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zoom RSS 緋弾のアリア−Another DA− Bullet05 影からの招待状

<<   作成日時 : 2012/11/20 23:27   >>

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「ふうっ…。」
 朝のトレーニングを終えたルークは、シャワーで汗を流して、制服に着替えると朝食の支度をして、テレビをつける。
 武偵が襲われ、重傷を負ったというニュースが流れていた。
「これで、7人目か。しかも、全員Aランク。夜に捜査している所を襲われ、姿も見えない。」
 トーストを口に運びながら、ルークは確認するように今までの経過を言い始める。
 しかも、奇妙なことに狂気は使用されていない。
 銃弾の一発も落ちておらず、犯人の足跡らしきものもない。
 まるで、幽霊にでも襲われたようである。
 武偵の装備は、高い防弾防刃能力を備える。
 これで重傷を負わせるとなると、近接戦闘しかないが、形跡はない。
『他の武偵は、下手に首突っ込むと、犠牲者が増える一方か…。』
 姿が見えない以上、拳銃だろうが、マシンガンだろうが、歯が立たないし、狙撃で仕留めることもできない。
 どれほど能力が高くても、武偵には手に余る事件、第三者の視点から見ると、そう見える事件だった。

「おはよう。ルーク。今日のニュース見た?」
「武偵が襲われた、事件だろ。幽霊にでもあったのかなと、ジョークの一つも飛ばしたいが、そんなこと言ってる場合じゃ、なくなってきてるな。対策を立てないと、犠牲が増える一方だ。」
「そうなのよね…。」
 アビーが悔しそうに、親指の爪を噛む。
「ただ、犯人の心理は、ある程度読める。」
「どういうの?」
 思いもよらぬルークの言葉に、アビーはルークを真っ直ぐ見る。
「優位性を見せたいんだよ。武偵や警察、もっといえば、司法機関やそれに携わる人間にね。「勝てるものなら、勝ってみろ。逮捕できるなら、逮捕してみろ。」。」
「何らかの、怨恨が原因かしら。」
「明確に、ナインと言えるね。一種の幼児性だよ。小さい子が、道端の蟻を踏みつぶしたりするってよくあるだろ?あれだな。ただ…。」
「ただ…、何?」
 ルークの表情が、真剣になったのを見て、アビーが気になって訊ねる。
「普通の武偵では、手に負えない。犠牲者が増えるだけだ。アビーも首を突っ込むなよ。洒落じゃすまない。」
 そうアビーに言うと、1時間目の授業が始まる。

『普通の武偵じゃ、手に負えない…?』
 アビーとルークでは、選んだカリキュラムの方向性が大分違うが、生徒全員が必ず選ぶ、射撃過程では、一緒に授業を受けられるので、ルークの隣のレーンでM29を撃ちながら、ルークが言った意味を考える。
 隣では、10mmオートの重い発射音を響かせながら、ルークがHK45Tで的確に的の中央付近に、命中させている。
 アビーは武偵ランクAで、射撃の腕は優秀だが、Sランクのルークには劣る。
 中央付近には命中しても、中央には命中させられない。
 だが、ルークは中央に命中して、中央から極めて近いポイントに、悉く命中させる。
『射撃の腕もルークがずっと上だし、足手まといかな…。』
 シリンダーから薬莢を排出しながら、アビーは溜息をつく。

「なあ。ルーク。こいつを撃ってみてくれないか?」
 他のクラスの生徒が、自分の銃を撃つよう頼む。
 IMI デザートイーグル。
 ハンドガンでは、最強と言ってよい破壊力を誇る拳銃である。
「弾丸は50AEか?」
「ああ。」
「了解。」
 新しく出た的に、デザートイーグルから地面から伝わるような重い発射音と共に。50AEが発射され、的の中央を射抜く。
 それだけでなく、残りの弾も全て中央に命中させる。
「さすがに、50AEは強烈だな。弾数を多くできれば、最高なんだが。サンキュな。」
 礼を言って、デザートイーグルを返す。
「お前のって、10mmオートに改造してるんだよな?いっその事、もっと威力のある弾を撃てるようにしたらどうだ?44マグナムとか。」
 10mmオートもマグナム弾クラスの威力だが、50AEでも十分に御することができるなら、弾丸も強力な物にした方がいいと、その生徒は考えた。
「今、7.62mmNATOをベースにした、新しい弾丸を開発中だよ。拳銃と一緒にな。弾は、弾道、威力の検証で終わって、銃の設計もほぼ終わってる。ぼちぼち試作に入る予定だよ。」
「お。そうきたか。完成したら、撃たせてくれないか?」
「いいぜ。」
 アサルトライフルの射撃訓練の時間なので、VG31A1を取り出す。
『今回ばかりは、こいつも役立たずかな…。』
「射撃、始め!」
 教官の号令で、レンジ内にアサルトライフルから、弾丸が連続して発射される音が響く。

「容態はどうですか?」
 昨晩、襲撃された武偵が入院している武偵病院をルークは、訪れていた。
「まるで、弾丸のスコールを浴びたような感じですね。各部は内出血だらけでしたよ。そして、衝撃で肋骨はほぼすべてが骨折。内臓も一部破裂していました。幸い、命に別状はなく、手術も無事成功、意識もありますし、話は聞けますよ。」
「それは良かった。あ、すいません。後でカルテを見せていただけませんか?こう見えても医師資格は持っています。」
 タブレットに、自分の経歴を表示させる。
 各地の武偵局のサーバーに記憶されている武偵に関しての記録は、外部改ざんがされないように、極めて厳重なセキュリティが施されているので、武偵の虚偽経歴は、ほとんどない。
「解りました。では、後ほど。」

「では、夜間戦闘対策をしていても、犯人の姿は見えなかったと?」
「ああ。影も形も見えなかった。俺のは赤外線探知方式だから、生物が発する温度を見逃すはずはない。赤外線遮断スーツを着ていた可能性はあるが、それでも、直接俺を仕留めようとするなら、近接戦闘を挑む必要がある。だが、それもなかった。」
 ブルートゥースでキーボードを接続して、ルークは、当時の状況をファイルに纏める。
「それで、攻撃をされて負傷をした。そうだな?」
「ああ、それがな…。」
 その時の武偵の話は、通常ではありえないことだった。

「肋骨は確かに全滅ですね。肝臓も、一部裂けている。他の内臓は大丈夫。こういった言い方は不謹慎ですが、この程度で済んで幸いですね。このレントゲンを見ると。」
 運ばれた時の上半身は、大量の小さな内出血が無数にあり、弾丸のスコールを浴びたようだという表現は、間違いではない。
 それと照らし合わせると、多臓器損傷も十分あり得るほどだった。
「しばらくは、注視する必要はありますがね。ショックを受けて時間が経ってから、破裂するケースもあることですし。」
「ですね。」
 資料として、タブレットに記録して、他の武偵病院も回った。

『どれも、程度の差こそあれ、症例は同じか…。』
 襲われた7人の武偵が、武偵病院に担ぎ込まれた際の検査データを、比較したが、程度の差こそあれ、弾丸のスコールを浴びたような所見であることは共通していた。
『多分、俺の予測どおりか…。これ以上、犠牲者を増やさない内に逮捕する必要がある。出るとするか。』
 武偵への依頼一覧から、今回の事件の依頼を選んで受ける手続きを済ませる。
「じゃあ、行くか…。」
 防弾制服を着て、アサルトライフルと拳銃に予備のマガジンを持って、寮を出る。
 武偵たちの話を聞いている内に、襲われた現場には共通点があったので、どこにいけばいいのかは簡単に解った。
 だが、どういうわけか、長い黒髪のウィッグをつけていた。

「間抜けな武偵が、また来たぞ。アイン。」
「了解。フィーア、ドライ。挟み撃ちにする。準備しろ。」
「「了解。」」
 インカムをつけた4人の少年少女達が、襲撃の用意をする。
 彼らは、地に足をつけていない。
 地面から、僅かに浮いていた。

『ぼちぼちかな…。』
 ルークは、何かをする為に、精神を集中させる。

「今だ!」
 ルークの周囲のありとあらゆる方向から、無数の何かが飛んでくる。
 4人はそれに抗う事も出来ずに、倒れる武偵の姿を想像し、笑みを浮かべた。
 しかし、それは次の瞬間、驚愕の表情に変わった。
 何かに遮られて、全て、地面に落ちる。
『やっぱりな…。』
「こそこそ隠れてないで、出て来いよ。鼠共。石ころじゃ、俺のディフェンスは、突破できないぜ。お前らは、超能力の使い手。そして…。」
 ウィッグを取る。
「俺は、超偵。中々、ねえだろ?こういう対決はさ…。」
 超偵。
 何らかの、超能力を使う武偵である。
 全体から見れば、一握りで、ランクはA以上。
 能力の強さごとに、グレードが付けられている。
 無論、ADISでも、超偵の育成課程はあり、ルークはトップクラスの成績である。

「ほら。こいよ。白けるだろ?」
 先ほどの石が、近距離から襲い掛かるが、やはり何かに遮られる。
「無駄だよ。お前たちじゃ、束になっても、俺には勝てない。来ないんじゃ、引きずり出させてもらうぜ。」
 伏せていた場所から、全員が見えない何かに引っ張られて、ルークの前に落ちる。
「やり方が、ワンパターン過ぎたな。全員の検査結果と外傷の写真を見て、俺は、直ぐにどこに行けばいいか解ったよ。石が大量にある川原。川底にも、石があるから、弾にはこまらない。だが、二度程度にしておくべきだったのさ。何度もやれば、少し調べれば、簡単に解る。もう少し、バリエーションをつけるべきだったな。さてと…。」
 ルークは、さらに神経を集中させる。
「お仕置きの時間だぜ…。」
 目に見えない何かの塊が、4人に直撃して、骨が折れる音が響き渡る。
 その苦痛に、4人は脂汗を流しながら、恐怖に満ちた表情でルークを見る。
「俺たちの周囲の大気は、いろんな成分で構成されている。そして、ごく僅かながらも重さを持っている。それを集めて、速度と進む方向を与えてやれば、こんなこともできる。お前たちが、石でやったようにな。集合させただけなら、防御壁にもなるな。ま、結構難しいが、俺位になると、そうでもない。」
 笑みを浮かべながら、ルークは今までの自分の周りで起きていた現象を説明する。
「ツェル…ベロス…。」
 恐怖に青ざめた表情で、アインと呼ばれた少年が、呟く。
「ほう?俺のこと知ってたか…。ケンカ売る相手、間違えたんだよ。お前たちは。」
 ヨーロッパ中の犯罪者に、恐怖の代名詞と知られる、ルークの二つ名をきいた、他の3人は震えはじめる。
「同じ超能力を使う者としても、俺とお前たちじゃ、場数が違う。おもちゃで遊ぶガキみたいなお前たちと、武偵として、数えきれないほど危ない橋を渡ってきた俺とじゃな。さて、暴行容疑で逮捕させてもらうぜ。」
 4人に手錠をはめて、ルークは所轄の警察署に、アインらを引き渡す。

『しかし、超能力を使う奴らがつるんで武偵を襲うってのも、妙な話だな…。何が目的だったんだ…?』
 ただ単に武偵を襲う目的であれば、あちこちでやった方が、満足感も増したはずだと、ルークは考え、今回の事件の裏を、考えていた。
『バックがいる可能性があると仮定すると、話は分かりやすい。日本の武偵の力を図る為。どこかの犯罪組織が進出するつもりか?下手をすれば、公安0課や武装検事が出張ってくる。そうなったら、洒落じゃ済まんだろうに…。』
 武偵法9条により、日本の武偵は犯人を殺すことを禁じられているが、公安0課や武装検事は、その縛りがない。
 殺しのライセンスを与えられた司法の番人で、実力も凄まじい。
 この2つを相手にするなど、馬鹿馬鹿しいとしか言いようがなく、どうにも結論が出なかった。

『もし、この2つでも互角以上に相手にできると、自信を持っている奴らが、いるとしたら…。』
 ルークは世界中の犯罪組織から、リストアップする。
『ローゼンクロイツ、分裂した、黄金の夜明け団の残党を始めとする、魔術結社。屈強の殺し屋を山と抱える、大陸マフィア。他に、何かないか…。』
 考え続けたルークの脳裏に、ある組織の名が浮かんだ。
『奴らは、十分以上にありうるか…。』

「奴らは、失敗したらしいな。姑息なやり方では、奴には勝てんという事らしい。取り巻きも、学生にしては優秀らしいな。お前が、ロシアンマフィアにくれてやった出来損ないの件も、僅か、1日で解決したしな。」
 鍛え抜かれたしなやかな筋肉をもった、長い黒髪の青年が、奥にいる者に話しかける。
「元より、あんな出来損ないで、大した事ができるなんて思っておらんよ。力量を図ったまで。やれ不景気だなんだかんだ言っても、あの国の裏は、支配しておきたいでな。無論、政治屋どもへの土産持ちでな。そうすれば、奴らを御することもできるという物。」
 作業をしながら、喉の奥で笑う。
「のんびりはできんぞ。狙っている連中は多い。」
「まあ、急くでない。事を仕損じて、刑務所に入りたくはなかろう?他の連中が、送り込んだのは、返り討ちにあったというからの。」

後書き
原作で超偵として出ているのは、白雪、理子、ジャンヌといったところでしょうか。
ブラドやヒルダは、人間じゃないですしね。
依頼によっては、武偵同士が戦うケースがあるのなら、超偵同士が戦うケースもあり得るだろうと思い、これからの話の前哨戦として書いてみました。
元々、主人公を相当に強い武偵にすることは決まっていましたので、今回も一方的な展開でしたが、今回の敵は、いわば威力偵察。
これからは、解りません。
バックも不明ですしね。
さて、蚊帳の外にされたアビー達はどう動くでしょうか?
仮にもAランクの武偵ですから、黙っているとは考えづらいですね。


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