cogito,ergo sum

アクセスカウンタ

zoom RSS 機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第30話 ハマーン出撃

<<   作成日時 : 2012/11/23 22:31   >>

ナイス ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 0

『ラカンまで、敗死するとは…。』
 サイド4攻略部隊に続き、サイド7攻略部隊壊滅の報を聞き、ハマーンは衝撃を受けた。
 特に、数少ない信頼がおける人材の一人、ラカン戦死は、ハマーンの今後の作戦行動に大きく支障をきたすのは、明らかであった。
『部隊を編成しても、率いるのが獅子でなくては、話にならん。』
 竣工した艦と、製造が終了したMSに訓練が終了したパイロットで、練度が低いことを敢えて承知の上で部隊を編成する必要がある程、追いつめられていただけに、ハマーンにとっては痛手だった。
 しかも、またもアナハイムが、ネオジオン部隊壊滅の報を全てのコロニーに流したことで、ネオジオンの各部隊は、明らかに士気が落ち、連邦に押されている。
 コロニー攻略部隊は、残り3つ。
 マシュマーとキャラの部隊は、奮戦し、どうにか互角と言えるが、もう一つの部隊は、どうにか秩序を保っているという状態で、あった。
 だが、その部隊も、壊滅した部隊の後を追う可能性が高い。
 ハマーンは、そう見ていた。
『やはり、私が行かねばならんか…。』
 サイド3を留守にすることは、ハマーンにとっては最後の決断だったが、もはや、自ら出撃し、どこかのコロニーを奪還し、全軍の士気を上げるしかなかった。
「ランス・ギーレンとニー・ギーレンを、サイド3に呼び戻せ。2人に守備艦隊の指揮を、任せる。」
 イリアと共に、強化処理をしたマシュマーの監視と補佐の任を任されていたが、マシュマーが強化人間として安定していることから、監視と補佐は、イリアに任せ、ランスとニーにサイド3の守備を任せることを、ハマーンは決定した。

「サイド6にハマーンから…。」
 ラヴィアンローズで、アーガマの改修及び整備とリア・ファルの整備を行っている時、サイド3の諜報員からもたらされた情報に、ブライトは考え込んだ。
「巧妙に、見つからないコースを進んでいるようだが、よほど見つかりたくないのだろうな。何故かな?」
「常識的に考えれば、よほど外部に知られたくない命令を伝えるか、知られたくないものを運ぶか…。成程…。ブライト艦長。確か、サイド6の攻略部隊の隊長は、以前にサイド4で戦った、ニュータイプでしたよね?」
 クワトロの呟きをヒントに思考を進めたカミーユは、ある結論を出した。
「そうだが。成程な…。そういう事か。」
 ブライトはカミーユが言いたいことを、理解した。
「新型のNT専用MS。事態を打開するために、運ばせた。ということね。」
 フォウも、続いて理解した。
「現在、戦闘が継続中のサイドは、1、2、そして6。どのコロニーも、駐留部隊に押されている。サイド6にはNT専用MSが投入されているにも、関わらずだ。」
 NT専用MSの戦闘能力は、今、話している面子は、全員知っている。
 さらに、主力MSは、ジムV。
 MSの質においては、ほぼ互角と見ていいだろう。
 それでも、押されているという現状は、ネオジオン側の士気と練度の低さが、目を覆うばかりという事である。

「何とか、戦況打開を図ろうってか?涙ぐましいねえ〜。」
 皆を集めてのブリーフィングで、ヤザンが憐れむように言う。
「ですが、そのNT専用MSの性能によっては、一気に戦況が覆る可能性も、あり得ます。」
 エレオノーラが、現状を危惧する。
「少尉のいう事には、一理ある。確かに、可能性はあり得る。だが、MSが到着するまでに、戦況がさらに悪くなっていると、それだけで戦況を覆すのは、難しいな。NT専用MSも、万能じゃない。」
 一年戦争で、シャリア・ブルを始めとする、ニュータイプとの戦いを経験してきたアムロは、自分の経験とMS及びMAの進化を考慮しながら、言う。
 NT専用MSは、戦局を決定的にする決め手になる。
 だが、それには、戦況を有利にしておく必要がある。
 不利な時に投入した場合、戦況の長期化の中で整備性の悪さから、連続した出撃が不可能なので、短期決戦で勝利することが、難しくなる可能性が高くなるからである。
 現在のサイド6は、必要な条件を満たしているとは、到底言えない。
 さらに、サイド4で感じたマシュマーのニュータイプとしての能力は、さほど高くないと、アムロ達は感じていた。
 その点から、一気に戦況を有利にできるかについて、懐疑的だった。
「いずれにせよ。サイド6へ、暗号通信を送るとしよう。それと、戦況を知らせてもらうよう依頼する。アーガマは、しばらくは動けない。場合によっては、リア・ファルに、援軍として行ってもらうかもしれん。アムロ、艦長にそう伝えておいてくれ。」
「解った。」
「次に、サイド1、2に関してだが…。」

「分派行動か。あまり望ましくないな。」
「カミーユの考えてることは解るけど、状況によっては仕方ないわ。」
「それは、解る。ただ、これだけの人材が揃ってるんだ。集中して叩きつけた方が、いいと思うんだ。」
 アーガマの改修をできる限り急がせて、終了した上で、3隻の戦力を一気に叩きつけて、壊滅させる。
 カミーユの考えは、戦理にかなっている。
 だが、それが困難なことを理解しているだけに、少々、苛立っていた。
 もどかしそうに溜息をついたカミーユの唇を、フォウのそれが優しく塞ぐ。
「大丈夫、待てば海路の日和ありっていうでしょう。今は、待つ時なのよ。きっと。それまでは、英気を養うのも、私達パイロットの仕事だわ。」
「そうだね…。」
 そのまま、2人は、カミーユの部屋に入った。

 プロヴィデンスの執務室で、マシュマーは、サイド3から派遣されてきた伝令士官からのハマーンの命令書に、目を通していた。
「ランスとニーのサイド3への転属は、了解した。ハマーン様には、お気になさらずと、私が言っていたことを、伝えてもらいたい。」
「そう言っていただければ、ハマーン様もお喜びになりましょう。例の新型は、ハンマ・ハンマのサイコミュデータをベースに、現在調整中。もう、間もなく、終わりましょう。ハンマ・ハンマのシステム換装は、調整も含めて、2日程度と見ております。」
「良いMSを頂くことができて、このマシュマー、望外の喜びと、ハマーン様に伝えてもらいたい。アーガマの動きも気になるが、それより先に、一気にこのサイドを制圧してみせる。イリア、シミュレーターでの訓練を早速開始してくれ。ハンマ・ハンマは、独特の癖があるMSだ。2日の間にできるかぎり、シミュレーションをやりこんでおくのだ。」
「はっ!」
「イリア、マシュマー様の補佐、くれぐれも頼む。」
「任せておけ。お前たちは、お前たちの任務に専念しろ。」
「解った。」
 ランスとニートの会話を済ませると、訓練をすべく、イリアはMSハンガーに向かう。
「それでは、私はこれで。それから、これを…。」
 伝令士官は、執務室を出る。
 伝令士官が、マシュマーに渡した手紙には、一人の時に読むようにと書いてあった。
 機密に属することが書いてあると見て、マシュマーは知人からの手紙をしまうように、軍服にしまい、ランスとニーの顔を見る。

「そんな顔をするな。今生の別れというわけでもない。サイド3は、我らの根拠地。守りを固めるのは、当然のことだ。」
 申し訳なさそうにするランスとニーを見て、マシュマーは二人の肩を叩く。
「しかし、いくらなんでも急すぎます。」
「私も同感です。嫌な予感がします。」
 マシュマーは二人の不安を小さく笑って、払おうとする。
「お前たちが、サイド3を固く守ってくれれば、ハマーン様は、自らご出陣することもできよう。そうすれば、今の不利な戦況も打開できる。あまり悪い方向に物事を考えるのは、感心しないな。今は、自分の任務を果たすことだけを、考えろ。今まで私を補佐してくれた事、礼を言う。サイド3を頼むぞ。」
 マシュマーは、2人の今までの労を労い、サイド3の守りの事を頼む。
「「はっ!」」

 ハンマ・ハンマのシステム換装の終了後、ランスとニーはサイド3に向かった。
「イリア。シミュレーターでの成績は、見させてもらった。見事だな。私の機体の調整にも、ついてこられるだろう。慣れ次第、作戦を立てるぞ。」
「はっ!!」
『後は、あの密書の内容か…。的中せねばよいが…。』
 機体の慣熟訓練の為に、MSハンガーに向かいながら、マシュマーは小さな器具を抱いていた。

「ランス・ギーレン、ニー・ギーレン。サイド3防衛任務の為に、本日到着いたしました。」
 サイド3に到着した、ランスとニーはハマーンの執務室を訪れ、着任の挨拶をしていた。
「急に転属させて、済まなかったな。どうしても、サイド3の防衛を任せられる、人材が必要になって、お前たちに来てもらった。マシュマーには、済まんがな。現在の戦況は、既に知っておるな?ラカンが戦死した。アーガマとカラバの戦艦のMS隊と、サイド7の駐留部隊との挟撃にあってな。お陰で、全軍の士気が下がって、もはや危機的状況と言わざるを得ない。こうなれば、私自ら出陣し、全軍の士気を高めるしかない。お前たちには、その留守を頼みたい。」
「「はっ!」」
 ハマーン出陣後のサイド3防衛という重要任務を任され、2人とも、身が引き締まる思いだった。
「現在、準備は、予定通りに進んでいる。出発は2日後だ。執務室と副官は既にこちらで用意している。直ちに現在の状況を把握して、いつ攻められても対応できるようにしてくれ。」
「「はっ!」」
 兵に案内され自らの執務室に向かう二人を見た後、ハマーンは大きなため息をつく。
『他の危険にも備えているが、これ以上、厄介ごとは起きて欲しくないものだ…。』
 出陣の準備の経過報告に目を通しながら、ハマーンは心の底から、そう思っていた。

「そうか。いよいよ、今日か。」
 ハマーンは出陣前に、ミネバと謁見していた。
「はっ。しばらくサイド3を離れますが、信頼のおける者が、留守居役を務めます。私も、吉報と共に早期に帰還する所存でございます。どうか、ご安心を。」
「私の事は気にするな。そなたが選んだ者ならば、問題は無かろう。己が務めを、果たすがよい。だが、逸るな。お前の存在は何物にも代えがたい。無理と思ったら、直ちに帰還しろ。責めはせぬゆえな。よいな。どのような結果になろうとも、必ず無事に戻れ。それだけは、忘れるでないぞ。」
「もったいなき、お言葉…。このハマーン・カーン。必ず勝利し、生きて、凱旋いたします。」
「うむ。待っているぞ。」
 深く頭を垂れるハマーンに、ミネバは笑いかける。
「では。」
 謁見の間を出たハマーンは、旗艦サダラーンに向かう。

「ハマーン様。全艦、準備完了しております。」
「全艦、発進!目的地、サイド4。」
「はっ。全艦、発進!」
 ハマーンの発進命令を、副官のアマーリエが復唱し、ハマーン率いる、ネオジオン艦隊が発進する。
 その様を、サイド4駐留部隊から派遣されたスパイが確認し、ダミー隕石に隠していた長距離航行用シャトルに乗り込み、暗号通信を送って、隕石帯に入って、サイド4を目指す。

「ハマーンが来るか…。ひょっとしたらとは思っていたがな。」
 カニンガムが解読した暗号通信を読んで、真剣な表情になる。
「ウラキ中佐。MS隊をいつでも出撃可能な状態にしておいてくれ。それから、索敵を密にせよ。」
「はっ!」
 コウは、すぐにカニンガムの執務室を出て、MSの整備ハンガーに向かう。

「モーラ、MS隊の方はどうだい?」
 コウは、定期整備をしている、モーラ達に状態を尋ねる。
「いつでも、出られるよ。準備万端さ。来るんだね…。手ごわいのが。」
「ハマーンが来るそうだ。潜入させておいた、スパイからの連絡だ。」
 キース、ベイト、モンシア、アデルといった、サイド4駐留部隊のMS隊の主だったパイロットが、真剣な表情になる。
「モーラ、例の2機は?」
「大丈夫だよ。ジェンシャンへの搭載も問題ない。」
「そうか。」
 ウラキは、モーラの答えにほっとする。
「まっ、隊長殿には、最高のMSに乗っておいてほしいし、副隊長殿もそれなりのMSに乗ってないと様になんねえしな。」
 モンシアが、ウラキとキースの肩を叩く。
「何、大丈夫さ。俺達ならな。」
 ウラキ達の視線の先には、2機のMSがあった。

後書き
ラカンが敗死し、とうとう、ハマーンは自ら出陣するしかなくなりました。
しかし、その結果として、マシュマーの重要な補佐役だった、ランスとニーをサイド3に呼び寄せることとなります。
つまるところ、本拠地を固めた結果、他の戦域での陣容を薄くしてしまったのです。
それほどまでに、追いつめられたからには、ハマーンも必勝を期して出陣するのは明白。
ですが、コウ達もスパイを潜り込ませて、既に備えを始めています。
勝たねばならない戦い。
しかし、楽に行くでしょうか?


1/144 ハンマハンマ
バンダイ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 1/144 ハンマハンマ の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール (機動戦士ガンダムUC)
バンダイ
2012-12-31

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by HGUC 1/144 YAMS-132 ローゼン・ズール (機動戦士ガンダムUC) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル












ブログ村のランキングに参加しております。
来てくださった方は、よろしければクリックをお願いいたします。
励みになりますので。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ

相互リンクはいつでも大歓迎です。
リンクをしてくださる方は、コメント欄にお書き下さい。
リンクの設定をした後に、お知らせします。

目次へ戻る。



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 5
ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ブログランキング・にほんブログ村へ
機動戦士Zガンダム〜ネオ・ジオン戦役〜 第30話 ハマーン出撃 cogito,ergo sum/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる