門近くに迫り、門番役を仕留めて敷地内に入る。

「き、来たのか!?」
 ボスは怯えたような表情で、ソファから立ち上がる。」
「心配いりませんよ。私がいる。中に入ってきて、ここに迫っても、私が奴らを死体に変えてみせます。」
 黒いスーツにコートを羽織り、サングラスをかけた30代程度の男が、余裕の表情で、ボスの肩を叩く。
「安心してくださいよ。報酬分は働いて見せます。心配いりません。」
 そう言って、煙草に火をつける。

 敷地内では、激しい戦闘が繰り広げられている。
 特に、ルークが自作した、VG31は、6.76mmK3弾の強力なストッピングパワーもあって、構成員たちを容赦なく薙ぎ払っていく。
 他の武偵や、特殊部隊員の銃は、5.56mmNATO弾を使用している為に、ストッピングパワーの差は大きい。
 ルークが撃った相手と他の部隊たちが撃った相手では、死者の数の差が大きく違っていた。
 特殊部隊の隊員たちは勿論の事、ルークと他の武偵もこういったことの経験は豊富だったので、敷地内の制圧は、スムーズに進み、屋敷の中に進んだ。

「くそっ、舐めやがって!!」
 屋敷の中に入ると、イスラエル製ネゲフ軽機関銃の斉射が襲う。
 しかし、事前に予想していたので、全員素早く散った。
「黙らせるか。」
 斉射がやんだわずかな時間を活かして、ルークはネゲフの銃口に狙いをつけて撃つ。
 見事に弾丸が銃口に入り込み破壊され、次に撃っていた構成員の眉間を撃ち抜いた。

「ボス。やつら、2階もほとんど制圧してます。逃げる用意をして下さい。」
 2階での迎撃を担当していた構成員が、報告に来る。
それを聞くと、サングラスをかけた男が、ボスに向き合う。
「私が出ましょう。数分後には、奴らの死体を持ってきますよ。」
 自信たっぷりに、男が部屋を出る。

「よし、次行こうぜ。」
 武偵の一人が、ルークに言う。
「そうは、行かないようだな。」
 ルークは、3階へ続く階段のほうを見る。
 そこには、サングラスの男がいた。

「悪いが、ここからは進ませるわけにはいかんね。どうしても、進みたいなら…。」
「進みたいなら…?」
 ルークが、他の武偵や特殊部隊員に下がるよう、手振りで示す。
 ただ、腕が立つだけの相手とは、思えなかった。
「死体になってもらう。」
 そう言うと、男はコートのポケットから、煉瓦のような物を出す。
「Por el principio de la vida.Revivio con alas, como la gran serpiente.(命の始まりよ。翼を持つ、大いなる蛇として蘇れ。)」
 男が、呪文を詠唱するように言うと、煉瓦は変化し始め、翼を持った全長3m程の蛇になる。
「ケツアルコアトル。アステカの神官の末裔か?」
「多少、血が混じってるだけさ。ちなみに、俺はユダヤの魔術師の血も交じっていてな。こんな芸当ができる。こいつには普通の攻撃じゃ、傷一つつかんぜ。潔く、死体になりな。」
 アステカ文明における農業神ケツアルコアトルの姿をした、ゴーレムを見て、男の言っていることが、虚言でないことをルークは理解した。
 ゴーレムはその大元をたどると、ユダヤの神秘学、カバラに辿り着く。
 双方の血を引いているのなら、目の前の現象も納得できるからだ。
 アステカの神話によれば、最初に太陽を支配していたのはケツアルコアトルで、高位の神であることは事実であり、たとえ、ゴーレムとしても力は侮れない。
 通常の火器では歯が立たないというのも、あながち虚言ではない。
 ルークはそう判断した。
 しかし、怯えや恐怖はなかった。

「見事なもんだな。いや、驚いたぜ。しかしな。」
 襲いかかってきたゴーレムに、M500のハンマーを下して、弾丸を立て続けに打ち込むと、ただの土に戻る。
「ば、馬鹿な!何だ!?その銃は。」
「企業秘密だよ。」
 ツェルベロスの10mmオート弾を、男の太腿に命中させて、戦闘力を奪い、手錠をかける。

「よう。ボス。逮捕しに来たぜ。」
 獲物を見つけた肉食獣のようなルークの笑みを見て、ボスは観念した。

『とりあえず、全グループが逮捕に成功したか。それにしても…。』」
 奈良から来た武偵が束ねるグループは、死者こそ出てないものの、負傷者が3つのグループの中で最も多く出ていた。
 武偵法9条の精神が足かせになり、殺さないようにするあまり攻めが甘くなり、結果、負傷者が多くなったのである。
『ま、自業自得だな…。』

「なあ。一つ、聞いていいか?」
「何だ?」
 今回組んだ、Aランク武偵が何やら聞きに来た。
「あの弾丸。一体なんだ?ゴーレムを只の土に変えるなんて、只の弾丸じゃないだろう?」
 先ほどのような、魔術の類を使う犯罪者は、海外では珍しくもないが、それをいとも簡単に破る弾丸は非常に珍しい。
 そういった弾丸は、教会が加工した特殊な弾丸に属する。
 だが、それとは違うと、その武偵は考えていた。
「言ったろ。企業秘密だ。」
 そう言って、ルークはいたずらっぽく笑った。

 二日後、ルークは日本行きの飛行機の乗客になり、帰途に着いていた。
『いい稼ぎになったな。一年分の単位も溜まったし、今年はサボっても問題なしか。新しい装備でも、また考えるかね。』
 口座に振り込まれた報酬と、仕事の達成率が今年は登校しなくても、進級できることを確認して、これからどうするかを考えていた。

後書き

原作では、銃社会のアメリカですら、武偵は人を殺すことを禁じられています。
しかし、相手によってはそれが、武偵を殺すことも十分あり得るのではないかと思い、今回の話のプロットを考えました。
今回は、雇い主は軍で、武偵というよりは傭兵扱いですから、武偵法も何もありません。
その中で、日本出身の武偵はどうするかと考えましたが、やはり武偵法9条に縛られると考えました。
何しろ、日本は銃によって犯罪を解決することを、非常に嫌う社会ですからね。
少し調べていたら、やむを得ない場合で、犯人を狙撃で射殺したら、警察が訴えられた事例があるのを見て、何じゃ、こりゃ?と、思いましたね。
例えば、強盗等で、人質の命を最優先するなら、射殺やむなしという状況も、十分ありますからね。
いわゆる人権派と呼ばれる弁護士には、それが解らんようですね。
マスコミも、以前に起きた、愛知で人質と共に民家に立てこもった事件で、報道ヘリが狙撃手をカメラで写して放映するというとんでもない愚行をしたことがあります。
そういった事に対する、私の皮肉も込められた話かもしれません。


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