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zoom RSS ヨルムンガンド二次創作 第02話 ハードネゴシエイト

<<   作成日時 : 2012/11/07 22:33   >>

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「で、何で、僕が、ココさんの部屋で、護衛をするんですか?」
 根拠地にしているホテルに戻ったオッドアイは、ココに常に自分の傍らでココを守るように言われた。
「君が、強くて、信頼できるからだよ。当然の事。」
 ココの答えを聞いて、オッドアイは大きな溜息をつく。
「バルメさんがいるでしょう。僕の見立てが間違っていなければ、レームさんと並んで、ここの部隊の2トップ。バルメさんだけで大丈夫ですよ。保険として、ドアの前に2人くらい立たせて、他にローテーションを組んで巡回すれば、問題ないはずです。そもそも、僕は男で、ココさんもバルメさんも女性です。問題ありすぎでしょう!?」
 オッドアイ達の様子を、レーム達はにやにやしながら見ている。
 普段は、こういう面白いイベントは滅多に見る事は出来ないのが、理由だ。

「ふ〜ん。オッドアイは、私やバルメを襲う気かな?チェキータ以上の実力だから、さすがのバルメでも勝てないし、その後、私の体を自由に弄ぶ。君も、やはり若い健全な男の子か。」
 納得したように、ココは何度も頷く。
「そんな事はさせません。何があっても、ココだけは守ります。いざとなったら、相討ち覚悟で。」
 殺気が宿った目で、オッドアイを睨みながら、バルメはファイティングナイフを抜く。
「しませんよ。僕は、モラルの観点から言っているんです。」
「駄目、決定事項。それに、子供に裸見られたって、どうってことないしね。10年もたてば、話は別になるけど。」
『要するに、男と見られていないわけか…。って、そういう問題じゃない。』
 ココの言った事の意味を理解したオッドアイは、頭を抱える。
 そして、他の面々は必死に笑いをこらえる。
「さっ、お風呂、お風呂。今日のご褒美に背中流して、髪とかしてあげる。羨ましくなるくらいの、サラサラのロングのストレートだね〜。」
「ちょっと、あの、誰か、止めて下さい。倫理的な問題が!」
 バスルームの扉が閉じられた後、レーム達は、床を転げながら大笑いした。
「あれが、ついさっき、ボスフォート6を叩きのめした、凄腕かよ?」
「マジ、信じらんねえし!」
「つーか、色々、面白すぎるぜ!」
 オッドアイが聞いたら、不貞腐れそうな事を、レーム達は笑いながら言った。
 2人がバスルームから出てくるまで、皆は笑い転げた。

「まあ、そうむくれるなって。ココは変わってるけど、美人だろう?役得だと思えばいいじゃねえか。呑むか?スコッチの一品だぜ。」
 レームが慰めるように、肩を叩く。
「頂きます。」
 グラスに注がれたスコッチを飲んで、オッドアイは溜息をつく。
「一つ聞いていいですか?どうして、あなたほどの人が、武器商人の護衛をしているんです。傭兵稼業をしても、相当のギャラが入るでしょう?」
「俺か?面白いからだよ。他の連中にしても、それぞれ理由はあるだろうし、お前さんにもあるんだろう?」
「ありますよ。」
 そう言いながら、グラスの中のスコッチを飲み干す。
 空になったグラスに、レームがスコッチを注ぐ。
「おっ。それ気になるね。どういう理由。」
 トージョーが、訊ねる。
「興味を持ったからですよ。どこと言われると困りますが、それが理由です。」
「ふ〜ん。興味か。成る程ねえ。ま、確かにココさんはそういうところがある。」
 トージョーがそういった時、オッドアイの携帯にメールが来た。
「戻ります…。」
「お役目、ご苦労さん。」
 眼鏡を掛けた黒人、ワイリがニヤニヤしながら見送る。
「人事だと思って…。」

『まったく、もう…。』
 ダブルベッドで、ココの隣にいながら、オッドアイは小さく溜息をついた。
 バルメは少し離れたソファの上で、H&K MP5Kサブマシンガンを手にして、いつでも起きれるようにして休んでいる。
 オッドアイは、キャスパーから選別として渡された、EO−TECH社製553A65 ホロサイトを装備した、FN P90とベレッタ Px4のバージョンの一つで、一番小型だが強力な.40S&Wを10発装填可能な、サブコンパクトを持って、半分眠り、半分周囲の気配を探っていた。
『さすがに、覗きや夜這いに来る命知らずは来ないか。』

「緊急事態だ!」
 朝食を済ませると、ココは部隊全員の前にしてそう言う。
「今朝、国境に大型輸送車3台が入った。情報が正しければ、中身はMi−24 ハインドD15機と予備パーツだ。これは今回の我々の商談の成功を知った他の武器商人が「俺も儲けよう」と、動いたことを意味する。それ自体は、この世界で日常茶飯事だが…。」
 言葉を続けようとしたココの表情が、大きな失敗をしたような表情になる。
「この情報は、本社から送られた。まずい…。絶対にまずい…。ヘマをしたら給料が減る…。ヤバイよ〜!!」
 ココは頭を抱えて、テーブルの上をゴロゴロと転げまわる。
「そんなに、まずい事ですか。」
「ここはお嬢の担当地域だからな。ま、そこでこういう事があると、それなりにまずいんだよ。そういう仕組みになってる。一応、覚えておいてくれ。」
 オッドアイの疑問に、アールが答える。

「状況を開始する。目的は商品の納入阻止、邪魔者は全て排除する。バルメ。トージョーと共に国防軍と交渉。レーム、ウゴ、ルツ、マオは、私の直援に。ワイリ、アールはここで情報を整理。オッドアイは、私と共に来てくれ。相手の武器商人には弟と説明する。済まないが、本名を使わせてもらう。」
「本名使うと、なんかまずいのか?」
 ルツが首を傾げる。
「別にまずくないですよ。僕にとって、本名は何の意味もない物ですから、ご自由に。パスポートだって、名前と国籍は、嘘ですから。お気になさらず。」
 それを聞いたレームは、少し不愉快そうになる。
「どういうことだ?名前は家族がつけてくれたんだろ?なら、大事にしろ。」
「家族の記憶が無いんです。気が付いたら、死の一歩手前の、ありとあらゆる戦闘訓練を受けさせられて、商品として売られたので…。」
 オッドアイの過去を聞いて、部屋に沈黙が下りる。

「行きましょう。ココさん。少し待ってて下さい。邪魔者の排除なら、目立たない武器が必要になりますから、取ってきます。」
 そう言って、一旦部屋をでる。
「レーム。オッドアイの過去は、結構複雑だ。不用意に首を突っ込もうとするな。」
「済まねえ…。気をつける。」
 ココに釘を刺されて、レームは気まずそうに言う。
 しばらくして、オッドアイが戻ってきた。
「じゃあ、お色直しといこうか。向こうは、一応ビジネスマンだしね。」
 ココが、オッドアイを連れて、隣の部屋に行く。

「うん。多めに用意しておいたかいがあったね。合うのが、ちゃんとあった。」
 今、オッドアイが着ているのは、淡いブルーのシャツに、ワインレッドのネクタイに、やや濃いめの紺のスーツだった
「後は、これを目立たないように。」
 オッドアイは、サブコンパクトを装備する。
「似合う、似合う。君の役割は、本業に入る前の、研修をしている弟。故に、名刺はない。いいね。」
「解りました。割と似合うなあ。あんまりこういうの着ませんから、考えたことなかったんだよなあ。」
 オッドアイはスーツ姿が思ったより似合う事に、少し驚く。

「それと、レームの事だけど。」
「別に、怒ってませんよ。気にもしてません。まあ、僕みたいな人間も、世の中にはいる。それだけです。だから、ココさんもレームさんを責めないでくださいね。」
 オッドアイの言葉を聞いて、ココはオッドアイを抱きしめる。
「優しいね。君は…。」
「それは違うな。優しい人間は、銃を手にする稼業には、つきません。それに、僕は記憶と一緒に心のどこかが欠けている人間ですから。それだけですよ。じゃあ、行きましょう。ハインドが納入される前にね。」
 全員準備を済ませて、それぞれの目的地に向う為に駐車場に行く。

「オッドアイ。さっきは、わりい。無神経すぎた。」
 ばつの悪そうな顔をして、レームが謝罪する。
「気にしないでください。僕自身、気にしてませんから。じゃ。」
 オッドアイは、ココの車に乗る。

「ホント、気にしてねえな。」
 ルツが何だか、不思議な物を見たような顔をする。
「ああいうのはいいとは思えねえが、今は仕事に集中するとしようや。あいつとは改めて話す機会を作るさ。」
「それで、いいんじゃないのか。」
 部隊の1人で、唯一の妻帯者で、アジアのある国の砲兵部隊出身のマオが、レームの肩を叩く。

「C.K.クロシキン。欧州で活動する、フリーのウェポンディーラー。元諜報部出身で、情報収集を得意とする。成程、それで、こちらの取引の成功を嗅ぎつけたと。そう言うわけですね。とすると、クロシキンは何で自分のオフィスに来たのかも、理解している。おそらくスナイパーを配置してますね。とすると、レームさん達が、どれだけ迅速に始末してくれるかが、分水嶺ですね。」
 ココに渡されたノートパソコンで、クロシキンの経歴を見ながら、クロシキンの手の内や、こちらが打つべき手を考える。
「情報は他にも色々入って来るけど、ちょっと苦手かな。ま、この業界、碌なのいないけど。」
 並走したバンに乗っているウゴに、ココはサインを送る。
 すると、バンはスピードを上げる。

「おー、すげ。」
「どうした?ウゴ。」
ストックをSIG556のテレスコピックストックに変更し、ハンドガードにレール装備した、シグザウアー SG551のマガジンをセットして、狙撃銃のチェックをしていたルツが訊ねる。
「「狩れ」だってさ。」
 その言葉に、他の3人は、物騒な言葉を浮かべる。
「久々の狩りか…。」
「狩りか…。」
「過激に行こうぜ。」

「初めまして、ミスタークロシキン。HCLI社のココ・ヘクマティアルと申します。」
 礼儀正しく挨拶しながら、名刺を渡す。
「ああ、知ってますよ。かなりのやり手だって評判ですからね。すいませんねえ。昨日、越してきたばかりで、名刺もどこにあるか解らなくて。どうぞかけて下さい。幸い、コーヒーは出せる。ところで、そっちは。」
 クロシキンが、オッドアイを見る。
「申し訳ありません。自己紹介が遅れましたね。弟のソフィア・ヘクマティアルと申します。今は研修中です。新米ですが、よろしくお見知りおきの程を。」
「いやいや、新人にしちゃ、しっかりしてますよ。立派な弟さんじゃないですか。ささ、掛けて下さい。今、コーヒー入れますんで。」
 ココとオッドアイがソファに掛けると、クロシキンは、3人分のコーヒーを入れ始める。

 一方、バルメとトージョーは、国防軍で交渉していた。
「ハインドの納入取りやめね。出来なくはありませんよ。簡単ではありませんが。ただ、つい最近の主力戦闘機のアップグレードパッケージの件で、ちょっと考えさせられましてね。」
 対価を求めていると判断したトージョーは、携帯を取り出す。
「ヘクマティアルに、連絡をさせて下さい。」

「ま、私としちゃ、あなたみたいなやり手とは、いい関係でありたいですね。互いに利益が得られるような。あなたがアップグレードパッケージで儲けたら、こっちはヘリで儲けるみたいに、利益は山分けが望ましい。」
 その時、ココの携帯の呼び出し音が鳴った。
「失礼します。」
 ココが電話に出る。
『トージョーです。対価を求めてきているようですね。さしあたってはAAMのカードを切ろうかと思いますがいいでしょうか?』
「任せる。うまくやってくれ。」
 そう言って、携帯を切る。
「おやおや。また売る気ですか。こっちにも利益分けて下さいよ。」
「生憎と、自分が育てた牧場を好き勝手に荒らす奴に分けてやる物は、一つもない。誰にそそのかされたのかは知らないが、今の内に他国に鞍替えした方がいいぞ。」
 途端に、クロシキンが拳を振り上げるが、冷たい殺気を感じて動けなくなる。
『何だ?この感じ。兵隊は連れてきてねえ筈だ。まさか…。』
 コーヒーを飲む、オッドアイを見る。
『まさかな。こいつは只のガキだ。』
 クロシキンはそう言い聞かせる。

「あんまり調子に乗らない方がいいですよ。向こうのビルには、スナイパーを待機させている。綺麗な顔が吹っ飛びますよ。さて、先程の携帯の件をキャンセルして貰いましょうか。」
 クロシキンがそう言うと、ココはクスクス笑う。
「掛けてみたらどうだ?スナイパーに。」

「なあ。どっちにしろ始末するんだから、やっちまおうぜ。」
 部屋の中のスナイパー、傭兵を全て片づけて、ルツはクロシキンに狙いを定めていた。
「やめとけ。指示来てねえだろ。勝手な事はNGだぜ。で、お前、誰?」
 部屋にあった電話に出たが、クロシキンの事を知らないレームは誰かを訊ねる。
 それを聞いたクロシキンの額に、汗がにじむ。

「ココさん。全て片づけました。これで全員のようですね。」
「よし、早急に撤退。」
 その様を見ていたクロシキンは、自分が孤立無援である事を知った。
「そろそろチェックメイトだ。今のお前の価値は、紙切れ一枚と同じだ。」

 国防軍では、クロシキンとの契約書の契約者の欄が訂正されて、トージョーに渡される。
「ココさん。契約はキャンセルされました。書類はこちらの手元にあります。」
「ご苦労。これで、お前は紙切れ一枚にも劣る価値の男だ。」
 指でクロシキンを狙う形を作ると、オッドアイがサブコンパクトを取り出しクロシキンの頭に狙いを定める。
「バン!」
 その瞬間.40S&Wが、額を貫通し脳漿と血が噴き出す。
「終った。終った。さ、帰ろう。さっきはありがとう。殴られるのを防いでくれて。」
 ココは上機嫌で、オッドアイに腕をからめる。
「相手が思ったほど、戦場を知らなかっただけですよ。あの程度の殺気で怯むようでは、諜報員のメンタル面の強さもたかが知れていますね。全員がそうだとは、限らないかもしれませんが、僕の経験では、大抵屈強なボディーガードがいれば、自分は大丈夫だと思っている能天気な連中だ。」
「デスクの上で情報分析していた、名前ばかりの諜報員だね。あいつ。でも、中にはそこらの傭兵顔負けの奴もいるかもしれないから、注意してね。って、オッドアイなら解ってるか。仮面をかぶっていたけど、相手の事を観察して自分はどうするべきか、常に考えてたしね。」
 ココの言葉を聞いて、オッドアイは驚いたように瞬きする。
「恐れ入りました。ですが、それが僕の仕事です。あなたを守るのがね。」
「時間、大分余ったね。これから、デートね。」
 上機嫌で、ココは歩きだす。

「全員分、終りましたよ。」
 フライパンを洗って、テーブルに夕食を並べる。
 メニューは、それぞれの希望を聞いてオムレツ、付け合わせに、ほうれんそうとコーンとベーコンをバターで炒めた物、ローストビーフとレタスを挟んだサンドウィッチ。そして、デザートにフルーツをたっぷり入れたゼリーが作られていた。
「うほっ。うまそうじゃねえか。」
「おまけに、デザート付。生きてて良かった。」
「何しろ、ここの連中、まともに料理できないからな。こんなまともな飯、久しぶりだぜ。」
『オムレツくらい焼けるでしょう。まあ、美味しそうに食べてくれると、嬉しいけど。』
 久方ぶりに御馳走にありついたような、皆の表情を見て、オッドアイは優しく微笑む。
 その時、ココが携帯のカメラで、写真を撮る。

「できるじゃない。そういう顔。良かったよ。柔らかい、優しい笑顔。そういう顔の方が、君にはずっと似合う。できるかぎりそうして。ね…。」
 ココが弟を抱きしめるように、オッドアイを優しく抱きしめる。
 こうして、オッドアイはウェポンディーラー、ココ・ヘクマティアルの部隊の一員としての日々を過ごす事となる。

後書き
クロシキンの話は、原作でもヨナが皆に部隊のメンバーとして迎えられるための、イベントのような気がして、この話はオリジナリティが出せなくても、書こうと思いまして、書きました。
基本的には、オッドアイの過去がちょこっと出しつつも、ベースはオリジナルを使うという方針で決まりました。
結果、ヨナの時とは展開が所々違うだけでなく、それなりにオッドアイというキャラも部隊に馴染ませることができたと、思っています。


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